2008年02月15日

アニメ感想 リーンの翼 1〜3話

 独特な世界設定を持ったファンタジー&ロボットアニメ。
 アニメ『聖戦士ダンバイン』と同じ世界設定を使い、富野由悠季によって書かれた小説『リーンの翼』という作品がありましたが、本編のアニメはそのパラレルワールド的な続編という位置づけ。
 ダンバインに心躍らせ、小説リーンの翼にドキドキした我等の世代には特にたまらない吸引力があります。
 話としては独立しているので、新規参入ももちろんOK。



 現代日本、岩国基地に突如として姿を現した4隻の空中戦艦。
 おりしも友人が巻き起こしたテロ事件の騒動に巻き込まれていた少年エイサップ・鈴木は、その友人ともども混乱の中で戦艦に乗り込んでしまう。
 エイサップが出会ったのはホウジョウの国の姫と呼ばれるリュクス。
 リュクスの履く不思議な靴「リーンの翼の沓」に呼ばれ、エイサップたちは彼らの来た世界「バイストン・ウェル」へと召喚されてしまうのであった。


 ダンバインから連綿と続くバイストン・ウェルの物語で、ファンにはおなじみの異世界転送のはじまり方です。
 ただ今回はそのなかでも展開が非常にカオス。
 情報の密度が濃くて展開も速く、主人公と一緒にあれよあれよと巻き込まれていく勢いが楽しめます。
 この躍動感はいままでなかったものかもしれません。


 今回、このアニメ『リーンの翼』で初めてバイストン・ウェル世界に触れられる方に一応説明しておきます。
 バイストン・ウェルとは、われわれのいる地球と非常に密接につながりあったもうひとつの世界。
 そこには大地と海と空、ありとあらゆるものがあって、そこで人や獣、魚たちが生きています。
 人の暮らしはおおよそ中世ヨーロッパに似た文化で、平和に暮らしていたり、ときに戦争が起こったりと、そういった意味では我々と変わりありません。
 強獣、妖精と呼ばれるちょっと変わった存在もいますが、全体的にちょっとだけ違うだけで、生態系はほとんど地球といっしょ。
 バイストン・ウェルは「魂の修練場」とも言われていて、人が死ぬとそこへいってもう一つの人生を送り、そしてまた我々の世界に転生してくるという仕組みです。
 また、バイストン・ウェルには「リーンの翼の聖戦士」伝説があります。
 何十年かに一度、バイストン・ウェルが乱れると地上(我々の世界ですね)から地上人が召喚され、聖戦士となって、「リーンの翼」と呼ばれる輝く翼に乗って空を駆け巡り、世界を平和にしてまた消えてゆくというものです。

 この一連の物語が、アニメですと「聖戦士ダンバイン」「ガーゼィの翼」など、小説ですと「リーンの翼」「オーラバトラー戦記」など、たくさんの作品で紹介されてきたストーリーです。
 原作の富野由悠季と言うと「ガンダム」が有名ですが、この人がもうひとつのライフワークとして表現してきているのがこの一連の「バイストン・ウェル物語」なんですね。


 昔の小説「リーンの翼」の続編ということですが、実はかなりのパラレル的展開を見せております。
 あれを読んでいた側にしてみれば、しょっぱなから驚きの連続です。
 アマルガン・ルドルの国起こしを手伝った後、あの聖戦士・迫水真次郎は旅立ち、自らの国を立ち上げ、部族を糾合し、オーラマシーン(ロボットや戦艦などの兵器)を開発して地上侵攻に乗り出したのです!
 それを知ったアマルガンは、迫水の国ホウジョウに反旗を翻し、その戦闘中に地上に現れてしまったのが今回。
 こう聞いただけで小説版のファンには「オオオオイ!!」って鼻血が出そうなシロモノなのですが、この破壊力に私はメロメロです。
 迫水ファンにはたまらんのです。

 また第3話には回想シーンで、若かりし頃の迫水とアマルガンらの戦いがちょこっとだけ出てきます。
 角川文庫版でついていたカラー口絵にドキドキした私なんかにはこれはサービスですね。
 

 しかし今回の迫水真次郎あらためサコミズ王がまた異常なカッコよさ!
 アマルガンが冒頭出てきて、つるっぱげ(一応2房の残弾あり)のヒゲオヤジになってるから、こりゃ迫水もかなりのお歳じゃろうなぁって思っていたら、まだまだ青年でも通る男ぶり!
 しかも歌舞伎の隈取みたいな化粧までしちゃって、着ているのは旧帝国海軍士官っぽい軍服。頭は信長っぽいマゲ姿。
 この格好であの独特の「ヤエーッ!」が聞きたい!
 さらに驚きは、あの武道一筋の迫水が、バイストン・ウェルを満たすオーラ力(生物の生体エネルギーのようなもの)を利用して動かすオーラマシーン(ロボットや戦艦の総称)を作り出してしまったとは!
 どんな文武両道なんだよと!
 いやぁ迫水ファンにはたまりません。
 そしてまた迫水の専用オーラバトラー(ロボット)がまた素晴らしい。
 特攻機桜花のパイロットだった迫水ということで、名前がオウカオー。
 左右非対称のデザインや黒い蝶の羽もかっこいいけど、コクピット付近が桜花のキャノピーを模しているんですね。
 このオウカオーが日本刀二刀流ってのがまたイカしてまして、さらにはこの日本刀、バチあたりにも炎をまとうのが標準装備(爆)。
 迫水かっこよすぎ!
 また王としても傲慢不遜ぶりが身についているようで、エイサップに「今日本は昭和何年だね」と聞いておいてエイサップが答える前に次の話に移してしまったり。
 あの迫水が変わってしまったことはちょっと悲しくもあり、またそれこそ人の悲しさ、業なのだなぁと、あいかわらずの富野節にシビレる思いもするのです。
 いやぁそれでも迫水かっこええって!(シツコイ!)


 映像的にはオーラバトラー中心にメカ描写がCGを使っており、これがけっこう自然によく動くこと。
 最近観た「トランスフォーマー」を思わせるかっこよさですね。
 デザインもなかなか。
 ロボット物のなかでも独特な、有機的なフォルムの特徴をよく受け継いでいます。
 昆虫を思わせるガニマタアクションもインパクトあり。
 それからオーラボムでしたっけ、炎の艦砲射撃がホーミングするのが凄い!
 第1話ではこのあたりも注目です。


 また、迫水が作り出したホウジョウの文化も面白い。
 神奈川出身の迫水ということで国の名前をホウジョウにしたらしく、家紋はミツウロコ
 配下の兵士達の装束は戦国時代を意識したものばかりで、足軽みたいに陣笠をかぶっている一兵卒やら、弁慶みたいな修験者の装束をした仕官がいたりとか、そのくせ艦内には「消火器」って漢字で書かれた消火器があったりとか、かなり混沌とした迫水文化を作り出しちゃっています。
 もともと中世ヨーロッパレベルの文化しかもっていなかったバイストン・ウェルに、迫水は好き勝手に自前の科学、文化を注ぎ込んで変えてしまったんですね。
 で、そんな世界にデーンと建ててしまったお城が、巨大なクロガネの城。
 これがなんとなく戦艦の艦橋を思わせるフォルムなんですな。
 まさに迫水の傲慢さがうかがえる光景です。


 迫水と先妻(おそらくリンレイ・メラディと思われる)の間に生まれた娘・リュクスがまたかわいいこと。
 当然の流れ的にエイサップとリュクスはロマンス展開になるのですが、そんなエイサップに迫水がかけた言葉が凄い。

「スズキ君。俺の娘婿になれ!」

 これは強烈な誘惑でしょう!w
 たとえ迫水が地上世界侵攻をたくらむ大悪党だとわかっていても、この申し出は強烈です。
 しかもエイサップというのが今の子らしく現代日本にそれほど愛着があるとは思えない。
 これは女取っちゃうでしょう!
 女を取るのか日本を取るのか。
 日本の未来はいま、あらたな聖戦士エイサップ君の手にゆだねられてしまいました。
 おおー、これは面白いじゃないですか!
posted by BOSS at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ・アニメ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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