■前編の感想はこちら。
後半の感想は、
・めだかボックス
・H×H
・magico
・鏡の国の針栖川
・ぬら孫
・【終了】エニグマ
の6本でお送りいたします。
めだかボックス
めだかが主人公だの新キャラがダークヒーローだの言ってますが、球磨川禊こそ、まばゆいばかりに主人公の輝きを放っているじゃないですか。
弱者の痛みを嫌と言うほど知り、苦しみぬき、そこから這い上がろうとし始めて、女の子を身を挺して守り抜き、そして傷つきながらも意地でも笑って戦おうとする。
これを主人公と言わずしてなんと言うってね。
もちろん、おっぱい揉んだことを謝ったところで、過去の悪行三昧はまだまだ許されたわけじゃないでしょうし、球磨川の人格的欠陥部分は致命的なままで、本質的にはまぎれもなくヒールであるとは思うのですが。
しかし、ここ最近の一連のカッコイイ大活躍たるや!
表に現れている振る舞いは、まぎれもなく主人公の立ち位置です。
なるほど、ついに次回、球磨川禊は死をもってその罪をあがなう事になるわけですか。
これほどに魅力的なヒーローを失ってしまう事は本当にもったいないことです。
ましてや、前回のキャラクター人気投票では第一位をもぎ取り、女の子達を裸エプロンにひんむいた我らが大英雄じゃないですか(笑)。
なんだか最近は球磨川に自分を投影し、もしかしたら自分が一番近い存在はマイナス十三組の、それも球磨川禊なんじゃあないだろうかと思い始めていた今日この頃。
マイノリティ代表、負け組代表の球磨川にかなり感情移入し始めていたところだったものですから、なんともこれは悲しい事であります。
しかしだしかし、たとえ勝つ事ができずとも、好きな女の子を守って死ねるなら本望じゃありませんか!
『 』つけることをやめ、カッコつけることをかなぐり捨てた球磨川ですが、今こそ最高にカッコイイですよ!
せめて喜界島さんだけは守り抜き、球磨川禊ここにありと、笑って倒れて欲しいと思います。
いやー面白ぇなぁ、めだかボックス。
冒頭、今ジャンプで求められている絵のレベルで、昔のスピーディーさを出すのは無理という話がありましたが、逆説的に「見よこのスピーディでダイナミックな展開を!」という西尾先生の声が聞こえたような気がしました(笑)。
384ページのストキン炎の総評で、西尾先生が原作心得をおっしゃってますが、まさにこういうことですねー。
こんなにパワフルな展開は、たしかに一人の作業では無理だよと。
HUNTER×HUNTER
うわー、なんというエゲツナイ能力!
まさに神か悪魔の力です。
キルアがゴンを救う為に頼ろうとしたのは、アルカの恐怖の等価交換能力。
どんな願い事でもかなう代わりに、それと等価の「おねだり」3つに応えなければいけない。
しかも願いを叶えてもらった者が「おねだり」されるわけじゃなく、その次の者に「おねだり」は降りかかる。
なんとも悪意に満ちた、おぞましい能力じゃないですか。
こういうおっかないルールを作るの、あいかわらず上手いですよ冨樫先生。
また今週は、その悪魔のルールの恐怖を表現するエピソード作りも素晴らしかった。
かわいらしい幼少時代のアルカの顔面が、一瞬にして化け物のような黒い穴になってしまうおぞましさ。
「おねだり」3つを断った執事が、紙細工のようにぺしゃんこになってしまうブッ飛んだ光景。
これ、あどけない表情で、平然と受け止めている子供たちもまたおっかない。
キルアはこの頃頭にイルミの針を打ち込まれていましたから、心がどっかしら欠けたような状態だったんですねー。
そして、億万長者の願いと等価の「おねだり」がふりかかってしまった不運な執事の、これでもかという破滅っぷり。
相手があどけない子供なだけに、恐ろしさも倍増っていう感じです。
なるほど、ゼノがアルカをさして
「あれは別の何処かから来た
闇(なにか)だ」
と言った理由がよくわかりました。
しかし、ではキルアはこのアルカを、どうするつもりなのでしょう。
まずは前に願いを叶えてもらったミルキの最新式PCと等価のおねだりを3つ叶えるとして。
その後、ゴンを元に戻してもらった後で、キルアとしてはアルカを救いたいと思っているみたいですよね。
いったいどうやって、こんな状態のアルカを救うことができるんでしょうか。
それこそ、能力を失わせてしまったほうがよいような気もするのですがね〜。
あとそうそう、アルカって男の子なんですかね、それとも女の子なんですかね?
キルアは「妹」って言ってますけど、執事たちは「坊ちゃん」「坊ちゃま」って呼んでるんですよねー。
いわゆるあれか、本当は女の子なんだけど、男の子として育てられているってことですかね?
magico(マジコ)
戦い終わって泣き崩れるエマ。
その様子に一つおおきなこと「勇気」を学んだシオン。
「お前のこと…
嫌いになんか…
なるわけねーだろ!」
いいですねいいですねー。
エマもかわいいし、シオンもかわいい!
今週も、最高の純情いただきましたっ(笑)。
試練を越えるたびにひとつひとつ大切なものを見つけていって、そのたびちょっとずつ近付いてゆく二人。
イチャイチャモードがたまらんです。
試練はイチャイチャのために。
試練が大きいほど、イチャイチャの喜びも大きくなるというもの。
毎度この喜びを堪能するためにこそ、私はマジコを読んでいるような気がします(笑)。
さぁ、次なるイチャイチャのために、どんな試練がエマとシオンにふりかかるのでしょうか?
鏡の国の針栖川
咲いったーーッ!!
ここで告白とは思いもしませんでした!
「私が好きなのは
針栖川(あんた)」
この大ゴマに、めくって描かれるそれぞれの表情。
これはシビレる!
名場面ですなー。
完全に不意を突かれた告白、いやー驚きました。
焦らし展開がずーっと続くのかと思いきや、なんとまぁ思い切りのいい展開でしょう。
もちろん、掲載位置が若干下がってきた事でテコ入れが入ったのではという解釈もできますが、こうなってくると、この一連の咲関連の流れはテコ入れ効果も最初から計算に入れられたものと考えたほうが自然に思えます。
いやーそれにしてもいいコだなぁ咲は。
まっすぐでサバサバしていて、同時に乙女なところもあって。
優しくて友達思いでしっかりしているようで、その反面弱さもあったりして、そんなアンバランスなところがまたいいんです。
これは惚れるなぁ〜。
針栖川のひたすら一途なところに引かれたと言ってますが、その咲こそ一途じゃないですか。
自分のスタートは、針栖川の片想いがダメだったそのあとでいいって。
これはもう、グッときてしまうじゃないですか。
針栖川も、咲を見直しちゃんじゃないでしょうかね〜。
健全な男子として、若干心が揺れたとしてもおかしくないでしょう。
こんなにいいコに想われたら、そりゃーねぇ。
しかし、よくできているのがあの鏡のルール。
たとえこれで針栖川が咲の事を好きになって告白したとしても、心の奥底にもしカケラでも真桜のことが残っていたら、たぶん脱出は「失敗」。
針栖川は永遠に鏡から出られない事になってしまうのでしょう。
だから、そうやすやすとは結論を出せるものじゃないんですよね。
普通だったらここで「乗り換え」たっていいじゃないかと思えるシチュですが。
自分のことを好きだと言ってくれる女子がいるっつーのに、なんでなんだって話ですがねー。
そこがこの漫画のキモとなっているんですねー。
恐るべし、『鏡の中の針栖川』。
ラブコメにつきものの心移りが、文字通り命がけとなる構造になってるんですねー。
はてさて、これはどうしたものか。
あーでも咲、マジでかわいいなぁ〜。
これは惚れた。
ぬらりひょんの孫
冒頭、縛られた毛倡妓(偽物)に劣情を覚えてしまったのは私だけではありますまい。
この夫婦はいっつもこんなことやってるんですかねーなんて、けしからん妄想を抱いてしまった男子も私だけではありますまい。
いやまぁ冗談はさておき、変身妖怪・珠三郎の能力は、舞台を作り出し、そのなかで脚本どおりに勝敗を決してしまう法則支配型の能力だったんですねー。
鏡斎といい圓潮といい、百物語組は芸能関係という共通項目があって面白いです。
しかしうーむ、これは手ごわい。
正本(脚本)に縛られ、主役が絶対勝つとなると、どうやって対抗したらいいんでしょう。
京都編では二十七面千手百足が無数の鳥居の世界で無敵に近い力を発揮しましたが、あれとかなり近い能力かもしれませんね。
千手百足には、一応恐怖の道具となる子供という弱点がありましたが、さて、珠三郎の場合はどうなんでしょうか。
ここはめだかボックスにならって、主役には主役で対抗ですかね(笑)。
首無も主役になればいいんですかね!
あ、でも、正本からははずれられないのかぁ。
まずはその正本を探し出し、その抜け穴を探すのが第一ですかねー。
一方、竜二と清継君が合流した渋谷チーム。
頭脳派の竜二も心強いですし、情報収集係の清継君もしっかり活躍していけるようで頼もしい限り。
こうやって脇がしっかり生き生きしているのがぬら孫のひとつの楽しさですねー。
そして、敵の首魁・圓潮は言霊使いでしたか。
言霊使いといえば竜二こそって感じですが、ここは圓潮VS.竜二という図式になるんですかね?
うーむ、ケレンミたっぷりで凄い楽しい騙しあいになりそうなんですが。
さすがにラスボス級はリクオが担当かなーと。
あ、でもその前に、例のあの巨大モビルスーツが動き出しそうですね。
これからどういうマッチングになるのか楽しみ。
あと、清継君のリアクションにはいちいち心潤されます(笑)。
ちゃんと役に立ってからじゃないと顔見せできないと、謎の覚悟をしている清継君。
もしかして、リクオの件の噂を広めるのにちょっとだけ加担しちゃったんですかね?
それで責任を感じちゃってるのでしょうか。
覚悟を決めた清継君が、どんな活躍をしてくれるのか。
そこもめちゃくちゃ楽しみです。
【最終回】 エニグマ
エニグマ、55話にて最終回。
最後のほうはちょっと詰め込み気味でどうもよく理解できなかったところもありましたが、なんとかハッピーエンドにこぎつけましたね。
結果は打ち切りとはいえ、謎が謎を呼ぶサスペンス作品だけに、中途半端なブン投げという形にならずによかったなと思います。
序盤はかなり人気があったみたいなんですけどね〜。
掲載位置からの推測ですが、中盤から急激に人気が失速してしまったように思えました。
私の勝手な印象に過ぎませんが、たくさんのキャラクターを並べながら、それだけにそれぞれのキャラクターの魅力が薄くなってしまった事や、謎解明に特殊能力を充分に活かしきれなかった事。
ひとつひとつのエピソードを丁寧に描いた反動として、やや展開からスピーディな緊張感がゆるんでしまったことなどが敗因として上げられるのではないかと思います。
ひとりふたり、失敗して取り返しのつかないことになるキャラがいるくらいがよかったのかもなぁと、今となっては思います。
また、これは展開スピードとはやや相反することなのですが、なぜそこで彼らはその結論にいたったのかなどの、情報整理や説明などがややすっとばされる傾向があったのが気になりました。
たとえば、学校の屋上がゴール地点なら、なぜ彼らは天井を破壊して直接屋上に出る「反則」をしないのだろう……破壊能力はいくらでもあるのに、とか。
たとえば、巻戻しの能力を使ってゴールの扉を学校が建築される前まで戻してしまえば、それでゴールできるんじゃないだろうか、とか。
もちろんそういった「反則」は、綺島が能力で防いだだろうという脳内保管は簡単にできますが、当初綺島の能力を知らないスミオたちとしては、試してみる価値はあったと思うんですよ。
スミオが気づかなくても、気づいた読者はそちらが気になってしょうがなくなります。
ちょっとだけでもそういったことに触れられているだけでも、こういう頭脳派漫画は違ってくると思うのですよね。
これはけっこう難しい話で、どれだけそういうフォローをやったところでどこかには穴はあるもので、それにぜんぶ付き合うなんて事はどだい最初から無理な話ではあるんですが。
そこが能力漫画の難しさというヤツですよねー。
能力の限界をはっきりさせることが重要だったのかもしれません。
あ、でも、そういったことは繰り返し読み込める単行本派にはちゃんとわかるようになってる話なのかなぁ〜。
そのへん、読み込みの浅い私にはちょっとよくわからないので、なんとも言えなくなっちゃう中途半端さなんですが。
ともあれ榊先生、一年間の連載お疲れ様でした!
能力モノと言えばバトルという定番の図式ができていたジャンプに、オカルトサスペンスという新たな可能性を示してくれた野心的な作品だったと思います。
次はどんな作品にチャレンジされるのか、楽しみにしています。
感想後記
ということで、エニグマ終了。
次週からは、あの『ダブルアーツ』の古味直志先生がご帰還!!
やったーーーーッ!!
『ニセコイ』って、これはラブコメでありましょうか!
うむ、ダブルアーツのラブコメ部分はほんと最高でしたからねー。
女の子を2人に増やし、ラブコメ部分を真正面に押し出したのは大正解だと思います。
いやー、これは楽しみであります。
ラブコメものとしては針栖川とダブってしまいますが、ジャンプにラブコメが2本あったっていいじゃないってね!
あと、今週の巻末目次コメントで初めて気づいたんですが、先週号で金未来杯の受賞作が発表されてたんですね!
ぜんっぜん気づきませんでした!
毎年思うんですが、せっかくの金未来杯なんですから、発表ページはもうちょっと目立つようにカラーページでやってくれてもいいんじゃないでしょうかね(笑)。
で、栄えある金未来杯ですが、田村裕基先生の『HUNGRY JOKER』だったんですかー。
人類滅亡寸前の世界で、科学者が活躍する話でしたね。
グリメガ的には『叢鋼』をイチオシしていたのですが、またハズレてしまいましたね。
毎年予想しているのに、当たった試しがありません(笑)。
あでも、たしかに『HUNGRY JOKER』も高い技術を持った作品でした。
早ければ来春にも連載スタートとなると思いますが、連載用にさらにどう作品を磨き上げてくるのか。
そのあたりを期待していようと思います。
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以前赤マルジャンプに
掲載された作品ですね
確か、幼なじみの男女、
ヤクザの組長の息子と
マフィアのドンの娘が
抗争を止めるために
恋人のふりをしていたら
お互いの本当の気持ちに気付いて…
といった内容だったと思います
コメディ色が強く、
とてもキュンキュン(笑)するような
ラブコメでしたよー
先生の大ファンなので期待してます!!
ダブルアーツもかなりコメディ色が濃かったですし、古味先生のラブコメ、いけるんじゃないでしょうか。
うむ、これは楽しみになってまいりました!