タイトルどおり、長かった今シリーズもいよいよ大詰め。
それでは感想いってみましょ〜。
ネタバレ注意!
ガンダルまだやる気か!(爆)
そのあきれたタフさに大喜びしてしまいましたw
今までの壮絶で華麗な極限の達人技の応酬から一転、血みどろの泥仕合じみた展開。
それだけに凄まじくっていいですね。
最後の最後の命を削っての果し合いなんですね。
ガンダルさんも、そこまでやらなければ満足して死ぬこともできないということもあるでしょう。
ガンダルさんにとっては、もちろん相打ちがもっとも満足なんでしょうけど、最後の命まで投げ捨てて力を出しつくしての敗北でなければ納得できないんでしょうね。
熱いなぁ〜。
最近こういう「熱に浮かされたように何かを求めるタイプ」がグイン世界であまりいなくなっていただけに、このガンダルさんの強烈に勝負にこだわる姿が熱かった。
ガンダルさんの魂よやすかれ。
会場のみなが運ばれてゆくガンダルの死体に拍手を送るシーンは、ひさびさにグインで泣かされてしまった。
しかしガンダルさんのことだから、あの世でもバトルやってそうだけどねw
で、今回の一番の驚きの展開。
マーロールの無血クーデター!!
いやぁまさかそんな事になろうとは。
迂闊にも想像すらしておりませんでしたわ。
マーロールが復讐をもくろみ、告発を望んでいたとしてもそれはまたいずれの話で、グインが王位に返り咲いた後の話にからんで描かれるくらいのコトだと、すっかり思い込んでおりました。
考えてみたら今をおいてそれを描く機会はないかもしれませんしね。
脱出が難しいのなら、タイス政権をひっくりかえしちゃえばいいんだ!という実に素晴らしい逆転の発想でしたね。
たしかに終わってみれば、それしかない展開です。
たとえ水神祭りの後夜祭でひっくりかえるような大騒ぎになっていたとしても、脱出が発覚すれば追っ手があちこちかかるでしょう。
スーティやフロリーという足手まといを抱えての逃亡では、そうたやすく追っ手を巻けるとは限りません。
むしろ追いつかれる事を前提に考えなくてはならなくなります。
マーロールがクーデターを起こしてしまえば、追っ手を派遣する側が混乱をきたすわけですからね。
なかなかここは唸らされました。
そしてまたひとつ唸ったのが、今回のクム編の構成のうまさです。
まるで最初から今回のクム編ラストへ進むよう最初から計算されていたかのような収拾のしかたじゃないでしょうか。
思えばクムへ入った最初の頃から「ミロク教徒」がだいぶいるという伏線がはられていました。
どういう展開でクムにおけるミロク教が話にからんでくるのだろうと思っていたら、まさかにタイ・ソン伯爵が殺した女がミロク教徒だったという点をアン・ダン・ファンらが伯爵失脚の理由として使うことになるとは。
タリクがフロリーを口説いてたときには想像もつかない話でしたよ。
そしてなにより、マーロールというキャラクターがあっぱれな展開です。
最初はたんなる剣闘士としてのライバルキャラかと思いきや、地下の「もうひとつの王国」の支配者としてグインの協力者となり、ついにはタイス伯爵の代理の座へ。
栗本薫先生のあとがきによれば、地下水道での登場すら予定外のアクシデント的な展開だったらしいというのに、どうでしょうこの「そうあるべくしてそうなった」的な結末は。
またそれぞれの主要登場人物の「見せ場の充実」も今回のクム編の大きな楽しみでした。
グインは言わずもがなですが、闘技場での大活躍は当然として、彼の意外な「演技派」っぷりもちょっと意外な一面と言う感じで楽しかったですね。
とくにタイ・ソン伯爵に「俺は元来平和主義なのだ。戦いなど恐ろしくてしかたないのだ」とかちょっと逆ギレ気味に言ってみせるあたりが私的に非常にツボでした。
マリウスは毎度のことながらお調子者であぶなっかしいんですが、今回は非常に「頼りになる」面が見えて面白かったですね。
スイランことブランも、グインの裏をかいてスーティを拉致しようとしたり、最終的にカメロンとグインと両方に心引かれて板ばさみ状態になるなど、なかなか目の離せない人物となりました。
クム編より新登場のキャラクターですが、今後どうなっていくのかかなり気になりますね。
そしてフロリーはと言えば、これはもう目立たない地味一辺倒の彼女ながらなんと大公から求愛され、宮廷陰謀にまきこまれるという、なんとも分不相応といったらフロリーに失礼ですが、実にギャップの楽しい展開をしてくれました。
フロリーがタリクに言い寄られているシーンは、クム編でも屈指の名場面です。
リギアが終始あまり活躍の機会がないなぁと思っていたら、美人女剣闘士と擬似レズビアンな展開。これには吹きました。
最後はマリンカ救出もできましたし、足の怪我もたいしたことなさそうでよかったよかった。
そしてやっぱりスーティの傑物ぶりが何度もみせつけられました。
特にグインvsブランの戦いを止めて見せたあのシーンは傑作。
後の大物っぷりが予感されてグインでなくともスーティには非常に楽しみにさせられますね。
今回のクム編は構成の上手さ、キャラクターの見せ場の多さ、場面の多彩さ、そしてなによりガンダル戦の大興奮で、長いグイン・サーガのなかでも傑作のエピソードといってもいい話に仕上がったのではないでしょうか。
私的にグインの中で最高に好きなエピソードはケイロニア編で、次に辺境編、陰謀編、モンゴール復活編あたりがきますが、今回のクム編はそのあたりのリストに加えられそうです。
で、次なるエピソードの開始を告げる代理人って感じでヴァレリウス登場。
な〜んだ、「前回の視線予想」大ハズレ。
前回の予想では、グインに接触してこないのはパロらしくないからパロじゃないだろう、という予想でしたが、なるほど魔道士らしい戒律にしばられた価値観でグインへの接触を控えていたということですね。
ブランだけが視線に気づいてグインが気づかなかったというところにちょっと疑問がありますが、そこも「ヴァレリウスだから」というのが解答になりそうです。
ヴァレリウスは陰ながらグインの様子を監視していたんだけど、グインほどのものなら魔法の知識がなくとも察知される恐れがあるので、ヴァレリウスは慎重に気配を絶っていたんでしょう。
ヴァレリウスの気配を絶つ「感知されないようにする魔法技術」は、相手がたとえグラチウスでも簡単には探知されないほどの達人であると、ヴァレリウスはどこかで自慢気味に言っていましたものね。
で、ブランを見張るときには、油断してその術はつかわなかったけれども、実はブランの戦士の勘はヴァレリウスの予想以上だったと。
そういう理解の仕方でいいのではないでしょうか。
彼の登場で危機を脱したグイン一行にしてみれば、「おいおい見てるんだったらはよー出てきてくれや〜」って感じで脱力ものでしょうねw
お前さんがいればもっとことは楽だったのにーってw
でもまぁそこがグイン世界の魔道士。
あまり干渉してはいけないんですねぇ。
あぁなんて不便な奴ら。
それにしては合流してからは魔法使いたい放題ですよねw
いまいちその境界線がわかりませんw
なにはともあれ、ヴァレリウスの登場とともに、パロ編が開始しましたね。
パロでどんな物語が待っているのか実に楽しみです。
はたしてグインの記憶は戻るのか。
マリウスはどうするのか。
スーティとフロリーの運命は?
ブランの出す結論は?
そして、ただ彼らの去就だけが描かれるとは限らないですよね。
またもやパロでなんらかの事件が起こるのか?
つーかそもそも次のスポットはパロでいいの?
それとも場面は変わってゴーラだったり?
次の展開が楽しみでしょうがないですね。
ところで、あとがきで捨て置けないひと言が……。
「−−ついにアニメの計画も実現にむけて動きだし、−−」
おおう来たか!
グイン映像化は昔から夢見てきましたが、ようやっときたって感じですね。
何編をやるの?
全部やるの?
スタッフは?
会社は?
メディアは?
声優は?
とかまぁ疑問の嵐になってしまいますが、まだまだそういう「計画も実現にむけて動きだし」ただけなんで形は見えてない段階なのかもですね。
昨今のアニメはほとんど見ていないのですが、ジャンプのアニメ化作品にはあまりいい評判を聞きません。
是非金と労力をかけた傑作に仕上げて欲しいものです。
『銀河英雄伝説』のような記録と記憶に残る作品にならないものかなぁ。
そこで勝手に考えてみたアニメ「グイン・サーガ」の声優!
声優さんが古い人ばかりなのは筆者が古いアニメしか知らないからですw
グイン:大塚明夫
イシュトヴァーン:山寺宏一
アルド・ナリス:井上和彦
リンダ:林原めぐみ
レムス:佐々木望
アムネリス:勝生真沙子
グラチウス:永井一郎
今思いついたひとだけを並べて見ましたが、いやしかしほんとに古い声優陣ばっかりだw
みんなそれぞれのイメージってものがありますからねぇ。
「え〜、それだけはないよ〜」とか言われる気がしてきたw
みなさんならどんなキャスティングされますか?