闘技祭で出会った冒険者達が、ひょんなことから世界の命運を握るアイテムを手に入れて始まった大冒険……の予定。
セッション5話目で 『黒い炎』 のほぼほぼ9割までを踏破。
残りが中途半端な量となったので、6話目はもうひとりのマスター OTTO 先生のD&D第3.5版キャンペーンとの二本立て構成でセッションしてきました。
といった事で、今回は5話目と6話目をまとめてお送りさせていただきます。
■過去レポはこちら→序章、序章(2)、第1章、第2章(1)
■【TRPG用データベース】クイーン・サーガ辞典
【小見出し】
・キャラクター紹介
・前回までのクイーン・サーガ
・シーン1:地下菜園の番人
・シーン2:地底湖
・シーン3:筏だ!
・シーン4:セーブ地獄
・シーン5:逝って帰って
・シーン6:炎の試練
・シーン7:黒い炎
・シーン8:曙光
・エピローグ:それぞれの道へ
キャラクター紹介
●ホームズX(プレイヤー:Musha)……ロングトゥース・シフターの男パラディン(半犬半人の騎士)。信仰は白金の竜バハムート。リアル側の都合で第5話はお休み。その間何してたんだろうと周りのみんなで相談したところ、ダンジョンの中で迷子になってはぐれたんじゃない? とかちょっと可哀想なことに(笑)。第6話ではNPCとのドラマ部分でウィジャルと組んで地獄の8の字固めを披露することに!(笑) あいかわらずいいコンビです。
●ウィジャル(プレイヤー:Wao)……人間ファイター男(HFO)。ホームズが欠席した第5話で、ただ一枚の壁役として奮闘苦闘。第6話ではNPCとのドラマ部分で数々のプロレス技を披露。プロレスフリークであることが明るみに。
●アルトリア(プレイヤー:OTTO)……低AC、超高HP、フルブレードをブンまわす高破壊力人間女バーバリアン。ラスト戦闘以外は全般命中が悪かった印象なのですが、ポーションを飲むタイミングや仲間を助けに行く立ち回りなど、戦闘状況を見極める判断力はさすがの一言。プレイヤーのエターナルババレベルの高さをうかがわせる回でもありました。
●アブダム(プレイヤー:Artemis)……デーヴァの男クレリック。信仰は月の女神プリンセス・セレニティならぬセイハニーン。遭遇毎に使える回復回数は2回。しかし味方にはHPこそが鎧というババがいるジレンマ。明らかに足りない回復回数で、これからどう切り回してゆくのか。パーティの命運が尽きるのが早いか、アブダムの我慢の糸がブチ切れるのが早いか(笑)。そこが大いなる問題だ。今回、まさかの悲劇。
●ベッカー・リュウ(プレイヤー:DISK)……人間の男インヴォーカー。大量の雑魚を掃除する必殺掃除人。前回までは飛びぬけてダイス目の悪いツァイトの影に隠れてさして目立ってはいなかったものの、地味〜に出目の悪いベッカー。今回その才能がついに華開き、セービングスロー連続 11 回失敗の快挙を達成。いやー、人間やれば出来るものですな! おめでとう!!
●ツァイト(プレイヤー:DRR)……ドラウの女ソーサラー。地底世界に生きてきたドラウ(闇エルフ?)らしく、独特な価値観のロールプレイが異彩を放つ。パーティ内のアンチテーゼといったところか。5の呪いは脱したものの、5が出るたびに周りからビクリと反応されるという新たな呪いが定着?(笑) ドラマ部分では皆と行動を別にすることで脇道部分の演出に貢献。
■前回までのクイーン・サーガ
とある村の武闘大会で出会った冒険者たちは、村の直下に突如出現したダンジョンを探索するうち、魔道師の幽霊から《悪魔の目玉》という黒い石を預けられる。その石を魔道宰相ワルーインに渡してはならない。渡せば世界は暗黒の時代となってしまうと、魔道師の幽霊は語り、消滅した。
一行は、サンディと名乗る貴族女性と従騎士キンゲンの護衛として、近隣に山中に住むという《見者》ミエールの塔へと向かう。サンディは人面疽のような不気味な病気にかかっており、それを治せるのは《見者》ミエールしかいないという話だった。
《見者》ミエールは、冒険者たちに出会いがしらにケチョンケチョンに罵詈雑言を浴びせかける。どうやら遠見の術で冒険者の動向は見守っていたようなのだが、《悪魔の目玉》の扱いについてかなりご立腹のようだ。
《見者》ミエールは、サンディの病を治すためには《魔法のメス》が必要だと告げる。それは昔自分が使っていた地下研究所跡の最奥に置いてあると。それを取って来れたら、その報酬として《悪魔の目玉》関連の情報を調べてやろうとも言う。
サンディの命はあと3日。3日後の日没までに、《魔法のメス》を持ち帰るべし。
一行は、即座に研究所跡に向かった。
しかしその研究所では、昔実験の失敗で巨大な爆発が起こり、地形がめちゃくちゃになっているとのこと。
はたして、ゆくてをはばむ、怪物たち以上にやっかいな落盤や壁の崩壊。
一行は、研究所最深部に到達することができるのであろうか。
■シーン1:地下菜園の番人
セッション第5話。
今回は、ホームズXがリアル仕事で欠席。
前回、研究所跡を途中まで踏破したところで時間切れとなったわけですが、そのセッションでMAPを記録し、どこを攻略するかをコールしていたのがホームズXだったため、まずはどこをどう攻略していったのかの再確認から。
前回ラストでホームズは、すべての道が落盤などで塞がっていることが分かったと、そう言っていたのでした。
いやいや、そんな事はあるいまいと、皆で確認していったところ、案の定、未踏破の部屋で鍵を発見。
その鍵を使い、すでに発見してあった、鍵のかかった部屋を開けてみます。
すると、その部屋の奥半分が地殻変動で横方向にスライドし、一区画離れた別の部屋への橋渡しをしているのを発見。
地図上ではまったく繋がっていなかった部分が地殻変動によって繋がっていましたと、そういうオチだったわけですね。
そんなわけで、前回迷走した迷路の謎を、たった5分で攻略できてしまった一行。
ホームズめーと、一同ゲラゲラ笑います。
まぁ、一度情報を整理してしまうと分かりやすくなるというのは、ありがちな事ですね。
奥へ進んだ一行は、その昔地下菜園だった場所(今は枯れ果てた畑)に到着。
前から空中をフヨフヨとあらわれる、巨大なタコっぽい怪物。
ということで、本日最初の戦闘とあいなりました。
敵の正体はグレル。
長い触手で組み付き、減速状態にしたり朦朧状態にしたりと、なかなか嫌らしい敵で、しかも【精鋭】。
【精鋭】というのはモンスターの種別で、普通のモンスターよりもちょっと強く、しかも2倍タフというヤツ。
このグレル1体に、一行はかなりの苦戦を強いられたのでした。
まず、盾役として突進したウィジャルにグレルが組み付き、アクションポイントを投入したフルアタックでボッコボコに。
一気に瀕死近くまで追い込みます。
まわりは回復でフォローしつつ、ダメージを与え、ウィジャルの脱出を助けたりと工夫して立ち回ります。
しかし、全員いかんせんダイスの出目がショボンショボン。
おや、今日もみんなションボリ王なのか? と思っているうちに、ズルズルとウィジャルにダメージが蓄積してHPがマイナス。昏倒に。
このあたりからは回復役アブダムの回復パワーも底をつき、ポーションを飲んでなんとかする時代に突入してましたね。
<治療>技能で目をさましたウィジャルは、ポーションを飲んで戦線復帰。
なんとか建て直し、アルトリアのいい一撃も決まったりして、なんとかグレルを重傷状態にまで追い込みます。
ウィジャル:やっと重傷かよ!
DM:と、そのとき、グレルがピギャーーッと、研究所中に響き渡りそうな大声を上げた。
ツァイト:なんだ? 仲間でも呼んだのか?
その通り、次のグレルの手番で2匹目が登場したのでした。
いや、グレルにそういう習性はないんじゃないかとは思うのですが、ホームズが欠席したことでとったバランス調整でありました。
本来は最初からグレル2匹との遭遇戦の予定だったんですね。
新たに登場したグレルBは、パーティの後方で待機していた砲撃役、ツァイトに、アクションポイントまで投入して一気に詰め寄り、組み付きにかかります。
DM:さぁ覚悟しろツァイト! どりゃーーッ! ゲェッ「1」かよ!!
ツァイト:よし。
ツァイトは一度距離を取りますが、他の皆がグレルAからなかなか手が離せない状態になっており、Bは今度こそとツァイトに組み付きます。
さぁツァイトピンチ!
さぁ皆どうするのかな? と思っていたら、そこにかけつけてくるのはベッカー。
なにやらマスターのよく知らないパワーが上手い具合に炸裂し、グレルに掴まれていた筈のツァイトは別の位置に横滑り。
DM:おおーう、なんかいい技持ってるなぁ。そういえば第3話でもそれやってたね。
ベッカー:そう、仲間を横滑りさせられるパワー。組み付かれている状態は、横滑りとかで終了させることができるからね。
上手い具合に脱出したツァイトは、次の手番で瞬間移動などをからめて距離を取り、そこから砲撃に専念し始めます。
さらにこのあたりのタイミングでグレルAが倒され、あとは戦力一気投入。
1日毎のパワーも畳み掛けられ、あとはおして知るべしって感じ。
まぁ、マスターとしては一日毎パワーをここで使わせたことが収穫でありました。
DM:本来は、これが前回のラスボス的な位置あいとして考えていたんだけど、しかし、精鋭2体はちょっとやりすぎだったね。
ツァイト:たしかに。強さとしてはさほどではないんだけど、時間がかかりすぎたかも(2体倒すのに1時間半)。
DM:うーん、やっててマスターもちょっとダレちゃった。今度から精鋭は1体にするわ。あと雑魚とかたくさん出したほうが楽しいでしょ。
ベッカー:それはもうゼヒ(笑)。
■シーン2:地底湖
一行はここで 「大休憩」 を取ることを選択。
鍵のかかる部屋に戻り、一晩休みます。
この大休憩によって、消費した回復回数、一日毎パワーが回復。
これをどこかやれるところでやらないと、冒険者は死が待ってます。
期限である3日後の日没までは、まだ2日半以上ある状態となりました。
翌朝、というか午前3時ごろ、探索を再開。
まず、土砂が流入して半分潰れた部屋で、小さな穴を発見。
腹ばいになって、ひとりずつならなんとか這い進んでいけそうな、そういう深い穴です。
見ると奥へ奥へと続いています。
入り口近くに行って調べてみると、なにか大きな虫のようなものが掘った穴であることがわかります。
また、かすかに風を感じ、その風のなかに生物的な悪臭も嗅ぎ取ります。
まぁ、ここは論外。後回しだなと、一行は別の自然洞窟的通路から奥へ。
実際この後、この穴は完全無視でダンジョンは踏破されました。
マスターとしては、ホームズがいれば彼の性格的にまず中に入って調べてくれると思ったのですが、欠席ではしょうがないですね。
残念であります。
閉所恐怖症的シチュエーションで、おぞましい虫と戦うとか、実にヒロイックでカッコイイと思うんですけどね(笑)。
ま、別の機会にまた。
奥へ進むと、そこは巨大な地底湖。
本来は、大きな実験室を中心に、通路が放射状に6方向に伸び、各通路の伸びた先に小部屋があるという地形。
それについては《見者》ミエールから地図を渡されているので分かっていたのですが、中央の実験室で起こった爆発により、すべてが吹っ飛び、地底湖になっちゃっているという状況なのですね。
地底湖は、直径 150 フィートほど。
深さは 70 フィート。かなり澄み渡っていて、白い魚たちが群れをなし、鱗をきらめかせているのが見えます。
湖の周縁部には葦や水草が生い茂り、豊かな生態系ができています。
水面から高さ 80 フィートほどのところにドーム状の天井があり、ところどころに穴が開いて星空がのぞき、あちこちから木々の根がぶらさがっています。
地底湖の中央には、魔法の爆発によって生じたエネルギーが青色の結晶となって複雑によじれた柱を形成しており、その幻想的な光があたりの様子を照らし出しています……とまぁ、そんな光景ですね。
地底湖のぐるりをとりまく壁面には、昔の通路の名残が各所に口をあけています。
ただし、その開口部は、水面から高さ 10 フィートのものが二つ。 20 フィートのものが一つ。
壁面は苔むしていて、さらにオーバーハングであるため登攀は至難。
で、目指す研究所最深部の倉庫は、水面上 20 フィートの開口部の奥だと思われるわけですね。
さてどうしようかと話し合った一行は、とりあえず地底湖周辺で歩いて調べられる、脇のジャングル部分を探索してみようということに。
■シーン3:筏だ!
うっそうと生い茂る地底のジャングル。
その奥に、研究所の名残の建物が顔を覗かせている。
近づいてゆくと、姿を現す植物型モンスター。
というわけで、ここで第2回のバトル。
出てきたのはヴァイン・ホラー2体と、ヴァイン・ホラーの妖術使い2体。
蔦植物がよりあつまって人間に似た姿をとっている化け物ですね。
途中、ツァイトに遠隔攻撃が集中し、継続的ダメージ5と継続的ダメージ 10 が乗った時にはヤバイ! とみんなに戦慄が走りましたが、ツァイトがどちらも一発でセーブに成功したため、ダメージは 15 のみで済みました。HPが 30 ちょいしかないツァイトには、かなりのスレスレだったんですね〜。
終わってみれば、これが決定的な分かれ目でしたね〜。
かくしてこのバトルはその後特筆すべき事もなく終了。
この日一番楽な戦闘だったんじゃないでしょうか。
ここで一行は、このジャングルの木材や蔦をつかって、筏を作れないかどうか試してみる事に。
マスターとしては実は 「筏」 というのはまったく考えも及んでないアイデアでかなりびっくりしたのですが、プレイヤーとしては地底湖があり、ジャングルがあったらマスターが筏を作れと言っているんだろうと、そう汲み取ったようであります。
いや〜、テーブルトークって面白いですね〜。
思わぬことで物語が膨らみます。
その後起こるであろう事態をちょちょいと計算しなおし、マスターとしては快く許可。
だって、透明度の高い地底湖、それも幻想的な青白い光の柱に照らされた地底湖を、たよりない手作りの筏で漕いでゆくんですよ。
これをヒロイックといわずして何と言う、ですよ。
マスターとプレイヤーのアイデアが思わぬ名場面を生み、物語を膨らませる。これぞテーブルトークだなぁと思いました。
というわけで、適当にその場で提案した 「技能チャレンジ」(技能判定を何度かやって解決の度合いをはかる) によって筏作りに成功した一行は、地底湖に漕ぎ出します。
周辺の壁面を探りますが、やはりここを通常の方法で登攀するのは無理そう。
では、20 フィートのところは無理としても、10 フィートの高さのところはなんとかならないか? とそちらへ漕いでゆきます。
しかし、地底湖中央近くに来たその時、湖の反対側から巨大な鰐が出現します。
アブダム:1匹?
DM:うん。
ツァイト:近づかれる前に遠隔で落すか?
ベッカー:とりあえずちょっと様子見てみるか。
DM:そうする? そしたら、あとからさらに2匹現れた。
ベッカー:あー、それは取って返そう。
ウィジャル:漕げー! 全力で漕げー!
DM:んじゃ、鰐に追いつかれる前になんとか岸に戻れた。鰐たちは最終的に5匹に増えて、光の柱のまわりを周回している。
一行は、水上戦や水中戦は論外ということで、鰐をおびき寄せる作戦を決行。
マスターはここで快くこの作戦に乗る事に。
本来、この地底湖の攻略は、前述の小さな穴から回り込むことによってできる構造になっており、鰐は地底湖を泳いで通過しようとかいう無茶を防ぐための防壁なわけです。
しかし、すでに 「筏での攻略」 という演出的にクールなアイデアを採用したからには、ストーリーは変化するのが正解と考えたのですね。
かくして水陸両用MS部隊対、冒険者によるベルファスト防衛戦が開戦。
鰐は噛み付きが当たるとそこから相手をグワシッとアゴで掴み、さらに次のターンから締め付けで大ダメージを与え続けるという特殊能力持ち。
これをいかに決めるかが鰐側の作戦。
逆に、冒険者としてはそれをいかに決めさせないかが問題となってくるわけです。
つまり、一度捕まれたら次のターンまでにいかに脱出するかってことですね。
結果的に、これは冒険者側の圧倒的勝利。
ダメージ自体はそれぞれに蓄積したのですが、噛み付きが当たり、次のターンまで噛み付いた状態が持続してるってことはまずないですね。
大体本人の脱出が成功するか、誰か別の人の助け舟のパワーが炸裂します。
このあたり、互いを助け、助けられる、4版の面白さでもあるなぁ〜と感じられました。
かくして鰐を排除した一行は、あらためて地底湖探索へ。
今度は完全に安全になった地底湖を、ゆっくりと調べまわります。
水面上 10 フィートほどのところに開いている通路開口部に、ロープをひっかけられそうな場所をみつけたツァイトは瞬間移動の能力を使って開口部にジャンプ。
通路の先になにやらモンスターがいそうな気配を察知しつつも、ロープを折れた柱にひっかけ、地底湖に下ろします。
これにて地底湖は攻略成功。
あとは、いかに最深部の倉庫への道を探すだけ、だと思われたのですが……
■シーン4:セーブ地獄
出現したのは、クルーシクと呼ばれる昆虫と爬虫類のあいのこのような怪物の群れ。
地底に穴を掘り、ダンジョンなどを穴だらけにしてしまうヤツらで、前述の小さな穴もこいつらが作ったもの。
真ん中にクルーシクの“巣の王”と呼ばれる大型のボスがデーンといすわり、まわりに成体やら子供やら幼生やらがわらわらいます。
さぁ、ひさびさに大量の敵の掃討戦だと意気込む一行。
敵を引き付けようと前に出たウィジャルのまわりに、雑魚たちがごちゃごちゃっと集まり、そこにベッカーら後衛組の集中砲火が炸裂。
序盤はテンポよく進みました。
が、あらかた雑魚を掃除し終わった頃から、全員のダイス目が腐り始めます。
ウィジャル:攻撃! ぐ、ダイス目3!!
DM:ひょいっ。それでは当たらんな! では成体の反撃。ぬお、こっちも3!!
アルトリア:うっし、3倍撃! でぃっ……3だ(笑)。
DM:そしたら王の攻撃。今回はブレスじゃなくって普通に殴るか……ってまた3かよッ!!!
ツァイト:で、次がこっちの番か……いやな予感が……(笑)。
ウィジャル:期待してるぜ(笑)。
ツァイト:(コロコロ)……残念、4でした(爆)
ベッカー:お前らイイカゲンにしろーーーッ!!!(爆)
そんな場面が少しも誇張じゃなく本当にあったのが恐ろしい。
この戦闘は終始全員(マスター含め)ダイス目が腐りまくり。
あまりにも酷いありさまでありました。
長い事 TRPG で遊んでますが、ここまでダイス目に見離された事は初めてです。
まぁこれがプレイヤーのみ、とか、マスターのみ、というのは何度だってあるんですけど、両方が、というのが凄かったですね〜。
いやぁ怖い怖い。
まぁ、そんなこんなで1ラウンド進んでも誰の攻撃も当たらず、何も事態が進行してない、なんて場面もありつつ、緩慢に戦況は悪化してゆきます。
そんな中で、猛威を振るう事になったのが、クルーシクの王の吐くブレス。
1回のダメージは 1d6+4 と大したことないのですが、無限回で毎ラウンド撃てて、なおかつ範囲は噴射5(自分に接している5×5マスの中)のPCのみを狙って攻撃でき、さらに継続的【酸】ダメージ5(&弱体化状態)を与えるという特性。この継続的メージと弱体化は、一度のセーブで両方除去できるようになっています。
この威力は、普段どおりの一行にならそれほど猛悪ではなかったはずなのですが、なにせみんなダイス目が悪く、セーブに失敗しまくり。
さらに命中も悪いとなれば、自然と戦闘は長期戦化してしまい、無限回パワーであるこのブレスの餌食となる回数も増えてくる。
完全にジリ貧となるわけですね。
いや〜〜、恐ろしい。
戦闘中盤、地形に阻害されたためにウィジャル、アルトリア、アブダム3人が集まってしまったところに、ブレスが2ターン連続で炸裂。
回復役のアブダムがそこからセーブに失敗し続け、昏倒。
そこへポーションを持ってかけつけるアルトリア。
このあたりのアルトリアの判断力、行動の的確さは見事でした。
再度立ち上がるアブダムですが、もうすでに回復手段は底を尽きています。
大ピンチです。
その横で、ベッカーがほぼ継続的ダメージの蓄積のみで昏倒。
そしてなんと、あれよあれよと言う間に死亡。
聞くと、一発目のブレスは即座にセーブに成功したものの、二発目のブレスのセーブに全然成功できず、ガリガリと継続的ダメージでHPを削られ、最終的にはそれのみで昏倒したとのこと。
さらにそこから、死亡セーブに一度も成功することなく、死へと一直線にダイブしてしまったのでありました。
恐るべし継続ダメージ。
そして恐るべしセーブ連続失敗。
継続的ダメージのセーブと、死亡セーブあわせて、なんと連続 11 回失敗だったのだそうであります!
20 面ダイスを振って、10 以上で成功というのがセーブです。
つまり、成功率 55%。
これを 11 回失敗し続ける確率はというと……。
あ〜、面倒なのでそちらでお願いします(笑)。
ともあれ、ダイスの神様は、なんと恐ろしい運命をわれわれに貸したものでありましょうか。
一方、それと前後するようなタイミングで、アブダムがふたたび昏倒。死亡セーブ送りに。
すでにポーションも尽きているアルトリアとしては、もうなすすべなし。
唯一ポーションを持っているウィジャルは、アブダムを助けに行きたいところですが、巣の王の行く手を阻んでいるウィジャルが動いては、結局アブダムがまたブレスの範囲に入ってしまいます。
あとはもう、アブダムが死亡セーブに成功し続けてくれている間に、クルーシクの王を倒すしかないという状況だったんですね〜。
しかし、実際ここまで王に与えられたダメージは、実は 30 点ほど。残りHPはなんと 100 を越えていたのです。
マスターだけが知っている、ああ絶望。
結局アブダムは死亡してしまいます。
まさかの死者二名。
大丈夫なのでしょうか、このパーティ。
全滅だけはなんとか避けてもらいたいマスター。
ミッション失敗もなんとか避けてもらいたい。
一方、逃げる算段を考え始める一行。
しかし、ベッカーの死体が王の向こう側に転がっている事もあり、死体を回収しにくいこの状況では逃げる事もためらわれる。
ええい、ままよと、一行は王に集中砲火を決行します。
時すでに遅しとはいえ、そのあたりでようやっとダイス目が生き返ってくれました。
ポーションも使い倒し、底力も当然なし。あとはこっちが倒れるが早いか、王が倒れるが早いかという壮絶な殴り合いの末、勝利したのは、はい、よかった、冒険者一行でありました。
いや〜、なんとも恐ろしい戦闘でしたね〜。
死者二名。
被害は甚大。
ポーションは全弾投入。
まさに悲壮な総力戦でありました。
しかし、だからといってモンスターのバランスが悪かったとも思えず、一行の戦術が致命的に悪かったとも考えられない。
強いて言えば、多少立ち位置などに工夫の余地があったかも? というくらいですが、地形が狭かった事もあり、そのあたりはしょうがないとも言える範囲。
何が悪かったかって、とにかくダイス目を恨むしかないんじゃないかという、そういう戦いでありました。
いや〜、色んな意味で精も根も尽き果てましたね〜。
セッション当日は、このあたりで時間が押してきたので、では次回、ホームズを合流させ、パーティ立て直しから再開しようということに。
また、この戦闘で全員がレベル4にアップいたしました。
ちなみに私の場合、欠席したとしても最初から全員のレベルが同じとなるようにしております。
まだまだルールに慣れてないものですから、みんな一度にレベルアップ作業をやったほうが効率よかろうと、そういう判断です。
■シーン5:逝って帰って
ということで、ここからはセッション第6話。『第2章 黒い炎 完結編』 となります。
まずは、ダンジョン内で迷子(笑)になっていたホームズと合流。
前回までのあらすじを説明します。
ホームズ:なんで2人も死んでるんですかー(笑)。
ウィジャル:やっぱさ、結論としては、お前がいないとダメなんだよ、オレたち。
ホームズ:ええー? やっぱり? そう思いますか〜? 照れるなぁ〜。でも、そうですよねー(笑)。
ベッカー:いや、そこがちょっと違うんだ。ホームズが最初に酷い目にあって、おれ達やっと気合が入るんだよ!(爆)
ホームズ:ええーーッ!? そっちかよー!!(爆)
ひどっ………………ヤムチャかよ(笑)。
てなわけで、とりあえず一行は、死んだ2人をどうしようかと会議から。
一応レイズ・デッドの巻物は1枚あるので(クサリオン城の宝物庫で獲得したもの)、1人は生き返らせられる。
しかしもう1人となると、やはりミエールの塔まで帰らなければならない。
そこで問題となってくるのが、やはり時間という問題。
ここまでで、現在1日目の午前5時となっています。
タイム・リミットは、3日目の日没。つまり午後6時。
ミエールの塔と、この研究所の間はうっそうと茂った山林地帯となっており、技能チャレンジをうまくクリアすれば2時間。下手をすると最長で半日ほどかかる行程。
しかも、その技能チャレンジを得意としていた<知覚>担当と<自然>担当がちょうど2人死亡している状態だったんですね〜。
ツァイト:そしたら、どっちかひとり、蘇生して技能チャレンジやってもらうか?
ベッカー:いや、ちょっと待って、死んでいる人間が言うのもなんだけど、レイズ・デッドって唱えるのに8時間かかるんだぜ。それだと2回に分けるのはかなりリスキーだと思う。
ツァイト:それは確かに。
ウィジャル:うし、じゃあ蘇生は塔に戻ってから一度にやるとして。今回は俺らだけで根性で戻ろう!
ホームズ:そうしますか!(笑)
これまでの戦利品としてリンクト・ポータル(ワープ呪文)の巻物は手に入っていますが、これは出発地と目的地両方に同じ模様の魔方陣が書いてないとダメということで、今は使えません。
研究所の安全そうな一角に、一応その魔方陣の模様だけは保険として記しておき、一行は強行軍でミエールの塔に戻ります。
これが全員のダイス目が走り、大成功。
4時間で帰着。
ここで1日目、午前9時。
即座にミエールに事態を説明し、アブダムの蘇生をお願いします。料金は全員の懐から少しずつ出し合い、支払います。
ここでホームズが勝手に死体の財布からゴソゴソやり、お金をちょろまかしていたのが印象的でした(笑)。
なかなかフリーダムなパラディンでありますね!
また、ミエールが2人とも蘇生しようとすると詠唱時間が2発分かかってしまうため、ベッカーのほうは巻物から、ホームズが詠唱することに。
驚きなのですが、巻物ってほぼ誰でも使える物なんですね。
呪文使いでなくてもよく、またレベルが足りてなくてもなんのペナルティーもない。
よく調べると 「対応技能」 というのがあって、その技能を持ってないと発動できないような感じではありますが、それにしても大した制限ではありません。
なかなか巻物が便利な世界なのですね〜。
まぁでもちょっと、デフレ世界ですから消耗品にあまり頼れないっていう制限はありますか。
ともあれ、2人が復活し、大休憩を挟んで再出発。
<知覚>担当、<自然>担当がいれば技能チャレンジは怖いものなどありません。
1日目の午後9時に出発し、研究所には午後 11 時には到着してしまいました。
■シーン6:炎の試練
かくして大詰め。
一行はダンジョンの最深部へ到達いたします。
途中みつけた宝箱から、12 本のポーションをゲット。
6本は前回の戦いで回復ポーションを全部使い切ってしまったみんなへのプレゼント。
もう半分は、ラス戦への布石ということで、飲むとその遭遇の間、火のダメージを毎回5点防いでくれるポーションです。
そして最深部。
その部屋は、あちこちに炎が燃え盛っています。
何かが燃えているわけではなく、魔法の炎が空中で燃え盛っている状態。
その熱気で満ちた部屋の中に、大きな黒い犬が3匹。まぁヘル・ハウンドですね。こいつが今回のボス。
横に、黒い石で出来た人間型の化け物が1匹。これは火のエレメンタル、フレイムスパイカーです。
そして、見覚えのある、溶岩モンスター。そう、第2話でホームズを焼き殺した、マグマ・ハーラーが2体。
ホームズ:もうこれ、ファイアーのポーション飲めって事じゃないですか!(笑)
DM:いや、別に飲まなくてもいいよ?(笑)
ウソ。そんな事はありません。
飲まなかったらまず死にます。
そういうバランスで作ってます(笑)。
しかし実際戦闘はイニシアチブの順番や、立ち居地、みなのチームワークで完全有利な展開に。
フレイムスパイカーの攻撃が当たると、火に対する 「脆弱性」 がPCにのってしまい、そこにヘル・ハウンドなどのブレスの火が当たると余計に大ダメージが入る仕組みになっておりました。
簡単なコンボってヤツですね。
しかし、このフレイムスパイカーを、上手い具合にウィジャルが引っぱり、さらに戦場横方向に吹き飛ばしたところでベッカーの召還した天使ががっちりキープ。
3ターンほどフレイムスパイカーが戦場の蚊帳の外となっている状態に。
これだと、ヘル・ハウンドのブレスは火力不足となり、たいしたダメージ源とはなりません。
そんなこんなで全員の必殺技が炸裂し始め、一匹一匹とヘル・ハウンドは屠られてゆきます。
DM:うおー、なんか今回あっけねーぞ! ヘル・ハウンド、HP96 もあるんですけど!
ホームズ:余裕ですよ余裕! ケッ、相手にならねーぜ(笑)。
DM:くそー、むかつくーー!
まぁ、前回が悪夢だっただけに、今回ばかりはみんなの力が炸裂しましたねー。
今回のほうが本領発揮。前回のは何かの間違いだったのでしょう(笑)。
というわけで、一行はその奥の倉庫からいくつかの戦利品と、そして目的の《魔法のメス》を手に入れ、帰途に着いたのでした。
ホームズ:ちなみにそのメス、どんな感じですか? 調べて分かります?
DM:ん〜、そうだね、<魔法学>で判定してみて。
ホームズ:お、20 振った。
DM:おおー、では、そうだな、この世のものならざるものを切るためにつくられたもの、とだけ答えておこうか。
ホームズ:ほっほー。
ちなみに、帰還時の技能チャレンジは省略させていただきました。
この時点で2日目の午前0時。
3日目のタイム・リミットまで丸々1日半以上ありますから、どう考えても間に合いますからね。
■シーン7:黒い炎
『黒い炎』 とタイトルコールしておいて、ヘル・ハウンドを最後に出したのは実はフェイント。
本題はここからです。
ここからは、シナリオに書いてある文章コピペを多めに入れつついきましょう。
セリフ多めです。
いわゆる怒涛のマスターひとり三役ひとり芝居ってやつです(笑)。
夜明け前、塔に帰還した一行。
部屋は既に手術用のモードに入っており、中央の手術台にはサンディが寝かされている。
その身体には白いうす布がかぶせられているが、胸の部分は肉が巨大に盛り上がり、今も蠢いているのが見て取れる。
サンディの寝顔は青ざめ、苦しげだ。
その手前に、心配そうにサンディを見守り続けるキンゲンの姿。
一行が入ってゆくと、振り向いて頷き、やや安堵の表情を見せる。
ミエールはメスを渡されると、ではアブダムと、あと力自慢2人ほどに手伝って欲しいことがあると言います。
アブダム:「うむ、勿論やりましょう」
ウィジャル:「おーけー手伝いますよー」
ホームズ:「んじゃオレもやります」
ミエール:「さて、ではアブダム、お前さんはあたしが合図をするまで待機。そっちの2人は……ちょっとこっちへおいで。おいでおいで。ああ、そうそう、キンゲン、お前もおいで。はい、じゃあそこに3人で並ぶ。いいね、そこがいい。さて、そしたらそっちの2人、キンゲンを押さえつけな」
ホームズ:「うえ?w」
ウィジャル:「おっけー、押さえつけた。ホームズ! 8の字固めだ!」
ホームズ:「うはwww おk!!www」
ウィジャル:「おれが首4の字、ホームズが足4の字。合わせて8の字固めじゃーーーッ!!」
キンゲン:(爆)「ぐッ! ぐわーーッ 何をするーー!!」
ミエール:「よし、そんな感じでいいだろう。絶対離すんじゃないよ、ふたりとも。さて、この前は、このお嬢ちゃんを苦しめる呪いの本体は、もっと別のところにあると、あたしは言ったね。それがそいつさ。呪いの犯人は、キンゲン、そいつなのさ」
アブダム:おおー。
ホームズ:そうきましたかー。
キンゲン:「いや、そんなわけがない! 俺は姫様を守る騎士だ! 俺が姫様を呪ったりするものか! なにかの勘違いだ!」
必死に抵抗しようとするキンゲン。
ウィジャル:「逃がすか馬鹿め!!(笑)」
ミエール:「よし、じゃあ、そいつの胸をこちらに向けな。うむ、そんなかんじでいいよ」
ミエールは魔法のメスを取り出すと、逆手に持ち、一気にそれをキンゲンの胸に突き立てる。
グサリと突き刺さったメスのまわりから、大量の液体が噴出する。
それは血液ではなかった。
真っ黒い、どす黒い炎のような奔流。
形のない、重さもない、毒々しい霧のようなそれが、あたり一面に噴出し、渦を巻き始めた。
おぞましいうめき声やささやき声が、渦の中から聞こえてくる。
見れば、渦はそのなかに時折形あるものを垣間見せた。
それは、無数の亡霊の顔、解け崩れかけた髑髏の姿、ただれた赤子の手……そんなものを見せては、また崩れる。そんなことを繰り返していた。
ミエール:「出たよ! こいつが呪いの本体だ。こいつはね、悪霊の一種さ。ゴーストと呼ぶには、個としての力も意志もかたまっていない、とても不確かで不安定な存在だが……キンゲン、お前さんの心の闇、『嫉妬心』 を餌として、巨大に膨れ上がり、お前さんを足がかりに、お嬢ちゃんを呪っていたのさ」
キンゲン:「そんな……そんな……」
キンゲンの目が黒い渦を見つめ、驚愕に見開かれている。
部屋中にポルターガイスト現象が起こる。小物が飛び交い、ガラスが割れる。
その嵐が不意にやむと、黒い渦は今度は一つに集まり、ふたたびキンゲンの身体めがけて突進を始める。
ミエール:「いまだよ! アブダム、ターンだ!!」
アブダム:「タ、ターンと来たか……ターン、ターン……(ルールブックをめくろうとするプレイヤー)」
DM:いや、ひとことターンと言ってくれればここはいいよ(笑)。下手に1とか出されても困るし(笑)。
ウィジャル:うむ、たしかに今の俺らならやりかねない(笑)。
アブダム:了解(笑)。では、「ターン!」
黒い渦は、悲鳴とも風の音ともとれない音を立てて消えてゆく。
訪れる静寂。その中で、
「う……うーん」
サンディが小さく声を上げる。
見ると、サンディの胸が見る見るしぼんでゆく。
しぼんでしぼんで、巨大さは見る影もなく、というかかなり小ぶりになってしまった。
ウィジャル:なんと! 巨乳が跡形もなく!!(爆)
ホームズ:短けぇ夢だったなぁ〜(笑)。
青ざめていたサンディの顔色が、見る見る血色をとりもどしてゆく。
キンゲン:「あ、あああ、姫様……姫様……」
ミエール:「ああ、二人とも、もうキンゲンを離してやっていいよ。うむ。キンゲン、お前さん、自分じゃ意識しちゃいないだろうが、お嬢ちゃんの縁談に、心の奥底で嫉妬をしていたのさね。その嫉妬が、今の悪霊につけ込まれたのさ。だから悪霊は、嬢ちゃんの身体をあんなおかしなことにして、結婚を先延ばしにしようとした。だけど、悪霊ってのはそんな便利なものじゃあない。強すぎた呪いは、嬢ちゃんの身体を隅々まで蝕み、命さえ奪うところだったのさ。しかし、もう安心さね。その悪霊は消え去ったんだよ」
キンゲン:「俺が……。すべては、俺が悪いのか……」
ミエール:「いいや、それはちがうよ。お前さんが悪いわけじゃあない……」
キンゲン:「いいや! 俺が悪いのだ。卑しい身分でありながら、俺のようなものが、姫様のお傍近く仕えてしまった事、それがいけなかったのだ……。俺のような、性根まで卑しいものは……」
キンゲンはふいに立ち上がると、今度は安らかな寝顔になっているサンディに一瞬目をくれ、脱兎のごとく扉から逃げてゆく。
DM:ではここでCMです。
ホームズ:なんぞそれ(笑)。
■シーン8:曙光
DM:CM明け。ちょこっと前のシーン繰り返してから、火曜サスペンスよろしく、断崖絶壁でシーンが再開します。
ウィジャル:おお! じゃ、おれ、船越やらせてくれ!(笑)
ホームズ:あ、こっちは古畑で!!
ベッカー:お前はホームズだろうが(爆)。
狼河を挟む巨大な渓谷。断崖絶壁に今にも飛び込もうとしているキンゲン。
それを阻止すべく駆け寄るウィジャルたち。
ちなみにツァイトのみはそれを追わず、サンディとともにあとから到着することを選びました。
キンゲン:「し、死なせてくれ。おれは死んで姫様に詫びねばならん。まさか、俺がこんな阿呆だとは思いもしなかった。病に苦しむ姫様を助けられるのは俺だけだと、愚かにも思い上がっていたのに、何のことはない、俺がいたのが、そもそもの間違いだったのだ!」
DM:ということなんだけど、どうするよ。あとはみんなの言動にかかっていると思うぜ。
ウィジャル:うーん、どうすっか。
ホームズ:うーむ、そうですね〜、では、こう言いましょう。「キンゲンよ、お前が死んでも、その罪は償われるわけではないぞ。死んで償うのではなく、生きて、姫様を守って償うべきだ」 そんな感じでどうでしょう。
ウィジャル:おー、いいねー。
DM:うむ、それで満点でしょう。おっけー。ではキンゲンはその言葉を聞いて迷いが生じ、動きを止めます。
ウィジャル:おっけ! ではそこにすかさずタックル! 卍固めを決めます!「確保ーーーッ!!」
ホームズ:よし、ではこちらはコブラツイストを(笑)。
DM:ダメ! キンゲンが壊れちゃう! キンゲンのヒットポイントはもうゼロよ!!(笑)
そこに、遅れてミエールが到着します。
ミエール:「おやおや、勝手に死んでもらっちゃ困るね。お前さんの命は、お前さんのものじゃあない。すでにお嬢ちゃんを助ける報酬として、あたしが貰っているはずだよ? ヒーッヒッヒッヒ。お前さんが死んだら、契約違反になる。契約違反になるなら、助けたはずの嬢ちゃんをあたしはカエルに変えて、煮て食ってしまうかもしれないねぇ」
というわけで、サンディの呪いを解く代償として、キンゲンの命を欲しがったミエールですが、実はこのためだったことが判明。
ミエールはここで、ホームズと異口同音にキンゲンを諭します。
その中で出てきた情報としては、どうやらサンディは故郷ではかなり孤独な生活を送っている様子であること。
彼女の家は、元は王家に繋がるよい家系だったものが、何かの事件で没落してしまい、それ以来サンディの祖父はお家再興の鬼となってしまったこと。
そのため、政略結婚の道具として、今度サンディは嫁にゆかされるらしいとのことが判明しました。
まぁ、そのあたりの事は、ここまで何度か伏線でチラチラ描いてきましたね。
もしキンゲンが罪滅ぼしをするならば、その孤独な試練を課せられる彼女に、生涯通して忠義を尽くし、真実の騎士として守り通すべきではないかと、ミエールは言います。
ホームズがいったことと同じですね。
キンゲン:「そんな……。そんな……俺は、姫様に顔向けなどできない!」
ミエール:「ふん、つまらない男だね。恥など捨てておしまい。お前さんは、姫様姫様と駄々っ子みたいにわめきながら、その姫様のことより、実際は自分のプライドのほうが大きいのかい。くだらない男だね。元みなしごの浮浪児のくせに、そんなプライドだけはいっちょ前のつもりかい!」
アブダム:けっこう酷いこと言ってるな(笑)。
キンゲン:「…………おれは……おれは……」
そこでミエールの声が優しくなる。
ミエール:「いいかい鈍牛。お前さんは今までどおり、嬢ちゃんを守る騎士であり続けりゃあそれいいのさ。それでいいね、お嬢ちゃん」
木陰から、サンディが現れます。
その横に、彼女に付き添ってきたツァイト。
場面はちょっと戻ります。
DM:じゃ、サンディは意識が戻ると、キンゲンが行ったと思われる断崖絶壁に向かいますが、ついていくね。
ツァイト:勿論。その道中、ちょっと言いたいことがある。
DM:ほいさ。
ツァイト:「サンディ、お家騒動とか政略結婚とか、いろいろあるというのは聞いている。まぁモノは考えようだ。相手の家を乗っ取り、本当の力と自由を手に入れるよい機会ではないか!(笑)」
サンディ:「あら、凄い! そういう考え方もあるのですね! わたくし考えても見ませんでしたわ」
サンディはそう言って闊達に笑います。
これまでは病気で衰弱していてわからなかったが、どうやらとても活発で聡明な印象の女性だということが分かります。
ツァイト:まぁそんな感じで(笑)。
DM:ほい、じゃあ道中、女同士の怖い会話とかがあったりしつつ現場へ到着します。では、そこで時間軸を連結。途中からキンゲンたちの会話を聞いていたサンディ。その目は涙に濡れています。姿を見せたサンディに、キンゲンの身体は雷に打たれたようにビクリとなり、一瞬で青ざめ、まるで恐怖に震えるようにガタガタとし始める。
サンディ:「キンゲン、だいたいのことは、聞きました。お前は悪くありません。死ぬだなんて、考えないでおくれ。お前の真心が、悪いものに利用されただけなのです。お前は少しも悪くないのですよ」
キンゲン:「い、いや……ちがう……ちがうのです、姫様……! 俺は……俺は……取り返しのつかない事をするところだった……。危うく、姫様を死なせてしまうところだったのです! その罪を……」
サンディ:「それは罪ではないの。罪ではないのよ。お前は悪くない。それに、もう、大丈夫。こうやってわたくしは元気になれたのですもの。もう、なにもかも大丈夫なのよ。お前はこれからも、ずっと私を守って、傍にいておくれ。お前ほどに、私を本当に思ってくれる人はいないのですからね」
キンゲン:「姫様……。姫様……」
DM:膝をつき、突っ伏して男泣きに泣くキンゲン……って、いまホールド決められてるのか!(笑)
ウィジャル:逃がさねーぜ(笑)。
サンディ:「あ、あの、すいません、チョーク・スリーパーはそろそろ解いてあげてくれませんか?(笑)」
アルトリア:チョーク・スリーパーかよ!(笑)
ウィジャル:う、まぁおっけ(笑)。
キンゲン:「ゲッホゲッホ……ゲェッホゲェッホ……」
その横に膝をつき、背中に手を当てるサンディ。
サンディ:「ありがとう……キンゲン。お前が、私の事を、心の底から思ってくれたこと……。それがわかって、わたし……わたし、本当に嬉しいのよ。ありがとう……キンゲン。本当に、ありがとう」
キンゲン:「ひ…姫様……」
サンディ:「思えば、わたしたち、小さな頃からふたりっきりだったわね。私が、お前を下町の路地裏で倒れているところをみつけて……それからずっと。お前とは遊びましたっけ。木に登ったり、馬でかけったり……。お爺様には、よく怒られましたけれど。わたし、でも、幸せだった。その頃が一番幸せだったと思います。なんだか、今度の旅は、その頃のことをいっぱい思い出すことができて、とっても嬉しかったのよ。キンゲン……。これからも、わたしの傍にずっといて頂戴。お願い、死ぬだなんて……そんなこと、言わないで。お願い……。お前がいてくれないと、私も……」
朝日にうつる、2人のシルエット。
■エピローグ:それぞれの道へ
さて、一件落着した一行は一度塔へ戻ります。
ミエールは約束の報酬として、黒い石やその周辺情報について、わかったことを教えます。
まず黒い石について。
これの封印方法、破壊方法はやはり一切不明。
ただ、わかったこととしては、この石にダメージを与えた場合、それは吸収されるわけでも、反射されたわけでもないことがわかったらしい。
ダメージが当たったという結果だけが、なぜか発生しない。どこかへダメージや結果だけが、飛ばされたりしているのかもしれないとのこと。
また、この石に魔法などをかけることはできないとのこと。
ただ範囲型の魔法、たとえばリンクト・ポータルなどの中に入れて一緒にワープすることなど、は出来る様子。
そして、この石を一行に預けたゾンナー・カッテナーについて少し判明。
彼はマルーインという魔道師の弟子だったらしい。
マルーインは世界でも五指に入ると噂される高位の魔道師だが、ここ半世紀ばかり姿を現していない。高齢で死んだとも、引退したとも噂されている。
魔道師マルーインに聞けば、ゾンナー・カッテナーがいかにして黒い石を知ったか、そして得たか、その正体、封印方法、または破壊方法がわかるかもしれない。
マルーインやゾンナー・カッテナーの本拠地がどこかはわからないが、現在マルーインは東方のデルマン諸王国連邦の首都、ヴォルフスブルクにいるのではないかというのがミエールの見立て。
高位の魔道師ともなると《遠見》することはできないのだが、その魔力の余波のようなものを感じる事はできたらしい。
ヴォルフスブルクに行けばきっとマルーインに会えるはずだと、ミエールは保証する。
ヴォルフスブルクは、今いるブランツ王国の西部辺境部からはるか東。
徒歩で順調に行っておよそ 100 日かかるくらいの距離らしい。
また、ミエールはキンゲンの胸から噴出した、あの黒い炎についても触れる。
ミエール:「あれはおそらく、キンゲン、お前さんの心の闇だけが生み出したものではないよ。きっと、何かとんでもないものに影響を受けたに違いない。キンゲン、お前さん、心当たりはないかい? たとえばお屋敷の蔵とかで、何か触れてはいけないものに触れてはいないかい?」
キンゲン:「いや、そういうことはないはずだが……あ、いや、もしや……。そうだ、一年ほど前だろうか。俺が、大旦那様に言いつけられ、地下宝物庫の鎧櫃(よろいびつ)を出し入れしていた時、戸棚の上、奥のほうに隠すように置かれていた古い木箱を、落として壊してしまった事がある。そうだ、壊れた箱から、真っ黒い手が飛び出てきたのだった。ミイラのような、干からびた真っ黒い手のひらだった。鋭い爪が恐ろしいほど伸びていて、なにやら禍禍しいものに見えた。俺は、びっくりして、慌ててそれを箱に戻し、戸棚の上にしまい直したんだが……。その時誰かの声を聞いた様な気がしたのだ。とても恐ろしい、ささやき声のような気がした。だが、その倉庫には俺しかいなかったのだ。俺は、何がなんだか訳がわからなくなり、生まれてこれまで、感じた事のないくらい怖くなってしまって、外に飛び出した。その頃からかもしれない。俺は、毎夜のように悪夢にうなされるようになったのだ……。そうだ、あの時からだ……」
ミエール:「ふむ。それじゃな……。恐らくは。もう二度と、それには触れぬがよい。さすれば、今度のような事は二度とは起こるまい。じゃが、それにしても気になるな。その黒い手というのが。まさかとは思うが……。いや、まさかな……」
翌々日、一行はミエールの塔を出立し、ふもとの村に到着。
そこでサンディたち主従との別れとなりました。
サンディ:「本当に、なにからなにまで、ありがとうございました。このご恩は一生、忘れません」
見違えるほど元気になったサンディが言う。とても顔色がよく、一段と輝くように美しい。
キンゲンは、以前よりもさらに無口になっている。だが、サンディへの忠誠心はさらに固いものとなり、命かけて守り抜く覚悟は誰の目にも明らかだった。
そんなキンゲンを見るサンディは、やや複雑そうな面持ちではある。
ホームズ:「では、お達者で!」
ベッカー:ちなみに、ふたりはこのあとどう帰るの?
DM:え〜、川沿いに南下して港町に出て、そこから船旅で一ヶ月ほどかけて、のんびり本国リングランドへ戻るそうです。
ツァイト:フムン。次回あたりから全体マップが出てきそうだな。
DM:うむ、そろそろ欲しくなってきた頃合だね。
サンディ:「それでは皆様、旅のご無事をお祈りしております。ご武運を。本当に、何から何までありがとうございました。いつかリングランドへもおいでくださいませね!」
ウィジャル:「そちらこそ旅のご無事を! 達者でな!」
ホームズ:「さいならー! さいならーー!」
ベッカー:いや、それルパンのほうだろ(笑)。
かくして、サンディ・キンゲン主従編は無事終了。
英雄の卵たる冒険者一行の旅路は、今度は東へと伸びてゆくようです。
はたして、彼らの行く手に待っているのは、いかなる運命か。
運命神ラーンの導きのままに……。
(つづく)
■プレイヤーからのプレイレポート
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