あのトランスフォーマーをとんでもない資金とCG技術で実写映画化。
もうなんというか、変形するロボットがカッコイイ!!
大興奮の一本です。
高校生のサム(シャイア・ラブーフ)は女の子にモテようと中古車を購入。しかしその車はどこかおかしい。女の子と一緒に乗っていると、突然そのときのムードにあわせたように勝手にラジオが鳴り出したりするのだ。ある夜、勝手に走り出した車を追ってゆくと、サムは車が巨大なロボットに変形するのを目撃してしまう。突然、パトカーに追い回されるサム。そのパトカーも巨大なロボットに変形し、サムがインターネット・オークションに出品した「あるもの」を要求してくる。窮地に陥ったサムを救ったのは、サムの車から変形したロボットだった。
同じ頃、カタールの米軍基地が、ロボットによる襲撃を受けて壊滅。大統領専用機は小型ロボットの侵入を受け、コンピューターをハッキングされてしまう。緊急事態を察知した国防総省と秘密機関セクター7が動き出す。
そして地球に4つの隕石が落下。隕石はそれぞれ手近にあった乗り物に姿を変え、サムを守ったロボットのもとに集う。
今、地球を舞台に、少年サムを巻き込んで、ふたつのロボット軍団の戦争が始まろうとしていた。
とにかく変形するロボット達がめちゃめちゃカッコイイ!
その一言に尽きる映画です。
途方もない細かさのデザインで、全身でいったいいくつのパーツがあるのやら。
プラモで作ったら何ヶ月かかるんだかっていう精密さと美しさ。
無数のパーツが魔法のようにうごめいて、瞬く間に車からロボットへ、ロボットから車へと変貌するシーンは心震えるものがあります。
それでいて全体のイメージがカッチリとしていてそれぞれが個性的。
ぐわ〜〜っと組み付き合ってゴロゴロッともみくちゃに転がってもちゃんと区別がつくっていうのはすごいです。
巨大なロボット同士が街中でド派手にアクションし、飛び回り、スローモーションで人間たちの頭上をブッ飛んでゆく大迫力。
あのでっかい体で、ジャッキー・チェンばりにアクションをこなす身体能力の凄さと、それをリアルに再現して見せた映像技術の凄さにもうメロメロですわ。
オプティマス・プライム(いわゆるコンボイね)のカッコよさはもちろん。
高速道路でローラースケートのように滑走しながら襲ってくる敵との大格闘は、スピード感と巨大な質量と超絶なパワーがビリビリ伝わってくる最高の場面。
メガトロンもかっこいい。
オプティマス・プライムとぶつかりながら、高層ビルを貫通してゆくショットの大破壊。
まさに破壊大帝です。
個人的には「マトリックス」ばりの超絶戦闘センスの持ち主アイアンハイドが最高。
ミサイルをギリギリのジャンプでかわし、再び打ち込まれるミサイルを両腕のキャノンの反動で再ジャンプしてかわすあのシーン。
あれは惚れます。
映像のセンスも抜群。
アイアンハイドの足元の一般人女性の視点で、巨大なものが頭上ギリギリをブッ飛んでゆく曲芸。
スペクタクル感満点。劇場で見たら大迫力のすばらしいショーだったことでしょう。
製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグですが、監督はマイケル・ベイ。
カー・チェイスを大の得意とする監督さんで、パール・ハーバーも撮っちゃったりもするんですが、今回は「ザ・ロック」や「アルマゲドン」を撮ったときのよいところが発揮された模様。
大金をつぎ込んで、子供の心を忘れない男性が大興奮しちゃうような映画撮らせると、この人いい仕事しますね。
終盤、「ザ・ロック」と同じようにサムが発煙筒を持ってビルの屋上を走るシーンにはニヤリ。セルフ・オマージュでしょうか。
この3つの監督作品で共通していて面白いところは、最終的に軍人や専門家ではなく、一般人や部外者が事件を解決するってところです。
「ザ・ロック」ではテロリストの居城潜入のために元囚人が活躍し、「アルマゲドン」でスペースシャトルに乗るのは油田採掘作業員。
今回も同じで、最後の最後で少年のサムがキーとなるという構造はあまり無理がなく、とてもわくわくできます。
しかし笑ってしまうほどに米軍や国防総省が優秀!
米軍の強力さを堪能できるのも、この映画のひとつの見所です。
カタールでの戦闘機による爆撃、105ミリ砲の集中砲火のシーンは米軍の圧倒的強さを見せ付けてくれます。
これはアメリカ人たまらんでしょう。
国防総省や秘密組織セクター7もびっくりの有能さで、なんだその動きの的確さとすばやさはと、イジワルな私なんてちょっとツッコミたくなります。
こういうドリームな強いアメリカをなんのためらいもなく描く映画も久々に観ました。
嫌いではないですよこういうの。なんたってカッコイイもん。
それに比べると、カタールの電話交換局の男のなんというていたらくか!(爆)
とにかく子供のようにはしゃぎながら大興奮して観る映画。
小難しいことは頭からスッポリはずしてカバンのなかにしまっておいて、とにかく目をキラキラさせて観たもの勝ち!
メガトロンが「人間は滅びるべき種族だ!」と主張し、オプティマル・プライムがそれに、「人間にも自分で運命を描く権利がある!」と反論します。
この作品の根底に流れるのは人間の賛歌。
人間ってまだまだダメなところもいろいろあるけど、でも素晴らしいところがあるじゃないかっていう希望の映画です。
ド派手なアクションいっぱいで、爆発も破壊もてんこ盛りですが、人が死ぬシーンはほとんどありません。
巨大ロボットがビルにたたきつけられ、ドターン!と路面に落下しても、下敷きになる人間はひとりもいない!(あるいは映らない)
最低限死んでる人が映っても、血しぶきが飛び散らない超ソフト仕様。
お子様にも安心してご覧いただける作品です。
まぁ鑑賞後は間違いなく「ロボットのおもちゃ買って〜」って言われるとは思いますが(爆)。
この作品のヒットで、ハリウッドでも「巨大ロボットものはウケる」という下地ができたようです。
「ゴライオン」や「マクロス」など、日本アニメの実写化がいろいろ動いているらしいですし、「ガンダム」が実写映画化するのも、夢ではないかもしれませんね。