韓国の連続TV時代劇『チャングムの誓い』の大ヒットで一躍有名になったイ・ヨンエ主演の復讐劇。無実の罪を背負って13年の刑期を終えた女は、獄中練り続けた復讐の計画を実行に移した。イ・ヨンエが美しい笑顔で人を殺す場面が魅力的。
イ・クムジャは幼児誘拐殺人犯の無実の罪で13年の刑期を終えて出所した。獄中、その美しさと優しさで「親切なクムジャさん」と慕われていた彼女は着々と仲間を増やし、実は復讐の計画を練っていた。出所後、人が変わったようにクムジャは冷徹な復讐鬼となり、獄中で得た仲間達とともに復讐に乗り出す。だがその彼女には、13年ぶりの娘との再会が待っていた。
復讐者クムジャの、獄中と塀の外での二重の顔の使い分けが面白い。
獄中では虫も殺さないような笑顔を絶やさない、誰もが惹きつけられる天使のような女性。
外ではなりふりかまわず復讐に駆り立てられる冷酷な女・・・しかしそれもまた非常に色っぽくて魅力的。
イ・ヨンエはこれを器用にこなし、複雑でつかみ所のない不思議な女性を演じている。
気に入ったのは、刑務所の風呂場で掃除しているのかと思いきや、ゴシゴシとタイルに石鹸をこすり付けておいて、悪い大女をすっころばして昏倒させ、ニッコリと天使のような笑顔で笑うシーン。
やってることと笑顔のギャップが爽快。
仲間由紀恵あたりがやりそうなシュールなチャーミングさで気に入った。
復讐は行われなければならない。
だが同時に、復讐はクムジャ自身をも破壊しかねない。
そこに、クムジャは娘との関係を修復できるのか、娘がクムジャの助けとなるのか、そういった問題がからんでくる。
復讐劇よりもむしろ母と娘の物語のほうに、私は興味が行ってしまった。
チャングムの誓いが非常に魅力的だったイ・ヨンエ主演ということで我が家の家族一同期待して観たのだが、これがある意味大失敗。
というのもこれよく見たらR-15指定!
途中少々露骨な性描写が2回も!
家族がシ〜ンと止まるハメになりましたw
イ・ヨンエ自身のそういうシーンはないので彼女のファンには安心なのだが、しかし脇役の性描写が妙に露骨というか露悪趣味的。
悪役の描写なのでそういう手法をとったのだろうが、ちょっと引いてしまう人も多いに違いない。
とりあえず家族や恋人同士で観るのはやめておいたほうが無難というものだ。
しかし、ラストシーン付近の表情など、イ・ヨンエの美しさと、魅力的な演技が随所にちりばめられているので、やはり彼女のファンにはお奨めできる作品だ。