ダライ・ラマ、日本に立ち寄る 五輪への支持表明
【4月10日 AFP】(一部更新、写真追加)チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世が10日、亡命先のインドから訪米する途中、乗り継ぎのために成田空港に立ち寄った。中国政府によるチベット暴動弾圧に対し国際的な非難が高まる中で初の外国訪問。
ダライ・ラマは記者会見で、中国の五輪開催にあらためて支持を表明した。
「中国の五輪開催を支持する。中国は世界で最も人口が多く、最も歴史の古い国だ。中国は真に開催国に値する」とし、「チベットの不幸な出来事はあるが、私の立場は変わっていない」と繰り返した。
また英ロンドンでは、通過した聖火リレーに対する抗議行動がエスカレートしたが、その後聖火が向かったサンフランシスコ(San Francisco)のチベット・コミュニティに対して、「いかなる暴力的な行動も起こさないでほしいとメッセージを送った」と語った。
ダライ・ラマは成田空港近くのホテルで安倍晋三(Shinzo Abe)前首相の昭恵(Akie Abe)夫人と面会した。夕方には米シアトル(Seattle)に向かい、米国滞在中は講演活動などを行う。(c)AFP
2時頃から会見があるらしいということだったので昼ごろからテレビをつけて待っていたのですが、なかなかどこで放送するのか、その気配がない。
チャンネルをまわしながら探していると、TBSニュースバードで3時から会見を生中継すると言っているのを発見。
結局のところ、地上波のNHK、民放ともにどこも生中継しなかったようなのですね。
まずなにゆえ日本のテレビはこれを特番で枠をつくり、放送しようとしないのか。
芸能人の結婚や離婚、失言や不祥事などの会見はこぞって放送し、中にはレギュラー番組を中断してまで特番を組むというのに、これほどまでに世界中の耳目を集めるチベットの中心人物を、どこも重要視しないというのはどういうことなのでしょう。
非常に疑問が残ってしまいました。
ダライ・ラマ14世は、気さくで誠実で、ちょっとおちゃめ、とても人柄の良い、強く人を惹きつけるものを持った人物と見えました。
熱くたぎる思いを充分抑える自制心を持ち、かつ激動の時代をくぐりぬけてきた男ならではの際立った政治感覚も兼ね備えているように見えました。
中国に対して最大限の誠意を見せ、オリンピックを全面的に認め、再度チベットの高度な自治のみを主張し、独立を厳に否定しました。
唯一中国に対し挑戦的だなと感じられたのは、死者と逮捕者の数字くらいでしょうか。
ダライ・ラマを破壊活動の首謀者と非難する中国に対しても、真摯な態度で悲しみを見せ、誤解を解こうとしていました。
また、記者の「もし北京オリンピックの開会式に招待されたら?」という冒険的な質問に対しても、「さまざまな状況が変わったら是非観にいってみたい素晴らしい大会です」(注:私の勝手な意訳です)という非常に慎重な答えを返し、抑制の効いた優れたバランス感覚も垣間見せてくれました。
全体を通し、ダライ・ラマ14世の態度は実に立派。
私は心情的に、かなり惹きつけられてしまいました。
あのような会見を今回の訪米で世界に対しおこなうことで、ダライ・ラマ14世は世界を心情的に味方につけるかもしれないと、そう思わせてくれるものでした。
彼がこの先どのような波紋を呼んでゆくのか、とても気になるところです。
話をオリンピックに変えます。
オリンピックは、世界中の民族が参加するスポーツの祭典であるという精神を尊ぶのが原則であり、政治問題は持ちこむべきものではないというのが大原則のはずです。
しかし悲しいかな、モスクワオリンピックの事例を持ち出すまでもなく、すでにオリンピックは昔から政治の道具という面が大きいのです。
原則を振りかざして済むほど単純な問題でもないのではないでしょうか。
北京オリンピック開催が間近に迫った今、高度に政治的な判断が必要となるのは仕方のないことだと思うのです。
しかし、開会式ボイコットという手段には少々疑問です。
ヨーロッパ各国の首脳がオリンピック開会式のボイコットを発表していますね。
私の知る日本の有識者の多くが同様に日本の開会式ボイコットを主張しています。
ですが、はたして開会式をボイコットしたところで中国は何か影響を受けるのだろうかと、疑問に思ってしまうのです。
議会制民主主義が存在し、言論の自由がある国ならまだしも、共産党一党に全てが委ねられ、報道は統制され、反体制的なサイトが閉鎖され、そのようなものを書き込んだ人が逮捕されるような国で、はたして開会式ボイコットが国を動かすのでしょうか?
都合の悪いことは国民にシャットアウトされ、逆に捻じ曲げられた情報が国威発揚に使われるだけなのではないでしょうか?
中国政府にとっては痛くも痒くもない。
中国の一般の人々は捻じ曲げられた情報しか与えられず、顔に泥を塗られたと無駄に感情を煽り立てられるだけなのではないかと。
どうにも疑問に思えて仕方ないのです。
私の言っていることは偏っているでしょうか?
今回のボイコットの働きかけが、良いほうに中国やチベットの状況を動かしてくれたら、とても嬉しいこととは思うのですが。
はたしてどうなのでしょう。
またこちらも大きな騒動となっている聖火リレーですが、「聖火リレーの存在意義」が疑問視されています。
問題の元となるのであれば、世界各国は回らず、自国内だけにしてはどうかという話です。
が、これにも私はちょっと違った意見があります。
そもそも聖火リレーを世界各国を回るようにしたのはアテネ・オリンピックからだそうですが、そうであれば、それは続けようが辞めようが開催国の自由だとは思うのですが、禁止しますと言うならそれはまたしょうがないでしょう。
色々問題はあるでしょうから。
しかし、IOC(国際オリンピック委員会)が今それを問題にしているというのがちょっと疑問なのです。
そもそも、オリンピック開催国として中国を選んだ時点で、今回のこのような騒動は予測できなかったのでしょうか?
2001年7月13日に、モスクワで開かれた第112回IOC総会での投票により、圧倒的な評決で北京での開催が決定されたわけですが、そのときにもチベットの問題はありました。もちろん北京市内の環境問題やその他の人権問題はれっきとして存在したわけです。
たしかにまったく後ろ暗いところのない国もないでしょうから、そんなことを言い出したらオリンピックを開催できる国などなくなってしまうのでしょうけれども、それにしてもある程度の基準はそこにあってしかるべきなのではないでしょうか。
たとえば、過激な話ですが、どんなに経済力が充分であり、周辺環境が整ったとしても、イスラエルでオリンピック開催は、まず候補に上らないはずです。
問題が多発するのは火を見るよりも明らかだからです。
同様に、IOCは北京をオリンピック開催地として選択したら、具体的な予測はつかなくとも問題が多発するであろうことはわからなかったのでしょうか?
『スポーツの祭典に政治を持ち込むことはあってはならない』
その言葉を金科玉条のようにかかげたところで、世界中の人々が聞いてくれるわけではない。
IOCの開催地選定には、深い政治的な配慮があってしかるべきなのではないでしょうか。
ソースはWikiですが、
『サマランチ会長率いるIOCは商業的観点から、世界一の人口を持つと共に経済成長著しい中国でオリンピック開催を実現させることに特に意欲的であったと言われている。』
というのはいかがなものなのでしょう。
問題が噴出した今、その選定した責任には見向きもせず、「聖火リレーの是非」のみを問うている姿勢も問題ありなのではないでしょうか?
以後の選定基準はより慎重に考えなければならないのではないでしょうか?
さて、4月26日には聖火は長野にまわってきます。
ことは長野だけの話ではありませんが、とても心配なことです。
暴力的な行為だけはあってはならないことです。
何より聖火ランナーにケガを負わせるような悲しい事態だけは避けて欲しいものです。
選手に何の罪があるというのでしょう。
何事もなければよいなと願う限りです。
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私も記者会見を見て、「なんて気の良いじーちゃんなんだ!」って思いました。
求心力のものすごいこと。
まぁ、宗教家としてはソレは必須なスキルなんですけれどね。
でも、ダライラマって次代を選ぶ際には、非科学的な要素で選ぶんですよね。
よくも、まぁアレだけの人材を選べたなぁと。
それとも、2歳でダライラマの生まれ変わりとして……4歳で継いでからの、その先の教育の賜物なんでしょうかねぇ。
そうそう、マッスグに育てるのは難しいでしょうに。
もし、教育の賜物だとしたら、どんな高度な教育機関も脱帽だよねぇ(^_^;)
そんな邪推な妄想に取りつかれてしまいましたよ。ごめんなさいw
思わず引き込まれて、応援したくなりましたよ。
小さいときから厳しい帝王教育ならぬダライ・ラマ教育がなされたんでしょうね。
いったいどんな教育がなされるものなのか、興味がわいてきちゃいます。