2010年11月11日

ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.142 “王冠”

 サイレン、週刊少年ジャンプ2010年49号収録分の感想です。

■ジャンプ本誌感想はこちら→前編後編




 約束の涙を確保し、弥勒に対して話し合いを申し込んだアゲハ。
 さぁ、いよいよ物語は佳境!
 最後の決着がつけられようとしています!


【感想小タイトル】
■機先
■自衛隊参戦
■草の王冠
■星の王



■機先

「お前とは一度

 犬居の山荘で会ったな…」

「一度じゃねえよ 天戯弥勒」


 いいですね〜、こういうセリフを待っていた(笑)。
 一方は相手をよく知ってるけど、もう一方は初めて会う、みたいなね。
 タイムトラベルもののキメ台詞ってやつですね〜。

 すかさず殺到するジュナス。
 しかし、どこからともなく割り込んだ影虎さんが、これを吹き飛ばす。
 相変わらずムチャクチャなパワーでかっこいいですよ影虎さん。

「感情だけで人斬る癖やめろ

 嬢ちゃんが泣くだろうが」


 こちらも、お前のことはよく知ってるんだぜと、言わんばかりの影虎さん。
 渋いぜ〜。
 そして言葉の端から、好敵手ジュナスに対する不思議な友情みたいなものを感じてしまうのは私だけでしょうか。
 あるいは、共感?
 大切なものがあるんだから、無茶はよせよ……とでも言うような。

 そして、トドメとばかりに、祭先生が登場。
 グラナに対しても話し合いを持ちかける。

「お前は現在違和感を感じている

 ヤツをこのまま信じていいのか

 …そうだろ?」


 3人が3人、全てを知ってるんだよと畳み掛ける。
 一触即発のこの事態の中で、一瞬で黙らせ、弥勒たちの頭の中を 「?」 で一杯にするには最もクールなやりかただったでしょう。
 この短い会話で、弥勒たちにアゲハたちの言葉を、ひとまず聞く態勢にさせたわけですからね。
 きっとここまで、アゲハたちはこの手順を何度も話し合って決めたことなのでしょう。



■自衛隊参戦

 一方、ついに約束の涙を手に入れた雨宮さんとカブトは、森の中を逃走中。
 問題の約束の涙は、雨宮さんが持つマジックジャーみたいなカプセルの中に。
 それは、未来のミスラの中身が球体を形作ったような、そんな不思議な物体でした。
 うーーん、これこそがミスラの本体、ウロボロスの使者そのものなんでしょうね。
 気をつけて雨宮さん、乗っ取られちゃうぜ!?
 ここ、ちょっとドキドキでした(笑)。
 いや、雨宮さんが乗っ取られたら乗っ取られたで、なんか別の巨大な運命が動き出しちゃいそうで面白くはあるのですが……。
 いやいや、それはあまりにも悲劇すぎる。
 そんなこと考えちゃダメだ(笑)。

 その雨宮さんたちに、ウラヌスが追撃をかけてくる。
 一瞬にして森が凍りつくこの豪快さ、いいですね〜。
 さらにそこにシャイナやヴィーゴ、ドルキの追撃がかかるのなら、これは雨宮さんたちかなりヤバいのでは?

 ……と、思っていたら、なんと自衛隊の砲撃が!!
 おー、やるじゃん自衛隊!
 ウラヌスに浴びせかけられる、戦車主砲砲弾の雨アラレ。
 どうやら衛星からの監視でワイズたちの動きがバレ、自衛隊の集結に繋がった模様。

 なるほど、この時代のワイズたちなら、近代兵器も充分足止めくらいには通用するって事なんですね〜。
 もちろん弥勒やグラナにはまったく通じないでしょうけど、ウラヌスたちはイルミナスフォージ前。
 衛星設備や周辺の支援システムなども健在の現在。
 ウラヌスたちには充分通用する戦力を維持しているのでしょう。

 このあたり、私的にけっこうよかったです。
 こういう現代の戦力と戦いきることは、結局のところワイズにはできないんですよ。
 数の面で、まずワイズは勝ちきれません。
 究極、アメリカに核を落とされたりしたら弥勒やグラナであろうとも普通に死ねちゃうんですよね(たぶん)。
 だからこそ、確実に勝利するためにはウロボロスを呼び、“転生の日(リバースディ)”を起こすしかなかった。
 自衛隊などの近代兵器が充分通用するっていうパワーバランスがちゃんと描かれたのは、私としてはけっこう意味あることだよなぁ〜と思いましたよ。
 
 

■草の王冠

 そしてアゲハたちの邂逅は、予想もしなかった展開に。
 話し合いをキッパリ断り、アゲハの挑発に乗って攻撃の弥勒。
 アゲハの胸を弥勒の攻撃が貫いた時はややっ!と思いましたが、アゲハはすでにノヴァ化していました。
 あるいは瞬時に発動したんですかね?

 急激に黒の暴王モードになりつつ、アゲハ、弥勒に語りかける。
 いや、そこまでは想像していた通りです。
 弥勒にとってみれば、誰も知らないはずの自分達の計画をアゲハ達が知っていて、未来はこうなると言ってくる。
 困惑の事態になるだろうことは予想がついていました。
 では、そこでアゲハはどういう決め手を打ち出すのか。
 弥勒たちを完全に納得させられるだけの決め手が、なにかあるだろうかと考えていたのですが。

 まさかここで、もう一度テレカが出てくるとは思いもしなかった!
 出てきたテレカ……消え去りそうな、半分もないテレカの破片……。
 それは、グリゴリ07号、ネメ姐さんの心の欠片!

「俺達の旅の記憶

 07号のお前への想い…

 全ての記録が詰まったカード

 恐らく俺達の旅の本当の目的は

 コイツを現在のお前に届けることだったんだ」


 まるで悪魔のような姿になりながら、全てを悟ったように語るアゲハ。
 そうか、このカードは、いわばサイレンと言う物語そのものじゃないですか。
 悲劇とか、苦痛とか、友情とか、勇気とか、愛とか。
 いろんなものが詰まった旅。
 アゲハたちが体験してきた旅。
 全ての記憶が詰まったカードは、いわばサイレンという漫画そのものですよ。

「これが…

 俺に託された最後の可能性…」


 弥勒に打ち込まれる、カードの記憶。
 見開きで走馬灯のようにかけめぐる、これまでの旅路の記憶。
 いいですね〜。こういうの、最高です!
 物語が最後に見せる、物語自身の走馬灯。
 これまで踏み越えてきた、いくつもの試練がバーッとよぎり、感動が一時に押し寄せてきます。
 そして、この物語自体が、「最後の可能性」 だったと。
 私達が読んでいるこの漫画自体が、もしかしたら弥勒に伝えられたカードそのものなんですよ。
 なんか、凄い深いぞーこれは。

 そして、これはネメ姐さんの記憶なのか。
 草原で遊ぶ、まだ幼いふたりの子供。
 まだ自分たちが他人と違うなんてことも知らず、無邪気にたわむれ、草と花の王冠を作る姉と弟。
 優しい時間。

「草の王冠でよかったんだ」

「姉さん…!!」

「どんな力を持とうとも

 私達の目指す頂点はそれで充分だった

 それで充分だった」


 王冠……これは弥勒の最後の技、“王冠(ケテル)”とかかっているのでしょうね。
 いや、むしろ弥勒が無意識にでも王冠にこだわり、最後の技にその名前をつけてしまったのでしょうか。
 彼はその力によって、あらたな生態系を作り出し、完全な新世界を作り出そうとしたのでした。
 それは、弥勒が夢見た楽園だったのでしょう。
 でも、真実戻りたかった楽園は、この草原のほうだったのでしょうね。
 姉とふたりたわむれるこの草原で、本当に手にしたかった王冠は、草の王冠だったのでしょうね。
 なぜ、狂ってしまったんでしょうね。
 どうして、いつ、ボタンをかけちがえてしまったのでしょう。

 グリゴリ研究所の非人間的な実験が、全てを狂わせてしまったのでしょうね。
 なんて罪なのでしょう。
 最も罪を背負っているのは、そんな非人道的な組織を作ってしまう人間のほうだったのでしょう。

 この草原で無邪気に笑う二人の姉弟を見るほどに、思わず涙があふれるのを禁じえませんでした。
 この子たちは、こんなにもくったくなく笑えるのに。
 それが、かたや笑うことすらできなくなり、そしてかたや、破滅へと突き進み……。
 ――あまりにも、哀しすぎますよ。


 いや〜、これは予想外の決め手でした。
 これ以上ない決定打でしたよ。
 ネメ姐さん、感情を失ったはずなのに、なんでしょうこの迸るような熱い想い!
 時を越え、世界を超えて、ネメ姐さんの愛が弟に伝えられました。
 とどけ、この思い! 弥勒の胸に!



■星の王

 さぁしかし、ここでなんと、約束の涙がミスラの手に!!
 ミスラがやったというよりは、約束の涙のほうが自律運動してカプセル破壊し、飛び出て行ったようにも見えました。
 こ〜れはいよいよ、最後のバトルとなりそうですねー!
 真の力を手に入れたミスラに、アゲハたちはふたたび蹂躙される宿命なのか。

 いやさしかし、今度はまったく展開が異なります。
 あの悲劇の未来とは、状況がぜんぜん違うのです。
 アゲハたちは、全力全開。戦力が温存されてますし、これに弥勒たちが乗ってくれたら怖いものナシ!
 まさに敵味方力を合わせ、巨悪を叩く!
 これ以上ないほど熱い展開ではないでしょうか?
 はてさて、いったいどのようなクライマックスが待ち構えているのか。
 来週が本当に待ち遠しいであります!



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posted by BOSS at 22:48| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シャイナ、ドルキはともかくウラヌスは(弥勒やグラナには劣るでしょうが)グリゴリなんで自衛隊くらい平気じゃないですかね!?

あと最近コミックスを読み返して疑問が浮かんだんですけど・・・

島原の人たちっていったいどうなるんでしょうね!?

もしかして来るはずもないリバースデイに備えて島原に行き同士を募って修行させてたり・・・ww

ボスさんどう思いますか!?
Posted by にれ at 2010年11月12日 09:07
>自衛隊くらい平気じゃないですかね!?

 ええ、さすがに自衛隊がウラヌスたちに勝てるところまでは私も考えてませんが、でも「平気」とはちょっと思えないですね〜。
 今回私が触れている、自衛隊もやるじゃんっていうのは、この遭遇戦の話だけではなく、自衛隊全体が戦力レベルとして通用するかどうかの、そういう話です。
 今回の遭遇では、結果的にはウラヌスたちが勝てるか、あるいは逃げ延びるでしょう。

 私がちょっと面白いなぁ〜と思ったのは、この感じだと、たぶん近代兵器はワイズたちが鎧袖一触に粉砕しちゃうには結構困る程度には、ちゃんと通用するレベルなんだなって事なんです。

 戦争って、数台の戦車と視認距離でせーのでやりあうだけじゃないですからね。
 衛星からの監視もありますし、自衛隊側は24時間休むことなく波状攻撃をしかけられますし、現在自衛隊は300台以上の戦車を保有しています。中距離ミサイルだってあります。というか、戦場のセオリーでいけば、戦車の前にミサイルや航空戦力によって制空権の確保から始まるんですけどね。
 まァ今回はそういうのはいいか(笑)。

 一方、ワイズはPSIを使い続ければいつかは疲弊して、使えなくなってしまうでしょう。
 イルミナスフォージしていないんですから、いずれ休まなきゃいけないし、寝なきゃいけないし、食事だって必要となっちゃう。

 そう考えると、いくら強くても自衛隊のほうが長期的には有利なんじゃないかと思えるんですよ。

 総合的には、今のところ自衛隊のほうが有利。
 まぁしっかり考えて動けば、ワイズは勝ち続けられるだけのパワーを持っているわけですが、ちょっとでも下手をすれば、ワイズは取り返しのつかない損失をこうむってしまう。なにせ人数が少ないですし、それぞれが代理人のいない特殊能力ですから。

 そんな感じで、ワイズはシャイナの瞬間移動能力を使い、これまで一年間、神出鬼没の作戦をやってたんじゃないでしょうかね〜。

 今回のように、ワイズ側の居場所がバレてしまい、数日そこに滞在せざるをえない状況ってのは、実は自衛隊にとってかなりの好機だったんじゃないかと思います。
 そして、ワイズもそれを承知で、その大きなリスクを犯してでも手に入れなければいけなかったのが、約束の涙だったと。

 そういった事を考えると、なかなかスリリングな状況だったのかもなぁ〜と思いました。
 また、弥勒が約束の涙を手に入れ、ウロボロスを呼ぶ必然性ってやつも重みを増してくるんじゃないかなあと。

 あ、でも、色々と書きましたが、これらはあくまで私の妄想でありますから(笑)。


>島原の人たちっていったいどうなるんでしょうね!?

 さぁ、このあたりも気になるところですね〜(笑)。
 下手をすると政府によるサイキッカー狩りによってブチ込まれてたりするかもしれません(笑)。
 最終回あたりで、あの人は今……みたいに出てきたら嬉しいですね。
Posted by BOSS at 2010年11月16日 22:42
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