2018年08月22日

週刊少年ジャンプ2018年38号 感想<後編>

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 そいでは後半戦〜。

■前編の感想はこちら

 後編の感想は、

・ゆらぎ荘
・アクタージュ
・火ノ丸相撲
・BORUTO
・ハイキュー
・【終了】ノアズノーツ

 の 6 本でお送りいたします。



【センターカラー】 ゆらぎ荘の幽奈さん

 いきなり幽奈さんを消滅させに来たお師匠・逢牙さんですが、今週は好感度を着々と稼いできましたねー。
 話せば幽奈さんが悪いヤツではないことがわかるはずと主張するコガラシに対し、話したら拳が鈍ると情のあたたかさを覗かせたり。
 こういう、「あたしはホラ案外情に脆いからさ」とかいうセリフは、敵が思ってもないことを言ってるパターンをよく見ますが、お師匠さんの場合は本当っぽいのがいいなーと。

 さらにお師匠さんの支援者である黒衣機関の女性が登場し、お師匠さんと仲のよろしげなやりとりを。
 こういう人間的な部分がどんどん見えてくるとやっぱり悪い人ではないんだな〜と。
 ちゃーんとコガラシのお師匠さんなんだなーと、現状敵ながらいくぶん安心感が出てきます。
 「縛り方はあたしの趣味さ」なんてオチャメさも魅力的ですしね(笑)。
 いずれ和解することができたら、元の優しいお師匠さんに戻ってくれそうだなと、そう思わせてくれる描写の積み重ねでありました。

 しかし夜々さん、あわやというところでいい機転をきかせてくれましたねー。
 霊子通信が使えずどうしたら!というピンチに、携帯電話を取り出す発想の転換。
 当たり前の発想と言えばそうなんですが、能力バトル中にそういう発想って意外と出てこないですからね(笑)。
 能力バトルものの盲点を突かれた感じがしてすごく面白かったです。
 「文明の利器!!」というツッコミも素で面白かった(笑)。

 また一瞬幽奈さんがお師匠さんに消された!と思わせる演出もドキリとさせてくれてなかなか。
 ついに天狐家にたどりつくというヒキも目が離せなくなります。
 こんなシリアス編でも縛りプレイや数々のコスプレを披露することも忘れないのもさすがのミウラ先生ですし(個人的にはメイド姿のまろびでんばかりの幽奈さんが最高でしたw)。
 これってば先生、またシリアスバトルゆえの照れ隠しですかね?(笑)
 いよいよ真相に迫ってゆく、いかにもクライマックスな展開ですが、実に面白い充実の展開が続いています。



アクタージュ act-age

 いやー、今週もすごいわかりやすかった。
 演技のスタート地点は小難しい理論ではなく、子供をあやす「いないいないばぁ」なのだというのは共感度がとっても高い話でした。
 そしてその演技に必要な、夜凪ちゃんに足りてなかったものは実は愛だったのだというシンプルな答え。
 ともすると専門的になってしまいそうな演技理論を、ほんとうにわかりやすく身近な話として表現してくれるアクタージュ、なかなかうまい作品だと思いますわ〜。

 バトル漫画やスポ根もので新必殺を編み出す特訓とかで、子供の遊びを利用するとかそういうノリと同じものを感じます。
 奇想天外すぎるトンデモ特訓をやるよりも、そういうののほうが想像力が働きやすく、かえって凄さやその意味が伝わってきたりするんですよね〜。
 役者ものというジャンプでは一風変わったジャンルの漫画ようでいて、意外とこの作品は王道のモチーフをよく使ってるなと最近感じますわ〜。



火ノ丸相撲

 悪漢の正体が佑真さんってのは読み通りでしたが、もうひとりがチヒロだとは思わなかったなー。
 てっきりカタコトだからバトあたりかと。
 しかしチヒロの登場を皮切りに、部長以外の高校メンバーがズラリ集まる展開はなんとも胸熱。
 火ノ丸のピンチにみんなが駆けつけてくれたんだと、その友情の熱さに目頭がヤバイです。
 ラストの火ノ丸とか、ほんっといい目をするようになりましたものねー。
 これまでの闇はどこへやら。
 やー、よかったよかった!
 これからの火ノ丸におおいに期待が膨らみます。



【センターカラー】 ボルト

 なんと、カワキ少年との共同生活編スタートですか。
 なかなか意外な展開ですが、それにしてもカワキ少年、相変わらず敵意剥き出しではあるんですが、根っこの部分に優しいところがありそうなのがいいなーと。
 ヒマリの花瓶を割ったことを謝罪したこともそうですし、ひそかに気配を探って廊下にヒマリを感知したとき、そちらから脱出することを選択肢から外してるんですよね。
 小さな子供を巻き込むことを避けたからかなと思うんですが、もしかしたらこのヒマリの存在がカワキ少年の心を開くのにこれから一役買ってくれることになるのかもしれないなと。



ハイキュー!!

 すっげーーーーーーーーーーーー!!!!!
 日向!! 翔んだーーーーーーッッ!!!!!
 最後のこの跳躍力!!
 もう完全に飛んでる!!って感じに見えてしまって凄すぎます。
 これまでの鬱屈展開を、見事に吹き散らかすかのようなこの飛翔!!
 そうか!その手だよな!それがあったよなー!!っていう大納得感。
 いやー、素晴らしい新ジャンプのお披露目回でありました。

 それにしても、このラストに至るまでの見せ方がとにかく上手すぎる。
 ここまで日向の横の移動の不自由さを強調し、いそげ、いそげと早さを強調し、檻のイメージで外へ出たいとやっぱり横への移動の欲求を強調し。
 その上で、時間をかけるゆったりとしたオープントスからの、「上へ」という回答ですものねー。
 この衝撃、ほんっと素晴らしいものであります。
 鳥カゴをブッ壊し、ちぎれ飛んだ天井を後にして飛び去ってゆくカラスのイメージがもう最高!
 スパイカーの前の高い高い壁が切り開かれて、まさに天空高くの景色がバーッと開けたかのような、そんな素晴らしい解放感を味わいましたよ。
 いやー、やっぱりハイキュー、スッゴい漫画です!



【最終回】 ノアズノーツ

 先週歴史がループするという衝撃の展開でオオ〜と思わせてくれたノアズノーツでしたが、ななんとその次で終了でしたか!
 ここから面白くなりそうだぞ〜と、わたくし先週かなりワクワクしていただけにビックリしてしまいました。

 タイミング的には、バミューダトライアングルの途中あたりで打ち切りが決定し、急きょ用意していたキャラを一気に投入。やりたいループをとにかく駆け込みでやってから再会シーンで綺麗に〆たって感じですかね。
 このぶんですと面白いネタを他にもいっぱい用意していたでしょうに、ちょっと残念な結末です。
 シュタインズゲートオール・ユー・ニード・イズ・キルみたいな時間ループものですとか、ダ・ヴィンチ・コードナショナル・トレジャーといった歴史系オカルトロマン探索系が大好きな私としてはかなり期待してたんですけどねー。
 どうやら人類滅亡とループに関係する最重要キーパーソンがミライだってことだけは最後に判明しましたが、しかし人類がなぜ滅び、誰が何の目的でどうやって歴史をループさせているのかなど、重要なところは一切明かされないままでした。
 そのあたりの消化不良はまぁ打ち切りですし、諦めるしかないって所ですねー。

 私が思いますに、人気がふるわなかったいちばんの原因としては、第一話で読者に期待させた方向から作品がどんどん逸れて行ったことではないかなーと思うんですよね。
 第一話でやった、地底に今と寸分たがわぬ街の遺跡が発見されるという壮大で奇抜な衝撃はなかなかのものがありました。
 あの瞬間のアンケはかなりよかったのではないかと勝手に推測しています。
 さぞやこれからどんどん凄い遺跡が発見され、驚きの真実がバンバン明かされてゆくのだろうなという非常に期待感の高い滑り出しだったんですよね〜。
 ですがそこからの展開で出てきたものは、超火力のライターだったり、子供が目撃した殺人事件の日記だったり、知能のある犬だったりと、ちょっとこじんまりとしたものばかり。
 一話の衝撃を上回るようなスケール感から遠いものばかりという印象でした。

 もちろん一話で読者に見せた作風からどんどん変化してゆき、それで成功を収めている作品もいっぱいあります。
 でもそういう作品こそどんどん大きな衝撃で読者をけん引する力を発揮しているからこそ成功を収めていると思うんですよね。
 読者の期待に応える衝撃を提供できなかったこと、そこが一番の原因ではないかと思います。

 また展開がバトル漫画化していったのはこの際お約束としても、バトルそのものや敵キャラ、仲間キャラたちに大きな魅力を用意できなかったという面もあるのかなと思います。
 バトル漫画として見てしまうと、より純粋にバトル漫画をやっている他の漫画に太刀打ちできる武器を、この作品は持てていなかったのではなかろうかと思うんですね。
 バトル展開を最初から計算に入れるのだとしたら、すくなくとも子供たちが真似したくなるような必殺技や能力、必殺の武器的なかっこいいギミックを主人公に持たせるというような工夫が必要ではなかったかと思います。
 ノア先生としては、武器は使わず知恵だけで戦うというのが学者としてのポリシーだったのかもしれませんがねー。
 いかんせんそれだとわかりやすい派手さに欠けるというマイナス面が大きかったのではないでしょうか。

 いっそのこと、このループをもっと早い段階でやってしまってもよかったのかなーと思います。
 もしくは、人類滅亡の予兆となるような、ド派手な災害や大異変があちこちで起き始める展開とか。
 滅亡まで 4 年の猶予があると思ってしまうと、いまひとつ切迫感が盛り上がってこなかったという面もあるように思います。
 面白いものを出し惜しみする余裕はどこにもないのだということを、改めて考えさせられる打ち切りでした。
 たとえ面白いものを出し尽くし、短命になってもいいからどんどん投入する。そのくらいでちょうどいいのかもしれません。



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posted by BOSS at 22:50| Comment(2) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ゆらぎ>相手の話を聞かないキャラというのは散々見てきましたが、聞いたらヤバイと思ってるのが良いですね。一番納得な理由です。

アクタ>よく考えてみたら1話から親の残したビデオで演技を学習するって、夜凪の演技は愛の結晶だったんですよね。
愛に気がつく事で開花する。ここまで計算に入れてたんでしょうか?

相撲>よく考えてみたら、潮以外の皆は周囲に感謝して稽古してるわけですし、潮だけが個人戦で他は団体戦なんですよね(引退宣言してる刃皇は違う気もしますが)。
心に光を取り戻した潮はこれで対等になったわけですし、これからですね。

ボルト>1話を見る限り、これからカワキとボルトは仲良くなった後に敵になってしまうんですよね。
今から心配が止まりません。

ハイキュー>でもサードテンポで突破出来ても変人速攻が復活しないとは思うんですよね。
サードテンポは3枚ブロックに付ける時間がタップリあるので、囮としては機能しない。
とはいえ日向の目標であるエースには3枚ブロックに勝てる力が必要であり、エースになれると証明するという意味では最高に嬉しい。
ジレンマです。

ノアズ>まあ超未来の武器もループしてるから未来の物があるとかいう意味ではおかしくないんですが、当初の期待と方向は違いましたよね。
結構頭を使っていたりワクワクはしましたし、味方のキャラは良かったんですが敵のキャラというか性格に個性がなかったとは思います。敵に関して評価するとしたら、宗教と絡めると考えがおかしくなるのは理解出来たし斬新だったのと、敵に能力をバラすメリットを示した事くらいです。味方は色々熱くて評価しまくりですが。
スケールに関してはそんなポンポン凄いのが見つかるわけもなく、4年は人類滅亡と考えると滅茶苦茶短いんですが、1回くらいは大発見というインパクトが見たかったですね。それがあるだけで大分違ったと思います。
まあ、作者が過去にやった事のせいか、ネットでは1話からイチャモンだらけになっていたのでそもそもキツイ状況だったのもデカイと思いますが。
Posted by 太郎丸 at 2018年08月26日 17:11
>太郎丸さん
>ボルト
 カワキと仲良くなった上で決定的に決裂するって流れっぽいですよね〜。
 どんな悲劇が巻き起こるのか。

>ハイキュー
 たしかにドンジャンプは囮としては機能しにくいんですね。
 影山が「オープン!」って言ったとたんに何をするかバレちゃいますし。
 「オープン!」と言いつつ田中さんか旭さんで速攻したりってくらいはできそうですが、日向の変人速攻との二択とはいかなさそうですね。
 変人速攻もなんとかして復活させてほしい所。

>ノアズノーツ
 敵の魅力や、衝撃的な発見や前提が崩れるようなどんでん返しなど、もうちょっとどこかでインパクトを出してほしい所だったなーと私も思いますねー。
 もうちょっとなにか一味足すだけで面白くなれる作品だったと思うんですけども。
Posted by BOSS at 2018年08月30日 19:55
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