週刊少年ジャンプ2017年26号掲載分の感想に参ります。
■ジャンプ本誌の感想はこちら→前編
【コミック派ネタバレ注意!】
【感想小タイトル】
■善意
■エルバフ
■悪神誕生
■善意
ビッグ・マム回想〜エルバフ編〜スタート。
いやー、意外なことに、ビッグ・マム……子供時代のシャーロット・リンリンは、実はとってもいい子だったんですね〜。
……心根は。
熊とオオカミが争っていたら、仲良くさせるために一緒に檻に入れさせるって。
それが悲惨な結果になっちゃったのは子供ゆえの無知が原因であって、動機としては純粋な善意でしかないわけで。
マザー・カルメルもこれでは叱るに叱りにくいですわなー。
小さな子供って、虫の羽根をちぎっちゃったり、残酷なところがあるものですが、ああいうのは別に悪意があるからではなくて、命の尊さを知らなかったり想像力や共感する力がまだ育ってないからなわけです。
そういう無知な子供が、もしも誰も止められない怪物的な強さを持っていたらどうなってしまうのか……。
いやー、これは恐ろしい存在ですわ。
手長族の腕をちぎろうとしたり、魚人族のひれをちぎろうとしたり、悪意がないだけに実に恐ろしい。
いつか取り返しのつかないことを起こしそうでめちゃくちゃにホラーです。
でも、そんな怪物のようなリンリンにも、ちゃんと導いてくれるマザー・カルメルがいた。
こんな問題児のリンリンでもすべてを許し、全幅の愛を注ぎ、ちゃんと教え導いてくれたマザー・カルメル。
なんって聖母ですか。
ちょっと許しすぎじゃない?もうちょっと厳しくしてもいいんじゃない?とも思わないでもないですが、たぶんこれがマザー・カルメルの信じる子育て道なんでしょうねー。
その証拠に、このあとリンリンはマザーのことが大好きになっていて、マザーの言いつけを守って 6 日までは断食を達成しているわけですからね。
やー、普通だったらこのままいい子に育っていたはずですよ。
そう、断食と言う習慣さえなければ……。
……でも、現実は、残念ながらそうではなかったと。
■エルバフ
それはさておき、エルバフの島、期待通りいろんな人が出てきてくれましたねー。
ドリーとブロギーはすでにリトルガーデンで決闘中なので出てこれませんでしたが、司法の島で出てきたオイモとカーシーに、さらにはハイルディンまでが登場。
ハイルディンはもっと若い印象があったんですが、さすが長寿の巨人族。ビッグ・マムより年上だったんですね〜。
そしておそるべき長寿の巨人族長老たち。
滝ひげのヨルルさん 344 歳に、山ひげのヤルルさん 345 歳。
もし現在でも生きてるとしたら 400 歳越えという、おどろくべき存在です。
現実にいたら江戸時代開幕時代のひとですもんね!(笑)
いやー、巨人族の長命っぷり、予想以上でした。
あと、ビッグ・マムが恐らくお菓子好きになったのはこのセムラというシュークリームみたいなお菓子が原因なんじゃないかと思われますが(いや、捨てられた時もリュックにいっぱいお菓子を詰められてから元々かな?)、それが巨人族のお菓子だったというのがかなり意外。
巨人とお菓子って、ちょっとミスマッチでいいですね。
巨人のイメージが一気になんだかカワイイものに見えてきましたよ(笑)。
■悪神誕生
だが、そんな巨人族の習慣が、リンリンの中に隠されていた恐ろしい“悪魔”を目覚めさせてしまうことになる。
いやー、なんでまた断食なんてものがあったんでしょうねー!
リンリン、断食に耐え切れず、おそらくは例の発作が大爆発!
我を忘れたリンリンが巨人族の村を滅ぼすという、悪夢の光景を現出させてしまいました。
さっきも言いましたが、断食なんて習慣さえなければリンリンもこんなことにならなかったのに。
ああでも、もしかしたら遠からずこんな運命が待っていたのかなぁ〜。
現に、リンリンがこの島に捨てられたのだって、おそらくはこの発作のせいでしょうからねぇ。
その国でも、なにかの拍子におなかがすいたリンリンがこんなような大暴れを始めて、国中が大騒ぎとなってしまったのでしょうから。
だとしたら、たとえこんな断食がなくっても、いずれ遠からず悲劇はやってきていたのかもしれません。
うーん、でもこれ、悪いのはリンリンのせいではないですよね〜。
少なくとも私にはリンリンは悪くないって思いますよ。
悪いのは病気ではないですか。
でもそれを誰も分かってくれない。
マザー・カルメルなら理解してくれたかもしれないのに、でもマザー・カルメルもそれを知らなかった。
そこがとても悲しいのです。
ヨルルさま「悪神じゃ!!!」とか言って殺す気マンマンじゃないですか。
でも違うんですよと。
ちょっとわかってくださいよと。悪いのはリンリンの病気なんですよと。
そこを誰かひとりでも分かってくれるひとはいなかったんだろうかと。
いやー、やるせなくてたまりません。
リンリンが生まれ育った国に、診断してくれる人はいなかったんですかねー。
例え原因を究明できたり治療ができなかたっとしても、経験則として、空腹がトリガーとなって暴走を始めるから決してこの子を空腹にさせてはいけないよとか、そういう教訓に気づける人はいなかったのかと。
お父さんもお母さんも気づけなかったんだろうかと、そこがとってもやるせないです。
もしそのトリガーに気づく人がひとりでもいてくれたら、少なくともトリガー情報をマザー・カルメルに伝えておいてくださいよと。
そうしてくれたらこんな悲劇は避けることができたんじゃないかとねー。
まー、子供を捨てるときにマザー・カルメルに連絡の一つもせずに捨ててっちゃうような人たちですからねー。
口ではどう言っていても、心の底では自分たちの事しか考えてない、子供の事なんてこれっぽっちも考えてない身勝手な親なのかもしれませんが。
誰かがもうちょっとうまくやってれば、このマザー・カルメルだったら将来的にリンリンの病を取り除く、なんらかの手立てを講じることが出来たのではと思ってしまいます。
あるいは、悪いのはリンリンという存在を、愛するどころか恐れたりするだけで、よく見ようともしなかった大人ということなんですかねー。
たしかにこんな破壊的な恐ろしい子供が癇癪を起して暴れまわったりしたら、恐ろしくって調べるどころじゃないのも分かりますが。
あの無敵と言っていい巨人族の戦士である長老ですら「悪神じゃ!!!」って、なかば恐怖で拒絶しているようなものですからね。
もしリンリンが小さな普通の子供であれば、なんでこんな不可解な暴れ方をするんだろうと、押さえつけて医者にみせることもできたはずです。
でも、それができないほどの強さを、すでにリンリンは持ってしまっていた。
そこもまた不幸なボタンの掛け違いだったと言う事でしょう。
いやー、なんとも不幸な話です。
いくつものボタンの掛け違いがこの悲劇を生んでしまったんだな〜と。
そしてだれも止められなくしてしまったんだろうなと思います。
では、いったいどこまで不幸は膨らんでいってしまったのか。
このあと、長老たちがどうなっちゃったのか、そして、マザー・カルメルがどうなっちゃったのか。
いかにも長老の剣の前にマザーが身を投げ出しそうな展開なんですが…。
さらには、この心根の優しいリンリンが、いかにして今の恐ろしいビッグ・マムに変わっていってしまったのか、そのきっかけも気になるところです。
さー、悪いのは、結局誰だったんでしょうか。
先の気になる過去編であります。
あ、ところで今気づきましたが、現在のビッグ・マムの「食いわずらい」と、この過去編のリンリンの発作は若干症状が違うようにも見えます。
現在の食いわずらいは、何の前触れもなしに突然発症しますから、とくに空腹がトリガーというわけではないんですよね。
でも、このふたつが別の病気であるとも考えにくい。
なんらかの関係があるものと考えるのが自然ではないでしょうか。
子供の頃に空腹が原因で発病した食いわずらいが、慢性化&悪化して、常時ランダムで発生するようになっちゃったってことではないでしょうかねー。
うーん、恐ろしい!
病気は早期発見、早期治療が大切と、そういうことですね。
チョッパーが都合よくこれを治す薬を持ってるとか、そんなミラクルはないもんですかね!
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巨人族の王子ロキが北欧神話の神だったり、ハイルディンの技名のグングニルが北欧神話の主神オーディンの使う武器の名前だったり、エルバフは北欧がモチーフになってそうですね。
尾田先生めちゃくちゃ忙しいでしょうにいったいいつ調べているんだか(笑)。
>エルバフは北欧がモチーフになってそうですね。
巨人、海賊(バイキング)、といったらやっぱり北欧のイメージですしねー。
ワンピースの巨人のイメージは“王道”って感じで私は大好きですわ〜。