2007年07月25日

読書感想 そうだったのか!中国

『そうだったのか!中国』 池上彰 集英社

 元NHK記者で「週間こどもニュース」の初代お父さん役でも有名な池上彰が書く「そうだったのか!○○シリーズ」の中国編
 私は同シリーズでは「現代史」「日本現代史」を読んでおり、どちらもなかなか楽しかったのでこれも手にとってみた。
 今なにかと話題の中国がどういう道を歩んできたのか、素人にもわかりやすくまとめられております。



 タイムマシンもののTRPGを作っていた時期がありまして、その参考にと時間関連のSF小説をかたっぱしから読むかたわら、やはり歴史も勉強せねばと世界史の簡単な入門書をかたっぱしから読んでいた時期がありました。
 で、タイムマシンだけに未来の世界がどうなっているのかも考えなければならないとなったときに、どうやってリアリティのある未来を想像するか、いろいろ考えた挙句やっぱり現代の延長なんだから現代史を勉強しなきゃならないだろうと思いまして。
 現代の政治や経済、歴史の力学の延長線上にSF的思考を乗せることで、説得力のある未来世界をデザインできるんじゃないだろうかとかなり無謀なことを考えたわけですw

 まぁそういった少々変わった理由で勉強しはじめた現代史だったのですが、勉強し始めるとこれが意外と興味深い。
 正直学生時代、歴史は苦手だったんですがね。独学でやってみてはじめてわかった歴史の面白さです。
 徐々に世界各国の現代史がわかってくると、日々ニュースや新聞で入ってくる情報がなんとなくわかりやすくなってくる。
 世界でおこっていることの現在進行形の事柄の切れ端を聞くと、それが何から発生した事柄で、それにはどの国や勢力が関連していて、その後どのような影響をまわりに与えてゆく可能性があるのか、そういったことがまぁ所詮なんとなくですがわかるようになってゆくのが面白くなったんですね。
 はじめはSFからわいた興味が、だんだん現代史そのものの魅力にのめりこんでいったわけです。

 で、そんな頃に出会ったのが、池上彰さんの「そうだったのか!現代史」
 NHKの「週間こどもニュース」でもそうでしたが、今話題のニュースを、基礎知識のまったくない人にわかりやすく噛み砕いて解説してくれるなかなかの良番組の作り手が書いた、これまた非常にわかりやすい本。
 これをかなり気に入りまして、続くシリーズのなかから「日本現代史」も購入。
 今回はその「中国編」と言うわけです。

 こういった本にありがちな、「このことは知っていることを前提に話を進める」というようなことがないのがよいところ。
 むしろ「知っていないのが前提でひとつひとつ解説します」というスタイルなので、「興味はあるんだけど何も知らないんだよなぁ〜」っていう人にお奨め。

 全体を17の章にわけ、「反日」運動共産党の誕生の経緯、文化大革命チベット侵略台湾の問題毛沢東一人っ子政策天安門事件などさまざなま話題をひとつひとつ簡潔にまとめています。
 それぞれの章では、冒頭で「最近の中国」を大きく写真つきで紹介し、「ああそんなニュース見たかも」と思わせて、ではその背景はどうだったのか、これまでの歴史はどうだったのかと、ことの発端に遡って話を進める形になります。
 着眼点はあくまで「現代」であって、過去から現代までをただなぞるだけの淡々とした歴史書ではないんですね。
 「現在どういうふうになっていて、それはなんでそうなったの?」っていうわかりやすいクイズ形式とでも言いますか、実用的なスタイルです。

 またあまり押し付けがましい意見を言わないのも好感が持てます。
 意見なしでこういった本は書けないと思いますので、最後にはちょっとした意見の提示はありますが、それは最低限のレベル。
 あくまで「こういった事が起こっているんですよ〜」と紹介するにとどめているのがよいんですね。

 ちょっと物足りなかったのはモンゴルやベトナム方面のことがほとんど触れられていなかったこと。
 あの「内モンゴル自治区」ってどういう経緯でどういう仕組みでああなっているんだろうってちょっと興味があったんですが。
 周辺関連はチベットと台湾を主な話題としていました。
 もしこの本で興味を持てたら、あとはみなさんで調べていってくださいね〜って事かもしれませんね。

 感想としては、なんてまぁ中国って駆け引き上手な国なんだろうなぁって。
 台湾にしてもチベットにしても、対日本、対アメリカ、対ロシアにしても、なんとも取引が上手い・・・・・・というか強引かつ負けない。
 さすがは諸葛孔明の国です。

 また、この本に書いてあることだけを鵜呑みにするのではなく、この本をひとつの足がかりに、いろんな立場のいろんな意見を聞いていくことが、より深い歴史認識を得てゆくことだと思います。

 ねがわくば、日中がお互いのかかえた様々な問題をひとつひとつ乗り越えて、それぞれの歴史を深く認識しあい、知り合うことで実り多い豊かな日中関係が築かれる未来が来るとよいですね。



posted by BOSS at 23:23| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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