2010年12月22日

週刊少年ジャンプ2011年03・04号 感想<後編>

 さぁ今年もこれで最後のジャンプ感想となりました。
 締めくくりに相応しく、盛り上がっていきたく思いまーす!

■前編の感想はこちら





 後半の感想は、

・銀魂
・【読切】黒鉄‐クロガネ‐
・スケダン
・黒バス
・大掃除de大爆笑4コマ漫画
・逢魔ヶ刻
・ぬら孫

 の6本+αでお送りいたします。



銀魂

 “灰皿テキーラ”に、“法務大臣はいいですね”と、切れ味鋭過ぎて自刃しかねない勢いの冒頭。
 いやー、相変わらずアニメ化決まってから飛ばしてるなぁー。
 これもまたアニメ版への挑戦状なんですかね。
 これだけの風刺ネタがアニメでいけるのか、とか、時事ネタは風化するからその時どう処理するのかとか、そのへんアニメスタッフの腕前が問われてきそうです。

 …………なーんて悠長に笑っていたら、後半はそれどころじゃない大爆発。
 な、なにをやってんだーー銀さん!!
 ジャンプでまさかのラブホで朝チュン!!
 うはー、やっちまったなー銀さん……って思っていたら、布団から出てきたのは……まさか! まさかのお登瀬さん!!
 銀さんの顔が、絶望一色に!
 これほどまでに絶望に染まった人の顔を、私は初めて見ました(笑)。
 いやー、飛ばしているなぁー。

 事態はこの時点で充分カオスすぎるのに、今週はさらにそこからさらにアクセルを踏み込んでゆく。
 回想の新八がメガネだけとか、そんなことはスルースルー。それどころじゃありません。

 まさか銀さん、お妙さんにまで手を!!
 なんて罪な男!!
 しかも記憶もないなんて!!
 なんてもったいない!!……じゃなかった、なんて酷い!!
 いやー、この泣いてるお妙さんが、普段感じさせない少女性を垣間見せてくれてて絶品でありました!

 そしてさらに、怒涛の連続攻撃で、九兵衛、さっちゃん、月詠と。
 次々と銀さんの手に落ちていたことが発覚!
 いやー、銀さん、一晩でいったいどれだけの過ちを犯せば気が済むんですかーー。
 っていうかタフすぎだぜあんたと(笑)。

 まさかのマダオは……いや、まぁスルーしておきますか。

 もう笑った笑った。
 まさに今年の笑い納めにふさわしい、怒涛のカオスっぷり。
 ここまで壊れた世界に、空知先生、いったいどう収拾つけるつもりなんでしょうか。
 このまま初夢ネタに移行しちゃうとか?
 あるいは全員グルのドッキリネタでしょうかね。
 みんなが銀さんに感謝の気持ちを表そうとしてやったドッキリ企画ってあたりが、とてもそれっぽいですねー。

 ところで、この展開でもさすがにキャサリンはないんですね(笑)。



【読切】 黒鉄‐クロガネ‐

 新人・池沢春人先生の剣道モノ読切。
 最初普通に梅澤春人先生と勘違いしちゃって、絵をみてびっくり……なんてボケもやっちゃいましたが、なにかご関係でもあるんでしょうか?
 
 そんなことはさておき、この作品、いやーレベルが高い!
 思わず読切ではなく、新連載の第一話のようなつもりで読んでしまい、これからの展開がとっても楽しみになってしまいました。
 いやいや、読切だってーのと(笑)。
 新人作家ってのはウソじゃねーのか!? って思うほど、全体のレベルが高すぎです。

 画力はまずもって申し分なし。
 というか、現在の連載陣のなかでもほとんど見劣りしないレベル。
 キャラクターは魅力的。
 会話が面白く、漫才のテンポもよし。
 演出がよく考えられていて、アクションも感情表現も上手い。
 ストーリーもよく練られています。
 
 構成として、必然性が一貫して通っているってところに感心しました。
 まず、なぜこの主人公でなければいけないのかという必然性として、目のよさがある。
 その目のよさだけが取り得で、身体が弱いから運動を極度に嫌っている主人公がいる。
 嫌っているけど、でもいつかヒーローになりたいというひそかな夢がある。
 その主人公がヒーローになれるのは、力の要らない桜一刀流だけ。
 いや、もちろん剣道が力の要らない競技というのは、幾分誇張の入った“演出”だとは思います。
 でも、池沢先生自身が 10 年剣道やってるとのことですから、その中で覚えた実感を伴った感覚なんじゃないですかね。

 このシンプルながら、がっしりした構図があるからこそ、主人公の動機や行動にブレが生じないんですね。
 桜一刀流を継がせたい幽霊がいて、そしてヒーローになりたい主人公がいて、どちらもお互いを必要としている。
 お互いでなければ、叶えられない夢がある。
 そういう構造だから、ストーリーの展開もなめらかで勢いがあります。
 いやー、よく練られている構図だと思いますよ。

 そして、身体が弱いけど目だけはいいというのは、身体がさほど強くはない一般の男子にとっても光なんですよね。
 もちろん目の良さなんて、なかなか持ってる人はいないでしょうけど、そのへんはなんか自分にもあるような気がしてくるのが厨二病ってヤツですから(笑)。
 瞬発力だとか、運動力だとか、持久力だとか、再生力だとか、そんなものにはからっきし縁はなくとも、もしかしたら剣道はできるかもしれないってのは、世の身体の弱い男子にとって、かなり素晴らしい夢なんじゃないですかねー。
 子供たちに夢を与え、スポーツに興味を持たせるってのは、スポーツ漫画としての一番のお仕事だと思うんですよ。
 この漫画はそのへんもなかなかよくできていて、うーむと唸らされてしまいました。

 もちろん目がいいのが主人公の特技というのは、最近でも 『LOCK ON!』 や、ちょっと前には 『P2!』 という作品がありました。
 しかしこの作品はそのどちらと比べても劣らないくらい、必然性としてよく練られていると思うんですよねー。
 また、達人の幽霊が助けてくれるってネタはもちろん 『ヒカルの碁』 そのままですが、こちらは人形というマスコットになってますから、そういう工夫が上手いなぁと思いましたねぇ。
 
 いやー、感心しました。
 担当さんの言うとおり、たしかに新人離れしてますねー。
 これで、平成元年生まれの若さで、手塚賞受賞から1ヶ月足らずの作品ってんだからオドロキです。
 うーむ、これは今後要チェックの新人さんかもしれませんなー。
 正直私はこの才能に惚れこみましたね。
 早くこの作品を連載として読んでみたいですよ。
 来年早々、そんな機会が来るかもしれませんね。
 楽しみにしています。

 あ、ところでタイトルですけど、もしこのまま連載にするなら、『黒鉄』 はやめたほうがいいと思いますよー。
 まんま同じタイトルの漫画がありますからねー。



SKET DANCE

 殺気を察知していち早く逃げ出すスイッチに爆笑。
 さらにいたたまれなくなって敵前逃亡のヒメコ(笑)。
 しまいにヒョットコだかなんだかわからなくなってる顔のボッスンと、冒頭から緊迫のシチュエーションにニヤニヤしっぱなしでした。

 しかし、いざサーヤが本気で話を始めると、さっと真剣モードになれるボッスン。
 ここがカッコイイ。
 人の本気の相談には、どこまでも真剣に一生懸命親身になれるし、心配できるし、その人の事を考えられる。
 やっぱりボッスンはボッスンだよなぁと。
 こういう一瞬の切り替わりのギャップに惚れ惚れします。

 そしてサーヤ、爽やかに、鮮やかに告白。

「ボッスン 好きだよ」

 の立ち姿も素敵ですが、やっぱり最後の

「ガンガン行くから覚悟してよね!」

 の火照りツン顔がたまらんですな(笑)。
 ダブルミーニングのセリフといい、このどうだっ!と言わんばかりの最強の表情といい。
 なんとまぁ可愛いことよ!

 しかし最後のサーヤからヒメコへのささやきは、これは正々堂々宣戦布告したっていう風に解釈もできるのかな?
 今後の恋の戦線が楽しみです。

 なにはともあれ、モヤモヤは吹き飛んで、いつも通りの賑やかな一同が戻ってきました。
 いやー、よかったよかった。
 なんだかすっかり青春の一ページって感じですね。
 くすぐったすぎるぜー(笑)。



黒子のバスケ

 熱い!
 青春だなぁー。
 先輩達の過去に、こんなに熱いドラマが隠されていようとは。
 これは確かに絶対負けられねーって思いますよねー。

 このドラマを経て、今後の黒子はまたちょっと見る目が変わってくるのかも。
 そんな風に思えた回想編でした。
 長さも長すぎず、必要充分のドラマを展開してて、これはよくできた回想編だったんじゃないでしょうかね。



ドタバタJヒーロー!? 大掃除de大爆笑4コマ漫画

 今年もやってきました。
 一つのお題で連載陣作家が4コマを描いてゆくこの企画。
 今年のお題は 「大掃除」 という、これまたなんとも狭いネタでしたが、これが意外な豊作に。
 なかなか面白いことになってくれました。
 以下箇条書きで。

・ワンピ:大掃除してたらワンピースが出てきたって、今週のオールブルーとも繋がってる感じで噴きました。
・ナルト:どこか、倉庫とかに閉じ込められて、カピカピに干からびた影分身を想像して笑っちゃいました。
・バクマン:4コマが汚い(笑)。
 なんというか、私は既に、編集長を出されると反射的に笑ってしまうパブロフの犬と化しているんですかね!
 いつも強烈なヒキを意図的に使っているのに、それをまた4コマで使うって(笑)。
 大場先生的にもこのヒキこそがバクマンだっていう自覚があったんだなぁと、ヘンなところで感心してしまいました。
・スケダン:ロマンちゃんは天才だ!
・めだかボックス:大掃除で出てきて一番意外なもの……それは掃除機!! なるほど! それはたしかに掃除機だ!
 実に論理的。西尾節ですねー。



逢魔ヶ刻動物園

 ここでまさかのオラオララッシュ!
 ピースサインの超連打が飛び出して、過激な自然保護団体に抗議されないだろうかってくらいクジラを滅多打ち!!
 いやー、実に爽快でありました。
 園長を初めてカッコイイって思いましたよ(笑)。

 そしてシャチのサカマタさんも渋い。
 一本筋の通ったひとですねー。
 敵ながら、最後までアッパレでした。

 かくして勝負がつき、館長はサカマタによって海へ追放され、水族館はイッカクたちが切り盛りすることに。
 あれ、館長の魔力がなくても人間体でいられるのかな? という疑問は残ったのですが、まぁなにか公算があるから言ってることなんでしょう。

 凱旋の空の旅。
 思いをめぐらし、決意を新たにする華ちゃん。
 いやー、可愛いなぁー。
 時々この子はびっくりするくらい可愛くてドキンとしますよー。
 おじさん困っちゃうぜー。



ぬらりひょんの孫

 つらら、つきづきしい働き者の姿と、つくも神との勇敢な戦いぶりで、荒鷲一家の心を掴むの巻。
 いやー、一生懸命なつららの可愛さを、とことん堪能させていただきました。
 そりゃあ荒鷲一家もほだされるよなと(笑)。

 しかし帰り道を待ち伏せ、不意打ちで女の子を喜ばせるとは、リクオめ、隅に置けないヤツよと。
 つららも口には出しませんでしたが、ここまではっきりリクオへの好意をモノローグしたのも初めてじゃないですかね?
 こちらもすっかりラブラブモードになってきましたねー。

 ああでも、この掲載順位はどういうことなんだーー!



まとめて

 今週のジャンプは、なぜだか全体的に女の子たちが魅力的。
 期せずしてクリスマスにラブフェスタになっちゃいましたかね?
 ひとり銀魂だけはとんでもないラブフェスタになってますが(笑)。
 でも、女の子が魅力的なのは良いことであります。
 なんとなれば、男の子というのはそのためにこそ頑張るわけですからねー。
 それこそが少年漫画。
 いやさもちろん友情とか正義とか、いろんなものもあるわけですが。
 少年漫画の王道たるジャンプは、来年もこう王道であって欲しいものであります。
 なーんて強引にこじつけたところで、今年のジャンプ感想はこれまで!

 みなさま、来年もまたよろしくお願いいたします!
 それでは、良いお年を!!



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