2014年11月10日

週刊少年ジャンプ2014年50号 【NARUTOついに完結!2話一挙掲載<ヨアケモノ終了>号】 感想<前編>

 ということでついにナルト完結の 50 号。
 さっそく感想いきましょー。





 前半の感想は、

・ナルト
・ワンピ
・僕のヒーローアカデミア
・暗殺教室
・食戟のソーマ
・火ノ丸相撲

 の 6 本でお送りいたします。



【巻頭カラー&センターフルカラー!】 NARUTO-ナルト-

 冒頭からどうでもいい話なんですが、全国のヒナタ派、大勝利、おめでとうございまーす!!(笑)
 最後の最後でナルトを落とした最大のポイントは、喪服のエロスではなかったかと、わたくし勝手に確信しております!!
 喪服のヒナタをうしろから見つめるナルトの目!!(笑)

 ……さて、そんなバカ話はさておき、ついに完結のナルト!
 いやー、超大作の大団円にふさわしい、感動のラスト二話でありましたー。

 長い長い戦いを乗り越えて、ついに平和を手にいれたナルトたち。
 それまで繰り返されてきた里間の戦争状態は、五影会談がおだやかに継続されている様子を見ると、かなり平和になっているようですねー。
 里のまわりも目覚しい発展レベルで、なんとまあ、驚きのビル群摩天楼状態(笑)。
 むしろ里のほうがビルの谷間の僻地状態に見えますよ。

 戦争のさなか、オビトたちが突きつけたクエスチョンへの、見事な回答がこの新世界って感じです。
 独裁を提唱したサスケへの回答でもあり、初代火影が目指したかった世界をついに出現させたと見ることもできるのかもしれません。
 そういう答えを、ナルトたちはついに手に入れたんでしょう。
 そして、そのナルトたちの手に入れたものは、もちろん一世代限りのものではなく、しっかり次世代へと受け継がれていくと。
 やー、見事な着地点を見せてもらいました。

 話は変わりますが、この NARUTO が始まった当時、私は「これは一風変わった作品だなー」と思ったものでした。
 というのも、それまで漫画におけるヒーローというのは「正義」であるとか「誰かを守る」であるとか、だいたい何か他者のために戦う、利他的な「自己犠牲」のヒーローというのが主流だと思っていたんですね。
 ところが、このナルトは違っていた。
 仲間から疎外され、社会から疎まれて、とにかく友達が欲しい。
 友達に認められるには、火影になるしかない。
 んじゃあ、オレは火影になるってばよと。

 つまり寂しさが行動の一番の動機になっているという、ある種利己的なヒーローではないかと。
 そのあたり、私としてはかなりカルチャーショックな作品でありました。
 正義とか、信念とかじゃないんだっていうね。
 そんな利己的な動機でいいのかよっていう疑問もありましたっけ。
 が、でも、今の子供たちにはそのくらいのほうが身近だろうし、共感しやすいヒーローになるんだろうなーと思っていたものです。

 しかし、そんなナルトも今やこうですからね。
 里の人全てが家族ですもの。
 人々に認められるために火影になるんじゃなくて、人々に認められているから火影なんだっていうことですしね。
 ナルトという物語は、途中で大きな変転を迎えていて、利己的な動機から始まったヒーロー像が、しっかり途中で自己犠牲のヒーロー像へとかわってってるんですねー。
 この構造、凄いものだと思うんですよ。

 友達を作りたいっていうナルトの動機からスタートした話が、いろいろあって親友との戦いを最後に、世界平和を勝ち取っちゃう。
 ものすごい早送りをすれば、「友達欲しい!」が、「世界を救うってばよ!」になっちゃうんですものね(笑)。
 これ、ものすごいテーマのまとめかただと思うんですよ。
 作品のメインテーマを勝手に解釈するとすれば、「友達を大切にしようぜ」ってことに尽きると思うんですよ。
 みんなが友達を大切にできたら、世界だって救えちゃうぜっていうことですねー。

 そういうテーマを大胆に料理すると、これだけの大戦争と、忍者の巨大な歴史絵巻と、それを戦い抜いた、ナルトたちの壮絶なバトルができあがっちゃうわけですよ。
 うーん、すごい作品だわー。
 こういう、娯楽作品のエンタメをやりつつ、そのなかに念入りに強いメッセージ性を込めちゃえる岸本先生の作家性と、それをひとつの作品としてまとめ上げる構成力って、すさまじいものがあるよなーと。
 今回はあらためて、つくづく思うものがありました。

 今週の冒頭もそうですねー。
 先週、血でもって握手をしただけで、十分伝わってくるものがあったのに、あえてさらに石像に印を結ばせ、さらにその石像に重ねてナルトとサスケを描く。
 正直、わたしなんかは「くどい!」って思ってしまうんですが(笑)。
 たぶん、普通の作家ならここまではしないんです。
 最初の血だけで十分とするか、あるいは石像の印だけで止めてしまう。
 でも岸本先生は、あえてここまで描ききっちゃう。そこが岸本先生の凄いところだと思うんですよ。
 ここまでするからこそ、言葉も違えば、笑いや感動のツボまで違う海外に通用するし、ちいさな子供まで、しっかりメッセージが伝わるんですね。
 こういう、作家性としてのメッセージを、万人に伝わるようにまとめあげ、大衆娯楽に乗っけてしまえる力というのは、本当に稀有な才能だと思いますわ。

 話は変わっちゃいますが、ラスト直前、ナルトの顔像の落書きがこれまた最高でしたねー(笑)。
 ワンピの今週の扉絵(メッセージが隠されてますよ)や、尾田先生の巻末コメントと合わせて、思わず目頭が熱くなってしまいましたわ。
 最後の最後で、無二の戦友に対してエールを送りあっている。
 私にはそういうふうに読み取れましたわ。

 ……

 とにもかくにも、15 年間、おつかれさまでした!!
 来年春には早くも「新編」の「短期集中連載」があるとのことですが、まずはゆっくりお休みを満喫していただきたいですね!!(笑)
 15 年の週刊連載って……想像するだに恐ろしい話ですもの!



ONE PIECE

 別エントリーにて。
 明日アップ予定。



僕のヒーローアカデミア

 みんながすべての希望をオールマイトにたくすなか、デクだけがオールマイトのピンチを悟っている。
 なるほど、いつもは笑顔のオールマイトが笑ってなかったことで、デクだけが気づけたんですねー。

 じわじわと忍び寄るように、ブキミ演出冴え渡るヴィラン軍団でしたが、ついにその作戦が発動。
 あっちゃーー、このわき腹をえぐる脳無の手!
 ぐわーーっ!って、こっちまで痛くなってきちまいますわ(笑)。
 さらにワープゲートを閉じて切断って、なるほど、ワープゲートは逃走用という意味以上に、本命の攻撃兵器であったわけですか。
 そりゃーたしかに手男も殴れないわー。

 ここからの流れが、今週はほんとうに最高でした。
 いてもたってもいられなくなり、駆け出すデク。
 だからといって、なにができるわけもなく。
 ただ自滅するために突っ込んでいってしまうのか、それともその瞬間、デクの突進をきっかけにしてオールマイトが逆転の糸口をつかんでくれるのか。
 それとも、デクを守るために、あえてオールマイトは自分の身を犠牲にして敵と相打ちになってしまうのか……。
 なんかもう、そういうことが走馬灯のようにぐるぐる回ってしまったのですが、このページをめくるとなんと!

 かっちゃーーーーーーーーん!!!

 こんなに頼もしいかっちゃんが、これまであったでしょうか!!

 さらに続々とかけつける仲間たち!!
 こんなに嬉しいことはない!!
 さーさー、これにて一挙逆転となるか!!
 大興奮の待て次号ですな!!



【センターカラー】 暗殺教室

 今回は、学園祭での売り上げ対決。
 いよいよ A 組対 E 組の最終決戦って感じになってきたわけですが、しかし浅野息子くんの最後のチャンスらしいぞということもあって、単純に E 組ばかりを応援できなくなってきちゃいましたなー。
 まぁ、この理事長が出てきてからが本当の戦いということなのかもですが、そうなってしまうと息子くんの立場というものがない。
 できたら殺せんせーが息子くんのことも救ってあげてくれればよいのですがねー。
 うーむ、どうなることか。



食戟のソーマ

 おー、食材選びの段階で、ここまでソーマが水をあけられちゃいますか!
 はっきりと才能の差を見せ付けられてしまうこんな展開。
 決勝戦、波乱の幕開けとなっちゃいましたねー。
 ここから、ソーマが食材選びの修行をして逆転する流れなのか、それとも、サンマ料理の真のキモは食材選びじゃねー!こっちだー!とばかりに別の武器を見つけ出すのか。
 いやいや、いきなり面白い展開です。
 やっぱり、不利な状況っていうのは漫画を面白くさせますよ。



火ノ丸相撲

 おー、久世草介、たしかにこれは横綱相撲だわー。
 相手の技を、受けて受けて受けまくり、どーんと胸を貸すように受けきって、そして最後に正面から押し切る王者の相撲。
 勝っても笑わず、浮き足立たず。
 奇しくも別会場で同じような勝ち方をしている潮と、この久世草介がぶつかりあったら、果たしてそこにどんな結末が待っているのか。
 これはたしかにワクワクせずにはいられませんなー。



 といったところで前半はここまで。
 続きは後編にて。



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