2007年07月24日

映画感想 仄暗い水の底から

満足度75点(レンタルDVD)

 水をテーマにした和製ホラー。
 ショッキングな恐怖映像より、想像力で自分で膨らませてしまう恐怖が主体。
 母と娘の絆を描く側面も。



 なんかこの季節に合ったホラーが観たいなぁ〜って思って借りてきましたこの作品。
 印象的なシーンで雨漏りが出てくるのだが、実は今年まで数年雨漏りに悩まされていた私としては人事ではなかったりして以前から観たかった。
 しかし1997年作品って言いますからもう10年前なんですね〜。

 原作・鈴木光司、監督・中田秀夫のリングコンビによる和製ホラー。
 この頃日本映画はホラーが盛んでしたね〜。

 ストーリーは、夫と離婚調停中の松原淑美(黒木瞳)とその娘・郁子(菅野莉央)が老朽化したマンションに引っ越してくるところから始まる。
 が、この団地にはなにかがある。
 ジワジワと広がってゆく天井の雨漏りのシミ。
 水道から出てくる長い髪の毛。
 捨てても捨てても戻ってくる赤いバッグ。
 思わせぶりな様々な怪異ののち、母と娘は戻ることの出来ない恐怖に襲われる。

 この映画、あからさまな怖い絵を極力見せないようにしているのが特徴。
 幽霊もゾンビも死体も、バーンと見せてしまえば瞬間の恐怖は稼げるが、結局それっきりということなのだろうか。
 よくやるドーン!と効果音でビックリさせたりする手法もほとんどとらない。
 とにかく静かに、ピチャピチャしとしと水音ばかりで、じわじわと恐怖を連想させる絵を見せるのに終始している。
 観客は、登場人物と一緒になって想像力をかきたてられて不安になる。
 つまりこの映画の恐怖は観客自身に委ねられているのだ。
 ビックリドッキリを捨て去り、じわりじわりと迫ってくる昔ながらの怪談の怖さを表現した・・・と言ったところか。

 また、母と娘の絆をまんなかに据えて描いているのが、ホラーとしては珍しく、好感が持てるところ。
 ホラーの体裁を借りた家族愛ものと観てもよさそうだ。
 このへんは、黒木瞳もいいのだが、子役の菅野莉央ががんばっていてほほえましく、観ていてホロリとさせられてしまう。
 ぜひ小さな子供に観て欲しいと思うのだが・・・まぁ子供には怖すぎるでしょうねぇ。

 舞台設定を老朽化して人気のない、暗いボロ団地にしたのもよかった。
 現代の片隅の暗がりに潜む恐怖といった、現代日本ならではのジットリとしつつ無機質というか、ドライな映像だ。
 この作品、ハリウッドでリメイク(「ダークウォーター」)されているが、このへんはおそらくまったく違うものとなっているでしょうね。
 機会があったらそちらも観てみることにします。

 原作が短編集に収録されていた短編小説ということもあり、ストーリーはいたって単純。
 あまり観ていて疲労感のこない、あっさり風味だ。
 さらりと楽しめるショッキング控えめ、ハートフル・ホラーといったところか。


posted by BOSS at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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