2011年09月16日

【動画】中国版Happy Tree Friendsですか? いいえ、強烈な体制批判アニメです。

 以前、『Happy Tree Friends』というアメリカの人気アニメシリーズをご紹介したのを覚えていただいているでしょうか。
 とっても可愛い絵柄で、一見子供向けのほのぼの作品なのかと思いきや、極めてスプラッターかつ残酷な破壊シーンをあっけらかんと明るく描く、ギャップのたまらない作品シリーズ、通称“ハピツリ”です。

 本日ご紹介するのは、中国で作られた、まさに中国版ハピツリといった感じのショートアニメ。
 しかしこれ、ただのまがい物とかパクリ作品ではなく、風刺作品を制作するアニメ会社による、強烈極まりない体制批判の作品となっているのです。

哐哐哐動畫 2011兔年賀歲片《小兔子哐哐》(480p)



 こちらは、風刺アニメを手がける中国のプロダクションが、今年の春節を前にネット上で公開した「新年の礼物」とされる作品です。
 中国語が分からなくてもなんとなく物語が伝わってきますが、念のため、あらすじを転載しておきます。

 ……遠い未来のあるところに美しい森があり、住民の兎は「兎たちのために服務する」老虎党のもとで幸せに暮らしているはずであった。しかし「三虎粉ミルク」を飲んだ兎の子が、次々に顔色を失い血を吹いて死んでしまった(中国における「食の安全問題」について、日本では毒餃子事件が有名だが、中国ではメラミン入り「三鹿粉ミルク」事件が最もよく知られている)。

 そこで主人公の兎は、「構建和諧森林(調和ある森林を構築しよう)」なる横断幕が掲げられた老虎党支部(老虎大洞)に抗議に行くものの、入口で門衛の虎に押し返される。しかも、会議が開かれていた洞窟では出火、虎の指導者の避難が最優先され、出席者の兎たちは逃げ惑う余地もなく焼かれて行く(共産党員の利益が優先され、一般人民の生命財産はなかば無価値であることの隠喩)。

 そして兎たちの村には、老虎党の党章を掲げたブルドーザーが。○の中に「拆」と殴り書きされた家屋が解体され、「拆」の字が三つ並んだスロットマシンからは金貨があふれる(土地は全て国有であるのを良いことに、命令一本で如何ようにも土地利用目的を変え得ることに目をつけた地方党官僚と不動産ブローカーが土地転がしに明け暮れ、突然の立ち退き命令とともに庶民の家屋を奪って行くという、中国では極めて当たり前のように展開される悲劇そのもの)。地面に擲たれたテレビは、兎を慰問する老虎党中央指導者を映し出すものの、やがてブルドーザーによって容赦なく押し潰されて行く(土地問題が引き起こす社会的矛盾を解決できない共産党指導部の見せかけの慰問など、所詮「徳治」のプロパガンダに過ぎないということ)。

 立ち退きを拒否した兎は、ついに自ら火を放って死の抗議をした。義憤にかられた老兎(主人公兎の父)は抗議の声を上げ、即座に老虎党の手先=公安虎に殴打されて連行される。主人公兎と連れ合いの兎は必死に後を追うものの、連れ合いの兎は老虎党員の息子が運転する車に潰されてしまった。しかしその虎は「俺の父親は虎剛だぞ!」と凄み、怒りで睨みつける兎たちを轢き殺して行く(昨年河北省保定市で起こった「李剛事件」……共産党幹部の息子が運転する車が女性を跳ね、「俺の父親は(公安局の)李剛だぞ!」と凄んでその場を立ち去った事件を指す。共産党幹部の子弟=太子党の横暴を象徴する事件として中国全土で猛反発を呼んだ)。その虎剛および息子が乗る車に向かって、公安虎は老兎を投げ……。

 こうして老虎党の虐政を目の当たりにして堪忍袋の緒が切れた兎たちは団結して起ち上がり、退廃した夜総会(ナイトクラブ)で遊ぶ老虎党幹部を襲撃、怒りの牙は虎の首を引きちぎり、老虎党の旗も食い破られるのであった……。

 以上は全て絵本の中の話。これを読み終えた少年は「今年は本当に意義深い一年になりそうだ」とつぶやきながら、母親に呼ばれて餃子を包みに行くのであった……。




 赤ん坊を殺す猛毒ミルク。
 人を轢き殺しておいて、俺の父親は党幹部だぞと凄んでみせる男。
 いろいろと、どこか心当たりがある場面が流れます。
 コミカルなキャラクターでオブラートに包んでいますが、画面からあふれ出るほどの怒りをひしひしと感じてしまいました。
 恐ろしいほどの怒りが、いまや中国で爆発しようとしているのではないかと、そう思わせるものがあります。

 中国の共産党体制が抱える多くの問題が人々を苦しめているということはなんとなく知ってはいましたが、でも、そういう不満の声は即座に黙らされてしまったり、あるいは声すら上げづらい状況なのだと思っていたのですが。
 しかし、今はこういうアニメを堂々と世に発するプロダクションがあるってことなんですねー。
 いやーすごい。
 時代が、ちょっとずつちょっとずつかもしれませんが、着実に動き始めているのかもしれません。
 それがよい方向へゆくのか、それとも悪い方向へゆくのかは私にはまったくわかりませんが、今と同じ日常がいつまでも続くと思うのは、大いなる間違いなのかもしれませんねぇ。

 ちなみにこの作品、中国国内では既に閲覧できない状態だと言う事です。



■関連記事
・【Flashアニメ】ハロウィン特集 『Happy Tree Friends』!



********************************************************
イーココロ!クリック募金
BOSSは募金サイト「イーココロ!」を応援してます。
右サイドバーのクリック募金にご協力お願い致します。
携帯からはこちらへどうぞ。
ブログ内の紹介記事はこちらへ。

********************************************************
よろしければランキングにご協力をお願いします。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
blogramランキング参加中!
********************************************************
posted by BOSS at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
【コメント欄について】 コメント入力の際には、必ずお名前(ハンドルネーム)の入力をしていただけるようお願いします。「匿名希望」や「通りすがり」のように名前入力を回避する意図のあるものは、管理人による削除の対象となる場合があります。ご理解ご協力をお願いいたします。