2016年11月15日

週刊少年ジャンプ2016年50号 感想<後編>

jump201650b.png

 アップが遅くなってしまいましたー。
 後編の感想です!

■前編の感想はこちら





 後編の感想は、

・トリコ
・ゆらぎ荘
・ブラクロ
・背すじをピンと
・青春兵器ナンバーワン
・【読切】戦闘員エンタロウ
・約束のネバーランド
・鬼滅の刃
・【代原読切】天使にエールを
・レッドスプライト
・【終了】ラブラッシュ!

 の 11 本でお送りいたします。



トリコ

 まさに、感動の嵐!!
 リンとの結婚披露宴を兼ね、ついにお披露目されるトリコのフルコース。
 そのフルコースを味わいながら紹介される一つ一つの食材が、まさにトリコの歴史なんですよねー!
 これまでのトリコの長い長い足跡と、数々の戦い、そしてたくさんの出会いが、料理に合わせてバンバン思い出されるという素晴らしい総仕上げでありました。

 まさに、フルコースっていうのはその人の人生の集大成だったんですねー。
 そしてさらに、トリコだけじゃなく、トリコのパートナーである小松の集大成でもあり、かけがえのない仲間たちや、触れ合い、出会ってきた人々、助けてくれた人たちもいれば、命を懸けて戦ってきた強敵たちの思い出だって詰まってる。
 こんなにもフルコースというものが素晴らしいものだったとは、まったくつゆとも想像していませんでした。
 いやー、これはもう、涙なくして読めませんわ!
 トリコ達と一緒にわたしもフルコースを味わいながら、言い方は変ですけどまるで走馬灯のようにこれまでのシーンがどんどん脳裏をよぎっていきました。

 またフルコースの食材だけじゃなく、ガララワニやフグクジラ、メテオガーリックやらオゾン草、メロウコーラまで、これまでの旅で味わってきた思い出深い食材がわんさか使用されていたのも素晴らしい。
 メテオガーリックを使ってもらってうれしそうなライブベアラーとか、こういうのいいですねー。なんかこっちまで嬉しくなっちゃいます。
 センチュリースープを飲んだらニヤケる笑顔が止まらないとかも、めっちゃ懐かしい気分になっちゃいました。
 まさにトリコの歴史をギュッと凝縮したようなフルコース。
 大団円にふさわしい、ほんっとに素晴らしいフィナーレでありました。

 さらに、死んだ一龍会長や次郎さん、アカシアやフローゼさんまでもが食霊として勢ぞろいし、そこに三虎の食霊が子供に返って再会し、一緒に食卓を囲むというね!
 こちらも涙なくしては読めません!

 一時期、裏のチャンネルや食霊という設定が出てきたときは一気に情報が複雑化して頭がこんがらがった思い出がありますが、その食霊の設定があったればこそ、こんなにも素晴らしい彼らの「その後」が見られたわけですねー。
 互いに不幸な殺し合いを演じた人達も、死後なんのわだかまりもなくなり、一緒に最高に幸せな食卓を囲むことができる。
 食霊という設定があればこそできる、ほんとうに素晴らしい一幕です。
 いやもー、今週はほんっと涙なくしては読めない、最高のフィナーレでありましたわー。

 フルコースというシステムしかり、食霊というシステムしかり、このお披露目回をやるためにこそ、ずっと狙いすましてしまぶー先生は設定していたのかもしれませんねー。
 いやー、今週は間違いなく、私にとってトリコという漫画の最高の一話でありました。
 なんかもー、こっちまでおなか一杯の幸せ気分にさせてくれましたわー(笑)。

 さあ、次週はいよいよトリコ最終回。
 いったいどんな幕切れを見せてくれるんでしょうか。



【センターカラー】 ゆらぎ荘の幽奈さん

 兵藤くん、自分の欲望が招いたこととはいえ、丸一日暗い倉庫に放置って(爆)。
 あまりにも不憫というか苛烈な罰に、ちょっとだけ憐れにすらなってしまったんですが、まぁでも自業自得か(笑)。

 そして、それに反比例するかのように一方的に美味しい女体地獄を味わわされるコガラシ。
 いやー、ラストの女体地獄はいつにもまして激しかったですね。
 つかもう、狭霧さんとか、股間にお札って! ここ少年誌!!(笑)



ブラック・クローバー

 あー、下描き状態のコマがいくつもあるじゃないですかー!
 先週心配したとおり、あきらかに二週連続表紙&巻頭カラーをやった反動ですよねー、これって。
 田畠先生に、ちょっとムリをさせすぎたのではないでしょうか。
 ジャンプ編集部も、ベテラン連載陣がいくつも抜けて、ここでブラクロを猛プッシュかけるぞ!となったのかもしれませんが、作家さんのお体こそが一番大事なんだってこと、もうちょっと配慮していただきたいなーと思いますわ〜。
 ここで田畠先生まで倒れられちゃったり、葦原先生みたいに慢性の持病持ちになられちゃったりしたらそれこそ大変ですものね。

 しかし、その下描き状態も見ようによっては爆発的に温度を上げた炎の熱さ表現のようにも見えたのが怪我の功名ですかねー(笑)。
 あるいはこれも田畠先生の工夫だったりするのか。

 それにしても下書きでもしっかり美しい田畠先生の絵、これはこれでなかなかいいものを見られましたねー。

 また、アスタがここで敵の事情を聞き出そうとしたのもさすがアスタ!
 結果的にまったく話してはくれませんでしたが、そんなに憎い憎いって言うなら一度はちゃんと説明してくれよーっていうこちらのひそかな不満を代弁してくれたのですっごい気持ちがよかったです(笑)。
 分かり合えないか?というアスタの言葉がなんだか敵の別のスイッチを押しちゃったようなのは、まぁそれは不幸なすれ違いでしたけどねー。
 いつかはしかし、アスタが敵の心を懐柔してくれる、わかりあえる未来が来てくれることを願いますわ。
 人の希望の体現者でもあるアスタには、そういう才能もあるんじゃないかなぁ〜。



背すじをピンと

 うわー、畔田さんいい人だ―!
 元天才少年は挫折を知り、その位置が当たり前であると自分に染み込ませてしまっていたけれども、でもいまついに反逆ののろしをあげたんですねー!
 いやー、これはなんだか感情移入しちゃうわー。
 一気に応援したくなっちゃったじゃないですか。



青春兵器ナンバーワン

 零一くんのボディが崖を落下していくシーン、静かさと間が最高すぎ(笑)。
 ゲラゲラ笑ってしまいましたわ。

 またなにげに素で熊を退治できちゃってる北斗もカッコいい。

 いやー、掛け合いも楽しいし、ドタバタ騒動も楽しいし、まったく疑いもしない生徒たちのお人よしすぎる日常も楽しいし、なかなか安定した楽しさを提供してくれます。



【読切】 秘密結社D対ファントム戦闘員エンタロウ

 門里慧(もんり けい)先生描く、現代ものモンスターバトルアクション。
 門里慧先生と言えば、私はすっかり忘れていたのですが、2 年ほど前に SF モノの読切『WONDERFUL WONDER WORLD』を本誌に掲載されてたんですねー。

 今回は、人に憑りつき増殖するファントムという敵と、それと戦う秘密結社の少年たちのバトルを描きつつ、事件に巻き込まれた少女のイジメ問題もサクッと解決しやうストーリー。
 キャラは魅力的だし、アクションはカッコイイし痛快だしで、なかなか清々しく読ませていただきました。
 特にこの、イジメ問題というなかなか扱いにくいナイーブな問題を、“轟嘗胆”!!とシンプルにスカッと解決してしまったのは上手いなーと。
 心身ともに強くなって一発でイジメを跳ねのけたんだぞってことをわかりやすく描きつつ、エンタたちとしっかり修行したんだぜっていう友情の形成も伝えているわけですよね。
 このラストのワンシーンの気持ちよさが、この作品の価値をグッと引き上げていたと思います。

 前作の記憶は正直なところあんまり残っていなかったのですが、うっすらとした記憶と比較しても(あと自分が書いた前作の感想と比較しても)、画力もキャラも構成も別人かっていうレベルアップ。
 キャラの掛け合いはイキイキとして魅力的ですし、ファントムや秘密結社などの設定もちょっとした奥行きを想像させてくれて興味をひきます。
 情報量も過不足なく整理されてて話がスッと入ってきますし、展開もスピーディでとんとん読める。
 とくにアクションシーンの派手さ、かっこよさ、勢い感は非常にレベルが高かったです。

 ですが、そのぶん見やすさがだいぶんワリを食ってしまったのではないかというシーンがいくつか。
 今後は線の整理や太さの強弱などなど、さらに表現力の精進が必要ではないかと感じました。
 たぶん、原稿用紙上だと見やすい美しい原稿でも、粗い紙質のジャンプ紙面上だと見え方がかなり違ってきていると思うんですよね〜。
 そのへん、今回の経験を生かして次につなげていただきたいと思います。

 あとは細かいことを言うようですが、バトルで一点ひっかかったところが。
 人質をとって透明化した敵の居場所がわかった瞬間、氷の範囲攻撃で位置特定!としたのはかなり荒っぽかったんじゃないでしょうか。
 これ、一つ間違えば……っていうか、むしろ女の子が生きてたのほうが不思議なくらいだと思うんです(笑)。
 運よく敵がカバーになってたからいいようなものの、普通は女の子も巻き添えでグッサグサになっちゃってると思うんですよねー。
 そしてまた、もしこの氷攻撃が対ファントム専用兵器で、人間には効かないという設定だったとしたら、なんで最初から教室中を氷結させて敵を探さなかったんだっていう問題も出てきてしまうと思うんですよね。

 まー、かなり細かい粗さがしみたいな話だとは思いますけどねー。
 そういう細かい整合性よりも、ノリと勢いを大事にした作品を目指したい、というのもそれはそれでアリだと思います。
 ただまぁ、今のネット時代は揚げ足取りのような細かい指摘もバシバシされがちだと思いますし、最初に脚本を考えたときには気づきにくい盲点も探し出す、そういう制作プロセスを模索していくのもひとつの課題なのではないでしょうか。

 ともあれ、ひとは 2 年でここまで上達してしまうのかというところはかなりな驚きでした。
 今後の門里先生のレベルアップもおおいに楽しみにできそうです。



約束のネバーランド

 エマこえええええええええ!!
 「お前かよ!!」なんていうギャグ漫画みたいなツッコミのノリですっかり空気を弛緩させておいて、

「そういう線引き

 もう二度としないでね」


 の強烈な威圧感。
 やはりママの薫陶を受けただけはある!っていう恐ろしいプレッシャーでありましたわ。
 いやー、ネバランの女性陣はおっかないですね!(笑)



鬼滅の刃

 はい、ついに鬼滅の刃の単行本を購入し、1 巻表紙裏のイラストを見て泣きそうになった BOSS ですよー。
 今週の扉絵もヤバイですね〜。
 無邪気な禰豆子ちゃんに目頭が熱くならざるをえませんて。

 さて本編ですが、あいかわらずスパルタンな冨岡義勇さん。
 しかし伊之助相手にビシバシやってるのを見るとなんだかホンワカしてしまうからアラ不思議。
 フリーダムすぎる伊之助相手だとこのくらいじゃないと務まらないなって思うからですかね(笑)。

 そしてだんだんと本性を現してきた蜘蛛少年ですが、お姉さん蜘蛛のほうはどうやら本当のお姉さんではなく、そのフリをさせられていた犠牲者っていう雰囲気ですねー。
 今週、一気にお姉さん蜘蛛のオーラがはがされていったようでちょっと残念。
 でもそのぶん強敵が一人減ったと喜ぶべきか。

 しかし、恐怖によって家族を得ようとか、なかなかにクレイジーな少年ですねー。
 やかましく叫んだりしないぶん、静かな恐怖を感じます。
 いったいなにがこの少年をこうまでしてしまったというんでしょう。

 そしてまた、その狂った少年の家族観に対し、真っ向から反論し、怒ってくれる炭治郎の心強さよ!
 剣は折れても炭治郎は折れず!
 禰豆子ちゃんを守るため、どこまでも男の子な炭治郎がめっちゃカッコイイったらないですわ。

 さあ、ついに少年蜘蛛が十二鬼月であることが判明(で、いいんですよね? 眼球に「数字」じゃなくて「下位」って文字だったのが気になりますが)しましたが、剣も折れ、禰豆子ちゃんも行動不能状態という大ピンチ。
 炭治郎はどうやって立ち向かってくれるのか。
 一気にテンション上がってきました!

追記)コメント欄のご指摘により、眼球にあった文字は「下位」ではなく「下伍」であるということのようです。「上下」と「壱・弐・参・肆・伍・陸」を組み合わせて十二鬼月の階級を表しているのではないかと思われます。



【代原読切】 天使にエールを

 作者急病で休載のワートリにかわり、代理原稿として宮島京平先生の特別読切が掲載。
 宮島先生は、4 年ほど前にアクション系ギャグラブコメの読切『恋愛銀河区 石川荘』を本誌に掲載されてた先生ですねー。

 今回は、アイドルをやめて勉学に励む女の子と、その熱烈ファンの男子がファンであることを隠して勉強を教える学園ラブコメ読切。
 前回よりはかなりリアル寄り、地に足をつけた作品となってます。
 てっきり、常識のない元アイドルが巻き起こすハチャメチャトラブルに男の子が巻き込まれるよくある系かと思ったら、めっちゃひと筋通った女の子の頑張りに励まされる、実にイイお話だったではないですか。
 キャラ造形も可愛いし、この男の子が実は熱烈ファンなのに、それを隠さなきゃいけないっていう不思議な関係性も面白い。
 前向きで一途なヒロインたちの健やかさが、なんとも眩しくて気持ちいい、とても読後感のよい短編だったと思います。
 ラブコメかと思ったら、どちらかと言うと青春成長モノだったっていう感じですね〜。

 あえて難点を言えば、ドラマに起伏があんまりなかったことが気になりましたかねー。
 ドラマに欠かせない、「障害」がこの話にはほとんどないんですよね〜。
 登場人物たちがそれぞれ己の思いを語って、そのままサラッと終わってしまう感じ。
 これはこれでとても爽やかでいいとは思うのですが、少年漫画である以上、やっぱりパーッと盛り上がる起伏があったほうがよいと思うのですねー。
 まぁしかし、17 ページで人物紹介から起承転結ぜんぶやれっていうのもかな〜り酷な話かとは思いますが(たぶん代原ってことになって急きょページ数を大幅に削られたんじゃないかなぁ)。
 次は、50 ページくらいかけた、しっかり読み応えのある読切で、もう一度宮島先生の作品を読んでみたいと思いました。

 4 年ほど前の読切はさすがに絵を記憶してないのですが、自分の感想と比較してもかなり画力を上達された様子。
 話の構成も今回はさしたる破綻もなく、17 ページにしっかりおさめ切った力は確かなものだと思います。
 今週のもう一本の読切の門里先生もそうですが、こうやって確かな成長の証を見せられるとこちらもなんだか嬉しくなってきます(笑)。
 門里先生と同じく、宮島先生の今後にもおおいに期待しておりますぞっ。



レッドスプライト

 神のいかずちか!!(笑)
 いやー実に痛快!
 あの敵から奪った放電するランスをモノに持たせると、こんな暴虐な大量破壊兵器になっちゃうんですねー!(笑)
 もうほとんどラピュタじゃないですか。
 そしてまた、ランスを構えているモノの表情の極悪なこと!(爆)
 ほんっとこの子はいいキャラしてますわ〜。

 そんなわけで、期待通り助っ人に入ってくれたタツたちですが、エデニア軍だってやられてばかりじゃない。
 ついに噂の遺灰兵士が登場しちゃいましたかー。
 つーかこの転送の仕方がなんとも画期的で面白い。
 カードゲームでいうところの自陣のカードを生贄に捧げて墓場から超レアカードを召喚するって感じのシステムなんですねー。

 いよいよ掲載順もやばいところで安定してきちゃいましたが、どうやら打ち切り数と新連載の数で考えると、今期のレッスプ打ち切りはなんとか避けられたような感じですし、ここで強敵とのバトルで一気に盛り上げていってもらいたいところです。



【最終回】 ラブラッシュ!

 そしてこちらはあえなく打ち切り終了となったラブラッシュ。
 当初はいきなり本命のヒロインに告白してのける主人公という、おおきな衝撃を持って登場してくれた本作品でしたが、残念ながらここまでとなってしまいました。

 ひとつには異種族少女たちとのラブコメとして、先人のゆらぎ荘とネタかぶりをしてしまったという点もあるかと思います。

 また、私が感じるところでは、いまひとつ男子中学生が憧れるような、妄想したくなるようなシチュエーションを攻めきれてなかったのではないかという点もあるのかなーと。
 男子読者がラブコメに求めるのって、「俺だったらどうするかなー」っていう妄想喚起シチュエーション、もしくはドキドキロマンチックな恋のシチュエーションだと思うんですよ。
 ラブラッシュは恋の駆け引きで焦らすことなく、一気に告白してズバンと決着をつける、非常に思い切りのよい作品でしたが、そのぶんラブコメの途中過程で描かれるような、ドキドキのシチュエーションを描く機会が減ってしまったという難点もあるのかなーと推測いたしました。

 ただしかし、ただのラブコメではなく「恋ってなんなの?」「人を好きになるってどういうことなの?」っていうところをかなり真面目に追及していったという点はすっごいよかったと思うんですよねー。
 そういった面では、実はラブラッシュはラブコメの皮をかぶった真面目な「恋愛もの」だったのではないかと思います。
 恋のつらさや、いい面ばかりではないということもちゃんと描こうとするその姿勢。
 恋は永遠ではない、でもだからこそっていうところとか。
 ただたんに可愛い女の子の可愛さを描きたいというのではなくて、真面目に「恋ってなんだ」に迫ろうとするこの作品姿勢は、ココロちゃんたちの一途さ、健気さともあいまって実に好感の持てる作風だったと思います。

 この作品の不幸は、読者はこの作品にお気楽でちょっとエッチなドタバタ喜劇を求めていたが、作者はこの作品でシリアスな感動を描きたかったと、そういうちょっとしたすれ違いにあったのかもしれないなーと。
 もちろんラブラッシュもちゃんとドタバタギャグをやっていましたが、そのシリアスとコメディの構成比率が、だいぶシリアスに寄っていたことが、読者の求めるところと若干のズレを生んでいたのかなーと。
 そんなところが気になりました。

 ともあれ、切なくも優しい、健やかで未来につながる感のある素敵な三人のラスト、堪能させていただきました。
 山本亮平先生も前作から見違えるほどいろんな面で成長されたことを今作でひしひしと感じさせられましたし、次回作はさらにパワーアップされていることだろうとおおいに期待しております。
 まずは連載終了、お疲れ様でした。
 次回作でのご帰還、待ってますよっ。



感想後記

 ということで、ワンピとワートリのない今週号でしたが、意外とというか、かなり面白い号でした。
 まずはトリコのフルコースお披露目会がまさに圧巻。
 そして篠原先生によるこち亀のパーフェクトなこち亀っぷりと、しっかりスケダンでもあるっていう離れ業。
 この二作はとんでもない火力でした。

 そして代原もふくめて 2 本掲載された読切ですが、どちらの作家さんも数年前の前作と比較して大きなレベルアップを遂げられていたっていう、これを目の当たりにできたのも嬉しい体験でした。
 大きな世代交代をやろうとしている今のジャンプの、次世代を担うことができるかどうか。
 新人作家にとってのまさに最大のチャンスの時代だと思いますからねー。
 ぜひぜひ精進して花開かせてほしいと思います。

 いやー、どうしてどうして。
 経験豊かなベテラン作家による神業と、才気煥発な新人作家の開花してゆくさまとを堪能できる、すばらしい号でしたわー。
 あとそうそう、左門くんの激アツ展開も目を見張りましたっけ!



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posted by BOSS at 23:59| Comment(6) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鬼滅の、目の文字は「下位」ではなく「下伍」ですね。大字という奴です。
以前に対峙した鼓鬼は「下陸」に×がついて十二鬼月を取り消されていました。
おそらく壱、弐、参、肆、伍、陸にそれぞれ上と下があるのだろうと思います。
Posted by お初です at 2016年11月16日 10:37
第1話の時点からの予想通り「ラブラッシュ!」は打ち切りか………。
私は言った。ハーレムラブコメはジャンプに二つと並び立つ事は
ないのだと。だからこれは必然。当然の結果です。
結局、主人公が本命に一途なハーレム系ラブコメの長期連載なんて
連載する前から無理だとわかりきっていたのです。
シリアスな恋愛の発展を捨てて、サービスシーンと
コメディー要素に比重をぐっと傾けた一話完結を基本とする
作品なら、あるいは様式美的に成り立ったかもしれない。
………でもそれではまったく「To LOVEる」の猿真似だ。
私に言わせれば、同じ路線では「To LOVEる」に敵わぬ事が
目に見えているのにさほどの策もなく、ハーレムラブコメを作る事、
それ自体が既に過ちなのです。なぜに違う道を………
多カップル系の道を歩まないのか?そこにこそ新たなラブコメの
活路があるというのに………。愚か。全くの愚か!
一体いつになったら、多カップル系恋愛ものを作ろうという
理想と気概を持つものが現れるのか!?
Posted by 語り部 at 2016年11月16日 20:44
>お初ですさん

 ほんとだ!
 よく見たら「位」じゃなくて「伍」でしたね(笑)。
 ご指摘ありがとうございます。

 てことは12個ある階級(?)が「上と下」、「壱・弐・参・肆・伍・陸」の組み合わせでできているとして、下伍は何番目になるんでしょうね〜。
 壱の細かい区分として上下があるのか、それとも上クラスの壱から陸という階級と、下クラスの壱から陸の階級っていう、いわゆる一軍と二軍みたいなものなのかっていう問題ですね。
 といっても、「下伍」では10番目か11番目かのどちらかにすぎませんから、あんまり差異はないですが(笑)。
 もし今後「下壱」とかが出てきたときに、そいつがナンバー2なのかナンバー7なのか、そういうところで大差がでてきそうです。


>語り部さん

 ハーレム系ラブコメで、しかもファンタジー系女子っていう二つの要素でかぶってしまうとやはりなかなか厳しいでしょうねー。
 どちらか一方しか生き残れないのは当然の結果だと私も思います。

 バトルものでは現在ジャンプでも多数の作品がかぶっているようでいて、それぞれ魔法ものだったり時代劇ものだったりSFだったりと、売りがかぶらないよう勝負しようとしているわけですからねー。
 近年のジャンプで時折見る「蠱毒」の試練だったのでしょうか。
 あるいは先生自らその茨の道を選び、正面突破を挑まれたのかもしれませんが。

 ちなみにToLOVEるはすでにジャンプ本誌で終了してから7年くらいたってますから、小学校高学年から中学・高校生あたりをメイン購買層としている週刊少年ジャンプとしては、同じような題材でも気にせず同モチーフで勝負していっていいんじゃないかなーと私は思いますねー。
 たしかにToLOVEるが近年のハーレム系ラブコメの金字塔クラスではあるとは思いますが、特に今の小中学生はほぼ読んでないでしょうから、ならばオッケーなんじゃないかなと(ToLOVEるダークネスを掲載しているジャンプSQはあくまで他誌ですし)。
 魅力的な女の子がいっぱいなハーレムでちょっとエッチなドタバタコメディは、ぜんぜん需要があると思うんですよー。

 ただ語り部さんのおっしゃる通り、そこに策がなければ勝負はできないというのはどんなものでもそうですね。ジャンルがかぶってなくったってそうです。
 ラブラッシュに策が皆無だったとまでは思いませんが(その一つが即断即決の清々しい恋愛展開や、真面目に恋を考えるところかと)。
 でも、いまひとつ多数の読者に刺さることはなかったわけですねー。
 策をもっと尖らせる必要があった、もしくは策がもっとたくさん必要だったということかもしれません。

 また、多カップル系や、私が思いますに、オムニバスの恋愛ものも読んでみたいなーというのも、私も常々思っていることです(『初恋限定。』ってけっこうわたし好きだったんですよねー)。
 いろんな攻め口があると思いますが、これからラブコメジャンルでジャンプに攻め込もうとしている漫画家さんたちには、ぜひぜひ頑張って独自の攻め口・策を探っていっていただきたいと思います。

 それはそれとして、ひとりの漫画家を「全くの愚か!」と全否定する文章というのは、ちょっと私には読むのにツライものがありました。
 いつもコメントをいただいていてとても嬉しいのですが、そこは気になってしまったので。すみません。
Posted by BOSS at 2016年11月19日 16:47
やや強い言葉を使いすぎましたが、「愚か」というのは、
正確には世の中の広い範囲に対して言った言葉なのです。
私はかれこれ7、8年以上前から多カップル系の推進を望んで
きましたが、貴重な機会を幾度も逃しているので
はっきり言って世の中への不満が貯まっていたのです。
誤解しないで頂きたいのですが、私個人は多カップル系推進派ですが
他の系統それ自体を否定するわけではありません。
三種存在する恋愛要素の系統、一対一(ワン・オン・ワン)系、
ハーレム系、多カップル系、皆それぞれに一長一短があります。
今回私が、ジャンプの作家陣達に対してハーレム系を選ぶことを
過ちとして否定したのは、三属性の中でハーレム系は長期連載に
不向きだからです。ハーレム系は純化、つまり恋愛模様以外の
要素を抑えて、内容を絞ると三属性の中で最も定型化の傾向が強い。
ようするに同じパターンになりやすい。
コミックスで言えば10巻台くらいなら飽きられる前に終われますが、
それいじょうになるとだいたいネタ切れを起こして、ほぼ確実に
マンネリ化します。主力作品が軒並み連載終了に向かう今のジャンプで
求められているのは少なくとも20巻以上の長期連載作品、
だからハーレム系を選択するのはベストではないという事です。
一対一(ワン・オン・ワン)系も同じく長期連載には向いていません。
多カップル系は三属性の中で制作はもっとも困難ですが、
成功すればかなりの長期連載にも耐えられるので腕に覚えのある
作家たちに是非挑戦していってほしいですね。
Posted by 語り部 at 2016年11月27日 13:45
視点を少し変えて、ハーレム系を選択してしまったこと自体以外で
「ラブラッシュ!」が打ち切りになってしまった理由を考えてみます。
まずこの作品でまずかったのは物語開始時点で主人公に確固たる
思い人がいた設定ですね。それゆえそこから展開される物語は
主人公が他のヒロインたちをどんどん振っていくか、
主人公が心変わりするかしかありません。前者は終盤ならまだしも
序盤からそれがあからさまだとコメディーで中和してもどうしても
雰囲気が湿っぽくなってしまいます。それが続くと正直ラブコメとして
人気を得るのはきつい。かといって後者はよほどうまくやらないと
主人公が単に優柔不断な奴と悪印象が出てしまうので作者に
かなりの実力が求められます。「ニセコイ」は後者がうまくいかなくて
終盤の展開に少なからず反発がありましたね。

第二にラブコメ作品自体の絶対数が少ないジャンプでは珍しくとも、
主人公の元に非現実的な設定のヒロイン達がなんやかんやで
押しかけてくるハーレムラブコメというのは、「To LOVEる」を
引き合いに出すまでもなく、他の雑誌やライトノベル業界では
ありふれすぎていて頭打ち気味の設定なんです。
その設定から始まるのが冒険やもの珍しい挑戦ではなく、
単なるラブコメではラブコメを読みなれた読者にとっては
よくある展開すぎて食傷だったのです。
設定と展開に独創性が足りなかったと言っても過言ではありません。

第三の原因ははっきり言ってしまえば、単純にライバル作品の
「ゆらぎ荘の幽奈さん」よりも画力で劣っていた事です。
前述したようにハーレムラブコメは純化する程に定型化の
傾向があります。そうすると展開が読めてもなお読者を
引き留めるだけのヒロイン達の魅力が肝心になります。
内面的な魅力も必要ですが、やはり作品の性質上外面、
つまり絵柄の方が比重として大きくなりがちなのは
否定できません。「To LOVEる」が長きに渡り人気を
獲得したのは定型的であって尚、読者の目を引き付けるだけの
突出した画力と果断なサービス(演出)があったからです。
「ラブラッシュ!」の絵は別に悪くありませんでしたが、
ヒロイン達を一種のアイドル化させる程の域には残念ながら
達していませんでした。
Posted by 語り部 at 2016年11月27日 13:49
>語り部さん

 力の入った書き込み、またまたありがとうございます。
 ラブコメについてのお話は、おおむねわたしも感じている内容だったかと思います。

 「愚か」という表現についてはどうやら語り部さんご自身にあったフラストレーションが強い言葉を使わせてしまったということだったようで、そこは安心いたしました。

 たくさんコメントをいただいたのに簡単なご返事で失礼かとは思いますが、今週来週はちょっと忙しくなってしまったので本日はこのへんにて。
Posted by BOSS at 2016年12月01日 20:34
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