大ヒットシリーズ、パイレーツ・オブ・カリビアン完結編。
賛否両論の前作の引きから直接話が始まる今回。
アクションシーンは少々少なめな印象ですが、ラストの盛り上がりは圧巻。
必見はクライマックスのキスシーン。これは映画史に残る最高のキスシーンです。
前作「デッドマンズ・チェスト」のラスト、海の怪物クラーケンに飲み込まれて行方不明となったジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)を救出するため、“世界の果て”へ向うエリザベス(キーラ・ナイトレイ)とウィル(オーランド・ブルーム)たちブラック・パール号一行。
一方、ベケット卿(トム・ホランダー)はデイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓を手に入れ、彼と彼のフライング・ダッチマン号を操ることで、あまたの海賊たちを一網打尽にしていった。
海賊達の時代は終わりを迎えてしまうのか。そしてジャック・スパロウの行方は。
派手で大掛かりなアクションシーンと、軽妙なブラックユーモア、不滅の死者の呪いや海洋生物と半ば一体化した人間などの優れた映像表現、そしてキーラ・ナイトレイをめぐるジョニー・デップとオーランド・ブルームという魅力的な役者による三角関係などなど、とにかく見所満載のこのシリーズ。
とにかく詰め込むことが多すぎて、まとめるのに大変な苦労があったことでしょう。
今回はそういったもろもろの楽しみを詰め込みつつ、物語も大団円を迎えるために、多少アクション面が割を食っちゃったカナというのが正直のところ。
前半部分のそういったアクションシーンが、今までよりもちょこっとだけ淡白になった印象があります。
しかし今回非常に面白いのが、“世界の果て(ワールド・エンド)”の表現。
そこへいかにして到達するのかの、オドロキの展開や、入っちゃったらさぁどうやって脱出するんだという、これまた面白い展開。
そしてまた、――これくらいはネタバレオッケーでしょう――ジャック・スパロウはちゃんと「生きて出てきます」が、“そこ”での暮らしぶりといいますか、1人芝居が最高に面白い。
あれならきっとジャックも飽きないで暮らせちゃうでしょうね……というか、飽きて退屈でしょうがなかくってああなっちゃったんでしょうね(笑)。
どんな深刻なときもマイペースなジャックが素敵だ。
また、ここで出てくる石のカニが最高にかわいい。
ラスト、大渦の大決戦はさすがの圧巻。
海軍大艦隊と、海賊連合軍の最終決戦が、フライング・ダッチマン号とブラック・パール号の二隻による決闘によって雌雄がつけられるというクライマックス。
“心臓”をめぐるジャックとジョーンズの決闘も素晴らしいが、ここで心を打つのが突然やってくるキスシーン。
これには誰もが胸を熱くするはず。
演出もとびっきり素敵。
砲弾が飛び交い、甲板や人がふっとび、まわりに血しぶきが舞う大乱闘の中、スローモーションでカメラが二人のまわりを回りながらじっくり見せてくれるこのシーンは、まさに映画史に残る最高のキスシーンと言ってもいいでしょう。
誰と誰がですって!?
そりゃ観てのお楽しみですよ。
しかしラストの展開には驚いた。
まさかああいう着地をするとは。
ロマン溢れる海賊の物語は、ああいう終わり方をするんですね。
ワールド・エンドというタイトルは海賊達の時代の終焉もほのめかしていて、「終わりのないのが終わり」なんだゼってことかな。
俺たちは永遠だぜイェ〜!っていう無邪気なところがやっぱり海賊達らしくていいのです。
ちょっと物悲しくはありますが、やんちゃでかっこいい海賊たちよ永遠に!っていうフィナーレですね。
実に素敵な終わり方でした。
あいかわらずスタッフロールの最後にはオマケのシーンがありますので、ワンシーンたりとも見逃したくないッって方は最後までお見逃しなく。
まぁこれはこのシリーズ毎度のことで、なくてもわかる、蛇足になっちゃいそうなシーンなんですが。
一応ディズニーですし、小さな子供にもわかるように説明しないとってことなんでしょうね。
パイレーツ・オブ・カリビアン・シリーズ、最後までバテることなしに力一杯駆け抜けたって印象でした。
なかなか堂々の三部作完結です。
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