感動の19巻から一転し、激動の展開を見せる20巻いきます〜。
ネタバレ注意!
過去感想はこちら→1〜3 , 4〜6 , 7〜9 , 10〜12 , 13〜15 , 16〜18 , 19
19巻で、戦いの舞台から降りた玄野に迫るくる吸血鬼。
一方和泉も吸血鬼との壮絶な戦いの中で倒れる。
玄野を救出しようとかけつけるガンツチームだったが、善戦むなしく玄野は吸血鬼に殺されてしまう。
玄野弟のアキラが内通者になる展開は意外でした。
吸血鬼になっていく描写を思えば、良心を持たず、兄を軽蔑しているような雰囲気でしたから、てっきり兄弟対決となるのではと思っておりました。
最後は首だけになっちゃって、あれまぁあっけない。
結局のところ、本当の吸血鬼となるまでには、人の心は捨てきれず、かといって一度入ってしまった吸血鬼の組織からは抜けることもできなかったって事なんでしょうか。
ついに和泉が死亡。
今までの行いの報いのような、そんな凄惨な戦いでしたが、それでも最後は自分の彼女を助けて死ぬという、今までの彼ではありえない行動をとっての死。
それまで実生活に実感を持てず、人を人とも思えず、戦いの中でしか生きている実感をもてなかった殺人狂の、遅すぎた目覚めでした。
最後まで殺人狂では、きっとあまりに救いがないことになってたでしょうが、このエピソードのおかげでなんとなくホッと出来た気がします。
本当に、あまりにも遅い目覚めでしたけどね。
和泉が死ぬ前、電車の中で西と気になる会話をしていました。
和泉「あれじゃ…カタストロフィの時点で役に立たない… もッと強いアイテムを集めないと もう…時間がない」
西「日本はもう今から頑張ッたって遅いだろ… アメリカとかドイツとか… イスラエルとかに任せときゃいいじゃん」
カタストロフィというのが何かはさっぱりわかりませんが、今までの戦いとはまったく違う、決定的な大戦争のようなものが待っている様子です。
今の彼らのガンツチームは、ポイントを仲間を生き返らせることに消費してしまって、強い武器をまったく手に入れられてない。
それがまずいというわけです。
しかしこのカタストロフィという話を、和泉と西はどこから手に入れたのでしょうか。
答えはあの例の黒い玉しかないと思うのですが、気まぐれに黒い玉がプレイヤーに警告を与えることがあるのでしょうか。
それとも、プレイヤーが「このあと俺達はどうなるんだ?」とか質問したら、それに答えるのでしょうか。
また、しかしカタストロフィに生き残るためには、現在のガンツチームじゃダメだという和泉の見解ですが、はたしてそうなのでしょうか。
たしかに戦闘力の面ではそうかもしれませんが、あのガンツチームの結束力、チームワークはあれはあれで相当の価値があるのではないでしょうか。
「誰かのために戦う」が今までの一貫してのテーマだと、私は受け取っています。
このテーマから言っても、それを否定してしまっては今までの展開全てをひっくり返してしまうことになりますから、それはやらないと思うんですが。
いやいやわかりませんね。
ここまでの展開だからこそ、それを一度ひっくり返してしまう大きな展開があっても、それはそれで興味深いかもしれないですね。
そして予想通り、外国にもガンツチームがあることが判明。
各国それぞれで宇宙人と対決し、着々と戦力を増強しているようです。
話がだんだん大きくなってきましたね。
地球人総力vs宇宙人総力という構図になっていくんでしょうか。
どうもガンツのシステム自体は宇宙人の手によるものとしか思えません。
もしかすると、宇宙人同士の戦いに、勝手に地球人が駆り出されているのかもしれませんが。
最終的にこのストーリーがどこまで展開していくかわかりませんが、なかなか面白そうな展開です。
玄野の戦死は、勇壮でしたが憐れでした。
きっと加藤が再生してくれると信じますが、それでも何も知らないたえちゃんを思うと憐れでしょうがない。
きっとまた、玄野の死を知ったタエちゃんは、記憶がないにもかかわらず感情だけが触発されて、わけもわからず泣いてしまうんでしょうけど、それでも記憶がないのが多少の救いと、そう思うしかありませんね。
しかし、かわいそうに。
玄野ひとまずお疲れさん。
ちょっとお休みするといいよ。
本当によく、戦ったからね。
玄野の分も、きっと加藤が頑張ってくれることでしょう。