2011年04月10日

ファンタジーRPGの、ヒット・ポイントについて徒然なるままに

 ファンタジーに限らずですが、ほとんどのRPGではヒット・ポイント(以下HP)というシステムが採用されていますよね。
 もちろん例外もあるわけですが、今回は話をファンタジーに絞って、HPって不思議な事がいっぱいあるよねーという雑談をしたいと思います。

■成長するとどんどん伸びて、みんなマッチョに?


 戦士だろうと魔法使いだろうと、成長するとHPがどんどん増えますよね。
 ゲームによってはあまり伸びないものもありますが、ほとんどのゲームでは最終的に、最初とは比較にならない数値になったりして、主人公の成長がとてもよく実感できたりするものです。
 あれって、いったいどういう事なんでしょう。
 限界レベルまで行った魔法使いは、みんなムキムキマッチョのガチムチマンになっているんでしょうか。
 あまり想像したくない光景ですね。
 なにより、ぼくらの魔法少女に、そんなんなってもらっちゃ困ります(笑)。

 多くの回答として、そういう高レベルの冒険者は、みんな戦いに熟練して、敵の攻撃を綺麗に受け流したり、または致命的じゃないところで上手に受け止められるようになっているというものがあります。
 同じナイフで刺されるとしても、低レベルの冒険者はかんたんに深々とお腹を刺されてしまうけど、高レベルになってくると、うまいこと攻撃をいなすことができたりして、たとえば肩をかすめる軽度の傷で済んだりする。
 だから同じ5点のダメージでも、HPが10点しかない低レベルの冒険者にとってはかなりの重傷でも、HPが10,000もある高レベルの冒険者には、ちょっと血がでる程度で済むと。
 同じ点数のHPを失っても、低レベルと高レベルでは傷の度合いがまったく違うということなのかもしれませんね。


■でも待てよ、そうすると回復魔法がおかしくならない?

 しかしその場合、回復魔法でちょっとおかしな事が起こったります。
 例としてわかりやすくドラクエで考えますが、有名な回復魔法にホイミというのがありますね。
 あれはだいたいのシステムで、30点のHPを回復してくれる、初歩の初歩の魔法です。
 初心者冒険者なら1発か2発で全快する量です。
 しかし、高レベルの冒険者ともなると、全快するまでに何発もかけないといけません。
 初心者冒険者が受けた、とてもひどい傷は一発で治せるのに、高レベル冒険者のさほどでもない傷を、どうしてなかなか治すことができないんでしょう。
 ちょっとおかしくはないでしょうか。
 先ほどの考え方でいくなら、HP10の人が受けた5点のダメージと、HP1000の人が受けた500点のダメージは、実質的にはほぼ同じ重症度になるはずなのに。
 どういうことなんでしょう。
 

■実は、ガマンしている?

 HPは、肉体的な損傷だけではなく、疲労や気力も表しているという考え方もあるようです。
 つまり、初心者冒険者は、ちょっとした傷や疲労でも戦闘意欲を失い、膝をついてしまいますが、高レベルともなると、世界を背負う覚悟や気迫があったりなんかして、大変なダメージにもくじけることなく、最後まで戦い抜けるという考え方です。
 これなら、たしかに回復魔法の不思議も解決できそうです。
 ホイミの回復してくれる30点は、初心者冒険者にとっては心をくじけさせる酷いダメージに思えます。
 しかし、高レベルともなると、その程度では簡単にはくじけないわけですね。

 でも、それもちょっと無茶がありそうですよね。
 高レベル冒険者が根性で耐えた500点のダメージの、50分の1の、10点のダメージで心が折れる初心者冒険者って、いったいどんなヤツなんでしょう(笑)。
 どんだけ「もやし」かと。
 ちょっと想像がつきにくいですよねー。
 どれだけ初心者だって熟練者の50分の1のダメージで気絶とかしてほしくありません。
 また逆に、高レベルもちょっと凄すぎる。
 なんぼなんでも人が耐えられるダメージって限度がありそうですし。
 そこはやっぱり、先ほどの、高レベルになると攻撃回避やガードが上手くなっているという説と合体させて、その中間点あたりを考えておくのがよいのかもしれません。


■運命の歴史書説

 これは私独自の考え方なのですが、このHPの謎を、うまいこと説明できるんじゃないかと思っているアイデアがあります。
 それが、「運命の歴史書説」
 「アカシックレコード説」とも言えるかもしれません。
 ワォ、なんかいきなりお香のニオイがしてきたぞー。
 ちなみに私は、日本人にありがちな神様も仏様もほどほどにお祈りする無宗教ですのでー。

 漫画『キン肉マン』の最終章、「キン肉星王位争奪編」と呼ばれるお話で、「キン肉族超人予言書」というものが出てきました。
 その予言書には、すべての超人の運命が予言されておりまして、特筆すべきはその予言書のページを燃やして消し去ることで、そこに書かれている超人本人を、なんとこの世から消し去ることができるという、とんでもない「ゆで理論」の傑作だったのですね。

 実は、この予言書から着想を得たものなのですが(笑)、ファンタジー世界には、すべての歴史と生きとし生けるもの、すべての運命が事細かに描かれている、「運命の歴史書」みたいなものがあるのではないかと、まず考えてみます。
 もちろん世界観によって、呼び方、考え方はいろいろあるでしょう。
 唯一神なにがしがいる世界では、その神様の歴史書でいいでしょうし、八百万の神様がいる世界では、そういった神々が、それぞれ別々の記録を作っているかもしれません。
 なにも書物、記録に話を限ることはないのですが、まぁここはわかりやすく、そういう書物が世界のどこか霊的な中心部分にドーンとあると、考えてみてください。
 
 しかしこの、運命の書に描かれている運命は、絶対ではありません。
 善と悪など、さまざまな存在がぶつかりあったりして、書の内容はつねに書き換えられ続けています。
 その闘争の歴史が記録されてゆく書、とも言えるでしょう。

 歴史に対する重要度が高いほど、その存在についての描写も多くなります。
 強大な影響力を持った王様とか、高潔な騎士団長とか、悪辣なドラゴンとか、残忍な魔神とかは、きっと物凄い行数を使って描かれていることでしょう。
 下手をすると、何章にもわたる長編物語として描かれる存在もいるかもしれません。
 実は、その運命の書で使われている「文字」こそが、ほかでもない「HP」なのです(どーーん!)。
 HPの多いものは、それだけ文章が長い。
 文章が長いという事は、歴史に対する影響度も大きく、歴史にどでかく名を残すというわけです(どどーーん!)

 HPが5点しかない農夫は、「真面目農夫」とか、そんなぞんざいな描写。
 HP1なんて、「臭」とか、ひどい扱いかもしれません(笑)。

 冒険者もおなじで、最初の頃はたいした文字数がありません。
 HP30の冒険者は、おそらく、

「田舎者で腕っ節の強い生真面目男。酒にはめっぽう強いが女に弱い」


 くらいではないでしょうか。
 でも、冒険をくりかえし、試練を乗り越え、世界に対して重要なミッションをクリアしてゆくことによって、冒険者は国々の運命を左右するほどの存在にもなったりします。
 そうすると、冒険者の描写も膨大に増えてゆき、HP数百、ゲームによっては10,000なんてことにもなったりするわけです。
 その頃になると、運命の書では、それはもう相当の描写がされていることでしょう。
 立派な一編の叙事詩となっているかもしれません。


■私の書の中の消しゴム

 さて、そうするとHPに与えられたダメージとはなんなのか。
 ダメージを与えるという事は、普通はケガをさせることです。
 物理的な破壊以外のなにものでもありません。
 しかしそれは同時に、相手の運命を大きく左右し、危うくし、時には、そこで終了させることでもあります。
 それまでは、運命の書ではあと30年は生きるはずだったその人物に、致命的なダメージを与え、殺害するということは、その人物の運命の書を、「書き換える」ということにもなります。
 もしくは、そこから以後の記録を「消し去る」ということかもしれません。
 我々の目にはただの物理的な破壊に見えるダメージですが、運命の書の視点では、同時にその文字を書き換える行為に相当しているのです。
 つまり、剣や魔法で与えたダメージの数値は、相手の運命の書を「書き換えた文字数」でもあるのですねー。

 ちょっとダメージを与えただけなら、何文字か書き換えたり、消しゴムで消したように消し去るだけ。
 大きくダメージを与えて、もし殺傷してしまうようなら、もしかしたら相手の描写文すべてを消し去ったり、時には、恐ろしいことにページごと破り捨ててしまう事になったりするのかもしれません。

 強大なドラゴンは、膨大なHPを持っているものです。
 これはやっぱりとんでもない力を持ち、それだけ世界の運命に対して、大きな影響力を持っているからでしょう。
 きっと運命の書には、何ページも使ってそのドラゴンの事が記録されていることでしょう。
 そのドラゴンを追い詰める勇者の一太刀は、物理的にも大きな破壊力を持っていますが、同時に、それだけ大きく運命を動かす力を持っていることになります。
 勇者の剣の一振りは、勇者自身にとっては肉体の鍛錬の結果であり、単に血肉を飛び散らせるだけのもの。
 でも、世界の運命視点では、実は歴史を変えるかもしれない重大な一振りでもあるわけです。


■綺麗に矛盾解消?

 この考え方の利点は、レベルアップによるHPの膨大な上昇の不思議と、回復魔法の不思議、両方を説明できるところにあります。
 レベルアップによってHPが上昇することは、たしかにたくみに敵の攻撃を受け流せるようになったことの現れですが、同時に、世界における重要度の上昇です。
 それこそ「主役度」が上がる事で、そんじょそこらの雑魚からの攻撃はものともしなくなってゆくわけです。

 そして、ホイミ1発30点の問題。
 30点の回復は、すなわち30文字まで運命の歴史書を修復することに相当するわけです。

 それこそ世界観次第になりますが、たとえば僧侶が呪文をとなえ、神様に祈りを捧げて回復魔法をつかうのであれば、神様の力で、運命の書の書き換えが元に戻るということになるでしょう。
 ホイミを唱えれば、神様が30文字だけ元に戻してくれるのです。
 低レベルだろうと、高レベルだろうと、きっかり30文字まで。
 回復してもらえる冒険者にとって、同じ30点でも人によって価値が違い、それは大変な重傷だったり、たいしたケガではなかったりします。
 でも、運命の歴史書にとって、神様視点では30点は絶対的なもので、きっかり文字にして30文字なんですね。
 つまり、人間視点で考えるから矛盾が生じていたのです。
 神様や、世界の運命視点で考えればよかっただけなのですねー。


■顔の傷跡は残してくれ

 実は前から気になってたことがありまして、回復魔法のあるファンタジー世界では、顔に古傷のある古強者の傭兵とか、いないんじゃないかなって事なんですね。

「オレのこの顔に傷をつけたあいつ……

 あいつの名前を聞くたび、この傷が疼くのさ」

「え? 痛いの? じゃあホイミしてあげるよ〜。」

 ぽわわわわ…

「な! ちょ、てめぇ!」


 って事になるじゃないですか(笑)。
 たしかに回復魔法は便利だけど、そういうことしちゃうと興がそがれることもありますよね、という。
 時代劇とか、活劇とか、ほかのジャンルでは普通にある作劇の演出が、できなくなってしまうわけです。
 それはそれでファンタジーならではの思考実験ができて面白くはありますが、でも、RPGとして演出幅が狭められてしまうのはもったいない。
 まぁ、そんな事も、この運命の書説なら解決できるのかなーと。

 運命の書を消したり書き直したりしている神様のような存在にとって、顔の傷程度はどうでもいいのかもしれません。
 痛みが若干のこったりしてても、大勢に影響なしかもしれません。
 顔の傷とか程度の些細な事は、問題じゃないわけですね。
 だから、傷を治しても、そのくらいは残ったりする。
 むしろ逆に、トレードマークとして働く傷なら、それ自体が新しい運命の描写として書き加えられたりするかもしれません。

「顔に恐るべき傷持つ軍曹」

 とかね。
 そしたら、当然ホイミじゃ治りませんね。

 そうじゃなくって、たとえばそれが綺麗な女の子だったりすると、顔の傷などはもうそれこそ最優先で治してくれるかもしれませんね(笑)。

 
■卵が先か、鶏が先か

 では、その運命の書があるとして、勇者たちの運命は、運命の書があるから決まるのか。
 それとも勇者達が行動するから運命の書が書き換わるのか。
 ちょっと面白いテーマではないでしょうかね。

 ダメージを与えると敵が滅びるのは、相手の肉体が滅びたから滅びるのか。
 それとも、そのダメージによって、運命の書の文章が破壊されたから、最終的に敵の肉体が滅びるのか。

 もし後者だとしたら、そのファンタジー世界は、彼らの目に見える世界が本体なのではなく、「その書物こそが真の姿」なのではないか。
 書物こそが本当の世界で、その住人達が目で見て、感じている世界は、書物にとってのただの「投影」「幻影」「挿絵」に過ぎないのではないか。
 なーんて事も考えられるのではないでしょうか。
 つきつめてゆけば、その「運命の書」とは、小説なら小説本そのものであり、コンピューターゲームならゲームのプログラム、そのものなのではないか、とかね(笑)。

 まぁ、そんな事を考えていってみるのも、ひとつのファンタジーの楽しみ方なのではないでしょうか。


■参考文献?

 ちなみにこのアイデアの元になったのは、キン肉マンの他に、ハヤカワから出ているファンタジー小説『水の都の王女』というのがあったりします。
 これに出てくる魔剣を持つと、相手の心臓を支える命の「糸」が見えるんですね。
 その糸を切ると相手を倒せるという魔剣なのですが(心臓を刺せよとはつっこまないでw)、相手が強いほどその糸の数が多いんです。
 まさにHPだなーって思って読んでたのですが、そこから着想を得たというわけですねー。
 壮大なボーイ・ミーツ・ガールの、なかなか面白いファンタジー小説でしたので、そういうのがお好きな方はぜひ。
 

 まぁ、なんだか長々と書いてしまいましたが、どうでもいいようなヨタ話でした(笑)。








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