クエンティン・タランティーノ製作総指揮。
痛い痛い痛い!
怖いというより痛い演出満載の激痛ホラー。
観ていてこっちまで痛くなってきます。
脚本もしっかりしていてホラー要素だけじゃなくちゃんと物語として楽しめるところもよい。
ハメをはずした調子のいい若者バックパッカー3人組が、女と快楽を求めてヨーロッパをあてもなく旅行中、謎めいた男からとある町のホステルの話を聞く。
そこではヨーロッパ中の美女とヤりたい放題だというのだ。
遊びに暴走しきった3人は、迷うことなくそのスロバキアの片隅の街へ足を伸ばす。
ホステルに逗留を決めるや否や、ルームメイトがいかにもセクシーな美女で「一緒にスパに行かない?」なんて誘ってくる。
なんとも嘘のようなオイシイ夜を満喫した一行だったが、朝、気づくと3人のうちの一人が忽然と姿を消している。
それがあの、残酷極まりない事件の始まりだった……。
まずはなんといってもやたらと痛そうなスプラッター描写。
人体破壊描写が凄まじい。
飛び散る血肉。
破壊者のクレイジーな表情。
そして真に迫った被害者の叫びっぷり。
観ていてどうしてもこっちが痛くなる。
こういうの苦手な人は絶対観られないでしょう。
しかしこの作品より残酷な人体破壊を描写する映画はいくらでもあると思うが、この作品が違うのは「じっくり、じわじわ」とやっちゃうこと。
やるなら一思いにやってくれ〜〜っ!って思っちゃうんだなぁ。
どんなに残酷な殺し方でも、一瞬ならば痛みも少ないかもしれない。
だけどこれは「苦痛」を味わわせることこそが目的なのだ。
これは怖い。
また、なんともおぞましい破壊を手を変え品を変えやってくれる。
切断、穿孔、焼却、打撃、粉砕。
中でも実に痛々しいのが電気ドリルによる穿孔。
ギュイーーーーンと所かまわず穴を開けるシーンは直視的に描かず、観客が見るのはポイと放りだされたドリルに付着する僅かな肉片。
人によって各所痛がる場所が違うだろうが私はこのシーンが一番キた。
あと、街の子供達が怖かった。
「バブルガム!」と威勢よく叫んで手を突き出してくるあの子たち。
ガムをくれなければ人すら殺しかねないし、実際ラストは盛大にやってのけちゃう。
何考えてるかまったくわからない、まるで違う星の生命体のようなあの子達がなかなか魅力的でおっかない。
日本映画マニアでもあるタランティーノだけに、本作品も日本人が登場。
ちょっとトンチンカンな日本語演技はまぁしょうがないとして、その女性の性格設定、行き着く先などはなかなか納得できて面白かった。
実際の日本人女性というより、日本映画でよくある女性描写って感じがしましたね。
賛否両論ありそうですが。
最終的な隠しテーマとしてアメリカ批判、ハリウッド批判のようなものも垣間見えますが、そんなことは気にせずともストーリー構成がしっかりしていて最初から最後までワクワクドキドキしっぱなしの娯楽作品です。
といってもセクシー描写、残酷描写に容赦がないのでご家族と一緒に・・・・・・って時はご注意を。