2016年10月17日

週刊少年ジャンプ2016年46号 【新連載『青春兵器ナンバーワン』<こち亀トリビュート企画『みんなのこち亀×べるぜバブ』>掲載号】 感想<前編>

jump201646a.jpg

 なかなかインパクトのある顔が表紙を飾る週刊少年ジャンプ 46 号。
 さっそく感想にまいりまーす。





 今週のワンピースは休載。
 前半の感想は、

・【新連載】青春兵器ナンバーワン
・ヒロアカ
・ブラクロ
・【トリビュート企画】みんなのこち亀×べるぜバブ
・歪のアマルガム
・約束のネバーランド

 の 6 本でおおくりいたします。



【新連載巻頭カラー】 青春兵器ナンバーワン

 以前『恋のキューピッド 焼野原塵』を連載されていた長谷川智広先生がご帰還。
 悪の組織に改造された改造人間・難波零一(なんば ぜろいち)が、組織を裏切り、学園に飛び込んできて巻き起こすドタバタコメディ。
 『歪のアマルガム』に引き続き、新連載は 2 本とも仮面ライダー風の改造人間ネタが連続です。
 あくまで偶然なんでしょうけどね(笑)。

 通常こういった奇天烈なヤツが学校にやってきた!な作品ですと、視点役兼ツッコミ役のキャラクターは普通の目立たないタイプの生徒や落ちこぼれタイプの生徒が配置されるところですが、今回そういった役どころに抜擢された北斗英二くんはなかなかの奇天烈キャラ。
 国際的な秘密警察のエリート・エージェントで、天才すぎるからこそのオバカ行動なのか、最初の挨拶からして生徒たちがドン引きというのには笑ってしまいました。
 実は、北斗くんも難波零一同様に灰色の青春時代を送ってきており、それゆえにふたりは協力して青春を取り戻すのだというタッグ体制を作り出したところはちょっと新しい始まり方かもしれませんねー。
 ふつう、こういうタイプは難波零一が主に北斗くんを導く形になりがちだと思いますもの。
 ここを、こと青春に関しては対等に持って行ったのは新鮮な形だなと、これはなかなか面白そうです。

 また主人公の難波零一くんがこういう奇天烈キャラにしては珍しく、人に迷惑をかけず、ある程度常識の範囲内で行動しているのも好印象。
 そのぶんインパクトに欠けると見る向きもあるかもしれませんが、奇天烈キャラのムチャクチャ行動によってツッコミ役の生活が破壊されたり、周囲の人間が迷惑をこうむったりする展開はどうしても読者にストレスを生みがちですから、これはこれで読後感を良くしていたと思います。

 以下笑ったところ、ツッコミどころ。

・零一の自己紹介にガクブルの北斗くんの様子に横で青ざめている女生徒の顔(笑)。地味にこういう小ネタが面白い。

・失われた青春を取り戻すためだと言われた北斗くんの「!?」ってなってるところのアゴが!!デッサンミスなのかもですがめっちゃ笑いました(笑)。

・教科書見せてもらっておきながらヨダレたらして居眠り。

・しかも問題が解けなくて泣き出すか!

・改造人間たちの改造フェチっぷり。いかにも秘密結社なんだけれども冷静に考えたら確かにバカの集まりにしか見えなくなるかもしれない(笑)。

青春謳歌度計測器とかいう超破壊兵器っぷり!ヤメロ!むやみにそれを人に向けるな!!!

・北斗君の灰色の青春数値っぷりが凄い。むしろその対人関係幸福度 0.2 はどこでカウントされたものなんだ!

「おめえ…生きてて楽しいのか…?」って、やめてさしあげろ!!

「死んだほうがマシだ…!!」もう黙って!!(笑)

・地面にブッ刺さってる委員長のガニ股。案外女子にも容赦ねぇ。

・友情腹パンチ!それダメ!!古風なダチのハラワタぶち撒けちゃう!!(笑)

・唐突なラブコメ!いいね!ちょっと焼野原塵を思い出した。


 焼野原塵では、思い切りのいいギャグだけでなくアクションもシリアスもいけそうな片鱗を見せてくれていた長谷川先生だけに、今回の仮面ライダータイプの作品構造は長谷川先生の多岐にわたる得意スタイルを無理なく回していけそうな予感がします。
 基本はギャグをやりつつ、話を動かすのには敵組織を使ったり、ちょいラブコメを挟んだり、青春の甘くほろ苦い感じをときおり真面目にやっていったりとか、そんなカオスな感じでいくんじゃないでしょうかね。
 今回は状況説明に追われたのかギャグがやや少なめにも感じましたが、次回以降、キャラたちが走り出してからが楽しみです。
 焼野原塵では、ゴルゴンさんをはじめとして脇のキャラたちが大暴れしだしてからが特に面白かったと記憶していますし、今回も面白いキャラをどんどん投入して盛り上げていってくれることを期待します。



僕のヒーローアカデミア

 なるほど、今回の仮免試験は協調性を試すテストだったわけですねー。
 オールマイトのような規格外のヒーローの出現を待つよりも、団結の力で悪に対峙しようということですか。
 それはちょっとヒーローらしからぬ、とも思わないでもないですが、でもヴィランの活動が活発化している現在、オールマイトなき今、可能ななかでの最善の策なのかもしれませんねー。
 これはしかし、かっちゃん、逆風が吹いてきましたねー(笑)。
 かっちゃんに協調性とか大丈夫なんでしょうか!

 しかし、この協調性を見る試験でなんとまぁ、酷い喧嘩をやってしまいました轟くん(笑)。
 お父さんのエンデヴァーのことについては、まだまだぜんぜん心の傷は生傷のままのようで、それに触れられると冷静ではいられないってところでしょうか。

 イナサくんもイナサくんで、エンデヴァーのようなヒーローを認められないのはイナサくんの個人的な都合に過ぎません。
 もしこの試験が現実の事件だとしたら、その場でいままさに危機にさらされている要救護者や敵よりも、自分の主張のほうに目がくらんで事態を悪化させちゃってるわけですからねー。
 これは反省ものですわ。

 いやー、ヒーロー漫画ではなく、あくまでヒーロー学校の漫画ってことですねー。
 青くていいじゃないですか、こういうぶつかりあい!



ブラック・クローバー

 なんだこの人たちぜんぜん記憶にねぇ!って思ったら小説版の登場人物だったんですね。
 こうやって外伝キャラが本編に出てくると、外伝作品もしっかり公式の世界の一部なんだよ感が出て箔がつきますし、小説版の作家さんもうれしいでしょうね〜(笑)。
 
 しかし、次なるはバネッサ姐さんの故郷、魔女の国ですかー。
 樹々と一体化したような街の風景が摩訶不思議な雰囲気でとってもファンタジック。
 でも、そこを統べる女王様はかなかかにヒステリックで狭量って感じですわー。
 バネッサ姐さんは自分の帰還を交換条件に出しちゃいましたが、そもそも帰っちゃうのかよ!っていう驚きもありつつも、でもその条件だけじゃあこのヒステリック女王様を説得するには足りなさそうだよなーって雰囲気もあるんですよねー。
 さあどうなりますか。
 
 ともあれ、最近魅力急上昇中のバネッサ姐さんのまたまた違った一面が見られそうなエピソード。
 期待しておりますよ〜。



【こち亀40周年トリビュート企画】 みんなのこち亀×べるぜバブ

 べるぜバブの田村隆平先生描くこち亀×べるぜバブトリビュート漫画。
 いやー、全編こち亀と両さんへのリスペクト愛が感じられる素晴らしい読切でした!
 あの男鹿でさえ両さんの勢いには押されっぱなし。
 べる坊の電撃ですらゲンコ一発で止めさせるバイタリティ。
 「アホかっ!!(中略)子猫に助けられろっ!!」とかのムチャクチャなセリフとか、すっげー両さんが言いそうって思ってしまいました(笑)。
 あと両さんの量産体制になって自分ながら引き出しているところとかね。
 「う…うむ いいんじゃないかな…」とか適当に誤魔化しちゃうこの無責任さ(笑)。
 爆発始まりに両津はどこだーっ!でオチるのもお決まりですし。
 いやー、なんか田村先生、むちゃくちゃこち亀を研究されてるなーっていう、こち亀愛をビシバシ感じちゃうトリビュートでしたわ。

 あと、部長がアランドロンから出てくるところ、すっごいあり得ない組み合わせの絵面のはずなのに、すっごいピッタリな感じがするのが素晴らしい(笑)。
 ともすると既視感すら感じてしまうくらいのピッタリ加減ですよ。
 これもまた、奇跡のトリビュート(笑)。

 久々に読んで改めて思いましたが、田村先生うまいわー。



【センターカラー】 歪のアマルガム

 下着姿の女の子が出てきたと思ったら、嚙み合わない会話でゾゾッときて、ページをめくったらドーンと怪物化っていう演出。
 じわじわっと不気味さを匂わせてからのショッキング演出は、これはなかなかのものがありました。

 そしてまた、六道の背後から襲い掛かったように見えた怪物が、実は自ら六道の骨に貫かれたのだという哀しい見せ方もグッド。
 ベタかもしれませんし、ハードさの足りない甘々な展開なのかもしれませんが、でもこういう世界も優しくって素敵じゃないですかーっていう気分になりましたわ。

 というわけで、二話かけて始まりのエピソードを描いたアマルガム。
 愛はすべての苦痛を凌駕するとか、怪物化した少女のなかにひとかけらの理性が残っていたとか、感謝の言葉を残しながら自死するとか、斜に構えずに真正面から少年漫画の王道を突き進んでいる感じがなかなか良いなと感じました。
 お前が暴走した時は俺が殺すっていう関係も王道ですよね(笑)。



約束のネバーランド

 うおー、これって「情報源」はドンとギルダ、どっちもってこと!?
 おっそろしーなーオイ!
 となると、話を聞きながらこの二人が驚いたり笑ったり泣いたりしてたのって、ぜーんぶ演技だったってことですかい!
 いやー、なんともオッソロシイ子供たちですわ。
 エマたち 3 人だけじゃなく、ドンもギルダもこの施設の謎のエリート教育を施されたスーパーキッズなんだなってことがよーくわかりましたわ。
 いやー、とにかく恐ろしい。

 あ、でもドンは「情報源」で確定でいいとして、ギルダのほうはまだちょっとわからないですかね?
 シスターの情報源にされているようでいて、逆にシスターを怪しんで接近していたとかそういうセンもあったりするんでしょうか。
 「これからは一緒に闘える」と喜んでいたエマ(エマもギルダに対する疑惑は残ってたと思うけど、でも8割以上ギルダを信じて喜んでたんじゃないかなぁ)のためにも、ギルダのほうだけでも味方であって欲しいんですがね〜。
 でもこのベッドを立ち去るときの表情とか見ると、さすがにそれも諦めたほうがいいのかなぁ〜。



 といったところで前編の感想はここまで。
 続きは後編にて。



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