2011年07月16日

週刊少年ジャンプ2011年32号 【一大転機到来!リクオの変身にぬら孫世界も変貌か!?−第7回金未来杯開催号−】 感想<前編>

 会社出勤途中でコンビニ寄ってよかったー。
 あやうく土曜発売のジャンプに気づかないところでした。
 で、今夜は予定が入っていたりするので急いで感想です。
 若干短めですいません。





 前半の感想は、

・ブリーチ
・トリコ
・ワンピ
・バクマン
・ナルト
・鏡の国の針栖川
・【金未来杯】タカマガハラ

 の7本でお送りいたします。



【巻頭カラー】 BLEACH

 他人の過去に自分を挟み込む。
 それによってその人の人生そのものが変えられてしまう。
 考えて見れば非常に強力な能力ですね。
 相手が持っている感情が敵意だろうがなんだろうが、問答無用で「好意」に強制変更できて、しかもそれは他人からどうこう言われたところでゆるぎようもない。
 例えば、これがただの洗脳とかであったら、強烈なショックや主人公の熱い想いをこめた言葉とかなんかで解けたりするのが劇ってものでしょうが、この場合はそういう弱点もないんじゃないかと。
 過去からずっと一緒だった事になってしまってるわけですからね。
 それはもはや、ゆるがない絆と言っていいワケです。

 ジャンプ漫画において三大重要ファクターのひとつである、「友情」を奪われて、逆に敵側の武器にされてしまうんですから、それは大変な敵ですよ。
 どんな敵でも「友情」「努力」で倒せるバトル漫画の主人公も、友情を奪われては元気100分の1です。

 しかし、これって本当に「ゆるがない絆」なんですかね?
 たとえば、月島自身にはその絆に対応する過去はないわけですよね?
 織姫やチャドの過去に月島が挟み込まれて、彼らふたりにいろんな月島との思い出ができていたとしても、月島にはその記憶はないのではないのかなーと。
 そんなんで、たとえば会話していてちょっとしたハズミで話が食い違っちゃったりする事とか、ないんですかね?
 まぁそのへんは月島さんはそらっとぼけて「あ、そうだっけ、勘違いしちゃってたよ、ごめんごめん」とか誤魔化しちゃうのかもしれませんけど。

 あと、この段階になっても実はまだこの中に、月島にやられたフリをしているヤツもいるんじゃないかなーとか希望を捨ててなかったりする私。
 ぶっちゃけ、織姫とチャドなんですけど、事前に月島のしおり対策を開発済みで、今は味方のフリをしているだけで、いつか月島につけいる隙をさがしているとか、そんなのだったらいいなーとか思っちゃいました。
 でも、そういう事を匂わせるような伏線も今回ないんですよねー。
 残された希望はやはり、現在平行で動き出している様子の浦原さん&一心パパだけなのかなー。



トリコ

 新幹線の屋根にむき出しで、滑りやすそうなウロコ一枚にしがみついただけで突っ走る。
 いったい何時間走ったんだか知りませんが、振り落とされなかった小松。
 あんた充分凄すぎです(笑)。
 ちょっとトリコ冷たいんじゃないかとか思ってしまいましたが、このくらいはできなきゃダメだっていう愛の鞭だったりするのかも。
 


ONE PIECE

 別エントリーにて。



バクマン。

 CROW終了後の混乱、そして穴を埋めるための新星到来を渇望する動きという伏線を張りつつ、今回は岩瀬さんの苦悩劇。
 天の岩戸ならぬ天の岩瀬はなかなかなかなか燃えました。
 いや萌えました(笑)。
 いやー、この岩瀬さんのこのツンツンも随分かわいくなったもんですなぁ。

 さてしかし、今回はちょっと港浦さんのダメ編集っぷりも度が過ぎてしまったのではないでしょうかねー。
 終わってみれば、岩瀬さんのヤル気を失わせたのも港浦さんなら、ヤル気を取り戻させたのは完全にサイコーたちで、よく読むと最後のほうは帰ってしまってその場に居もしない。
 これはちょっと港浦さん、ヒドすぎじゃないかなぁ。
 というか、編集としてだらしないのではないかと。
 この強いマイナス描写は、今後の反発、大成長の伏線なのでありましょうかね。
 むしろそっちに期待したいのでありますが……大丈夫かなぁ。



NARUTO-ナルト-

 元国家元首 VS. 現国家元首たちの戦いだけあって、今回のバトルは非常に冷静で、互いの視野が広く、それでいてしっかり気が張り詰めていて気持ちがよかったです。
 現状を可能な限り正しく把握し、できる範囲で最善を尽くし、できないことははっきりと認めて、あとは後進の後輩たちの力を信じてぶつかり合う。
 情念は極力抑えて、まるで「じゃあこういう段取りで行きましょう。うまくいったらおなぐさみ。そういうわけで、今日のお仕事始めますかー」てな感じ。
 一歩間違えば破滅。
 しかし、心配したからってもうどうにもならない。
 あとは己の力と相手の力、運と天命を信じて全力を尽くすのみ。
 リスクとリターンを冷静に秤にかけた上で、しっかりと腹をくくった指導者たちのかっこよさを今週は見ました。
 いいですなー、この、まるで毎日のお仕事を始めるように、いたって普通な感じが逆に気持ちいい。

 そしてこの、怒りとか憎しみとか悲しみとか、そういう情念的なものを極力排した戦いの中だからこそ、我愛羅の親子の愛という情のドラマがさらに際立って光るんですな。

 しかしなるほど、我愛羅は、やっぱりナルトと瓜二つの境遇だったんですな。
 かつて友を得て強くなった我愛羅ですが、ここで母と父の愛を再確認した我愛羅は、またまたさらに強くなれるんじゃないでしょうか。
 うーん、今週はこれはちょっと胸を打たれてしまいましたぞ。



【センターカラー】 鏡の国の針栖川

 叶先生の新連載第2話。
 いやーやっぱり面白い。
 今週も細かく挟まれるお色気要素はもちろんですが、男子の部屋の秘密を女の子がのぞいちゃうという前回とは逆シチュエーションの面白さ。
 これは一種露出魔的な変態性の快感を感じさせてくれてちょっと危険でありました(笑)。
 いやいや、いかんぞオレって(笑)。

 で、そういう男子の秘密的な部分で今回はコミカルにひと騒動かと思えば、なんとここで針栖川に好きな子がいるというドキドキ情報を里見真桜が知ってしまうというオモシロ展開。
 さらにそれを勘違いして、針栖川が好きなのが自分ではなく友人の松川咲だと思ってしまうから面白い。
 いいですねー、こういうネジレ現象。
 相思相愛のラブコメものはやっぱり勘違いがツキモノ。
 こうでなくっちゃ。
 さすが叶先生わかってらっしゃると。<何様だw

 しかし、そうかー、長年かけて集めたお宝を捨てる事になるとは、さぞや断腸の思いだったことでしょう。
 想像しただけで半身をもぎ取られるような思いがします。<そこまで!?
 でも、それをやりとげた向こうに待っているのは、女子高生との擬似同棲生活ですよ!
 そりゃー捨てたとしても、得るものは極大!
 そこはやらずばならないのが男子でありますともさ!
 針栖川、全力で応援するぜ!

 それはそうと、ヒロインのほうもなかなか健気でいい子ですなぁ。

「一日でも早く針栖川くんが外に出られて

 会いたい人に会えるように

 なれるといいよね…………」


 って、切なさが伝わってくるなぁ。
 いい子じゃないですか。
 こうなってくると里見真央ちゃんにだけ勘違いでツライ想いをさせるのは可哀想だなぁーなんて思ったりも。
 次は針栖川が勘違いしてしまう番だったり?
 次号も期待です。

 ところで針栖川くん、趣味がいたってノーマルで幸いでしたなぁ(爆)。
 ここでもし、出てきたDVDが●●●●だったり××××だったりした日にゃあ……一瞬でこのお話終了していたかもしれませぬて。



金未来杯エントリーNo.1 タカマガハラ

 さぁ来ました、今年の金未来杯。
 新人作家さんたちにとって、年に一度の、連載獲得に最も近い登竜門でもあるこのイベント。
 今回はいったいどんな作品が出揃ったのでしょうか。
 昨年の金未来杯が、かなりレベルの高い戦いだっただけに、期待も高まります。

 そして今年も金未来杯の感想を書く前に、今一度感想のスタンスについて基本的なところをご説明申し上げておきます。
 わたくしBOSSのジャンプ感想は、「作品そのものを全否定するようなことは書かない」をポリシーでやっております。
 スタンスは「ポジティブな感想」です。
 私がオモシロいと感じたところや受けた感動を、できるだけ沢山の人に伝えて共感していただけたらな、というのを主題としてやっております。

 しかし新人作家さんたちの真剣勝負である金未来杯で誉めてばかりでは、金未来杯の基本理念に合わないと思いますし、ぶっちゃけた話、新人作家さんの作品と現在連載中の作品とを同様の文体で扱うのはまずもって至難です。
 新人作家の作品は連載作品より数段落ちて当然。
 むしろどこがどう良かったけど、でもその反面、ここはちょっとマズかったのでは? そこはもっとこうしたらいいのでは? と、素人の目から感じたことでも素直に書いてみる。
 それが感想として私ができるスタンスなのではないかと考えています。
 個人個人の感じる事は当然違いますから、私の言ってることがまったく的外れなこともあるってことはよくわかっております。むしろそんなことばっかりでしょうて。
 でもま、一応こういう見方をする人もいるよと、もし万が一、作家先生がたや編集のかたがたのお目に触れる事があれば、もちろん微力ではありますが、なんらかの参考のひとつにでもなればなと、そういう考えでやっております。
 ということで、いつもの私の感想とは違い、ちょっとキツイ事も言うかもしれませんが、そのあたりにはこういう考えがあってのことなんですよということで、ご理解いただけたらと思います。


 さてでは、前置きがやたらと長くなってしまいましたが、感想にいきましょう。
 第一作目の『タカマガハラ』は、川井十三先生による学園能力バトルもの。

 ダメージ描写のピカソ化は、これはオモシロいことを発明しましたねー。
 1回目の中盤の壁埋め込みは、『ゲルニカ』のパロディ(?)になってるんですね。
 昨今のバトル漫画作家さんたちの研究、切磋琢磨のおかげで、そんじょそこらのダメージ描写、破壊描写じゃ読者は驚かないくらい、目が肥えてしまってます。
 そこにこうやって新機軸を打ち出し、奇をてらったのは凄くオモシロいアイデアだったと思いますよ。
 たしかに、これまでにない、なんだか凄いことが起こったぞ!という気にさせられましたもの。
 しかし、これを連載化した場合でも、やはりこの手法にも読者の目がどんどん肥えていってしまうのは同じ話。
 この手法の行き着く先がどんなものなのか、物凄く興味が湧きますが、でも行き着く先ってものすごくサイコか、あるいは理解至難な前衛芸術の世界なんじゃないだろうかと思っちゃいます(笑)。
 うーん、でもやっぱりそういう世界も見てみたいなぁ。

 しかし、主人公の能力がたんなる「力業」なのに、なぜこういうピカソ風になるのかの必然性の説明がないんですよね。
 そのへんがあったらもっとよかったかもと思います。

 そしてちょっと厳しい言い方をしてしまいますが、このダメージ描写以外の部分はあくまでテンプレートの域を脱していないというのが第一印象でした。
 不良モノと能力バトルものの骨子をまぜた感じ。
 そこに肉がまだつききってない感じなんです。
 荒削りというか、まだまだ太らせられるんじゃないかなぁと。

 エログロ描写部分には物凄い情熱を感じました。
 下着が乙女の柔肌に食い込む感じ。
 ヒルが這い回るグロテスクながらもエロチックな絵。

 しかし、この作品のここが特色だと言えるほど、独自色としての武器が出来上がっているとは言えないと思うんです。
 もっともっと、新人さんらしく自分の好きなものを盛り込んでいったらいいんじゃないかな〜と、思いました。

 ということで、今年もやってしまいます、「金未来杯グリメガ勝手にランキング」。<こんな名前だったんだw
 今年は、せっかくなのでちょっと細かめに見ていこうと思います。
 今回のタカマガハラは、どうなるかと言いますと……。

 画力は、女体とヒルとピカソはいいけどそこ以外ももっと頑張って欲しいという意味で、60点。
 ストーリーとオリジナリティは、もっと頑張って欲しいということで、50点。
 キャラは、硬派な感じがけっこう面白そうだなぁと思えたので、65点。
 設定(連載に向くか)は、キャラの出しやすさと舞台の変えやすさをプラス材料として、65点。

 総合として、60点ということにさせていただきます。



 というわけで、後半につづく。



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posted by BOSS at 19:06| Comment(0) | TrackBack(3) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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