ネタバレ注意!
ストーリー展開はいつも通りスローながらも、タイス編クライマックス前って感じになってきましたね。
おそらく次巻あたりでガンダルと試合するなり試合しないなりなんらかの決着となり、その次あたりで脱出って感じの展開になるでしょうか。
早ければ次巻でタイス脱出編となっちゃいそうです。
今回はその前準備として段取りが整い、113巻で確保した脱出ルートを利用し、スーティとフロリーを先に脱出させるって展開。
その間、今回はひたすら水神祭りの描写でした。
まぁ興味のない人にとってはこの水神祭り描写は「またかよ」ってな長い描写で退屈極まりないんでしょうけど、私はこういうのけっこう好きです。
一年中せっせと身を粉にして働いている人たちが、一年のうちほんのちょっとだけハメをはずして享楽に身を投じる、その刹那的な楽しみっていうのがなんとも儚い切なさをどこかにはらんでいるようで、好きなんですね。
祭りが楽しいほど、祭りの終わりをどこかに予感させて悲しい。
祭囃子ってのはいつも悲しいんですよ。
黒曜宮の陰謀の頃のサイロンのお祭り描写は最高でしたし、その連想もあるんでしょうかね。
今回のタイスの水神祭はサイロンの祭りとは大分毛色が違いますが、私は今回も近隣の農民になったつもりでお祭りを楽しむ気分で読んでいましたw
私なら、まずどこを回るかな〜とか、賭博「ヨッサ・ボッサ・モッサ」では誰に賭けるだろうかな〜とか、屋台の串焼きが旨そうだな〜とか、魅力的な美女との出会いはないだろうかな〜とか、夜は路上で毛布ひっかぶって寝るのか、それとも一大決心してロイチョイの娼窟に繰り出しちゃうんだろうかな〜とかw
そういった妄想をどんどん羽ばたかせてくれるのが、栗本ワールドの創造力なんですね〜。
しかしスーティ頭いいなぁ〜。
できすぎですよこの子は。
神童です。
はたして2歳半の子供にここまでの思考力、洞察力、判断力がありえるのかと首をひねりたくもなりますが、まさに神童ゆえなんでしょうね。
行く末が恐ろしいやら楽しみやら。
先日の外伝『鏡の国の戦士』ではもうひとりの主役陣の子が生まれますが、その頃スーティはいくつくらいで、どこで何をやっているんでしょう。
ほんと、先が気になってしょうがない。
グイン脱出行の段取りはついたみたいですし、そっちのほうは全然心配はないのですが、グインvsガンダルの試合はあるのかないのか、俄然興味はそちらに行っちゃいます。
とかく強い強いと言われつつも、グインがまともに本気で戦うことなんて、この長い長い物語の中でも数度しかありませんからね。
本気の本気とまでは行かなくとも、それに近いくらいは出さないと無傷では勝てそうにないガンダルという強敵の出現に、グインだって絶対戦いたいはず。
ここは是非やって欲しいところだし、やらなかったら拍子抜けしちゃいますよねぇ。
ガンダルを打ち負かし、そして華麗に脱出してもらいたい・・・読者ってのは欲張りなもんですw
そしてまぁ脱出の後にはできるだけ速やかにパロに行って欲しいですねぇ〜。
ブランはスーティを奪う最後の賭けに出てくるかもしれませんし、マリウスはマリウスでパロに行きたくないってまたごねるでしょうけどw
スーティにはパロで健やかに育って欲しいものです。
逆にスーティがイシュトの元に行くことで、イシュトにはスーティとフロリーがよい影響を与えるかもなぁっていう希望もないことはない。
でもまぁスーティのためにはグインの元にいるのが一番なんでしょうねぇ。
グインの薫育があれば、間違いなくスーティは次世代を代表する偉大な人材になれること請け合いですから。
それが上手くいかなかったりするのもまた、グイン・サーガの面白いところでもあったりするわけですがw