我らの『休載魔神』冨樫先生が帰ってきやがりました。
さんざん気を揉ませて勝手ばかりしやがってコノヤローって感じですが、そのぶん面白い漫画描いてくれるならいいや〜って思っちゃう私は読者としてだだ甘なんだろうなぁ〜w
そんなわけでハンター×ハンター24巻 1−C の感想です。
ネタバレ注意!
収録されているのは、ヂートゥvsモラウ戦決着場面から、「突入まであと10分」というところまで。
ここまで紆余曲折あったキメラアントとハンターとの戦いが、王宮の警備vs潜入急襲というシンプルなテーマに集約され、コロコロと変わる状況が緊張感を否が応でも高めてくれてます。
こういう緊迫した状況を作り出す冨樫先生の手腕はやはり只者ではない。
それはやはり何度も休載を繰り返しながら練り上げたストーリーだからこそ、とも言えるでしょうけど、それでも面白いんだからまぁいいかと。
ここまできたらどれだけ休載したっていいから面白く最高にまとめていって欲しいって思ってしまいました。
それって冨樫先生に負けたってことかもしれませんが(爆)。
主題はハンターvsキメラアントでありながら、その状況を変化させる中心の原因となっているのが、そのどちらでもないただの少女棋士コムギというのが非常に面白い局面です。
それまで横暴の限りを尽くしてきた王が、ともするとコムギのペースにはまり込み、オタオタとしてしまうのが面白い。
しかしコムギ自身は朴訥で知恵もまわらない、ただの田舎娘というところもまた。
ここへきてなんの超能力も持たない少女(天才的な棋士とはいえ)が、世界の運命を握っているかもしれないという状況は実にスリリングで、それでいてなんとなくロマンスすら予感させて面白いったらありゃしないです。
なんとまぁ予想外の展開をしてくれたことか。
単純に予想するならば、圧倒的で絶対に倒されるはずのなかった王が、コムギをかばって死ぬ……なんて展開となるのでしょうが、はたしてへそ曲り(失礼!)な冨樫先生がそんな見え透いたことをするのかどうか。
非常に興味深いところですね。
ツボだったのは175ページのコムギをカラスから助けた王。
「ここも こっちも!! 血だらけではないか!!」
それまでの悪逆非道ぶりがウソのよう。
側室にデレデレ状態の王様ですねこれじゃw
このシーンへ持ってくるまでの王の紆余曲折っぷりも素晴らしい。
コムギに名前を問われ、己とは何かとふと考え、コムギがもし選別されたら死ぬと知り、では自分が今まで殺してきた者のなかにも、コムギのような素晴らしい能力をもったものもいたかもしれないと迷ったように見せかけて、実は暴力とはなんと素晴らしいことかと、読者をひっかけたような展開をし、ではコムギなど一思いに殺してしまえばよかったのだと、そう言っておいてのこの「ここも こっちも!!血だらけではないか!!」ですからねw
うまく騙されてしましました。
今週号から再開された連載は、ちょうどこのコミック収録の回からのつづきということで、なんともバッチリなタイミング。
すっかり内容を忘れていた読者には優しいご配慮です。
この際ジャンプから離れていた読者も戻ってきてねって感じですかね。
きっとジャンプの売れ行きもアップしてるんでしょうね〜。
しかし、いやいや、ハンターの続きが読めて本当に嬉しい。
あのまま打ち切りじゃ寂しすぎですからね。