「必殺! 主水死す」で死んだはずだがあまり深く考えないほうがいい。アメコミと一緒でパラレルワールド的に違う話がいっぱいあるのだ。
作中、新世代の「婿殿」として東山紀之が新たな主役・渡辺小五郎を演じ、新旧二世代の「婿殿」の対比がまた興味をそそる。
わたくし必殺シリーズが大好きで、「新・必殺仕置人」のDVDを全巻揃えてしまうほどなので、これは観なけりゃおさまらない。
で、どうだったかと言うと、時代劇低調の現在、なかなか頑張ったなというのが感想。
役者でよかったのがやっぱり中村主水(藤田まこと)と、今回の元締め役お菊(和久井映見)の2人。
役者の色気というかオーラがやっぱり違う。
飛びぬけて魅力的なこの2人の会話シーンが一番よかった。
新メンバーのなかでは主役・渡辺小五郎(東山紀之)がなかなかの健闘。
彼のシャープな顔立ちが、仕事人のときのクールさとよく合っている。
殺陣もなかなか。キレのあるダンスで身体能力には元々定評のある彼だけに、刀さばきも綺麗でかっこいいのだ。
あとは、「婿殿」と「仕事人」の二面性をうまく演じ分けていけば、これからの必殺シリーズを背負って立つ新ヒーローとしてやっていけるかもしれない。
ところがやっぱり先代の「婿殿」の影は重いのか、どう演じ分けるかで今回は当惑しているような、そんな印象を受けてしまった。
まだまだ新しい「婿殿」像は確立できなかったようである。
ちょっと作品に元気がないかな?というのが全体を通しての感想なのだが、でもまぁこの感じでがんばって連続物をやって欲しいと思う。
でないと必殺の火が完全に消えちゃうからね。