12年ぶりにダイ・ハードが帰ってきた。
52歳になったブルース・ウィリスですが、あのふてぶてしさと不死身さは健在。
今回の敵はサイバーテロだ。
どこまでも古典的な刑事のジョン・マクレーンが、いかに最先端の巨悪に挑むのか?
独立記念日の前夜、FBIのコンピュータが何者かによってハッキング攻撃を受けた。容疑者として考えられるハッカーを全員捕らえる命令が出される。
容疑者のひとりマシュー・ファレル(ジャスティン・ロング)を捕らえるため、ちょうどその近くまで娘の様子を見に来ていたジョン・マクレーン刑事(ブルース・ウィリス)に無線連絡が入る。マクレーンはマシュー・ファレルに接触し、その身柄を確保するが、そこに突如謎の男達が襲撃してくる。ファレルは危うく殺されるところだったのだ。
からくも襲撃者を撃退し、ファレルをFBIへ護送するマクレーンだったが、時を同じくして街はサイバーテロによる大混乱に陥る。ハッキングされた信号によって交通網は死滅。テレビ放送は電波ジャックされ、犯行声明が読み上げられる。
さらに執拗に追ってくる暗殺の手。はたしてマクレーン刑事とファレルは生き残り、このかつてないサイバーテロを止めることが出来るのか。そしてテロリストたちの目的は?
あのどこまでも肉体派で古臭い刑事ジョン・マクレーンが今回敵とするのは最先端の技術を持つサイバーテロ集団。
このミスマッチは面白い。
次々としかけられる罠に対し、ジョン・マクレーンは肉体と機転と根性という、なんとも古臭い手法で立ち向かってゆくのですね。
劇中いろいろなコンピュータの専門用語が飛び出しますが、まったく心配いりません。
そもそもジョン・マクレーンが理解してませんからw
ジョン・マクレーンのあのキレのあるジョークも健在。
どんなにピンチで体中傷だらけでも、ふてぶてしいジョークを忘れず、敵との会話はいつだって馬鹿にしたようなケンカ腰。
歳をとってさらに哀愁を加え、魅力を増した感さえあります。
タフガイヒーローここにあり。
ああやっぱりブルース・ウィリスかっこいい。
そして、そのサポート役として今回マクレーンを補佐するのがジャスティン・ロング演じるハッカー、マシュー・ファレル。
この若手との対比が非常に面白いドタバタ道中劇となっています。
この二人が見事に正反対。
ファレルは新時代のコンピューター・オタク。古いことなんかこれっぽっちも価値がないと思っている。
こんなうまが合うはずもない二人が徐々にお互いを理解してゆくという典型的な流れが面白いです。
サイバーテロ犯罪が主題ですが、肉体と肉体によるアクションも満載。
むしろそういう表現のほうが多いですね。
テロリストの主目的はあくまで情報社会へのテロですが、その手段の周縁部を固めるのはあくまで暴力です。
最先端のサイバーテロ集団も、やっぱり拳と拳銃にモノを言わせるわけですw
そりゃまぁサイバーテロっていったって、素人にゃピンときません。
めっぽう強い悪いやつが出てきて銃撃ったり殴りかかってきたりしたほうが断然ピンときますもんね。
そういうストーリーにしたのは正解でしょう。
悪役のなかでは中国系女格闘家もよかったですが、個人的に惚れたのはスパイダーマンを生身でやっちゃう物凄い暗殺者。
どんだけ握力あるんだよっていう物凄い身体能力で鉄柵から鉄柵へと飛び降りたり、とんでもないバランス感覚と跳躍力で壁から壁へと飛び回ったり。
そのまま器械体操で金メダル取れますってこの人。
またカースタント、戦闘機、武装ヘリをからめたド派手なアクションも見所満載。
ラストの巨大トレーラーと戦闘機の一騎打ちは大迫力です。
最初から最後まで息つく間もないスリリングな大冒険が楽しめます。
また、この4.0はダイ・ハードシリーズとうたっていますが特に3までのストーリーを継承しているわけではありません。
前作を見ていなくても充分楽しめること請け合いです。
何も深い事を考えずに興奮できる上質なアクション娯楽作品をお探しでしたら、是非このダイ・ハード4.0をオススメします。
DVD版は、面白いことにブルース・ウィリスの吹き替えが2バージョンはいっております。
野沢那智(劇場版)と、樋浦勉(DVDオリジナル)ですが、こういう企画も珍しいですね。
古い作品では、テレビ放映時やビデオ版で声優が違うバージョンが幾つもあったりしますが、それぞれに根強いファンがついていたりするんですよね。
それぞれ「あの人じゃないと納得しない!」って思うものです。
私なんかも、プラトーンのチャーリー・シーンは池田秀一さんでないとしっくり来ませんし。
ブルース・ウィリスにも、やっぱり人によって思い入れのある吹き替えが違うことでしょう。
そういうタイプには嬉しい仕様ですね。
しかし、ここにやっぱり村野武範さんも入れて欲しかったなぁw