好評のソウ・シリーズ第3弾。
観客をあっと言わせる巧妙なトリックと、犠牲者を追い詰める意地の悪いトラップは今回も顕在か!?
冒頭3発の連続残酷シーンでいきなりメロメロになりますぞ。
以下の内容はソウ1、2の重要なネタバレを含みます。ご注意を!
ジグソウ(トビン・ベル)が計画を練り、右腕アマンダ(ショウニー・スミス)が実行する新ジグソウ体制がふたたび動き出した。今回主役視点となるのは女医リン(バハール・スーメキ)。彼女はジグソウらによって拉致され、ジグソウの脳腫瘍手術を強要される。リンの首には爆弾がつけられ、ジグソウが死ねば同時にそれが爆発するのだ。
もう一人の視点として、息子を交通事故死で失った男が、同じくジグソウらに拉致されてくる。この男・ジェフ(アンガス・マクファーデン)がジグソウに与えられるゲームのテーマは「赦せるかどうか」。このジェフの前に、息子の死に関連していた人物たちが縛られて現れる。はたしてジェフは彼らを赦せるのか。
冒頭たてつづけに見せ付けられる3発の残酷シーンが凄い。
一発一発はどれも今までのジグソウシリーズと同種の残酷さなのだけど、これが3発連続で来ると心的疲労もケタ違い。
なかでも最初のは相当痛い。
ソウ1と同じ、あの部屋で同じように足かせをはめられた男が出てきて、ノコギリを手に悩む。そして彼が出した結論は!
あまりの痛さに私は笑うしかなかった。
こんなシーンが3連発。
「もうやめてくれ〜〜!」って思うところから本編が開始する流れというわけだ。
今回本編中の残酷な死のゲームは、たしかに趣向を変えていろいろ面白いのだけども、2までのインパクトほどではないという印象。
その代わりといってはなんですが、今回最もおっかないのは脳外科手術のシーン。
考えてみれば手術なんてのはそれだけで充分ホラーなんですよね。
頭蓋骨を穿孔し、電動ノコギリでギャ〜〜ッと切り開いてくだけでもオットロシイのに、今回は設備も道具もほとんどない状態でやっちゃうのだ。
しかもそれが失敗したら、文字通り自分の「首が飛ぶ」。
これは手に汗握ります。
ラストのどんでん返しも実にソウ・シリーズらしいもの。
それまでのいろんなシーンやセリフが脳内で再構築されて意味を一変させる、ゲシュタルト崩壊をお得意とするソウ・シリーズ。
第1作の最大衝撃にはかなわないものの、期待アベレージはちゃんとクリアでしょう。
痛い痛いホラーを堪能して、最後はロジックの衝撃で〆。
なかなか楽しいシリーズです。