本物のアクションとはこういうものだ!
ワイヤーやCGに頼らない本当のアクションを売りに観客の度肝を抜いたマッハ!のスタッフが再結集。
今度はタイを代表する最高のアスリート達が集まって悪と戦う!!
タイの警察特殊部隊に所属するデュー(ダン・チューボン)は、上官とともに決死の潜入捜査でついに麻薬王ヤン将軍を逮捕。しかし上官はその戦いで死んでしまう。
失意のデューは、テコンドーチャンピオンの妹とともに、スポーツ慰問使節団に同行、タイ北部国境の村へと向かう。
穏やかな村での交流に心を和ませるデューだったが、村は突然やってきた反政府ゲリラに占拠される。
ゲリラはヤン将軍の解放を条件に、村を人質にとって政府を脅迫する。さらに、デューは見てしまう。ゲリラはひそかに核ミサイルを用意しており、バンコクを灰にする計画を持っていることを。
アスリート達と共に、村を、そしてバンコクを救うために立ち上がるデュー。
はたして彼らの運命やいかに!
あの、衝撃の「マッハ!」のアクションふたたびっていうのでとにかく観たかったこの作品。
やっぱり本物はすごかった。
冒頭2台の超大型トレーラーが併走する上でのアクションからして度肝を抜く。
併走する車体間隔は2〜3mほど。
かろうじて車が一台抜けられるかどうかの間に、屋根から突き落とされた男が転がる。頭スレスレに巨大なタイヤが猛スピードで通りすぎる。
一歩間違えばタイヤに巻き込まれる大惨事というこのシーンに、下準備から1年かけたというのだから入念だ。
全編この調子で、本物ギリギリのアクションが散りばめられている。監督いわく、撮影中ケガ人は一人も出していないというが本当だろうか。ちょっと眉唾臭いが実にいい映画を作ってくれるのだから信じておこうw
マッハ!と異なり、今回はアクションスターが主役側で7人揃えられており、どいつもこいつも前回のトニー・ジャーばりのスーパーヒーローという設定。
このタイを代表するスーパー・アスリート達に抜擢されたのが、本物のアスリート達で、彼らの技は正真正銘本物の技なのだ。
テコンドー、体操、器械体操、ラグビー、サッカー、セパタクローといった選手達の最高の技がどれも必殺の技となって繰り広げられる。
一見ジョークっぽく思えるが、観ているうちにだんだん見惚れていってしまう自分がいて面白かった。
私が最高だ!と思ったのが、50m以上は離れていると思われる見張り台の上の兵士を、サッカーボールで倒してしまうスーパー・ロングシュート。
そしてこれは主人公チームではなく村人の一人だが、片足の元セパタクロー選手だ。
松葉杖と残った片足でウソのように舞うその華麗な妙技はまさに必見。
そして微笑ましいのが10歳くらいの幼い少女ムエタイ。
けなげに悪と戦う彼女の演技といい、ムエタイの技といい、けなげっぷりが素晴らしいのだが、この少女とデューの妹との交流は、アクション映画で火照った心を癒してくれるなかなかのしんみりエピソードだ。
そしてアクションばかりでなく、この映画けっこうな破壊と爆発シーンを用意していてそういった面でも実に爽快。
せっせと村ひとつを作ってそこに炎上する巨大トラックを突っ込ませて片っ端からなぎ倒してみたり、ダイナマイトをしかけて一気に吹き飛ばしたりとやりたい放題。
マッハ!から様々な面で成長した映画となったと言えるだろう。
作中うーんと唸ってしまったのが、囚われのアスリートと村人たちが立ち上がるシーン。
彼らは村人たちと一緒に、タイ国歌を歌い、タイ国旗をふりたててゲリラに対して立ち上がるのだ。
アスリート達が国への愛を背負って国の代表として懸命に戦うという、これぞふるさとを守る愛!ってシーンだ。
国家のために、とか、そういう大層なことではなく、単純に大切な人が住む村やバンコクを守るため、恋人や親兄弟が住むところを守るためっていうレベルと、国歌、国旗がイコールなんですね。
これって単純だけどいい構図だなぁ。
ちなみに主人公デューのダン・チューボンはマッハ!とトム・ヤム・クン!の両作品で主役を張ったトニー・ジャーとは体育大学でのクラスメイトで親友。なんともその大学は凄まじい人材育成をしたものだと感心するばかりである。
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