ではでは一日遅れとなりました後半戦、さっそくまいりましょーー。
■前編の感想はこちら。
後編の感想は、
・【金未来杯】除冷師 煉太郎の約束
・ゆらぎ荘
・ヒロアカ
・ハイキュー
・食戟のソーマ
・青春兵器ナンバーワン
・腹ペコのマリー
・シューダン!
・BORUTO
・磯部磯兵衛
の 10 本でお送りいたします。
金未来杯エントリーNo.2 除冷師 煉太郎の約束
なんと 19 歳の新人漫画家が登場。
眞藤雅興先生描く、鬼火を操る除冷師が少女との約束をはたすために鬼と戦う物語。
いやー、19 歳とは思えない絵の完成度の高さにまずは驚きです。
キャラの表情やら、見せゴマの見せ方やら、アクションシーンのカメラワークやら、新人離れしたレベルの高さにビックリしてしまいました。
引きのコマが少なくて人物の位置関係が分からずバトルの経緯が分かりにくいシーンもあったのですが、そういうところをさっぴいても十分素晴らしいレベル。
これは将来楽しみな才能が出てきてくれました。
主人公たちのデザインもかなりよくて、とくにヒーローの普段モードと変身モードのギャップとか、とてもカッコよかったと思います。
その反面、モンスターのデザインにはあんまり興味がないのか、極端に力を配分されてないなーという感触だったのがもったいないところ。
最強の除冷師が 4 年前にぜんぜん勝てなかった凄い鬼とやらが、そんなに強そうにも怖そうにも見えないっていうのはイカンと思います。
そのあたりもまた、次のステップへの精進のしどころではないでしょうか。
物語は王道の「一見迷惑な隣人が押しかけてきて敵をブッ倒して日常を変えてくれる系」。
それでいてあんまりテンプレならではの退屈さを感じなかったのは、主人公の除冷師が嘘をついていて、最後に女の子に自分の罪を告白するという流れがあったからでしょうか。
このアイデアはなかなか面白かったと思いますねー。
主人公が戦う理由、女の子を守る理由がしっかりあって、やっと倒せたというカタルシスもあります。
絵の綺麗さとも相まって、なかなかよい読後感と印象の作品だったと思いますわー。
ただこの作品の一番のネックは、女の子が最初、主人公を理不尽に嫌がりすぎるところだと思うんですよねー。
主人公がいなければ何度も死んでるのは明白なのに、その自覚をまったく持たずに自分の時間がーとか言っているスカタンぶり。
正直まったく理解できません。
ハダカを見られたからなんだって言うんですか。
あきらかに一人になったところを何度も襲われているのに、自分の時間なんて言ってる場合じゃないっていう話ですよ。
風呂に入っていれば氷の魔物からは襲われないっていうならまだしも、風呂桶のお湯ごと凍らされる寸前だったわけですからね〜。
その脅威と恐怖をまったく感じていないっていうアンポンタンさに呆れます。
こんな子、べつに守らなくっていいんじゃない?って序盤正直思っちゃいましたよ(笑)。
むしろこれだけ理不尽な抵抗感を示す異常性こそが、実は怪物の影響を受けているからでは?とか、そういうセンで深読みもしてしまいました。
どうも眞藤先生、これは私の深読みですが、先に物語の大筋ありきで、言わせたいセリフや見せゴマでありきで作劇されたんじゃないですかねー。
キャラクターはあとからそこにハメこんでみたものの、そこで生じていた不具合に気づかれないまま仕上げてしまったのではないでしょうか。
新人作家にありがちな話ですが、キャラをただのコマとして動かしてしまったんじゃないでしょうかね。
キャラはコマではなく、生きているんですよね。
眞藤先生には、もっとキャラをちゃんとした人間として、息を吹き込む訓練が必要だと思います。
キャラに息を吹き込むと言うとなんかすごい離れ業みたいな感じに聞こえるかもしれませんが、そうではないと思うんですよね。
そのキャラになったつもりになって、そのキャラがその時点では知らないことは頭から追い出して、作者の都合としての話のスジなんかも頭から全部追い出して、純粋にそのキャラだったらどう動きたいだろうかと、それを考えることなんだと思うんですよ。
キャラクターに息を吹き込むっていうのは、そう言う事だと思うんですよねー。
眞藤先生は果たしてそういう作業をこの女の子についてしっかりされたでしょうか。
どうもそういうプロセスを省いてしまわれたんじゃないでしょうかねー。
あともう一点挙げるとすると、よくわかんない人に突然付きまとわれて迷惑しているっていうドラマを描くならば、鬼が出現しない状態で明確に迷惑さを感じるエピソードを描くべきだったかもしれません。
実際に主人公が奇行を警察に目撃されて逮捕されかけるとか、女子トイレ侵入の現行犯で女子高生たちに袋叩きにされるとか、ヒロインとあらぬ噂になって学校中からじろじろ変な目で見られるようになるとか。
具体的に女の子が「迷惑〜」と感じてそれに読者が同情したくなるような、それでいてちょっとクスッと笑えてしまうような、そういうライトなテイストで。
序盤にそういうネタを入れてあげたほうが、女の子が感じる「迷惑〜」に説得力が出てきたと思います。
とはいえしかしまだまだ 19 歳。
今回の感触だといますぐ連載ってなっちゃうとすぐに息切れしそうだなーというのが正直な感触(炎対氷の限定構造じゃ、読切が限界でしょうしね〜)なのですが。
いろいろと経験不足、インプット不足もあるかと思いますが、しかしその表現にはめっちゃ光るものを感じましたし、これからガンガン鍛え上げて、ぜひぜひ大きく開花していただきたいと思います。
比較で言うと、そうですねー、先週掲載の『ジキルの使い魔』よりも、こちらの『煉太郎』のほうが私的には面白かったという感触を得ております。
ゆらぎ荘の幽奈さん
轟ちゃんという新キャラクターに、レギュラー陣が一気に顔見世の回。
轟ちゃんという新鮮な視点からレギュラー陣を見てみると、その超越っぷりがあらためて浮き彫りになりますわー。
ポンコツ認識の雲雀ちゃんすらめっちゃ強そうに見えてきますもの(笑)。
そして今週は、なにげに呑子先生の鬼モードが垣間見えたというのも注目ポイント。
髪の毛とまつ毛が白くなって、肌はこれは真っ赤になっているってことなんでしょうか。
いやー、めっちゃかっこいいし底知れない強さを想像させられます。
さすが神格級の酒呑童子ってところでしょうか。
そして轟ちゃん、そのうちひん剥かれるんだろうなーって言っていたら、さっそくコガラシの眼前でスッポーンって(爆)。
やー、話が早くて助かります。
そしてこの、恥ずかしがってる表情がまた素晴らしい。
しかめっ面の泣き顔の赤面って、ちょっとこれまでにないパターンではないですか。
いやー、ご馳走様でした(笑)。
ゆらぎ荘、女の子たちのすばらしい肢体にばかり注目が集まりがちかもしれませんが、わたしとしては各人のこの恥ずかしがる表情も絶品であると以前より申し上げている次第であります!(笑)
僕のヒーローアカデミア
いやー、超絶熱い展開きましたー!
エリちゃんを守るために銃弾の前に身を投げ、個性を失ってしまったミリオ先輩。
その覚悟、これまでの努力が無になってしまった切なさ。
いや、無駄になんてなってない!と叫ぶミリオ先輩のほとばしるような熱さ!
無個性となり果てながらなおも 5 分間にわたってオーバーホールとやりあってしまう凄まじさ!
いやー、最ッ高に熱いヒーローじゃないですかルミリオン!
そしてさすがに限界、もはやオーバーホールに分解されるのも覚悟をせねばと思われた刹那、やってきました我らがデク!!
やーー! なんっつーカッコヨサですか!!!
もうデク、そこで「私が来た!!」って言っちゃってちょうだいよ!!!
今週、最初から最後まであまりに熱くて終始、オー!とかうほー!とか声を上げながら読んでましたよ〜。
やー、やっぱりヒロアカ、面白いわー。
ハイキュー!!
自分の頑張りはあくまで仲間の為であって、それは根性と言えるほど大したものではないんだと言い張る研磨。
でも、チームメイトたちはそんな研磨の「仲間」って言葉ってほうに胸打たれちゃうんですねー(笑)。
やー、なんてイイヤツラなんでしょう。
研磨の仲間たちに愛されてるっぷり、なんだかたまりません。
一方烏野はそのころ、なんと宮侑によって西谷先輩が狙い撃ちされているという、なんとも意外な状況に。
西谷先輩がオーバーハンドがやや苦手っていう伏線はちょっと前に張られていたと思いますが、でもそこまで圧倒的にニガテってほどではなかったと思うんですけどねー。
しかしその、アンダーに比べたら若干劣るっていう微小な意識の差を、宮侑は巧妙に突いてきているんでしょうねー。
そして同時に烏野全体を精神的にも揺さぶりをかけてきているんでしょう。
守りの要が倒れれば、チーム全体が崩れるわけですしね。
この試合、田中先輩につづいて西谷先輩のターンですか〜。
なんというか、チームの精神的支柱を折りに来ていますね〜(笑)。
でも、ピンチはチャンス。
きっと西谷先輩ならガツーンとやり返してくれるはず!
西谷先輩にはそういう盤石の信頼感がありますわ〜。
食戟のソーマ
そこで少女漫画属性が役に立ちましたかー!(笑)
四宮師匠へのトラウマから怯えまくる田所ちゃんでしたが、なんとここでエースをねらえネタ!
宗像コーチとかまんますぎて大丈夫なのー!?とか、つーか今時エースをねらえって言ったって子供たち置き去りすぎないかー!?とか思っちゃいましたが(笑)。
しかしまぁ今の子供たちには“古典的な少女漫画でよくありそうなネタ”として笑ってくれたらいいんでしょうね〜。
やー、笑ってしまいました。
緊迫していた空気をいい感じの笑いでほぐしてくれました。
笑いのネタとはなってはいますが、でも田所ちゃんにもこういうスポ根のような、熱い闘志がみなぎってるんだよってことのあらわれでもあるんでしょうしね。
まさにエースを狙って、大勝利を上げて欲しいものであります。
青春兵器ナンバーワン
ナンバーズ、本当に世界を征服する気はあるのかと(笑)。
今週はナンバーズまさかのカードゲーム化!
美化されまくってるシングルナンバーズたちとかゲラゲラ笑ってしまったんですが、つーかだったら最初から彼らをその姿で作っておけよーと(笑)。
あとツーを「失敗作」って、ちょっとツーが可哀相すぎますて(笑)。
そしてネタがゲームとなれば唐突にキリッとなっちゃう委員長も相変わらず。
最後はさっぱりよくわからない勝ち方で、完全に置き去り状態のエージが可笑しくてしょうがなかったですわ(笑)。
やー、ほんとこの漫画はあの手この手とネタの幅が広い!
腹ペコのマリー
おおーっと、話をたたみに入ってきたんでしょうか腹ペコのマリー。
ついにマリーがタイガへの気持ちに気づいたかもしれないってところで、ラブコメモードのもうひとつのスイッチが入った感があったんですが、そこでマリーが姿を消すっていうのは完全に話をたたみに入ってきたモードの展開ですよねー。
いつもの田村先生ならこんな不安感など来週にはナナメ上のギャグで吹っ飛ばしてくれるところなんですが、金未来杯が終わった後の改変期が近いだけに、これはやっぱり終了かなーと思えてしまいます。
シューダン
うおーー!ダイゴくんかっこえええーーー!
普段はオバカで天真爛漫な天使のようにかわいい子なのに、いざボールを追わせると完全に野獣化。
すごい眼光でオーラバリッバリという(笑)。
この「パスを!!」のギャップとか、とんでもない大迫力でしたし、そのあとの怒涛の三連続攻撃とか、思わず手に汗握る熱さでした。
やー、これは少年漫画らしい、強烈に魅力的なライバルが出てきてくれましたねー。
鴨志田君のときとは真逆で、対立どころか、めっちゃ仲がいいんだけども、しかしとんでもなくヤベーと感じさせてくれる強敵の登場です。
パートナーの律くんもこれまた魅力的ですしねー。
おそらく地区大会の決勝のボス格だと思いますが、これは面白い大会になりそうです!
しかし、うしろのボルトが不規則掲載ですから、今回実質ドベとなってしまったシューダン。
さすがにこれは金未来杯が終わるまでの命かもしれないなーと思えてきてしまいました。
うーん、悔しいなー。
こんなに面白いのになー!
最高に熱い試合で奇跡を起こしてほしいものです。
【巻末カラー】 ボルト
センターカラーならぬ巻末カラーって、ちょっと面白いことになっている今月のボルト。
どうやら前半部分で殻の連中が言っている「器」というのが、ラストの墜落した飛行船で発見された棺に入っていた“モノ”だろうなという展開なわけですが、いやー、これ、木ノ葉丸先生、死亡フラグ立っちゃってませんか?
棺に入ってた実験体?みたいなものが行方不明で、さらにその追手っぽいヤツが「ザリ…」とか迫ってきていて、しかも通信機も使えないって。
完全にホラー展開ですよ。
岸本先生からはボルト連載にあたって NARUTO 登場人物のレギュラー陣でも殺していい許可は出ているそうですが、そのもしかしたら最初の犠牲者になっちゃったりしないですよねー、木ノ葉丸先生。
磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜
八十八の神々がーーーー!!(笑)
研ぎ汁ごと川に全部ながされた神々の絵のシュールさがまさに神がかり!
やー、みなさん、お米を研ぐときは八十八の神々を感じて大切に研ぎましょう(笑)。
平成のいまのお米は2〜3回洗う程度で十分ってのもなにげにショック(笑)。
こちとら昭和人間ですから、ジャキジャキめっちゃしっかり洗っちゃってましたわ〜。
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>>除冷師 煉太郎の約束
僕はヒロインよりむしろ主人公の方が引っ掛かりました。
襲われてる原因がはっきりしていて、倒せるだけの力があるなら最初の段階で説明して封印解いて倒せよ!っと思いました(まぁ、主人公の心境的に切り出しにくいとかもわかりますし、説明したところですんなりいくかも別問題ですが)。
あと、途中で出てきた除冷師がキャラもやることも雑だな〜と。ギャグっぽく「お前何なん」とかありましたが正直言ったこととやったことが胸糞過ぎてイラっとしかしなかった(しかももやったことの責任を取らない)。
>>ボルト
多分、イルカ出てないですよね?
いたのは木ノ葉丸と新キャラ(もしくはウドン ?)かと思います。
初めまして。コメント書き込みありがとうございます。
>僕はヒロインよりむしろ主人公の方が引っ掛かりました。
>あと、途中で出てきた除冷師がキャラもやることも雑だな〜と。
ちょっと長くなりすぎてしまいそうだったので感想本編では割愛してしまいましたが、そのへん私も引っかかったところですねー。
原因としてはやはり、作者が先にプロットを作り上げたところにキャラを当て嵌めて、コマとして動かしてしまったという点で同じところに原因を発しているのではないかと思います。
一度それぞれのキャラの視点に立ち返って、それぞれの立場からどう行動したらそのキャラらしいかを考え直すことが必要なんじゃないでしょうかねー。
>多分、イルカ出てないですよね?
おっとー!これはお恥ずかしい!
「先生」イコール「イルカ先生」、みたいなよくわからない反射思考でイルカ先生と書いてしまったみたいです。
つつしんで訂正させていただきます!