2014年06月09日

週刊少年ジャンプ2014年28号 【ワールドトリガーTVアニメ化決定表紙&巻頭カラー<岩代先生読切『式神トワイライトデイズ』>掲載号】 感想<前編>

 個人的にプッシュな作品が、同じ号でふたつ注目ポイントの高い位置にいたりすると、なんだかとっても幸せなものがあるなーと感じてしまった今週号。
 さっそく感想にまいりましょー。





 前半の感想は、

・ワールドトリガー
・暗殺教室
・ナルト
・食戟のソーマ
・火ノ丸相撲
・【読切】式神トワイライトデイズ

 の 6 本でお送りいたします。



【巻頭カラー】 ワールドトリガー

 アニメ化が決まり、このタイミングで表紙&巻頭カラーで人気投票の結果発表って、最高の待遇じゃないですか!
 まるでジャンプ三本柱作品級の扱いに、ファンとしても鼻たっかだかでありますよ(笑)。

 しかしそのキャラ人気投票の結果が、なかなかに驚きの結果でありました。
 こう言っては何ですが、まさかの一位!三雲修くん!!
 一瞬、おもわず目を疑ってしまいましたわ(笑)。
 てっきり遊真が一位で、二位が迅さんあたりか、もしくはその逆あたりもありそうだなーとか思ってたのですが。
 やっぱり苦労している「持たざるメガネ」くんの努力は、みんなにもちゃーんと評価されてるってことなんですねー。
 なんかちょっと、スケットダンスのボッスンが一位を取ったときと同じような、ジーンとくるものがありましたわ(笑)。

 意外と迅さんと千佳ちゃんが伸びなかったことや、小南師匠が 3 位と大健闘したあたりも意外だったり、下のほうまでなかなか面白い結果となってましたねー。
 個人的には、かなり好きな本部の大人たちがあまり順位が振るってなかったのが残念だったりするのですが、まぁそのへんは低年齢層には響かないでしょうし、しょうがないかな。

 しかしこの、ひとりひとりついてるキャッチフレーズ、これがまた面白いですねー。
 「女子高生(斧)」とか、「トリオン怪獣(モンスター)」とか、あげくのはてに「重くなる弾の人」とか(笑)。
 これ誰がつけたんだろう。
 ぜんぶ葦原先生が考えたんですかねー。
 作中で出てきたものが多いですが、そうでないものもけっこうありますよね。
 遊真の「仮初めの黒トリガー」というのは初見だと思いますし、なかなか意味ありげ。
 ニコ動でやってた公式静止画 MAD で自然発生的についたあだ名だったりするんでしょうか。
 いやー、ひとつひとつ納得したり、再発見な気分を味わったりしてはひとりニヤニヤしてしまいました。

 あと、遊真がもらったトロフィーがリリエンタールだったり、53 位にリリエンタール自体がランクインしてたり、旧作ファンにもちょっとたまらないものがありましたねー(笑)。

 さてさて本編ですが、せっかくここまでレイジさんが時間をかせいだにもかかわらず、敵の新兵器のせいであっという間に C 級たちが追いつかれてしまったのが残念至極。
 でもこのヴィザ翁の膝に刺さった攻撃、これはのちのち意味が出てきそうな気がしますなー。
 そうであることを願います。

 そして追いつかれちゃった C 級と修たちですが、いやーこれはきっつい状況ですわー。
 エネドラさんが本部に突入しちゃったせいで、入り口が閉じちゃってるわけですね。
 思わぬ致命的な影響がでてしまいました。
 エネドラさん、超ファインプレーではないですか(笑)。
 エネドラさん自身は、本部を叩いてしまえば雛鳥なんて狩り放題だって言ってましたが、それ以前にサクッと狩り放題状態になっちゃいました。
 ほんと、なにがどう左右するかわからない。
 迅さんが説明していたことって、こういうことだったんですねー。
 
 そしてまた、ここで斬る気まんまんのヴィザ翁とか、どんなムリゲーですか。
 一瞬で全員コマ切れ確定ですよ。
 絶望感がハンパないですわ。

 と、そんな絶望的な状況だからこそ、生きてくるのがヒーローの参上ですね!
 どーんとかっこよく登場した迅さん。いやほーい。
 でも、その迅さんすら前置きにして、さらにかっこよく、なんとあのヴィザ翁を踏みつけての登場、遊真!!
 うおーー、かっけーーー!
 そしてなんという安堵感!
 一気にめちゃくちゃな安堵感に襲われてしまいましたわ(笑)。

 いやー、今週は、弱い人たちが窮地に陥り、危機一髪のところにヒーローがかけつけるっていうまさに王道の展開です。
 でもそういうベタなことでもここまで真っ正直に演出されると、やっぱりとても気持ちのいいものでありますわー。

 さー、ここからついにハイエンドクラス同士の戦いになりますねー。
 これは次号楽しみだ!



暗殺教室

 理事長、とんでもない化け物だったんですねー。
 浅野くんが強かったことから理事長もある程度やるだろうとは思っていましたが、まさかここまで人間離れした超人だったとは。
 身体能力的に化け物という部分ももちろんあるでしょうが、それ以上に精神的にこの人はかなりイッちゃってる感じなんですねー。
 もしも次も負けたら、自分の人格を保てなくなるって、いったいどんな精神状態ですか。
 むしろそれを自覚して、というか、さらに自分を追い詰めるための活性剤として利用している面もあったりするんでしょうねー。
 この妄執とさえ言えそうなほどの思い込みの強さ。
 そしてこの顔芸!
 それこそネウロにだって出れそうな怪物っぷりでありますわ(笑)。
 いやー、今後この理事長との対決がさらに楽しみになりました。

 そしてまた、今回 E 組がみごと勝利をおさめ、学校内でのイメージも改善されちゃったわけですから、理事長自身が動いてきそうな流れが大いにあるわけなんですよねー。
 またまた E 組のイメージを底辺に落とすため、とんでもないことを仕掛けてきそうな予感満点です。



【センターカラー】 NARUTO-ナルト-

 何度か名前は出ていましたが、ついに登場、カグヤ。
 こいつが本当の黒幕なのか、それともまだまだ裏に本当の本当の黒幕が隠れていたりするのか。
 最近ラスボスがころころ変わってだんだんわからなくなってきちゃいましたが、いやー、こいつはまた風格がありますなー。
 オビトやマダラはまだ過去編があって、まだ人がましく見えたり、また、悲劇と絶望から人の世を滅ぼして「夢の理想郷」を作ろうなんていう、ほんとうに夢みたいな話を信じちゃってるあたり、人らしい共感がある程度できるのですが。
 このカグヤにいたっては、なんというか存在そのものが敵っていう感じがいたしますわ。
 いや、まぁまだまだわからないですけどね。

 カカシ先生も聞いてますが、このカグヤの目的って、いったいなんなんでしょう。
 全人類を白ゼツにしておのれの兵隊にしたとして、その兵隊をつかって何をしようっていうんでしょう。
 もしかして別の惑星に宇宙戦争をしかけようとか、そういう壮大なスペースオペラになってくんですかねー。
 うーん、どうなのでしょう。

 にしても、こういう裏があったとわかってくると、あのマダラもちょっと哀れな感じに思えてきますわ。
 全人類を無限月詠の世界にいざなって、それでみんな幸せだとか宗教じみた考えにとりつかれていましたが、ほんとはそういうふうに、カグヤによって無理矢理思い込まされていただけだったのかもしれませんねー。
 にんともかんとも。



食戟のソーマ

 美作昴、登場。
 うーん、このキャラの立たせ方はうまいなー。
 粗野な乱暴者の悪人面で、威圧感たっぷりに登場させておいて、実は几帳面で神経質で、刺繍とかもする乙女チックなところもあるんですよーと読者をホッとさせる。
 一度読者に緊張感とストレスを与えておいて、ホッと一安心させたところでグイと引き込んでしるわけですな。
 うーん、なかなかにテクニカルな手法ではないでしょうか。
 ギャップが魅力になるのは定番の手法ですしねー。
 この見せ方の流れ、非常に参考になりました。

 そして今回の勝負のお題は、ハンバーガー。
 ちょっと驚いたんですが、ドネルケバブって、薄切り肉を積み重ねたものだったんですねー!
 やー、知らなかった。
 わたしてっきり一塊のでっかい肉を使ってるのだとばっかり思っておりましたわ(笑)。
 以前渋谷でバイトしてた頃、お店のまん前にドネルケバブのワゴン車がよく停まってまして、毎日のように食べてたんですよねー(笑)。
 いやー、懐かしい。
 これ見たらまためっちゃくちゃ食べたくなっちゃいましたよ(じゅるり)。



火ノ丸相撲

 おー、かっこいいな潮火ノ丸!
 小柄な体で、ちからいっぱいのパワー勝負。
 てっきり技やスピードで勝負するタイプかと思っていたんですが、正面からのガチンコパワー勝負ではないですか。
 強さの秘密は、稽古。
 大事なのは稽古だと。
 “三年先の稽古”という言葉通り、とにかく稽古して稽古して稽古しまくったから強いんだと。
 いやー、どんだけ稽古したってそうそうそこまでのパワーは付かないだろうとは思いつつも、ここまで自信満々に言い切られては「かっこいい」と思わざるをえませんわ。

 パワーとか、正面衝突とか、稽古とか、この作品が押し出しているイメージって、わたしのような素人が相撲に抱くイメージそのままの、王道の花形スタイルなんですよねー。
 この王道を、はったりを利かせつつ愚直なまでに貫き通すやりかた。
 それがなかなかに気持よくなってまいりました。
 うーん、これは面白くなりそうな気がするなー。
 本格的に取り組みが始まったりすると、なかなか熱い男の勝負が楽しめそうです。



【読切】 式神トワイライトデイズ

 おかえりなさい、岩代先生!!
 『PSYREN』岩代俊明先生が、ひっさびさにジャンプ本誌に読切でご帰還。
 今回は、岩代先生お得意の妖たちが跋扈する式神バトルストーリー。
 変身ヒーローの要素も取り入れつつ、探偵ものの面白さも出せそうな設定ですねー。
 あっという間に読み終わってしまったのですが、それがなんだかもったいなくなる一本でありました。

 いやー、やっぱりわたし、岩代ワールド好きですわー。
 作品としては、読み切りによくあるタイプのバトルモノと言ると思うんですよね。
 ちょっと不思議な転校生がやってきて、不思議なパワーでぱぱっと事件を解決し、最後は女の子とコンビ結成。
 典型的な王道バトルです。

 でもそこに、岩代先生らしい力の抜け加減があるのが私的にヒットしましたねー。
 危機感はもちろんあるんですが、それと同時になんだか安心できるところがあるんですよね。
 名探偵になるためと言いつつ、コンビ結成の理由にだいぶ経済的な理由も絡んでいそうなヒロインとか(笑)。
 冒頭の真犯人との絡みもちょっとコミカルだったり、決着シーンも犯人の体を受け止めるための式神がわざわざ用意されていたり(「ほーい」ってカワイイなぁw)。
 なんとも言えない、この作品全体からかもし出される優しい感じ。
 そういうのが不思議と琴線に触れてくるものがありました。
 
 もちろんそれは『PSYREN』という作品にどっぷり漬かっていた私に、すでにかなり濃いフィルターがかかっているってことも十分あるとは思いますが(笑)。
 まぁしかし、岩代作品やっぱ大好きだーというのを再認識したわけでありました。

 連載獲得できるといいなー岩代先生。
 こんな感じでマイペースにやってるこの二人が、「地獄の門」とやらが開くと、うってかわってとんでもない自己犠牲の精神を発揮したりして、捨て身の凄まじい活躍をしてくれちゃったりするんじゃないですかねー。
 『PSYREN』では、アゲハや雨宮さんの壮絶な生き様とそのラブラブっぷりに、どんだけ感動させられたことかわかりませんもの。
 うーん、期待しちゃうなー。



 といったところで前半はここまで。
 続きは後編にて。



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