2016年10月05日

週刊少年ジャンプ2016年44号 感想<後編>

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 そんな感じで後半戦。

■前編の感想はこちら





 後編の感想は、

・銀魂
・【金未来杯】バラバルジュラ
・斉木楠雄のΨ難
・食戟のソーマ
・レッドスプライト
・【読切】ボイスビーアンビシャス
・ラブラッシュ!
・火ノ丸相撲
・背すじをピンと
・【終了】たくバツ
・磯部磯兵衛

 の 11 本でお送りいたします。



銀魂

 せっかく新コスチュームに身を包んだっていうのにすかさず全裸!
 さらにシモネタやりたい放題の暴走を始める近藤さんがあまりにも最高です(笑)。
 いやー、最終章でもまったくブレませんね!
 もはや安心感すらありますわ。

 さらに山崎、スタローンに見えるのにちゃんと山崎にも見えるからこちらもなんか汚い(笑)。



金未来杯エントリーNo.5 二界梵骸バラバルジュラ

 金未来杯最後の作品は、昨年読切『No.9』を掲載した芥見下々(あくたみ げげ)先生による怪獣格闘バトル。
 現代日本で怪獣同士の格闘戦を成立させるために、神様との約束で兵器や武器が世界中から消滅してしまったとしたのは、シンプルかつ大胆な解決法。正直うまい!って思ってしまいました。

 でっかい人型で怪獣をやっつける。
 エヴァンゲリオンやウルトラマン、さらには操縦者が動いたとおりに人型が動いてくれるという仕掛けは G ガンダムや闘将ダイモスの系譜を受け継ぐ、巨大ヒーロー王道格闘作品。
 巨大な敵を巨大なヒーローがやっつけるというのはアニメや特撮ではおなじみでも、最近のジャンプではなかなか見ない話でなかなか新鮮に楽しめました。

 でっかいヤツらの格闘技を主題としているだけに、人体の描写がとにかくしっかり。
 手足の指の先までちゃんとリアルに、かつ誇張を利かせて「演技」をさせているのに感心してしまいました。
 最後のスープレックスの足の指の踏ん張りとか、なかなか描けるものではないと思いますわ。

 そしてその人体へのこだわりが、女子のフトモモの太さに繋がっているんでしょうね!(笑)
 作者紹介ページの担当とのケンカ、笑ってしまいましたわ。
 う〜ん、確かに太い!
 フトモモが太いっつーか、モブもふくめてほぼすべてのキャラが「厚い」んですよね!
 脚も、腕も、胴も、首も、厚みがあるし、ともすると重量感まで感じるのが面白い。
 ここまでいくともう担当が何と言おうと突き進めと(笑)。
 読者がどう言おうとかまわない、作者の絶対のこだわりだと思いますし、いっそこのまま突き進まないとダメだと思いますわ。
 芥見先生でしか描けない独自個性の絵の魅力だと思いますね。
 たしかに私も、これはフトモモ太いなーとは思いますけどね!(笑)

 また主人公・鈍間遣十(のろま けんと)が、暴れん坊の不良ながらもなかなか好ましい快男児。
 見ていてかなり気持ちがいいのもポイントでした。
 おばあちゃんっ子で万引きを許さず、弱いものを守る正義漢。
 そして何よりカッコよかったのが、ヒロインにビビリ虫と言ったことを素直に撤回て謝罪し、ヒロインの苦境と誇りを察して優しい言葉をかけてあげたところですねー。
 自分の間違いを認めるっていうのは強い人間でなくっちゃできないことですし、ヒロインの抱えたものを察し、迷わず二重の意味で救いの手をさしのべた男気も惚れ惚れとしてしまいます。
 「ちょっと休め」っていう言葉のチョイスもナイスです。
 ここで、「お前はもう副神から降りろ」と言ってしまったら、ヒロインのこれまでの誇りが無駄?ってなっちゃいかねないところですからねー。
 こういう細かい言葉選びに作者のセンスを感じます。

 演出もなかなかキレがあります。
 冒頭、校舎屋上で喧嘩をおっぱじめる学生たちのバックで、巨大な怪獣たちが大バトルしている見開きの絵。
 スペクタクル感ばっちりですし、不良漫画と怪獣漫画という、まるで異質なふたつの世界がひとつに同居できてしまっている面白さがギュッとこの絵につまってるんですよねー。
 怪獣戦争に慣れ切っちゃってる日本人たちの麻痺感覚が伝わってきます。

 格闘アクションも面白いし、ストーリーもシンプルでわかりやすく面白い。
 少年少女のボーイミーツガールとして見ても、不良と優等生、一般人と日本をしょって立つ怪獣パイロットの出会いとしてなかなかワクワクします。

 前回の読切『No.9』は、世界観から能力バトルの内容からかなり複雑にしてあって、またストーリーも最後に説教を盛り込んでちょっと複雑めになっていたりと、いろんな面で複雑さが気になったものでしたが、そちらの面も今回は心配なし。
 構成はシンプルでわかりやすく、副神や偽神の設定もあえて詳細をはぶくことでシンプル化。
 おそらく副神やそのパイロットは今後 2 番柱 3 番柱と増えていくことが容易に想像つきますし、連載化したらこれなら面白くできそうなんじゃないかなという予感がします。

 難を言えば、副神バラバルのデザインですかねー。
 スマートにしたらエヴァやウルトラマンにどうしてもなっちゃうからゴリラ体形にしたのもわかりますし、この厚ぼったい重厚感あるデザインは芥見先生ならではの魅力だとも思います。
 しかしやはりちょっとだけヒーロー感が足りない気がするんですよねー。
 拘束具じみた顔のデザインが原因でしょうか。
 どこかグロテスクで獣っぽく哀愁ある怪獣らしさを大切にしつつも、どこかにやっぱりヒーロー感の出る部分を入れておいた方が、とくに低年齢層を惹きつける魅力となるのではないでしょうか。

 ということで、全作品出揃った今年の金未来杯。
 わたしはこのバラバルジュラを No.1 に支持することにいたしました。
 アクション向きにとびぬけた画力と魅せる演出の上手さ、シンプルかつ面白いストーリーを作る創造力と、王道でありながら最近のジャンプでは見ない魅力的な題材。
 そしてやっぱりかっこいい主人公の好感度ですねー。
 このダイナミックな戦いを、本誌の連載でぜひ読んでみたいなーと思います。

 次点で推したいのは『竹取憑き物語』。
 こちらは粗削りながらも強烈ななにかを感じさせると言う事で、すぐさま連載といくのは難しいんじゃないかとは思いますが、将来の希望をこめてという意味で支持します。

 その他作品も今年はなかなかレベルが揃っていたのですが、やはりどこかで見たような内容で突出するところが弱かったり、連載になった場合の展開が期待できるかわからなかったりしたものが多かったことで差がついたかな〜と個人的には思いっています。

 そんな感じで今年の金未来杯も終了。
 さー、しかし実際にこのなかからどの作品が連載にこぎつけるんでしょうかねー。
 こち亀をはじめとして次々と大先輩が終了していくなかで、次世代のジャンプを背負っていく作品の登場にとにかく期待せずにいられません。



斉木楠雄のΨ難

 照橋さんと相卜さんの初対決……って、いままでそういえばこの二人絡んだことがなかったんでしたっけ。
 対決の形にしつつ、やったことはふたりのイメチェン回(笑)。
 ギャル化した照橋さんとキレイ清純系になった相卜さんの意外な可愛さにやられてしまいましたわー。
 特にメガネをかけた第二段階の相卜さん、ちょっとこれめっちゃいいじゃない!

 あと、ことあるごとに斉木を巨乳好きにしたがる照橋さん(笑)。
 うん、その方向で勘違いしたままで巨乳を目指して努力する(どんなだ)照橋さんも見てみたかった!

 そして最後はついに斉木が「おっふ」した?というところで終わりましたが、さーて、これは今回限りに神様がくれた照橋さんへのご褒美みたいなものなのか、それともついに事態が進展しちゃうのか。
 ラブコメ好きの私としてはぜひとも後者であってほしいって思っちゃうんですが。
 どんなもんでがしょう(笑)。



食戟のソーマ

 うわー、田所さんとタクミ、これは終わったーー!
 相手が竜胆先輩じゃあ、もう勝ち目があるとすら思えない。
 よっぽど竜胆先輩の方になにか悪だくみがあるとか、実力をださない事情があったりしないかぎり勝てるとはまったく思えないではないですか。

 実際のところ、竜胆先輩はこれまで作中で料理を出したことがなかったと思うんですが、そのツワモノオーラはハンパないものがあるんですよねー。
 それこそ実は一席以上に強いんじゃないかとすら思える雰囲気が、なぜかしらここまで培われているように思います。

 さー、これはどうなってしまうんでしょう。
 実際のところ、ここで田所さんたちが落第・退学となっても、薊政権さえひっくり返してしまえば復学&進級ってことはできると思うんですが。
 かといってそんなに簡単にいくかどうかの確証もない。
 さすがにそろそろ本気で退学者が出る頃合いなんでしょうか。



レッドスプライト

 今週もタツがカッコイイ!
 圧倒的有利な状況を作り出したところで堂々と停戦交渉を持ち出す冷静な司令官っぷり。
 落雷のような武器を向けられたら、すかさず巻き込まないよう敵の艦長をつきとばす紳士っぷり。
 そしてなにより、敵の電撃をため込んで、一気に攻撃に転じて突っ込んだ見せ場の派手派手さ!
 いやー、今週もタツ・フラムト劇場に惚れ惚れするばかりです。

 おまけにお酒がダメだった(未成年ですからねw)というのも可愛くてよいですねー(笑)。
 なんだかんだ言って年相応なところがあるんだねっていう安心感が出てきます。
 こういうギャップがキャラの魅力を引き立てていくんでしょう。

 さーレッド・スプライト、順調に面白くなってきているように思いますよ。



【読切】 ボイス ビー アンビシャス

 元お笑い芸人という異色の経歴をもつ塚沢サンゾ夫先生が描く声優系ギャグ読切。
 よくある勝負ネタかと思ったらクリーチャーになっちゃった!
 喉を鍛えすぎたら喉に手足が生えて人体になっちゃうなんていうネタ、いったいどこから出てくるんだか。
 その発想が飛びぬけすぎてます(笑)。
 このネタひとつで一本とっちゃった感のある勢いのあるギャグでありました。



ラブラッシュ!

 高慢ちきなお嬢様かと思ったら、犬の本能には勝てない新キャラ・大牙ツキミ登場。
 いやー、このおバカっぷりはなかなかカワイイではないですか〜。

 サキュバスの子は即座にフッてエンドとなったわけですが、さーて今回のツキミさんはどういう結末になるんでしょうか。
 答えを先送りにしないラブラッシュはその正々堂々さが面白さの源泉でもあると思うんですが、毎度フッてばかりいるとせっかくの魅力的なキャラが定着しなくなっちゃいますからねー。
 うーん、どうなりますか。



火ノ丸相撲

 淡々とこなすどころじゃない。
 この試合にかける熱い思いは鳥取白楼もまったく同じ。
 天王寺に憧れたり救われたりしたのは、きっと自分たちと同じこと。
 それでもこちらが上を行くんだ!とばかりに小関部長大爆発!
 いやー、最後のこの鬼気迫る……どころじゃない、まさに鬼神と化した小関部長、もはや恐ろしいほどの表情ですわ。
 生え際がちょっと鬼の角にさえ見えますもんね!(笑)

 でもここで相手がむしろ冷静な目になっているのがおっかない。
 気迫こもりまくりの小関部長、足元を掬われる形にならなければよいのですが。



背すじをピンと

 金龍院組、勝負は降りても舞台からは降りず、なお観客を魅了する!って。
 いやー、こちらもやっぱりカッコイイ、さすがの怪物でありましたわー。
 勝負を降りてもなお観客を魅了できてしまうっていうのは、普通のバトルやスポーツものではなかなかない、やっぱり競技ダンスならではのありかたかもしれませんねー。

 さて一方でこちらも気になるリオ先輩たち。
 なにやら意味ありげにつっちーたちのほうを見ましたが、まさかつちわたブーストをやっちゃおうっていうんじゃないでしょうねー!(笑)
 いやー、これは楽しみだ!



【最終回】 たくあんとバツ

 そしてここで打ち切りとあいなりましたか、たくあんとバツ。
 最後はたくバツならではのちょいエロに、賑やかな騒ぎ、そしてホロリとさせるお別れと、たくバツの良さがきっちり詰まったよい〆となっていました。
 やー、これだけ面白いのに打ち切りとは実にもったいない。
 喫茶店がらみでたくあんがバツに飲み込まれたりなんかした回などは、かなりの火力を感じたんですけどねー。

 やはり絵の問題が大きいのでしょうかね。
 人によっては絵でそもそも読む読まないを決めてしまうと言いますし。
 たくバツ最大の魅力は、お尻にかけた情熱とか、時折飛び出す作者の面白フェティシズム・変態性だと思うんですが、それを伝えきるには画力が追いついてきていなかったといったところなのでしょうか。

 あとまぁ、たしかにお尻とか偏ったフェティシズムとかは人を選ぶとは思いますが、でもそれこそが井谷先生の最大の魅力だとも思いますしね。
 そのこだわりは、あえて今後も貫き通していかないとって思いますわ(笑)。

 また個人的な意見としては、サブキャラクターたちにたくあんやバツを食うほどの魅力をもったキャラクターが少なかったかもしれないなーというのがありますねー。
 最終回でも強く主張できていたのは牛頭くらい。あとのメンバーはあまり個性を主張できていなかったようにも思います。
 最終回近くになって実は女子だったことが判明し、実は脱糞系女子だったという衝撃をもたらしてくれた類なんかはかなり惜しかったと思うんですが、もうちょっと早く正体を明かしておいたほうがよかったかもしれませんねー。
 もっともっとキャラを強く押し出して、主人公たちを食うくらいの面白キャラクターたちでいっぱいにしていくことが、次回作への課題なのではないかと思います。

 ともあれ、最後のほっぺにキスと涙の別れはほんとにいいラストだったなー。
 そして後年、たくあんが刑事になっていたところにバツ再登場というのも、実に幸福感でいっぱいにさせてくれる最高のエンディング。
 これだけの読ませ方ができる井谷先生なんですから、次こそはって思いますわ。
 次回作、楽しみに待ってますよっ!
 ひとまずたくバツ終了、お疲れ様でした。



磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜

 治療が完了していると知るや、磯兵衛を本の角で殴打しまくる中島に大笑い。
 中島のたまってたうっぷんの凄さたるや(笑)。



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