2017年02月27日

週刊少年ジャンプ2017年13号 【6連弾新連載 第4弾 田村隆平先生作『腹ペコのマリー』開幕号】 感想<前編>

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 6 連弾新連載も半ばを超え、後半はいよいよヒット作経験者のベテラン勢が満を持して登場。
 さー、今度はいったいどんな作品で攻めてくるのか、期待は高まります。





 前半の感想は、

・【新連載】腹ペコのマリー
・ブラクロ
・ヒロアカ
・BORUTO
・約束のネバーランド
・ハイキュー

 の 6 本でお送りいたします。



【新連載巻頭カラー】 腹ペコのマリー

 べるぜバブ田村隆平先生が新作をひっさげて本誌ご帰還。
 前作とはガラリとテーマを変えて、バトルもあるようですが今回はあくまで恋愛を中心に据えたラブコメである様子ですねー。
 前作でもときどきあったラブコメ成分はわたくし大好きでありましたので、これは期待してしまいます。

 第一話を読んだ感じですが、いやー、やっぱり田村先生のセリフまわしとかギャグのセンスとか、やっぱり凄いものですわー。
 そして何よりすっげーなーと思うのが展開力。
 これだけのドラマをたった 54 ページに、怒涛の勢いでまとめてしまう構成力はやっぱすっげーなーと思うんですよ。
 ヒロインが河川敷でいきなり儀式をはじめようとしたあたりからの勢いとかとんでもない。
 これでもかとギャグをやりつつも乙女なヒロインの可愛らしさ、男らしい主人公のかっこよさも描いて、過去の由来もしっかり紹介しながらラストの超展開へ持ってゆく。
 この疾風怒濤の勢いでどんどん物語の中に引きずり込まれる感じは読んでて非常に気持ちよかったです。
 
 そしてやっぱり最後の超展開ですねー。
 表紙などのイメージから、てっきりダブル主人公系かと思ってたら全然違う。
 主人公のタイガ君をお隣のアンナちゃんと復活したマリーとで引っ張り合う三角関係ラブコメかと思ったら、まさかの主人公自身がマリー化(爆)。
 いやー、らんま1/2かとね!(笑)
 この展開はまったくの不意打ちでした。
 実際はこの後そういう三角関係になるのかもしれませんが、とりあえず女体化してしまったタイガ君の恋のゆくえはどっちだって感じで、一気に続きが楽しみになりましたよ〜。



ブラック・クローバー

 バネッサ姐さん、幼いころはなんか普通に可憐な乙女だったんじゃないですか!
 いったいいつから、何がきっかけで露出狂の酒好きになっちゃったんでしょう(笑)。
 うーむ、ちょっと黒の暴牛で解放されすぎちゃったんでしょうかねー。
 いつかそのへんのきっかけとなるエピソードも読んでみたいものですが(笑)。

 とはいえしかし、今週は田畠先生にしては珍しく下書き状態が多かったのには驚きました。
 ちょっと最近カラーの仕事が多かったりしてスケジュールが厳しかったんじゃないですかねー。
 先輩連載陣がたくさんいなくなって、そのぶん有形無形の負担がのしかかってきちゃってるんじゃないかとちょっと心配してしまいます。
 くれぐれもお身体にお気を付けくださいませ〜。



僕のヒーローアカデミア

 そしてこちらも下書き状態の掲載で驚かされてしまったヒロアカ。
 こちらはアニメ化の打ち合わせや設定資料の作成とかで超過密スケジュールになってしまったとかでしょうか。
 とにかく現在のジャンプの柱作品が二本連続で下書きってのは恐怖です。
 くれぐれも、ほんっとお体にお気をつけ下さいましよ〜。
 葦原先生のような悲劇は二度と繰り返されてはなりません(ワートリかむばーーっく!!)。

 さて本編。
 デク、自分以外の物体は見えていないだろうとたくさんの本を飛散させるって、これはよく考えつきましたねー。
 残念ながらナイトアイの対処能力を飽和させるまでには至りませんでしたが、その線をもっと極めればなんとかなっていたかもしれませんね。
 まあ、すぐ簡単になんとかなっちゃうようではオールマイトの相棒としての格が下がっちゃうので、今回はこのくらいの落としどころが最良だったと思います。

 しかし、予知とはつくづくチートな個性だわ〜。
 オールマイトとナイトアイが組んだら、そりゃー無敵だろうとつくづく思います。
 ヴィランにとっては悪夢以外のなにものでもなかったでしょうて(笑)。

 しかしここで死穢八斎會と話が直結してきますかー。
 いきなりの遭遇にめっちゃドキーッとしてしまいました。
 デクを諦めさせるためにナイトアイが採用したという流れでしたが、もしかしたらこの流れで行くと、逆にミリオ先輩が死んじゃうんじゃなかろうなーと。



【センターカラー】 ボルト

 戦い終わって平和が戻り、ボルトとナルトの関係も好転したり、サラダとの恋の予感までしてきたりして八方幸せかと思いきや……。
 モモシキがまるで毒をしたたらせるようにボルトのなかに不吉なものを芽吹かせていったっていうのが、なんとも面白いじゃないですか。
 読者をまったく休ませる気がないですねー(笑)。

 この、「青き瞳はいずれ貴様から全てを奪い去る」という予言、一体何を意味しているでしょう。
 第一話冒頭で描かれた、すべてが破壊された未来のことを言っているとしたら、あれを起こしちゃったのはボルト自身だったということなんでしょうか。
 うーん。
 ここからどんな物語が描かれてゆくのか。
 新章、楽しみになってまいりました。



約束のネバーランド

 ついにこの時が来てしまいましたかー!
 もちろんノーマンが消えたというのは脱獄とは意味が違いますが、これはもう後戻りできない決定的な一線を踏み越えてしまったってことですからねー。
 いやー、この感慨はとても大きかったです。
 いよいよこの時が訪れたんだなっていう、感慨と同時に、ここから先は一手だって間違えられないぞっていう緊張感もいやおうなしに高まってまいります。
 隠れたノーマンが絶対見つかっちゃいけないのはもちろんのこと、このままうまくみんなの脱獄まで作戦を進めて、ちゃーんと合流しなくっちゃですねー。

 そして気になるシスターが残した謎のアイテム。
 これはいったいなんなんでしょうねー。
 ノーマンが持ったままその謎を解いているのか、それともエマたちに残していったんでしょうか。
 なにか起死回生に繋がるアイテムじゃないかと期待しちゃいますが……。



ハイキュー!!

 勝っていま初めて観客席に OB が来ていたことに気づいたという大地さん。
 自分で思っている以上にカタくなっていたんだっていう気づき。
 これは怖いですねー。
 こういう小さなエピソードの地味なリアルさがハイキューのドラマの説得力を生み出していると思います。

 そして、カタさの中でも勝ち進むことに成功した烏野と同じように、しっかりと勝ちを粘りとった音駒。
 それ以上にきっと梟谷は順調なんだろうなーって思っていたら……、おいおい木兎さん、めっちゃしょぼくれモード入ろうとしているじゃないですか(爆)。
 これは意外すぎて笑っちゃいましたが、さーてこの新展開、梟谷の赤葦さんたちはどうするのか。
 こんなところでいきなり敗北はさすがにやってほしくないですが、まーしかし、さすが木兎さん、意外性の男です(笑)。



 といったところで前編の感想はここまで。
 続きは後編にて。



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posted by BOSS at 21:23| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
漫画版「BORUTO」は今週号までが劇場版と概ね同じ内容でした。
劇場版との大きな相違点として、ボルトがモモシキの残留思念?に
話しかけられるシーンが加えられているのは今後の展開への伏線を
予感させますね。劇場版「THE LAST」の内容によると、
日向一族は六道仙人・大筒木ハゴロモの弟である大筒木ハムラの子孫
から分かれた一族だと語られていました。つまり千手の親類である
うずまき一族と日向一族双方の血を引いているボルトは
ナルトやサスケ以上に源流である大筒木に近い力を持てる可能性が
あるのでそこにかかわる伏線だと考えられますね。

それから劇場版と同じシーンですが、ボルトが「自分は火影にならない」
と言ったシーンは実際に目にする前から私はそう来ると予感していました。
それは自然と人の輪の中心になった祖父や人の輪に入ることを渇望した父達
と違って、ボルトが中心から一歩引いた所に立つクレバーな所のある
性格だから………という性格の向き・不向きもありますが、
一番大きな理由はもっと根源的なものです。
少年期のナルトにとって、火影を目指す事は里の人々に自分を認めて貰う為
に思いつく事の中で、一番分かりやすくはっきりした手段でした。
そして青年期のナルトにとっては偉大な火影となる事が自分を認めてくれた
人々に報いる事であり、師が、兄弟子が、両親や多くの先達が求めた平和を
掴み取るために自分ができる最適解でした。
つまりナルトにとっては自分にとって納得のできる生き方をする事=
夢を掴む事と火影を目指す事は不可分でした。
でもボルトはそうではない。火影を目指さなくても家族も友もいる。
時代の平和は両親たちによってある程度叶えられている。
ボルトにとっては自分の夢と火影を目指す事は=ではない。本人の言葉を
借りればそれはレール、分かりやすい言い方をすれば数ある「進路」の
内の一つでしかないのです。だから自分よりも向いていると思う相手が
いればその相手を応援する事にも抵抗はない。先の事はわからないけど
ボルトが将来火影になる事は無いように思います。
Posted by 語り部 at 2017年03月03日 23:18
話を変えて、せっかくの機会だから意見を言っておきたい事があります。
まず大事なことですが、「BORUTO」は劇場版もこの漫画版も
面白かったと私は思います。ですが今後漫画であれ、アニメであれ、
「BORUTO」が長期化する事に関してははっきり言って反対です。

その理由の一つは、物語の終わり方に関してその理想形は厳密に言えば、
その作品のテーマ・コンセプトによって千差万別がありますが、
読者・視聴者にとって良い終わり方の基本は、まだ見ていたいという
余韻を残しつつ、されど肝心な事は全てやり終えて終わる事だと
私は考えている為です。それが一番満足感と次の物語への
モチベーションを両立できる終わり方だと信じるがゆえにです。
ジャンプで一番最近の例で言えば「暗殺教室」でしょうか。
あれはとても良い終わり方でした。

「ONE PIECE」の様に最初から壮大な構想があって、
作者自身がなんとしてもそれに挑戦したいとそういう作品なら
例え読者や批評家の中に「冗長」や「マンネリ」を指摘する
人がいようとも作者が納得するまで描ききるべきだと思います。
そこまでやって初めて見えてくる地平もあるかもしれません。
また、「こち亀」やアニメの「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」、
等のように完全な一話完結形式で明確な本筋や終着点を設定して
いない作品なら、作者が拒まない限り周囲に促されて続いても
それほど問題がないかもしれません。まあ、それら程超長期に
継続する作品は滅多にないし、一例としてはありでしょう。

しかしはっきりした本筋がある作品が、雑誌編集部や
放送会社の介入によって強引に水増しや引き延ばしが行われ、
本来十分な期間よりも展開と完結が少々ではなく大幅に
延ばされる事に関しては、それで得られた物や商業的には意味が
有る事を差し引いても尚、否定したいと思います。
それらはほとんどの場合、作品のシリーズ全体としての完成度を
下げることに繋がりますし、後進の作家やクリエイターに
とっても良くない例となるでしょう。
敢えて諫言を言わせてもらえば、今の週刊少年ジャンプが
90年代、00年代よりも売り上げが低迷している事は
書籍の電子化等時代の流れのみならず、00年代に編集部が
当時のヒット作に甘えて、新たな人材の獲得と育成をおろそかに
した事が少なからず影響していると私は前から思っていました。
雑誌の漫画でも、TVの番組でも人気作を新たに作り出すよりも、
今ある人気作を延長した方が容易い。しかしその行為に
甘え続けてはやはり全体としての凋落は避けられません。
一読者、視聴者として業界の衰退は悲しい事です。

「NARUTO」は「暗殺教室」など短からず、長からずの作品
よりも遥かに長い超長期連載作品で描く範囲の広い物語でした。
それ故に長期化したこと自体にまず賛否両論あるし、
私自身、細部に関して過不足があったと思っています。
しかし一番の本筋であるナルトとサスケ、二つの忍道の物語に
関しては十分にやりきって納得のできる完結を迎えたと今でも
思っています。それ故にこれ以上本編の「その後」を長々と
語っても、更なる満足感より蛇足感を得てしまう予感の
方が強い。それは「NARUTO」という物語が好きで評価している
からこそどうしても避けたい事です。

………以上、非常に長いコメントになってしまいましたが、
このようにいくつもの理由があるので私は「BORUTO」の
連載長期化に関しては非難こそしませんが、肯定も応援も
できかねます。でもそれはあくまでシリーズ全体と業界の
今後を考えてみた結果です。作品それ単独は決して
つまらなくはないし、ボルトやサラダの成長した姿は
是非見てみたいと正直思います。………ですが、
キャラや作品自体への好悪と、その作品が連載を続けていく
べきかどうかの評価を私は分けますし、他の批評する
人たちも分けて考えるべきだと思っています。
それが私達にできる「公平性」というものでは
ないでしょうか?
Posted by 語り部 at 2017年03月06日 20:04
 おー、評論文のようなしっかりした分析とコメント、ありがとうございますー。

 BORUTOが実際どうなのかは知りませんが、一般論でかんがえて、作者が描きたくないのに商業的理由などに背中を押されて連載を終わることができないというようなのは、作者にとっても読者にとっても不幸だったりしますからねー。
 そういう作品の長期化が、雑誌の新規読者を獲得する力や、新人作家の成長する土壌を奪う事にもなってしまうというのもあるかと思います。

 その作品にとってもっとも適切な長さでしっかり終わることができることが、作者にとっても読者にとっても一番の幸せだろうなーと私も思いますわー。
Posted by BOSS at 2017年03月09日 20:48
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