2年ほど前、20巻くらいまで人に借りて読んでそれっきりだったのですが、こないだ23巻が出たということであらためて全巻大人買い。
少女漫画って、男性が読むとちょっと違和感があったり価値観の違いに戸惑ったりして読みづらいことが多いと思います。
しかしこれは男性にもオススメ。ありがちな違和感ほとんどなしでスンナリ入り込めます。
やっぱりお題が新選組ですしね。
ネタバレ注意!
表紙は満天の星を見上げるセイと沖田さん。
「表紙の秘密のテーマ」ってなんなんですかね?
最初は「刀を握る」だと思ってたんですけど、今回セイは握ってないっぽいですよね。
とすると、「同じものを見る」でしょうかね。
本編。
ついにこの時が来た。
沖田さんがセイへの想いを自覚し、ようやっとハラをくくりました。
松本先生の策略にはまり、セイが死んだと思い込まされた沖田さん。
生きていたセイを見ての、
「・・・ああ まるでお日様だ」
「神谷さんがいるといないで 世界の明るさがこんなに違う」
「抗ったってしょうがないんだ」
このモノローグには感動ですね。
武士道オンリーだったあの沖田さんですから、大成長ですってば。
しかしそこからがこの巻の面白さ。
今までは沖田さんの言動に一喜一憂し、ふりまわされるセイの悪戦苦闘っぷりが楽しかった「風光る」ですが、この巻ではうってかわって沖田さんが主役。
セイのちょっとした言葉や、そぶりに心乱され、ブンブン振り回される沖田さんが面白すぎ。凄く新鮮です。
そのあまりのていたらくっぷりに斎藤さんにも、
「腐ったな、沖田総司」
なんて言われちゃってますがまったくそのとうりw
まったくもってらしくない。
これまで心を鬼にして武士道にまい進し、すべてを近藤さんたちに捧げてきた沖田さんとしては、自分と見つめあうかわりに武士道にぶつかっていったような面もあるんでしょうね。
自分の心の寂しさを見ないフリして、無理して理想と夢に駆け続けてきたのでしょう。
だからこそ、セイという大切なものに気づいた瞬間のこのだらしない(失礼w)沖田さんなんでしょうね。
いやいや、実にほほえましいです。
やっと沖田さんが人間らしくなれたって感じじゃないのかなぁ。
まぁしかし、沖田さんのことですから、だらしないままってコトはないでしょうね。
すぐに立ち直っておのれの本分に立ち返るかと思います。
しかしまぁ沖田さん視点になってからのセイがなんと立派に見えることか!
う〜ん、ホント立派です。大物になったものだ。
そしてまた、なんか偉く美人になったものだなぁ。
沖田さん目線で描かれてるからでしょうかね。
さてさて政治路線も新選組内部路線も徐々に暗雲垂れ込めて、そろそろ大乱でしょうか?
セイと沖田さん相思相愛になりつつも互いにそのことを知らずというこの状況も面白い。
しばらく沖田さん編が続くのかもですが、その次に悲しく運命に引き裂かれる、なんて展開もありそうですね。
うむうむ、先がとっても楽しみです。
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TB先をいろいろ探していてみつけましたこちら、「〜漫画読みの読書感想ブログ〜記憶の引き出し」様。めちゃめちゃ明るく楽しい文章がすばらしい。風光るへの愛をひしひし感じますよ。