2007年10月31日

映画感想 スパイダーマン3

満足度100点(DVD購入)
 買っちゃいましたDVD!
 このシリーズはほんと大好きなんですが、今回の3も絶好調!
 映画館で観て惚れこんで、発売と同時に迷いなくゲットですw
 ピーターとMJ、ハリーの複雑な3人の関係はどうなってしまうのか!
 ストーリーは続き物ですので、1、2を観てからの鑑賞をオススメします。

ネタバレ注意。物語の核心に触れております



あらすじ

 父親をスパイダーマンに殺されたと逆恨みを抱いていたハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)は、2でついにスパイダーマンの正体がピーター・パーカー(トビー・マグワイア)だったと知り、さらに父親はグリーンゴブリンとして悪事を重ねていたことを知った。さていよいよハリーがピーターに復讐の戦いを挑んでくるのかというのがこの第三作目へいたる下り。
 前作でMJ(キルスティン・ダンスト)と結ばれたかとおもわれたピーターだったが、どうにもチグハグな心のすれ違いをしている。
 ピーターは恋もヒーローも絶好調で有頂天に舞い上がってしまっている。完全に天狗状態の彼はMJの悩みもわからない。MJは気持ちが離れ始めてしまう。
 今回はメインにこの三人の青春劇を据え、さらに敵役としてサンドマンとヴェノムという人気ライバルキャラが登場。スパイダーマンの強力な挑戦者として立ちふさがる。


ピーターの苦悩

 アメコミ・ヒーローものとはいえ、このスパイダーマンの魅力はアクション部分だけではない。
 主役のピーター・パーカー始め、MJやハリーらの青春らしい苦悩、喜び、すれ違い、成長などがなかなか丁寧に描かれており、人間味あふれる彼らをとても身近に感じることができるあたりに惹きつけられます。

 このシリーズを観てきたひとには何をかいわんやおやでしょうけど、今作でもピーターの苦悩は非常に面白いですね。
 いや、今作のピーターの苦悩は、宇宙から来た謎の黒い物体のおかげで今までよりも顕著に、非常に面白く表現されました。

 中盤の見所はこのブラック状態のピーターの悪行三昧。
 サンドマンとの「らしくない」残忍な戦闘や、新聞社にあらわれた新人カメラマン・エディとの争い、下宿の娘とのイチャイチャ、そしてジャズクラブでの暴れっぷり。
 特にMJの勤める店にグウェンを伴って行ったあげく、勝手にピアノを弾いたり踊ったりと、やりたいほうだいのピーターが最高!
 真っ黒モードのトビー・マグワイアが実にいい演技してます。
 ピーターとしては、自分をフったMJへのあてつけというか、嫉妬を煽っているんでしょうけど、そんなことで上手く行くわけがない。
 お互いが傷つくだけ。
 おまけにグウェンまで傷つけちゃって。
 いやぁ実はこのグウェンもいい娘ですね。
 MJにも気を使って「そんな気はなかったの」と謝ってます。素直でまっすぐなお嬢様なんですね。
 大量にある原作シリーズのいくつかでは、ピーターとグウェンとが付き合ってたこともあるとか。
 続編が作られるとしたら、グウェンにスポット当てても面白そう。

 話がそれました。ピーターの話でした。
 後になって思い返すと、自分でもなんであんなことやったんだかわからなくなることって、誰だってありますよね。
 ピーターの場合は黒い謎の生物が原因という形となりましたが、誰だってそういう経験はあるものです。
 それとどう決別し、折り合いをつけるのか。

 ピーターの場合は実に象徴的ですが、「鐘の音」がキーワード。
 教会の鐘の音を媒介に、後悔の念と自分を改めたいという祈りを抱いたピーターから黒い物体は離れてゆき、逆に、恨みの念と、ピーターを殺したいという怒りを抱いたエディ・ブロック(トファー・グレイス)にとりつく。
 実にわかりやすい構図ですが、しかしまぁエディはなんでまた教会にきて祈る内容が「殺してー!」なんだか。
 困ったときの神頼みで、祈りの内容が復讐じゃぁ神様だって救うわけがない。
 このへんは神の名のもとに報復攻撃を繰り返す現代の対テロ戦争を皮肉っているのか?とか穿った見方をしたくもなりますが、そういう話ではないでしょうねw


ピーターが得たもの

 ピーターは今回、とても素晴らしい事を学びましたね。
 復讐心は全てを失うだけ。
 許せないという気持ちは相手を傷つけるし、自分も傷つけるだけなんだということですね。

 メイおばさんがピーターを諭すセリフが最高に目頭直撃。

「まずは一番難しいことから始めなさい。自分を許すことから」

 自分の過ちを許せない心というのはとても重い枷ですね。
 ピーターの場合には、今までいろんな人を傷つけてきてしまいました。
 MJのことも、ハリーのことも、言葉の行き違いや、勘違いや、ピーターのいたらなさから傷つけてしまいました。
 第一作では、成り行きとはいえ、逃げる強盗を殺してしまってもいます。
 さらに今まではその強盗が叔父を殺した犯人だと言うことから納得もできていたかもしれまんが、今作ではそれすら人違いだったことが判明。これは非常に重い鎖になっていることでしょう。

 ピーターはそれらの罪の意識を押し殺し、見ないふりをして全てを真の叔父の殺人犯フリント・マルコ=サンドマンを悪の象徴とみなし、これを倒す復讐に身を投じることにのめりこんでしまったんですね。
 背負いきれない罪を背負い、見ないふりをしているんですが、見ないふりをすればするほどにそれは重くのしかかってきて歪みとなって現れ、人を傷つける方向で発露してしまうというわけですね。

「まずは自分を許すことから始めなさい」

 なんて目からウロコなセリフでしょう。
 自分を見つめなさいとか、自分の過ちを認めなさいとか言うのはよく聞きますが、さらに一歩進んで自分を許せと。
 逆に言えば、自分を許せない人は、他人も許せないという洞察なんでしょうか。
 自分を許して、相手も許して、もっと大切な事を思い出しなさいということなんでしょうね。
 素晴らしい観点です。

 そしてそれを身をもって表してくれたハリー!


ハリーよ永遠に!

 ハリー最高だ!!
 記憶を失う展開は実にいい脚本でした。
 今までの描写で、ハリーとピーターがあつい友情に結ばれているという描写ってあまりなかったんですよね。
 記憶を失うことでそれが改めて描かれる機会となりました。
 病院で看護婦に答えるハリーのセリフが伏線となっています。

看護婦:「とてもいいお友達ね」
ハリー:「ああ。あいつのためなら、俺は死んでもいい」


 彼は最後に真実を知り、復讐の心を捨て、いままでのお互いのイザコザすべてをかなぐり捨てて友情を取ったんですね。
 ゴブリンの薬の影響で攻撃性が増してしまった心でありながら、それに打ち勝って彼は最高の選択を見せてくれたんです。
 そして最後には、自分の言葉どおり、己を盾に、ピーターを守っての死。
 今回はハリーがいろんな意味でいいとこ持って行きましたね。

 冒頭ニュー・ゴブリンとなってのアクションは圧巻。
 フェイス・ガードをはずして名乗りを上げるところは実に正々堂々としていてかっこいい。

 記憶を失ってからのハリーも、きっとあの親父の事件さえなければきっとこんな健やかで明るい伸びやかな青年だったんだろうなと思わせる好印象。
 悩んでいるMJとのあれこれもむべなるかな。

 そして記憶が戻ってからの悪ハリーのいかにもワル〜イ表情も観ててこっちがニヤニヤしちゃいます。
 ハリー役のジェームズ・フランコの変貌ぶりも面白いですね。
 明るいときはいかにも好青年なんだけど、復讐にとりつかれると急に悪魔みたいな顔になる。
 この顔が妙に親父ノーマン・オズボーン博士役であるウィレム・デフォーにそっくり!
 さらに火傷で顔の半面が焼け爛れるとそっち側がさらにウィレム・デフォーそっくりに!
 これってわざとやってるんでしょうね〜。
 なかなか面白い演出です。


最高のタッグ!!

 で、大感動はなんといってもピーターとハリーのタッグマッチ!!
 それも二人が好きなMJを救うために、二人で協力してライバルチームと戦うというこの最高の構図!!
 ここはあまりの怒涛の感動に、映画館で観ていて涙で前が見えなくなりました(爆)。
 感動的なシーンなのに何も見えね〜〜〜ww
 DVDで改めて観ましたがやっぱり大感動!
 このシーンは何度見てもウルウルっときちゃいます。
 いままで色々あったけど、最後にこうやってガッシリと握手をかわし、そして背中を預けて戦うことになれた二人。
 本当に良かったねと。
 そして空中でグライダーに乗りながらの二人のチームワークのなんと見事なことか!
 息のピッタリとあった幼馴染でしかできない素晴らしい連係プレーの数々です。
 冗談を言いあいながらもサンドマンの攻撃をくぐりぬけ、お互いの力をあわせてMJの落下を食い止めるこの場面。
 二人に拍手喝さいを送りたい!
 まさに、これまでの三部作をしめくくるにふさわしい最高のクライマックスでした。


 実はここ、当初脚本上では人質にされるのはグウェンの役だったんだそうです。
 それが撮影中にMJ役のキルスティン・ダンストが強烈に「自分にやらせてくれ」と主張!
 監督らが折れて急遽展開を変更したんだとか。
 それまで撮影していた分とも整合性をつけるために大変な作業だったんだそうです。
 なんとまぁ身勝手で迷惑な女優だと普通なら言われてしまいそうですが、私は大いに大歓迎。
 おかげであんな最高のシーンになりました。
 ピーターとハリーが最後のタッグだというのに、助けられる女の子が他人の女の子じゃ話が締まりませんもんね〜。
 ここは、ピーターのこともハリーのことも知り尽くしているMJだからこそ感動できるシーンになったんだと思います。
 ハリーとピーターがぶつかり合っていた事を知っているMJには、二人の仲直りが本当に嬉しかったことでしょう。
 復讐にとりつかれたハリーに脅され、ピーターと別れざるを得なかったときのMJは心が張り裂ける想いだったことでしょう。
 彼ら二人が手を結び、お互いを信じあってともに戦う姿を見られたことは、自分を救いにきたこと以上に嬉しかったかも知れませんね。
 ファンとしてずっとここまで観てきた観客の感動と、MJの喜びがシンクロする名シーンでした。


復讐…そして

 表の最初のテーマは、「復讐」
 ピーターも、ハリーも、サンドマンもヴェノムも復讐にとりつかれている。
 しかしそれを救う本当のテーマは「許すこと」
 「許すこと」でしか自分も相手も救われない。
 「復讐」は、いつしか「本当に大切な何か」を失うだけ。
 「許すこと」でしか、「本当に大切な何か」を見出すことはできないということですね。
 非常に丁寧に描かれた素晴らしいドラマでした。


 ピーターはスパイダーマンの力を手に入れてスーパーヒーローになり、ニューヨークの希望となり人々の喝采を浴びていますが、その心はまだまだダメ少年から一歩か二歩しか歩み出ていないんですね。
 その不器用で、あっちこっちぶつけてばかりの彼だからこそ、こんなにも感情移入できるのかもしれません。
 そんな彼も、ちょっとずつ、ちょっとずつですが作品を追うごとにいろんな事を覚えてきました。
 今回メイおばさんとハリーに教わったとても大切なことも、きっとピーターにとっての成長の大きな手がかりとなったことでしょう。
 これからもあっちこっちぶつけながら、つまずきながら転びながら、一歩一歩成長していく彼の姿を見てみたいものです。




 いやぁ買って大正解。
 既に買ってから3回くらい観ていますw
 オマケについているメイキングを観ると、意外とCGに頼らず、いろんなところを特撮とスタントとVFXの巧妙な組み合わせで撮っていることがわかります。
 ついつい「全部CGでしょ?」って思っちゃう最近の映画ですが、実際に演じているからこそ出てくるリアルさっていうものなのかもしれませんね。
 何より体を張ってる役者たちの演技が違うってものでしょう。
 ヴェノムが壁をズリズリ這ってサンドマンに近寄るシーンも、スタッフに足を押さえてもらいながらちゃんとトファー・グレイス自身がやったんだとかw
 ハイテクの塊のような映画なのに、ところどころローテクなんで笑っちゃいましたw


 さて、最近見たニュースでは、スパイダーマン4が現在脚本の製作段階に入っているとのこと。
 監督はこれまで通りサム・ライミが続投。
 トビー・マグワイアはピーター役続投に意欲マンマンだとか。
 6までの製作を考えているらしく、ここからは今までの三部作とは話の傾向を変えて行きたいらしいです。
 たしかに今回で綺麗にまとまった三部作ですから、ここから続けるというよりは、新しいテーマを作って心機一転したほうが、シリーズのためにもよいでしょう。
 いやでも今から超期待です。
posted by BOSS at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
【コメント欄について】 コメント入力の際には、必ずお名前(ハンドルネーム)の入力をしていただけるようお願いします。「匿名希望」や「通りすがり」のように名前入力を回避する意図のあるものは、管理人による削除の対象となる場合があります。ご理解ご協力をお願いいたします。