ジョジョの奇妙な冒険 Part7
SBR #30 ウェカピポが来る! 感想の世界だ。
ネタバレ注意!
最強の敵、鉄球使いのウェカピポとの対決も今回がクライマックス。
しょっぱなから緊張感がバリバリです。
状況を再確認すれば、戦場を何もない氷の世界に設定されたことで、ジャイロ側は「黄金の長方形」を探すことができなくなり、ウェカピポは黄金の長方形なしでも高い攻撃力を誇る「壊れゆく鉄球(レッキング・ボール)」がある。
ジャイロ側はいかに黄金の長方形を探し出すかが勝利の鍵。それ以外に勝利の道がない、というのがここまでの展開。
ウェカピポの鉄球をあえて防御せず、防御はジョニーにまかせて自分は攻撃!
熱い展開ですね。
この二人がしっかりとした信頼と、抜群のチームワークを育ててきたことが伝わってきます。
しかし、その危険をあえて覚悟で投じたジャイロの鉄球も、ウェカピポの鉄球の防御の力には及ばず。
さらに狼の死体は遺体もろとも氷の下に叩き落されてしまい、いよいよ絶体絶命。
と、そのとき奇跡が!
なるほど!雪の結晶でしたか〜〜。
先月号の自分の予想はかなり惜しかった。
(前略)たとえば氷の結晶を拡大して見るとか、氷に穴をあけて水流の渦を作り出してみるとか(後略)
氷の穴、結晶ってとこまでは合ってましたが、まさか氷に穴を開けて水を瞬時に雪にするなんて思いつかなかった。
なるほど、強烈な氷点下では一瞬で大気中の水分が凍りつくダイヤモンド・ダスト現象が起きますもんね。
そしてそれは、彼らの努力や機転で起きたことではなく、偶然?
いや、偶然ではなく「何かの力」が選んだ「結果」であり、なるべくしてなった「奇跡」なのだとウェカピポは言う。
注目は今シリーズでの「奇跡」という言葉の意味でしょう。
「奇跡」というのは「聖人」が起こすものだったですよね。
SBRがはたしてキリスト復活への壮大な物語に帰結するのかどうかはまだ不明ですが、なんだかいよいよそんな雰囲気になってきましたね。
それと、回想のなかでの父親の言葉もよかった。
今までの回想では、決して妙な希望は持たず、ただ淡々と王の命令をこなせとばかり言っていた父親・・・のように描かれていましたが、ついにその父親のひそかに隠された本心が描かれました。
いいですね〜。
苦労に苦労を重ねて挫折も何度も味わったであろうこの父親だからこそ言える重みがこもっています。
王の命令によって何度も「納得」のいかない仕事もしてきたことでしょう。
ウェカピポの妹をよかれと思って救おうとしたジャイロのように、よかれと思ってしたことが裏目にでてしまったこともあったでしょう。
そんな彼だからこそ、「ツェペリ一族は『奇跡』の存在も信じている。『奇跡』が起こることを祈ろう。ボールがネットの向こう側に落ちる事を・・・・・・」という言葉が実に渋い。
ここの父親の表情がいつになく優しげでよかった。
実はこの父親、ジャイロにその奇跡を起こしてもらいたいんじゃないかなと、ふとそんなことを思いました。
「黄金の長方形」の力を得たジャイロの鉄球が「壊れゆく鉄球」を文字通り粉砕!
これは爽快!
いままでの抑圧がバーーンと吹き飛びます。
敗北を認めたウェカピポは自害しようとするが、それを止めるジャイロ。
なんと!あの妹が生きていたとは!
これは感動〜〜〜!
電車で読んでて危うく泣くところだった(爆)。
夢も希望も失っていたウェカピポに、帰る場所ができた。
「僕には帰る場所があるんだ・・・こんなに嬉しいことはない(アムロ談)」ですよ!
そしてそのままウェカピポが仲間へ!?
昨日の最強の敵は明日の最強の友!?
これはなんとも心強い!
ルーシーの護衛をジャイロは依頼しますが、まぁやってくれるかどうかは別として、ルーシーと合流するのはなんとも大変そうだ。
なんたって今ルーシー、大統領夫人の顔ですからね。
とりあえずホットパンツと合流しないと始まらないでしょう。
で、やっぱりラストのウェカピポの涙が胸にグッときた。
いいな〜。
ひさびさだなぁジョジョでこんなに感動できる話は。
第6部ラストの「僕の名前はエンポリオです!」以来かも!
マンダムも最高によかったけど、今回のエピソードはまた違ったいいエピソードになりましたね〜。