アントニオ・バンデラスが二丁拳銃でバンバン撃ちまくる!
意味不明だけどかっこいいポーズで決めまくる、メキシカン西部劇(?)。
難しいことは考えずに楽しんだもの勝ち。
情熱的なマリアッチ(スペインギターの弾き語り?)として人気のあったエル(アントニオ・バンデラス)は、恋人をギャングに殺され、自身も手のひらを撃ち抜かれて全てを失った。復讐のため、エルはギターケースに無数の銃や手榴弾を詰め込んだ復讐の鬼となった。
ギャングの部下がたむろする酒場をたったひとりで全滅させるエルだったが、自身も傷つき、危ういところを一人の女カロリーナ(サルマ・ハエック)に助けられる。しかしその女こそ、ギャングのボスの女なのであった。
ストーリーは単純明快。凝ったところはなくとにかく銃撃戦のかっこよさを楽しむのがこの映画のノリかたでしょう。
ギターケースに仕込まれた無数の武器とか、袖口から飛び出す二丁拳銃とか、意味不明だけどなんだかカッコイイ!というのがこの作品全体のポリシーか。
アントニオ・バンデラスもひたすらカッコイイ銃の撃ち方を研究しまくったのか、まるで一時期流行ったゲッツ(σ・∀・)σのように手首のスナップをやたらと効かせて撃ってみたり、背面飛びで妙に体を捻りながら打ちまくってみたり。
どれも実戦とは程遠そうな戦闘スタイルなのですが、その言わば『無駄』が『カッコイイ』と思えるかどうかが、この作品を楽しめるかどうかのターニングポイントでしょう。
敵は雨アラレと弾丸をバンデラスに降り注ぐんだけどまったくかすりもしない。
バンデラスはバンデラスで1、2発で相手は死んでるだろうに、一人に対してこれでもかこれでもかと撃ち込む。
この無駄だらけの銃撃戦が実に爽快。
こんな映画なかなかないかも。
それと、冒頭のマリアッチの演奏シーンがすばらしい。
バンデラス自身の声かわかりませんが、ハスキーで情熱的な歌声とギターが絡み合って盛り上がる様はちゃんとカッコイイ。
ホールで騒ぎが起こって、バンデラスが演奏しながらギター一本で悪いヤツをぶん殴って解決し、颯爽と演奏を続けて会場は拍手喝さいってあたり、冒頭からしびれます。
思わずマリアッチ関連のCDが欲しくなりました。
主役だけじゃなく、ワキもなかなか個性的なのが揃っててにぎやか。
私が好きな俳優スティーヴ・ブシェミ(『レザボア・ドッグス』のMr.ピンクとか、『アルマゲドン』のダメ男ロックハウンドとか)が彼らしいアクの強い役で出ているのもよかった。
他にもならず者が集う酒場の店主や、ナイフ使いのナゾの男など、みんなひとクセもふたクセもあって、実はクセのないのはむしろ主役達なんじゃなかろうか?と思ってしまう。
まぁその分主役はバトルシーンがクセだらけなんですが(爆)。
お遊びの要素も各所にあり、クエンティン・タランティーノがチンピラ役で出てきてばっちぃヨタ話をノリノリでまくし立ててます。
ほんとこの人、こういうちょい役出演が好きですね〜。
感動とか、深いメッセージとか、そういうのはからっきしですが、気楽に見てスカッとする映画をお探しでしたらこのデスペラード、結構おすすめですよ。