山田洋次監督時代劇第三弾。
御毒見役の役目上盲目となってしまった侍が、騙された妻のために意地をかけて決闘を申し込む。
主演木村拓哉の光を失ってからの演技がなかなかよい。
舞台はこれまで同様、幕末の海坂藩。三村新之丞(木村拓哉)は藩主の毒見役。三十石の下級武士で、生活は苦しいが美しい妻・加世(檀れい)と古くからの中間・徳平(笹野高史)とともに、慎ましく笑いの絶えない暮らしをしていた。ところがある日、毒見で口にした貝に当たり、三村は数日生死の境をさまよう。加世らの必死の看病のかいもあり、なんとか回復するも、三村は二度と目の見えない体になってしまう。自暴自棄になり自害しようとする三村を止めたのは、加世の必死の訴えであった。通常ならば家禄お取り上げとなるところを、三十石の家禄もそのままとされ、余生は養生して暮らせとのお達しに安堵する三村であったが、その三村の耳に、妻・加世が藩の番頭・島田藤弥(坂東三津五郎)と密通を繰り返しているという話が入る。加世は夫の家禄を保つため、他に頼るすべもなく島田にお願いに上がったのだが、それをいいことに島田は加世を騙し、その身体を弄んでいたのだ。それを知った三村は加世を離縁し、島田に武士の一分をかけての決闘を申し込むのであった。
木村拓哉の演技は、しゃべりのベタベタしただらしなさが気になってもともと好きではなかったのだが、そのだらしなさが今作品ではいい方面に転がったように思う。
下級武士の朴訥で温かみのある、ちょっと不器用な男の不器用なしゃべりといった感じに仕上がっているようで、なかなか好感が持てる。
最初のうちはそうでもなかったのだが、視力を失ってから非常によいのだ。
また敵役の坂東三津五郎もいい。
今回の作品は、主人公夫婦に視点がかなり寄っていて、それ以外の人物はあまりクローズアップしないので、坂東三津五郎が演じる島田もほとんど作中登場せず、その悪事っぷりも本当に最低限描かれるだけなのだが、それでも脂ぎった中年の助平さ、強欲さ、冷徹さがにじみ出てきた。
ああ、こいつならたしかに三村でなくとも叩っ斬りたくなるなとw
そう思わせるだけの説得力があった。
悪役はやっぱりこういう説得力がないと面白くない。
山田洋次時代劇は、一貫してサラリーマン侍の悲哀を描いてきた。
矛盾に満ちた藩主や上司の命令にふりまわされ、幕藩体制自体が明日吹っ飛ぶかもしれない事もうっすらと感じ取っていながらも、それに奉公するしか生き方を知らないような悲しい生き物。
それでもなんとか頑張っていくのは大切な家族がいるからで、そんな家族のためにこそ戦おうとする不器用な男達。そしてそれをかげながら支えようとする、口数の少ない女達。
この若い男達、女達の、失敗を重ねながらもなんとか寄り添いあい、助け合いながら歩いてゆく、心温まる物語というのが山田洋次時代劇だ。
その中でも本作品はより重点的に主人公に視点を近づけて、テーマを浮き彫りにしているように見受けられる。
その他の登場人物にはほとんどカメラをパーンさせず、最低限の描写だけですませて、ほとんどの時間を三村と、その妻・加世を描くことに集中している。
ストーリーも寄り道をせず、実に明快単純。
前二作品よりもかなり洗練された印象を受けた。
ラスト、チャンバラも非常に面白い。
ハリウッド映画のチャンバラと日本のチャンバラの大きな違いは、「静」のあるなしだと私は思う。
ハリウッド映画のアクションシーンは怒涛のように繰り広げられるアクションの連続で観客の度肝を抜く。それはそれでいい。
だが日本の良質なチャンバラはそれに対し、「動」の合間の「静」の緊張感で観客の息を飲ませる。
最後いかにして盲目の三村が島田に立ち向かうか、繰り返される静と動との合間でハラハラしながら見守ることになる。
これは面白い。
また結末の、これぞ時代劇!な落としどころも素晴らしい。
三部作で比較すれば、個人的には「たそがれ清兵衛」の品格が好きだが、作品完成度ではこれが一番の出来ではないだろうか。
公式HPはこちら。
んで本題(ヲイ)前から話てたブログパーツがなんやかんやと完成してみたんで試してくだされ〜
http://wao-warn.s298.xrea.com/blogparts/gimage/index.html
いちおうブログのほうでもエントリーしてみたんで、設置方法とかよくわからんようならコメントいれてねぃ。ちなみにSeesaaブログの文字コードは「Shift_JIS」ですので「sjis」を設定デス。
http://wao-and-warn.seesaa.net/article/52343019.html
つーコトでよろしく♪
説明読んで、最初は「????」だったけどw
やってみたら簡単簡単♪
これ面白いね〜。
何度も更新して楽しんでしまうw
楽しいものをありがとう〜♪