フォレスト・ガンプ/一期一会の陰で惜しくもアカデミー賞を逃した無冠の名作。
スティーブン・キングの小説を原作に、刑務所の暗闇の中でも希望を捨てなかった男の物語を、さわやかに、そしてどこまでもあたたかく映画化。
脚本、演出をはじめ、全てが満点満足な映画だ。
妻とその愛人を撃ち殺したという冤罪で、銀行員アンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)は「2度の終身刑」を言い渡され、ショーシャンク刑務所へ送られてくる。
陰鬱で希望のない刑務所生活のなかで、救いとなるのは「調達屋」として様々な物を所の外から調達してくれるレッド(モーガン・フリーマン)との交流だった。
また、アンディは自らの才覚で予算を手に入れ、所内に図書館を増設。書籍やレコードを大量に入荷して他の囚人たちから信頼を勝ち得てゆく。
一方刑務所の監察官たちからも重宝されるようになり、彼ら全員の税務処理や、所長の不正な所得のマネーロンダリングまで一手に引き受けることになる。
おだやかになるかと思えたアンディの刑務所生活だったが、事態は急激に悪化する。
それも、妻と愛人を撃ち殺した真犯人の噂を聞くことがその引き金になるという、なんとも皮肉な形で……。
名作名作と呼ばれているがなんぼのもんじゃいと観てみたが、はい御免なさい兜を脱いで降参します。
一発ノックアウトでファンになりました。
なんとも節操のないことよw
アンディ役のティム・ロビンスもよいのだが、レッド役のモーガン・フリーマンが素晴らしくあたたかい。
セブンやディープ・インパクトでも印象的だった彼の、人間味あふれる情の深い演技がこの作品でいかんなく発揮されている。
「最初は誰でも壁を憎む。そしていつの間にか壁に慣れ、最後はそれに頼ってしまう」
仮出所した囚人は、何の役にも立てない自分と向き合い、絶えずさらされる恐怖と戦わなければならず、結局壁の中に戻りたくなってしまうと言うのだ。
レッドがこう淡々と人間の弱さの不思議を説くあたり、実に説得力があってよかった。
脚本が実に緻密というか綿密にできており、素晴らしく完成度が高い。
ひとつひとつの伏線がよりあわされて徐々に徐々にひとつの物語が織り上げられてゆく。
職人の技に魅入る心地だ。
意外性やショッキングさはあまりない作品だが、観客がこうなってくれと祈る方向にちゃんと物語が進んでゆく快感はなかなか得がたいものだ。
むしろそのように観る側を乗せてくれる。
演出面でもこの作品はぬかりないのだ。
映画世界に身をゆだねる快感がここにはある。
ラストの展開は、これを話してしまうと決定的なネタバレになるため口を閉ざすが、なぜこれでアカデミー賞を逃したんだろうと首をひねるばかり。
まぁライバルが悪かったのかもしれない。
フォレスト・ガンプを観てないのでなんとも言えないのだが、こちらも是非観てみたいと思った。
先日完結した浦沢直樹の漫画『20世紀少年』が、かなりこの映画から影響を受けているんじゃなかろうかと、途中いくつかのシーンで思われた。
あるいは、ショーシャンクが影響を受けた作品から、同様に影響を受けたのかもしれないが。
『20世紀少年』が好きな方は是非『ショーシャンクの空に』をお試しあれ。
なぜ今までこの映画を観なかったんだろうと実に後悔。
私はこの作品、誰にでもお奨めいたします。
ヤバイ!モーガン・フリーマン渋すぎ!!
ちなみにこの映画の印象に残るフレーズは図書係のじいさんの
「ブルックスここにあり」
こういう映画にまた出会いたいものです。
気づかなかった・・・。
視野狭いッスね俺。
もう一回確認してみます。
参考になりました。
カネシンさんの視野は別に狭いわけではないと思いますよ。
すごく素敵な作品ですから、もう一度観るきっかけになれたことを嬉しく思います^^