2011年11月01日

ジャンプ感想別室 ONE PIECE(ワンピース) 第644話 “ゼロに”

 週刊少年ジャンプ2011年47号掲載分の感想です。

■ジャンプ本誌の感想はこちら→前編

【コミック派ネタバレ注意!】





【感想小タイトル】
■空虚な怨念
■火拳銃



■空虚な怨念

 ホーディ回想編。
 ホーディの世代に直接人間への敵意を植えつけたのは、他ならないアーロンだったんですねー。
 それが元となり、ホーディたちは人を憎むようになり、ついにはこんなことまでしでかしてしまった。
 彼らにとって、何か過去に迫害された事実があったわけではなく、吹き込まれた知識としての敵意だけが肥大化し、しまいにこうなってしまったのだと。
 なんだかリアルで空恐ろしい話です。
 過去に何らかの悲劇があったと言われるよりも、逆に背筋のうすら寒くなるリアルさを感じました。

 実際、我々の歴史でも、そういった実体験を伴わず、知識だけで肥大化してしまった憎悪が、過去どれだけの衝突を生んできたことでしょう。
 戦争の記憶のない若者達による、急激なナショナリズムの盛り上がりとか。
 妙に聞き覚えのある……というか、日本人にとっても近頃身に覚えのある話ではないでしょうかね。

 また、考えてみればフィッシャー・タイガーが恐れ、オトヒメ王妃が危惧していたのが、悲劇の体験のない子供たちが、過去の悲劇を知ってしまうことでした。
 知らなければ忘れ去られるかもしれない憎しみ。
 子供たちの世代ならば手が届くかもしれない平和も、憎しみが連綿と伝えられてしまえば絶対に手が届かなくなる。
 自分達には断ち切れなかった憎しみの連鎖を、どこかでどうしても断ち切らなければいけないのだから。
 ならば子供たちには伝えてくれるなと。
 やりかたが真っ向から違ったフィッシャー・タイガーとオトヒメ王妃は、その事に関しては完全に一致していたのでしたっけね。
 まさにその2人が恐れた存在こそが、ホーディだったわけですか。
 なるほど、今回の魚人島のテーマを考えれば、ホーディのこのカラッポの過去というのは、まさにテーマどおり。
 ホーディは、これしかないっていう必然的な存在だったんですねー。

 膨れ上がった空虚なナショナリズムこそ、断ち切らなければ前には進めないものだと。
 なるほど、尾田先生はそういった社会批判を直接するのではなく、物語の中にそういった視点を盛り込みつつ、ちゃんと娯楽作品として昇華しようとしているのかもしれません。
 娯楽作品としてまず楽しめることが大前提で、そのうえで尾田先生の訴える悲しみが伝わればよいと、そういう事なのかもしれませんね。

 では、ワンピ世界はこういった問題を、どうやって解決するのでしょうか。
 もちろんワンピは社会派教育漫画ではなくて、王道の娯楽作品ですから、そこは多少都合がよかろうともハッピーエンドへ向かってもらわないといけないと思うのですが。
 そのへんのバランスは難しいと思いますが、きっといろいろと考えられている事だと思いますしね。
 いったいどんな解決法が示されるのか。
 私は娯楽作品としてのワンピを楽しみつつも、そういったところにも興味を引かれてしまいます。

 ルフィは、人種差別や、終わらない報復戦争の悲しい連鎖を、いったいどういう方法で断ち切ろうというのでしょうか。
 たとえここでホーディを討ち取ったとしても、第2第3のホーディが生まれてくるかもしれません。
 でも私には、そういうとんでもないことができちゃうところこそ、ルフィのヒーロー性だと思うんですよねー。
 誰もがどうしようもないと諦めちゃったことでも、ルフィならばひっくり返してくれるんじゃないかと。
 ルフィは、これまで人々を縛ってきた「しがらみ」や腐った決まりごとをブチ壊してくれる、「再生のための破壊者」だと思うのですよー。
 だからこそ、法をブチ破る海賊が主人公なのだと私は解釈しているんです。

 ところでしかし、ホーディはどこからエネルギー・ステロイドを手に入れたんでしょう。
 これ、気になるんですよね〜。
 もちろん偶然手に入れたってことも充分あるでしょうけど。
 のちのち重要なカギになってくることもありうるんじゃないかなぁ〜と。
 噂されているとおり、ドフラミンゴあたりが黒幕なのでしょうか。



■火拳銃

「過去などいらない!!!

 ゼロにしてくれ!!!」


 フカボシ王子のこの叫びは、いったいなにを伝えようとしているのか。
 シンプルに、過去の亡霊であるホーディを殺してくれと言っているだけなのか。
 それとも過去の因縁の塊となってしまった魚人島を、一度潰してしまってくれとでも言っているのでしょうか。
 ルフィが魚人島を滅ぼすことになるという予言がある以上、後者をどうしても考えてしまうのですが、でもルフィは「魚人島は誰にも傷つけさせねェ」って言ってるんですよね〜。
 では、どうするのか。

「全部任せろ 友達じゃねェか!!」

 と懐深く答えるルフィ。
 いったい何を考えているんでしょう。
 
 魚人島の島民、すべての人々が見守る中、ルフィは最後の戦いへ。
 しらほし姫を背後に守りつつ、伸ばした拳に“全力”を込める。

 ゴムゴムの力。

 ギア2の力。

 武装色の力。

 そして……火を噴く!!

「“火 拳 銃(レ ッ ド ホ ー ク)”!!!!」

 なんと!!
 なんとーーッ!!
 もう、この技名見た瞬間のショックときたら!!
 目からアクア・ラグナが出てしまったのは私だけでしょうかッ!!
 
「火拳」+「ゴムゴムの銃」って!!

 なんだよちくしょう!!
 感動しちまったじゃないかルフィーー!!
 くそう、たまらんっ!!
 なんて粋な名前をつけやがる!
 今週はもう、このワンシーンだけで全てを持っていかれてしまいました。
 見よ、このエースの遺志を受け継いだ、ルフィの勇姿をと!!
 なんかもう、この勇姿を世界中に見せてやりたい誇らしさを感じてしまいました。
 そうか、エースは、ルフィのなかでしっかり生きてたんですね!
 ちゃんと受け継がれていたのですね!!
 エースの死を乗り越え、「仲間がいるよっ!」と答えを出したルフィ。
 しかしさらに、エースも己の血肉の中にいるのだと、そう答えを出したのでしょう!
 あまり多くを語らないルフィだからこそ、これはたまらんものがありました!


 ところで、これ、一瞬ホーディのお腹貫通して大爆発してるように見えたんですけど、さすがにそこまでグロいことにはなってないですよね?(笑)
 


■ジャンプ本誌の感想はこちら→前編



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