2011年07月25日

週刊少年ジャンプ2011年33号 【脈絡のない1コマ目からのパンチラに叶先生の本気を見た!】 感想<前編>

 さて今週のジャンプ感想です。
 今週はなぜか仕事がバタバタしちゃってるのでサックリめで行かせていただきます。





 前半の感想は、

・トリコ
・バクマン
・ST&RS
・【金未来杯】SINS
・magico

 の5本でお送りいたします。



トリコ

 当然考え付く、滝の横から回り込むとか、水中をもぐってゆくとか、そういうところをしっかりと閉ざしてきたのが上手いですね。
 こういう描写にしっかりコマを裂くあたり、トリコは丁寧だな〜と思います。

 そして、サニーのイカダに乗っていよいよ滝に正面突入。
 水しぶきひとつとっても鋭利な刃物のような破壊力を持っているって、どんだけスケールが違うんだか。
 相変わらずトンデモ環境の迫力描写が素敵です。

 あと、サニーはどうやら「鈍感さ」という強さを手に入れたみたいですね。
 髪の毛の触覚はものすごく有用な武器でしたが、触覚であるがゆえにストレスを感じやすいという意味で、武器であると同時に弱点でもありました。 
 それを鈍感さによって補ったってところなんでしょうかね。
 そして、髪の毛の質も向上させたというのはどういう意味なんでしょう。
 それは鈍感さを得る事で強くなったという意味なのか。
 それとも、もう一つ別の強さを手に入れたという意味なんでしょうかね。

 そして、トリコがどうやって小松を守って滝中突破を果たすのかも楽しみ。
 いかに防弾スーツを着ていたとしても、これだけの滝の圧力を受けたら体そのものが押し潰されちゃうんじゃないかと心配なんですよねー。
 トリコになにか考えがあるようですが、はたしてそれはどんな策なのでしょうか。
 一応私も考えてみたのですが、トリコが一度小松を丸呑みにするってのはどうでしょう(笑)。
 マザースネークを見て思いついたんですけどね。



バクマン。

 なんというか、港浦さんってばここまでダメだといっそ気持ちいいくらいなんですが(笑)。
 すっかりダメ編集としての貫禄が身についてきちゃいましたねー。
 まぁ今のところ数少ない架空の編集者ということで、ケチのつく役を一手に担当させられているという面もあるかとは思うのですが、それにしてもそろそろ彼にも成長して欲しいものですね。

 そして、新キャラ・東美紀彦登場。
 新人としては50歳の高齢ながら、なかなかの萌え系邪道バトル漫画。
 服部さんふくめ、編集がベタボメってんだから大したものです。
 しかしその裏には、どうやらアヤシゲなもう一人の影が。
 どうやらこの影のほうが本当の原作か、何かの仕掛け人で、東氏はそれに協力しているだけって感じのようですね。

 で、この影の仕掛け人ですが、これって七峰くんっぽくはないですかねー。
 編集に詳しかったり、亜城木夢叶に特別な感情を持っているっぽいところや、ジャンプをナメてかかっている感じなどなど。
 顔も似ていますし、いかにも七峰くんっぽく思えます。
 邪道な王道を好む作風も、いかにもって感じがしますしねー。

 しかし、いま七峰くんはあの小杉編集とタッグを組んで頑張っているはず。
 小杉編集が何も知らない様子ってところがちょっぴりひっかかります。
 まぁでも、原作程度なら小杉さんに黙ってやることは簡単でしょうし。
 またも邪道な手段で名を売ろうとしているってことは、充分考えられると思うんですよね。

 さてしかし、この東氏、亜城木コンビに立ちはだかる新たなる強敵となるのでしょうか。



ST&RS−スターズ−

 いよいよ始まった二次試験。
 二次試験といっても、閉鎖環境のなかで毎日繰り返されるたくさんの試験の総合名のようなもので、実際にはここからいくつも試験があるってことなんでしょう。
 たった2回のテストで合格者決定ではたしかに説得力に欠けるので、これは納得。

 今回は、白舟たちのルームメイトとなる新キャラクターが登場。
 といっても、ひとりは前回登場のマルカ。
 メーテルコスの妄想に噴いてしまいましたが、やはりなかなかかわいい子じゃないですか(笑)。
 恋愛話に積極的なようですが、今後この漫画はそういう方面でも攻めてゆくんですかね?
 ちょっと期待しちゃいます。

 で、もうひとりがマルカの付き人って感じの冷静な女の子、ユリア。
 これは最初から宙地くんと気が合う感じ(笑)。

 そして、全種目一位という鳴り物入りで登場したのが、深海・F・嵐。
 大柄マッチョ系ながら顔は童顔。
 堅物で完璧主義な深海くんですが、でもなかなか根はいい人っぽいですねー。
 鬼軍曹な言動に、フルメタル・ジャケット好きの私は思わず反応してしまいました(笑)。
 最終的にはこの6人が宇宙飛行士になるんでしょうかね。
 
 そして、いよいよ本格的な試験がスタート。
 仮想現実なシステムで月面が再現され、さて、そこでどんな試験が待っているのか。
 ハードな試験を期待しちゃいますぞう。

 しかし、怒ってるフィフィー校長もかわいいなぁ〜。



金未来杯エントリーNo.2 −SINS−シンズ
※金未来杯の感想方針についてはこちらをご覧ください。

 金未来杯2本目。
 三浦征隆先生による、天使と悪魔を題材にした学園バトルもの。
 ちょっとおかしな転校生がやってきて、視点役の気弱な子と友情をむすび、その子が巻き込まれた事件を転校生が凄い力で解決させるという、まさしく王道テンプレート。
 よく言えば素直で読みやすい作品。
 ちょっと厳しい言い方をしてしまうと、あまりヒネリのない作品という印象となりました。

 しかしこの怪物デザインがなかなか気に入りましたよ。
 特にこの、かわいらしい天使がギギギギギ→ぐるっ!と怪物に変身するあたり。
 その描写に、なんと3ページも費やすんですから気合の入りようが違うってことがわかります(笑)。

 そして、その天使に対抗する主人公が、文房具に改造した兵器で戦うってのも面白いギミックでした。
 小学生にとって一番身近で、ごっこ遊びや空想の中で、最も武器に変身しやすいアイテムでしょうからねー。
 タテ笛の穴からカマの刃が飛び出るあたりなんて、私もちょいとだけ子供心を思い出してウズッとしてしまいました(笑)。

 さてしかし、私的に見えた弱点の話となりますが、今回は、バトルの過程が説明不足ではないかというところに注目しました。
 バトルの過程というのは、敵がどういう技を使って、その技がどんな感じに襲い掛かってきて、もし当たったらどんだけ痛くて、でもそれを主人公はどういうふうにかわして、あるいは弾き飛ばして、そしてそれにどういう風に反撃していったのか。
 その技の軌道であったり、体裁きであったり、表情であったり、破壊描写であったり。
 そういうところですね。
 そういう、バトルの過程は、できるだけ丁寧に「絵で」描いて欲しいと思うのです。

 鉛筆から放たれたレーザーが命中した結果、どうなったのか。
 この描写では、何に命中したのか、よくわかりません。
 横方向に殴り飛ばされたはずのサタンが、なぜ上から降ってくるのか。
 こちらもよくわからない。
 天使が放った矢の嵐は、どんな風に「矢の嵐」だったのか。
 セリフで説明するだけでは迫力が出ません。
 せっかくの「漫画」なんです。これはぜひとも絵で描くべき場面だったのではないでしょうか。
 怪物にとっては、変身登場シーン以外で、もっとも大きな見せ場だったはずです。
 それを一切描かず、言葉の説明だけで済ませ、さらに定規手裏剣で矢を弾く描写すらなかったのはもったいなさすぎではないでしょうか。

 もちろんこういう手法がナシだとは思いません。漫画の懐は深いですからね。
 かの『聖闘士星矢』は、バトルでは体裁きがどうのとか拳をどこにどういう角度で当てたとか、そういうのはほとんど描かず、ただドーン!とポーズをとって技名を叫ぶと、敵が豪快にふっとぶ。
 どこにどう当たったとか、そういうのは二の次。
 とにかく敵がドカーンと天高く吹っ飛ぶ。
 そこに壮大な痛快さがある漫画でした。
 でも、それにはちゃんと理由があって、星矢では、バトルは肉体でするものではなく、少年達の燃える心でするものだったんですね。
 心の小宇宙(コスモ)を燃やせば、打ち砕けないものなどないのです。
 だから、描写すべきものが違うんですね。
 肉体のバトルではなく、心をいかに燃やすかを描いていたわけです。
 こういうところが、バトル漫画の懐の深さだと思うのですが、しかしそれって凄く難しい事だと思うんですよ。

 普通の王道をゆくなら、普通の王道のバトルのプロセスを大切にしたほうがいいと思うのです。
 怪物の見せ場をできるだけ派手に、強そうに、怖そうに描く。
 それを打ち破る主人公の技のかっこよさを描く。
 そのうえで、キメポーズとキメ台詞が華を添える。
 そうなるのが、わかりやすい王道ではないでしょうか。

 今の形だと、怪物が技を発動した小さなコマがあって、主人公がその技を破った結果のコマがあって、決めポーズとキメ台詞だけがある。
 なんだか、前菜とデザートだけっていう感じがしてしまうんです。
 もっと、メインディッシュをたらふく食わせてくれ!って、そんな感じなんですね。
 私の感じた事が、お分かりいただけたでしょうか。
 
 というわけで、「金未来杯グリメガ勝手にランキング」であります。
 画力は、人物はまだまだだと思うのですが、怪物描写のセンスが個人的に好みということで、65点。
 ストーリーとオリジナリティは、もっと頑張って欲しいということで、50点。
 キャラは、個性の描写をややセリフによる説明に頼りすぎているという感があったので50点。
 設定(連載に向くか)は、敵にしても味方にしても多数出しやすいという点で60点。
 
 総合として、55点ということにさせていただきます。
 王道の作品ではありますが、それでもこれまでにない何かを求めてしまう私なので、少々辛い評価となっているかもしれません。



【センターカラー】 magico(マジコ)

 いよいよ登場、三兄弟の長兄ガスパ。
 登場して早々弟達の魂を抜き取りパワーアップ。
 敵ながらその残虐性にシオンが怒りますが、その怒りに対してガスパも意外なほど猛烈な怒りを見せる。

「…語るな

 貴様が俺達を語るなァァァァッ!!!!!!」


 おおおー。
 このクレイジーな三兄弟には、クレイジーなりの“何か”があるみたいですね。
 安易に「実はいい人」ということにはなりそうもないですが、悪には悪の魂があるというような雰囲気。
 こういうのは好きですよー。
 単なる記号としての悪役ではおさまらないというのは、バトルに味わいを加えてくれます。

 それはそれとして、全身の無数の傷跡や切り傷から真っ赤な刃が飛び出すというアイデアはかっこいい。
 ものすごく厨二心をくすぐられてしまいます(笑)。
 ダメージを受けたら、そこが攻撃起点になるわけですから、まさに死角なし。
 大ダメージを受けたらそれだけでっかい刃が飛び出すみたいですし。
 さらには、弟達の魂を飲み込んだ事で、3回殺されなければ死なないというような感じ。
 いやいや、なかなか面白い設定じゃないですかー。
 唐突に出てきたキャラクターながら、ちょいとこれは一気に惹きつけられましたぞ。

 ああでも、それはそれとして……そろそろエマ成分の補給をよろしくおねがいしたいんですが(笑)。


 といったところで前半戦終了。
 つづきは後半にて。



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posted by BOSS at 23:16| Comment(2) | TrackBack(1) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕も今回の読み切りは、戦闘シーンが分かりにくかったです。鉛筆のレーザーが何度読み返してもどこにどう当たっているのかがよく分からなかったし、気付いたら終わっている、って感じでした。前菜とデザートという例え、もの凄く分かりましたw

ところで、来週掲載のツキミのソバの作者って、去年の金未来杯の「戦国バショウ」と同じでしょうか?違うかったらすみませんm(_ _)m画風が似てる気がしたので(^_^;)
Posted by ごんざぶろう2世 at 2011年07月26日 00:58
 おー、やはり同じような感想を抱いた方もいらっしゃいましたか。

>来週掲載のツキミのソバの作者

 絵で気づかなかったのですが、調べてみたらたしかに同じ方でした。
 もしかすると、金未来杯では初の二年連続エントリーってことになるのかな?
 今年は前回の反省も踏まえ、さらに成長した漫画を見せてくれるといいですねー。
Posted by BOSS at 2011年07月30日 10:19
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