2007年07月06日

チャングム終わった〜♪

 長かったようで短かったような!
 『チャングムの誓い』観終わりました!
 いやぁなかなか面白かった〜。
 脚本や演出、シリーズ構成の面には多少荒っぽい面もありましたが、とにかく毎度毎度、手を変え品を変えて視聴者を惹きつける、魅力満載でしたね。



窮地に次ぐ窮地!

 まずよかったのは謎や試練、窮地が休みなくやってくるという上手い構図。
 ひとつの試練が終わってちょっと一安心かな?と思っているとまたすぐ次の艱難がやってくる。
 一話一話の切れ目が、かならずと言っていいほど次の試練がやってきた瞬間にやってくる。どうなるんだ!?って次が気になって気になって、どうしてもその次を見てしまいたくなるという構図なのだ。
 このへんはクイズ番組での、「正解はCMの後」・・・というやり方と同じ。お決まりなやり方だが効果的だ。
 謎や試練に対し、視聴者もチャングムと同じように頭をひねって悩み、自分なりに考える時間を与えられるから、家族と一緒に先の展開の予想を言い合ったりもできる。
 このへんの番組の切れ目をドラマの切れ目にしない方法は、アメリカドラマの影響だろうか。


チャングムの秘密


 また、この不自然なほど試練の連続となるのにあまりそれに不自然さを感じさせないのは、チャングムというキャラクターの背景設定にほどこされた工夫が大きいだろう。
 チャングムは出生に秘密を持ち、父と母を陰謀と政争の犠牲という形で失っており、復讐を誓っている。
 これを絶対に誰にもバラしてはいけない。
 母から残された遺言や、手紙、過去の過ちからくる心にかたく誓った自分への戒め。そういったものがチャングムの縛りとなっているのだ。
 だから他人から見れば不自然に写る行動もとってしまうし、それをどうしても説明できないし、譲れない点が出てきてしまう。
 おかげで試練に事欠かない。

 次第に話がスケールアップしていくにつれ、秘密のからみがほぐれたりもつれたり、新たな絆や破滅や多くの人たちを巻き込んで、ふりかかる難関もその深刻さを増してゆく。自然観る側もどんどん引き込まれてゆく。
 よくまぁ計算してあると思う。


チャングムの魅力

 またチャングムのキャラクター性が中盤から非常に魅力的になってくる。
 最初チャングムは復讐のため、秘密のために宮中入りをするのだから、追い出されたりしないために、それこそ必死になって懸命にがんばるわけだ。その頑張りはそれ以外に方法がないために行うもので、生にしがみつこうとするものの頑張りと同じ性質のものだ。
 だが次第にその懸命さ、何事にも全身全霊で立ち向かってゆく姿勢が、チャングムそのもの、アイデンティティーになってゆく。
 こうなってくると周りの人間たちが、いつのまにかチャングムの姿に心打たれ、物事の打開を彼女に任せてみようとし始める。
 初期はさほどでもないが、才覚を現してゆくにつれ、好むと好まざるとにかかわらずいつのまにか物事の中心にいて、周りの人間たちの運命がかかっていたりする。
 そして、チャングムは周りのひとたちの祈るような気持ちのなか、問題をなんとかしてしまうのだ。
 この下りが毎度毎度心地よい。
 「彼女ならきっとなんとかしてくれる!」
 そういう祈るようなすがるような気持ちというのはおそらく、子が母に頼ろうとする気持ちなのだろう。
 母の安心感がチャングムにはある。
 誰をも見捨てず、真正面から誰も立ち向かえない問題に立ち向かい、おのが身を捨ててでも全ての人を救おうとするチャングムは、いわば「原始の母性」なのだ。


全キャラが引き立て役!

 宮中を舞台とした陰謀劇、料理対決、ロマンス、活劇、医学サスペンスとまぁいろいろと要素が入っており、群像劇のようにも見えるが、決して群像劇ではない。

 女官時代にチャングムを導くチョン・サングンやハン・サングンら先達の深い人間性。
 気弱だが優しい心を持ったヨンセンをはじめとする、たくさんの友人たち。
 敵となる、ひとクセもふたクセもあるチェ一族や奸臣オギョモ。
 チャングムを小さなときから守り、宮中に上がっても心配してオロオロとして視聴者の緊張をほぐしてくれるカンドックの夫婦。
 どれをとっても魅力的な人物像だ。
 多数のキャラクターが登場し、それぞれの魅力を発揮するのだが、しかしひとりとしてチャングムから主役を奪いそうになるほど目立つものは出ない。
 全員がチャングムを引き立てるために配置され、動いてゆくのだ。
 そのあたり非常に一貫しており、このドラマがなにを伝えたいものであるかはっきりしている。
 なによりもかによりも「チャングム」なのだ。
 このあたり、ドラマの本題を見失わないためにも大切な構図だ。


ミンの旦那はタキシード仮面!?

 それはたとえヒロイン・チャングムを愛する男ミン・ジョンホですらそう。
 例えるならばミン・ジョンホは美少女戦士セーラームーンにおけるタキシード仮面だ。
 全編おわって振り返っても、ミン・ジョンホってなにやった?って感じで首をひねることになる。
 だが彼がいなきゃ話にならない。
 タキシード仮面も同じ、結局なにやったの?って問われると疑問符だらけになるが、彼がいなきゃセーラームーンはありえない。
 ミン・ジョンホはかけがえのないチャングムのタキシード仮面なのだ。


クミョンはジェリド・メサ!!

 Waoと話したことだが、チャングムのライバルにして宮中にはびこる悪癖の権化たるチェ一族の若きホープ・クミョンってZガンダムジェリド・メサなんだよねとw
 初期は女官達の新星エースとして登場し、飛びぬけた才覚から注目を浴びていた彼女だが、チャングムが次第次第に頭角を現してゆくにつれ影をひそめだし、また追い打ちをかけるようにミン・ジョンホの心をチャングムに奪われてからはストーカーモード一直線。
 最初はベジータ的役割だと思っていたのだが、終盤にゆくにつれその恨みがましい目つきは板につき、いつか「チャングム!貴様は俺のッ・・・!」って叫んで爆発するんじゃないかとドキドキさせてくれたものである(チガウw


 まぁなんといっても一話60分、全54話なんでこんなもんじゃとても語りつくせやしないのですが、とりあえずこんなところで。
 なんにせよ面白かった〜。
posted by BOSS at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ・アニメ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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