ジョジョの奇妙な冒険 Part7 SBR #64 LESSON5D の感想です。
ジョニィの出した結論とは!!
【ネタバレ注意!】
一話まるまる使った長広舌の説得に対し、さぁジョニィ、どう答えを出すのか。
ハラハラしながらページをめくると……。
ぽつりと……そう、あまりにもぽつりと、
「信じるよ…………」
……そんな、バカな!
あの大統領を、信じると言うのか!
ウソだと言ってよジョーニー!!
大ゴマを使い、静まり返るようなあたりの情景が、より衝撃度を大きくしてくれます。
そうか、そう、結論をつけてしまったのかと。
落胆と言うか、驚愕というか。なんかもうこれはあまりにもショックでした。
一方、あくまで無表情の大統領。
これがまたいい。
その顔の奥底でせせら笑っているのか、それともジョニィの正しい結論に安堵しているのか。
油断なく、泰然自若とした無表情が怖いくらい。
警戒をまったく解いていません。
ここで表情を崩せば、またジョニィの決断がにぶるかもしれないとでも考えているのでしょうか。
小憎らしいほどのポーカーフェイスです。
しかし、ジョニィはやっぱり凄かった。
思いも寄らない手に出てくれました。
ジョニィは、傍に落ちていた大統領の銃を、大統領に投げよこしました。
弾丸は、ジャイロを撃ち殺したことで、すでに空。
「その『銃』を
試しに拾ってみろ」
最初、私はジョニィが何を言い出したのかまったく分かりませんでした。
弾倉が空の銃を拾うことで、いったい何をさせたいのだ? と。
ジョニィは、大統領を試すために銃を拾えと言っているわけです。
100%信じているが、最後の1%信じるために、拾えと。
誓いの裏のさらなる裏に、騙し討ちと裏切りが潜んでいないかどうか、それで確信したいと。
いったい、銃を拾うことで何がわかるというのか。
さっぱりわかりませんでした。
「きっと何事も起こらないのだろう
何も起こらない…………
それでいい…………」
なんとも意味ありげな言葉です。
まるで大統領を脅迫しているかのよう。
2人のあいだに走る、息苦しいほどの異様な緊張感。
ゆっくりと銃に手を伸ばす大統領。
だが、その手をひっこめ、
「我が心と行動に
一点の曇りなし…………!
全てが『正義』だ」
このすまし顔で私は確信しましたよ〜。
こいつは、やっぱり悪なのだと。
そしてその直感通り、大統領の腰には、隠された銃が。
なるほど、わかりました。
銃が二つ。
平行世界の同じものが近寄った時、それは引き寄せあい、くっついた時バラバラになって消滅してしまう。
ジョニィは、大統領が平行世界から弾の残っている銃を持ってきているかどうか、それを試したかったのですね。
大統領は、追い詰められていたわけですか。
今、落ちている銃を拾ってしまえば、腰の銃とくっつきあって消滅してしまう。
もし銃を隠し持っていたことが発覚してしまえば、ジョニィは自分を二度と信じてくれない。
無限の回転を止めてくれることはなくなってしまう。
また、ここをなんとか切り抜けてふたたび平行世界に逃げたとしても、もうジョニィを倒すすべすらなくなってしまうかもしれない。
肉スプレーはジョニィに渡してしまったわけで、馬で逃げられたらもう大統領にはどうするすべもなくなってしまいます。
大統領としてみれば、もう八方ふさがりだったわけですね〜。
しかし大統領、なぜ銃を持ってきてしまったのか。
ここでジョニィを完全に信じ込ませられなければ、勝機はなかったのに。
そして、信じ込ませてしまえば、あとはどうとでもできたでしょうに。
自分を信じろと言いながら、大統領はジョニィのことを信じてはいなかったという事かもしれませんね。
理屈ではなく、本能的にいざという時のため、銃を持ってきてしまったのかもしれません。
大統領は自分を信じろと言いながら、もしジョニィが信じてくれた場合でも、そのジョニィを信じる事はできないのですよ。
そこが大統領の敗因ではないでしょうか。
いやしかし、見事なのはジョニィの超絶な機転でしょう。
ここでまさか、大統領自身の能力を逆に利用してしまうとは。
あまりに巧すぎです。
そして、追い詰められた大統領は、ついに銃を抜く。
すかさず落ちていた銃が飛びつきますが、消滅までのわずかな時間に勝負をかける。
またたきする間の、生死をかけた最後の勝負です。
大統領の銃弾と、スタンドの同時攻撃に、ジョニィはタスクで応戦。
両者、銃弾を肉体に受けながら、なお攻撃を止めない、凄惨なラッシュ合戦。
時代が時代なら、オラオラと無駄無駄の押し合いでしょう。
いや〜、これはかっこええ。
防御など、なんの意味もない至近距離での撃ち合いです!
まさにスティール・ボール・ランという作品のクライマックスを飾るに相応しい、実に SBR らしい象徴的な 『ド決闘』 『男の世界』 です。
両者、満身創痍。
しかし、ジョニィのタスクが、いち早く正確に、大統領の心臓を射抜く。
崩れ落ちる、大統領の膝。
そのとき、ジョニィの脳裏にひびいたのは、ジャイロの声。
おお、ジョジョの伝統、死にゆく者の魂との邂逅!
「おいジョニィ…ジョニィ…こっちだ
こっちだぜ
オレはこっちへ…進むぜ…
そうゆう事なら……
そうゆう事でいいんだ…
オレの本名は…約束したよな……
誰にも言うなよ
じゃあな…………元気でな」
最期の最期まで、ジャイロ、かっこよかった。
達観したようなかっこよさ。
そしてこんな時でもちょっとしたオチャメは忘れない。
間違いなくこれはジャイロですよ。
ジャイロの魂よ、永遠に。
またきっと、何巡かした世界で……。
そして、ページをめくると、ジョニィの指から発射されるタスクが、大統領の頭部を撃ち抜いていたのでした。
そうか、ジャイロの幻は本当に一瞬だったのですね。
ついにバラバラに砕け散る、D・4・C。
ここに、本当の本当に、決着がついたのでありました。
ひらひらと落ちるハンカチーフがなにかとっても物悲しい。
唯一の勝者となったジョニィは、滂沱と流れ落ちる涙をとめられず、大きな声で泣き叫ぶばかり……。
荒野に響く、孤独な嗚咽。
うーん……切ない!
勝利には違いないですが、失ったものはあまりにも大きすぎます。
こんなに切ない勝利が、これまでジョジョシリーズにあったでしょうか。
勝利の爽快さより、むしろ虚無感のほうがでかすぎる。
まさかこんなにも切ないラストが待っていようとは思いもしませんでした。
いやしかし、まだ物語は終わったわけではありません。
いまや完全になった聖人の遺体、そしてレースの結末はどうなるのか。
大きな犠牲の上に手に入れたものを、ジョニィはどう受け取り、そして歩いてゆくのでしょうか。
■外部リンク
SBR感想 #64(@JOJO)
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