2019年06月27日

週刊少年ジャンプ2019年30号 感想<後編>

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 昨日は告知もなくアップを休んでしまってすみません!
 ちょっと体調が思わしくなくてダウンしてしまいました。
 たぶん熱中症だと思うんですけどね〜。
 まぁでも、今日はすっかり元気になりましたので感想ゴーです。
 そんなわけであらためまして後半せーん。

■前編の感想はこちら

 後編の感想は、

・ふたりの太星
・ぼくたちは勉強ができない
・ビーストチルドレン
・約束のネバーランド
・火ノ丸相撲
・アクタージュ
・【読切】カクレミ
・呪術廻戦
・ゆらぎ荘
・神緒ゆいは髪を結い

 の 10 本でお送りいたします。



ふたりの太星

 「ふたりで太星」なのではなく、「ふたりの太星」なんだと。
 さっそくタイトルを持ってきましたねー。
 一つの体を分け合う二つの心だけども、互いに相手を背負う事なんてない。二人とも好きなように生きていいんだっていう気づき。
 それとともに自分の為に余計なことを考えず打てるようになった星が、初めての勝利を掴むというこの構成、なかなかピュアな気持ちよさがありました。

 しかし、こうやってまっすぐ戦い始めた星ですが、なんか対戦相手とかまわりの奨励会員の印象どんどん悪くなってってませんかねー(笑)。
 これが余計な衝突を引き寄せたりしなければいいんですが(笑)。



ぼくたちは勉強ができない

 理珠りんのシリアス編に突入かと思いきや、保健室でなにをやっとるのかと(笑)。
 コントの二人ばおりみたいになったときはどうしたもんかと笑ってしまいましたが、どっせーいと途中で自分からバラしに行った成幸はやっぱり紳士ですねー。
 そして、

「こんなところで何やってんだァテメェ…

 …だよ成幸くん」


 と笑顔で凄む黒文乃んも最高でした(笑)。

 しかし、さっすが成幸、この問題を国語テスト形式で解決しようとは。
 たったの数日で必至に考え、理珠りんのためだけの問題集をつくってきた成幸の成幸っぷりに惚れ惚れします。

 さー、これがうまくいくといいんですがね〜。



ビーストチルドレン

 主人公サクラの才能は圧倒的瞬発力でしたか!
 ぶつかり合うことの多いラグビーにおいて小柄なサクラは大きなハンデをしょってると思いましたが、なるほどそういう天賦の才があったのかと。
 しかもそれが生まれ持ってのものじゃなくて、雄虎さんに憧れたために、雄虎さんと同じメニューを毎日やってたからそうなったっていうのもよかった。
 憧れっていう発端のベクトルが、ちゃーんと現在のベクトルに乗っかってる感じ、なかなか気持ちがいいアンサーです。

 またなんでサクラと同じ学校に来なかったか不明だったユキトくんですが、どうやらこれも答えらしきものが。
 サクラを遠ざけるためにわざと嘘をついたわけではなくて、サクラの才能を見抜いてサクラに一番いいチームを選んでくれていたんですね〜。
 やー、イイヤツじゃないですか。
 まぁそれでもなんで当の本人は来てないんだっていう疑問は残るわけですが、本人は本人できっとなんか事情があるんでしょう。



約束のネバーランド

 やー、これは意外!
 アイシェ、実は鬼サイドの子でしたか!
 自分を育ててくれた鬼を愛し、その鬼を殺したノーマンたちを憎んでいたと。
 むしろ鬼にもいいヤツはいるよっていうドン&ギルダと利害の一致した子だったんですねー。
 いや〜、これはひっくり返りました。

 またこの回想の優しい空間っぷりが素晴らしい。
 鬼だって心があるし、優しさもある。
 傷つけられたら傷つきもするし、愛し合い支え合い、やさしいよりどころの空間を作ったりもする。
 私達人間となーんにも変わらない心があるってことがよーくわかりましたよ。
 鬼を絶滅させるということは、こういう心ある鬼たちもことごとく殺す事なんだという事、あらためて思い知らされます。



火ノ丸相撲

 おおー! そこで引くか鬼丸!!
 怒涛の攻防の中、一気呵成に寄ってきた冴ノ山に対し、さらにその勢いを上回る速度で引いてしまう鬼丸。
 後ろはわずかしかないのに、ひとつ間違えたら完全に自爆もの!
 とてつもない思い切った判断です。
 これが鬼丸の土壇場の嗅覚ってやつですか〜。
 これによって土俵際に誘い込まれる形となった冴ノ山を、その勢いのまま投げ切ってしまう鬼丸。
 いっやー、なんともスピード感のある、実に見ごたえのある最後の攻防でした。

 そして描かれる熱い兄弟弟子の姿。
 冴ノ山が「ありがとう全力で戦ってくれて」と鬼丸を称賛したあとに、やっぱり「悔しい!」と正直に言っているのがとてもいい。
 勝負事では負けたほうがちゃんと悔しがることって勝者への一番の贈り物だと思うんですよねー。

 さあ、冴ノ山関から受け取った力も加え、次はいよいよ最後の大勝負!
 待ちに待った刃皇戦!
 これはたぎります!

 それはそうと、なんか堀ちゃん、いつのまに冴さんとずいぶん仲が進展しているような感じじゃないですか(笑)。



アクタージュ act-age

 演出家・山野上花子が夜凪ちゃんの新たな力を覚醒させる。
 なるほどー、必要だったのは空想世界にイマジネーションを飛ばす力だったんですねー。
 あくまで自分の体験や共感にエネルギー源を得ていたメソッド演技ではファンタジーは無理だったと。
 崖から落ちる寸前、虚空を掴もうとしていたのは夜凪ちゃんの中に眠る不可能なことを信じる力だったわけですか。
 いやー、それはわかりませんでした。

 いまや現実世界の縛りすら解き放ってしまった夜凪ちゃん。
 これは限界を超えて無限に伸びていきそうな予感ビシバシです。



【読切】 カクレミ

 なんと執筆当時 17 歳という百田稜助先生による新世界漫画賞入選作。
 いやー驚きました!
 17 歳でここまで説得力のある漫画が描けるのかと!

 奔放な想像力あふれる世界も魅力的ながら、読みやすくワクワクする構成のセンスに脱帽いたしました。
 序盤は主人公を非力なよくあるタイプの少年主人公かと思わせておいて、実はウソつきの悪人っていうどんでん返しに大いにビックリ。
 さあ、これはどういう着地をさせるんだろうと、すごく難しそうな題材を見事に着地させてしまう辣腕っぷり。
 主人公が悪人かと思いきや、ちょっとした交流で情が移ってしまうプロセスも最小限でありながら説得力がありました。
 導入の仕掛けがそのままクライマックスの仕掛けにもなっていたりと無駄もないですしねー。
 主人公の嘘と島の嘘だけでもいい題材なのに、そこに少女の成長もからめてクライマックスで同時に解決しちゃうという、短いページで過不足なく描き切る手腕も凄い。
 なおかつ、いい嘘と悪い嘘っていう精神的な部分まで踏み込んで暖かいメッセージ性を中心にすえているという、まるで大御所のようなたたずまいに見えてきます。
 序盤の「本当馬鹿だな。」というとても印象的なセリフを、ラスト付近で「ほんっと馬鹿だなぁ…」と、温度を変えて繰り返しているのも主人公の心境変化をありありと表してて効果的ですしねー。
 たくさんの嘘を描いておいて、ラストはやっぱり「なーんにも」「ばーーか」というそれぞれ違うタッチの嘘で終わらせ、多くを語らないというのもとってもオシャレ、かつグッとくる。
 いやー、なんかもう計算し尽された凄いのがきちゃったぞと、驚かされまくりの読切でした。

 絵柄や、構図、画面構成などの演出面もなかなか芸達者。
 表情表現にはもうすでに百田先生オリジナルの魅力を感じましたしねー。
 なんかもう新人さんを褒めてばっかりってのもどうなんだっていう気はしないでもないんですが、今回ばかりはいいものはいいと褒めちぎっちゃってもいいだろうなと、そう思います。

 ちなみにさきほど主人公を悪人とわかりやすく表現しちゃいましたが、彼は戦争で財政破綻寸前となった国の調査員としてやってきているわけですから、あくまで国を、国民を救うためについてた嘘でもあるんですよねー。
 そのへんの力加減がすごくいいと思いました。
 これが純粋に私利私欲のためだったらちょっと印象が違ってたかもしれません。
 完全な善人でもなく、完全な悪人でもなく。
 このあたりのバランス感覚がとっても「人間らしい複雑さ」って感じました。
 複雑な人間だからこそ情にほだされもするっって説得力を生んでる気がします。

 私の好みとしては、この破綻寸前の国の行く末についてノータッチだったところはちょっとひっかかりましたが、まぁそこまで描いちゃうと蛇足感もあるかもですし。

 やー、なんにせよ将来がめちゃくちゃ楽しみな新人さんが出てきてくれました。
 ほんとに 17 歳なんですかねー(笑)。



呪術廻戦

 卓球しつつ大いに語る東堂。
 虎杖と組めるものと確信してたら推薦者と被推薦者は組めないと知って魂抜ける(笑)。
 このズーンとしている顔に不意打ち受けて大笑いしてしまいました。
 東堂もこういうヌケたところがあるんですねー(笑)。

 しかし、そしたら虎杖と組む一級は誰なんでしょう。
 ナナミンが来てくれたらうれしいですが、このへんでまた二三年の新キャラ登場ってのもありそうかなと。

 そして東京の面々ですが、いやー、意外すぎました!
 まさかの恋バナ!(笑)
 虎杖に思いを寄せる女の子を助けるため奮闘する釘崎さんと伏黒たちの「そういうことね!?」で通じ合っちゃったりするテンションの高さに笑いっぱなし。
 やー、釘崎さんは気が利いて頼りになるし、伏黒は伏黒でよく虎杖を見ているしですっごく面白かったんですが、圧倒的だったのは虎杖の虎杖っぷりでした。
 めちゃくちゃ痩せて別人のように綺麗になった女の子を一目見て、

「小沢じゃん

 なにしてんの?」


 この破壊力!!
 なんですかこの神っぷり!
 いったいぜんたいなんでわかったんだかサッパリなんですが、座る姿勢の綺麗さとか、なにかしら虎杖が見ていた昔の小沢さんのいいとこで気付いたんですかね〜。
 いっやー、ほんっと驚かされますよ虎杖には毎度毎度。

 しかし、そこからの小沢さんがまたピュアッピュアで素晴らしかった。
 自分が嫌いな人たちと、自分は同じように自分の価値を外見で考えてしまっていたのだと。
 虎杖のまぶしいほどの純粋な光に照らされて、まるで自分が黒いシミのように感じてしまったんでしょうねー。
 やー、もう!なんだ!青春か!
 青春時代にしか存在しえないタイプのピュアっぷりか!
 なんかもう切ないやら初々しいやら可愛いやら悲しいやら。
 苦しそうな小沢さんがめっちゃたまらない後ろ姿でありました。
 なんというか、すっごく繊細な人物描写に戸惑いすら覚えてしまいましたよ(笑)。
 芥見先生、こういうのも書けちゃうんですねー。
 やー、恐ろしい才能です。

 たった一話でめちゃくちゃ印象付けられた小沢ちゃんの恋。
 さー、これは今後どういうことになるんでしょうねー。
 あくまで虎杖の虎杖っぷりを強調するために出て来ただけで、一話限りの登場で終わるのか。
 それとも考えたくはないですが、真人あたりに利用されちゃったりする悲劇が待ってたりするのか。
 そんな悲劇はマジごめんこうむりますが、凄くいい子なだけに、再登場を期待しちゃいます。

 あと今回、釘崎さんが胸に「もやっと」を感じて、おおッ!これはもしやラブコメの波動!?ってガタッと立ち上がるとこだったんですが、最後のオチがそれですかと(笑)。
 あくまでこの三人は戦友ってことでいくってことなのか。
 それとも実は、これこそが釘崎さんの無自覚な本格的ラブコメの波動の前兆だったりしちゃうのか。
 やー、ラブコメ大好きの私としては、こちらもおおいに期待しちゃいます(笑)。



ゆらぎ荘の幽奈さん

 なるほど、リリアの言葉を信じれば天狐家も一枚岩ではないというわけですねー。
 長老たちはあくまでコガラシたちを亡き者にしようとしているけど、雪崩一派はそこまですることはないと。
 コガラシだけは倒さなければいけないけども、それ以外のメンバーは若返らせるだけで済ますことで彼らを救おうとしていると、こういうことですか。

 いやー、でもそんなことをされたらたまりません。
 コガラシとの記憶も、みんなとの大切な時間も何もかも忘れちゃうなんて絶対許せないっていう気持ち、めっちゃわかりますよ。
 それはもう今ある自分が死ぬことと変わりないじゃないかって。
 それにリリアの言うことが本当だとも限りませんしねー。

 さあ、いよいよ戦力を削り合って奥の手がなくなってきた双方。
 決着の時が近そうです。
 あとはコガラシが幽奈さんを信頼し、憑依合体するしかなさそうなんですが。
 はたしてこれまでの流れでそこまでの信頼ができているのかどうか。
 そのへんが最大のポイントになって来そうです。
 いやー、バトル漫画しているなー(笑)。



神緒ゆいは髪を結い

 うあー、なんですかこのおっかないの!
 一気に怪奇漫画化しましたねー!
 そして一気に椎橋先生の筆が暴れまくってるようなイキイキっぷり(笑)。
 こう言ってはなんですが、やっぱり椎橋先生はこっちのほうがやりたかったんじゃあなかろうかと。
 思わずそう感じてしまうホラー描写の迫り来るような迫力でありました。
 もちろんコメディもちょいエロも好きなんですけどねー。
 掲載位置がやばいことになってきて、いよいよ伝家の宝刀が抜かれたかと、そんな感じの急展開でありました。



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posted by BOSS at 22:59| Comment(1) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ビーストチルドレン>まあ父親とラグビーの価値観合わなかった、そういう連中が多かったって事ではないですかね?
選手の適性なんて皆違いますし。

ネバラン>問題はムジカ達以外に関してはある程度ドン達とノーマン達は友人な事ですね。
アイシェにとって共感出来る部分がある二人とはいえ、言葉すら拒絶する程に憎んでいるノーマンと友人である二人には思うところも出来るんじゃないでしょうか?

呪術>やっぱ東堂はネタの宝庫(笑)
シリアスに考えるなら、元々呪術師と関係ない家柄かつ異様な速度でかけ上がった故の無知。
虎杖のような宿儺が取りついたとい特例でなく、虎杖の同期より短い経験にも関わらず同世代トップ故。
Posted by 太郎丸 at 2019年07月01日 19:40
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