2010年09月13日

週刊少年ジャンプ2010年41号感想 前編

 表紙を飾るのは新連載 『エニグマ』
 若干の少女マンガっぽさを感じますが、画力はけっこう高そう。
 雰囲気もいいし、面白そうな予感を覚えます。
 さて、どういう作品になりますでしょうか。





 前半の感想は、

・【新連載】エニグマ
・ナルト
・バクマン
・トリコ
・ブリーチ
・ワンピ記事:グラウドカウントダウン
・保健室の死神

 の6作品+1でお送りいたします。



【新連載巻頭カラー】 エニグマ

 おお、これはなかなか面白そう!
 主人公は 「夢日記」 という限定的な予知能力を持つ高校1年生、灰葉スミオ
 彼と同じ学校の生徒ら合計7人が、突然エニグマという謎の存在によって、不思議な閉鎖空間と化した学校に閉じ込められ、72時間以内に脱出しなければならない。
 それが、なんらかのテストとなっているらしく、脱出に成功できれば、スミオは行方不明の親を返してもらえるかもしれない。

 乱暴に言えば、サイレンGANTZCUBESOWライアーゲーム劇場版などを掛け合わせたような、いわゆる不条理シチュエーション強制開始もの……とでも言ったところでしょうか。
 こういうジャンルはとにかく最初っから面白い。
 不条理なスタートは読者を否応ナシにひきつけますし、登場人物の説明などはおおむね後回しに、物語をスピーディに展開できるという利点がとても大きいです。
 謎めいた命がけのシチュエーションが、とにかく読み手をぐいぐい引きずりこみますしね〜。
 このエニグマも、最初からいい勢いで謎空間に連れ込まれ、一気に冒険が始まりました。
 うむ、これは期待が高まりまくりです。
 これで途中展開や障害物、ピンチ、演出、エピソードのオチなど、構造がよくできていたら、新連載として申し分ないスタートダッシュとなることでしょう。
 何度も言っているようですが、とにかく新連載が定着するかどうかは、スタートダッシュにかかっていると思うのです。

 やや気になったところとしましては、会話のまわりかたが少し強引、というか、なぜそこでそういう事を話すのだ? というぎこちなさが随所で感じられました。
 まぁそのへんはこれからオイオイ、キャラが定まってきたら自然な会話になってゆくことでしょう。
 読み手としてこちらがまだこの世界のリズムに慣れてないってこともあるでしょうしね。

 冒頭、「運命」なんて行動しなかった結末に過ぎん。俺の未来は俺が決める!と主人公に言わせておいて、後半エニグマに「運命」と言わせたのはいい構図でしたね〜。
 ふむ、これは「運命」の代理人を気取るエニグマに抗うことで、希望を捨てず未来に立ち向かう少年達の物語になるんですかね。
 なにやらちょっとサイレンとかぶりそうだなと、サイレンファンとしてはドキドキではありますが、うむ、これはこれでいいお話が読めそうだなと、素直にこれからがとっても楽しみです。
 私、こういうサスペンスは大好きなんですよ〜。
 上質のサスペンスを期待しちゃいます。

 しかし、エニグマと言う存在は、敵なのか、それとも味方なのか。
 なんのためにこんなことをやらせようと言うのか。
 その名の通り謎ですね〜。
 ひょっとすると、HEROES みたいに超能力者がいっぱいあつまり、未来を変えよう! っていう感じになるのかもしれませんね。
 あ、でもそれだとホントにサイレンになっちゃうか。

 ちなみにこの作者、榊健滋先生って、男性っぽいペンネームですけど、天野明先生のアシさんだったみたいですね。
 ってことは、やっぱり女性なんでしょうか。
 絵も少女マンガっぽいですし、もしかすると既に少女マンガ雑誌でデビュー済みの方だったりして。
 絵も描写も、まったくの新人とは思えない安定感を感じるんですよね〜。
 河下水希先生みたいなタイプなのかも。

 ともあれ、いったい何が始まったのか、来週がとても楽しみです。


 
NARUTO-ナルト-

 なんと凄まじい紙の量!!
 まさか大地そのものが紙の罠だったとは、発想のスケールの違いで小南に軍配を挙げたい気分です。
 いや〜、これは素直に驚きました。
 でもこれ、マダラを挟んで押し花みたいにして殺すつもりですかね?
 あ、だから「花」「花」って今回連呼してたんでしょうか?
 それとも、この紙一枚一枚が爆殺札なんでしょうかね〜。
 この技の完成形がどうなるのか、ビジュアル的に楽しみ。
 そしてマダラ、このピンチをどう潜り抜けるか、ですね。

 しかし、これほどの紙を用意しようとは。
 このためにいったいどれほどのパルプ材が伐採され、森林が消滅したことでしょう(笑)。
 小南さん、ちゃんとリサイクルしてね!



バクマン。

 へー、へー、へー!
 半年くらいやっててそこそこ人気のある作品なら、アニメ化のオファーは来て当たり前のものだったのですか!
 そして、それにゴーサインを出すのは編集長ひとりの胸先三寸と!
 へー、へー、へー!
 ってことはですよ? 今ジャンプでやってる連載陣も、半年以上やってるものはほとんどオファーが来ていると思っていいんですよね?
 そうか〜、ふむー。なるほど〜。
 サイレンがアニメ化しないのは、編集長のせいだったのか〜(笑)。
 これはやはりアンケート出すしかないですな。
 編集長の判断材料としては、やはり今回のPCPのように作品のタイプというものもあるでしょうし、企画のよしあしというのも勿論あるでしょうけど、やっぱりアンケート人気の高さってのも大きいんじゃないですかね。コミックの売り上げもあるでしょうけど。
 そして、読者が干渉できるのは、そこくらいしかないでしょう。
 我々としては、とにかくアンケートを送ろうってことなんでしょうね〜。
 そうか〜。これはいい事を知りました。
 バクマンは、さらりとこういう事を教えてくれるから目が離せません。

 さて、+ナチュラルに勝利し、さらに波に乗りまくりの亜城木コンビ。
 特にシュージンの創作意欲、創作能力の向上っぷりがハンパない。
 次々と湧き出るアイデア。
 そしてまさかのブラインド・タッチ(なにをやっとるw)。
 これだけ燃えまくってるシュージンを見るのは初めてかもしれません。
 PCPという一番自分にあった土俵をみつけ、長編型でじっくり話を練られる武器を得て、今シュージンにとって最高のお膳立てが揃ったところなのかもしれませんね〜。
 いやいや頼もしい。

 そんなシュージンを見て心強さを覚えるサイコー。
 しかし、そんなふたりにつきつけられる、まさかのアニメにはならない宣告
 おおー、そこで言っちゃいますか服部さん。
 この2人にとって、特にサイコーにとってアニメ化がどういう意味を持つかは、服部さんは知らないんでしたっけ?
 知ってたらそう簡単には言えない話ですよね〜。

 さぁサイコー、これをどう受け取るのか。
 また、とんでもないスタンドプレーが飛び出しそうでおっかない(笑)。
 またまた編集長に直談判とかしないでしょうね〜。
 あるいは、アニメ化のために作風をチェンジしていこうとか。
 そういうのもしないほうがいいと思うんですが、どうなんでしょう。

 やっぱり、アニメにするには4位なんてところで安心しているのではなく、1位を獲るのが一番の道じゃないでしょうかね。
 押しも押されもせぬ大人気漫画となれば、誰がなんと言おうとアニメになっていいはずですからね。
 誰も文句言えませんって。
 サイコーたちには、じゃあ何が何でも1位を獲って、編集長にアニメ化を飲ませてやるぜーってくらいに考えて欲しいなぁと、そう思います。



トリコ

 おー! トリコめ、明らかに時期尚早というのに、ここでグルメ界に挑戦してしまいますか!
 準備万端整ったところで行くと思ってたもんだから、これは衝撃でした。

 しかしいいですね〜。
 サニーの述懐が加わる事により、この無謀ともいえる挑戦者スピリッツが実にかっこよく、すがすがしくすら思えてくる。
 なによりトリコたち、若き挑戦者はこうでなくっちゃと。
 これでトリコは、自分に何が足りないのか、どのくらい足りないのか、それをまざまざと思い知る事になるんでしょうね〜。
 あれだ、ハンター×ハンターの、塔の闘技大会で、念能力がないとそれ以上は行っちゃいけないって、ヒソカに言外に追い返された、あの場面を思い出しました。
 あんな感じになるのかな。

 しかし、そんなに危険だというグルメ界って、いったいどんな所なのか。
 そっちの興味も膨らんでまいりましたぞ。
 サニーを血まみれにしたのは、いったい何なのか。
 グルメ界の脅威は、自然現象がメインという話でしたが、その時サニーが挑戦したらしきザーベル島 「命の滝」 は、最も邪魔が少ない……つまり、邪魔が 「いる」 って事ですもんね。
 邪魔というとちょっと生物的な響きですが、いったいどんな邪魔者なのでしょうか。
 気になります。

 ところで、“くりうに”のパスタ……めっちゃおいしそうなんですけど。
 あ〜涎でてきた……。



BLEACH

 うわー、藍染さんが SPAWN になっちゃったー! 
 ついに顔すら跡形もなく成り果てて……。
 これまでとは、打って変わったちょいグロ形態。
 これには驚きました。
 先週、あまりの藍染の憐れさ、オサレさを放棄した戦いっぷりに何事かと思ったのですが、まさかオサレとは真逆を行くような、こういう姿を取ろうとは。
 なるほど、先週の展開はこれの伏線だったのか。
 てか……いったい何度目の変態でしょう(笑)。
 もう、正直数え切れません。

 ところが、その藍染の大変貌からの必殺技すら、

「こんなもんかよ?」

 と全否定する一護……それはヒドいッ!(笑)
 藍染泣いちゃうゾ!
 せっかくこんな、顔まで捨てる覚悟で、オサレも捨ててドクロタイツになったって言うのに!(笑)
 一護、容赦せん!

 しかし……

「…止めにしようぜ藍染…

 あんたの理屈はもううんざりだ…」


 っていうのは、久保帯人先生自身のホンネだったりして。
 いやまぁ、確かに藍染さんはずっと出っぱなしで、とにかく理屈ばっかりこねてますからねぇ。
 でも、この戦いはまだ始まったばかりじゃないですか。
 そんなに性急に決着つけちゃったら、ここまで盛り上げておいてもったいない(笑)。
 しかし、そうでないとは言い切れないところがまたちょっと怖い。
 もしや本当に、この 「最後の月牙天衝」 で決着がついちゃうのでありましょうか。
 いや……
 うーむ。



ONE PIECE グランドカウントダウン

 歴代担当編集の座談会が実に興味深かった。
 長期にわたる伏線を張りまくり、綿密な計算に基づいて物語を作り上げているという印象の強い尾田先生ですが、いや〜まさかあのシャンクスの腕喪失や、たくさんのルーキーたちの登場が、ほぼその場の機転で導入されたことだったとは!
 シャンクスの腕はまだしも、あのアクの強いルーキー達をわずか3時間で作り上げたってのはホント凄まじいとしか言いようがない。
 まったく、尾田先生はリアル新妻先生ですか(笑)。
 つか、あなたが神ですか!(笑)
 瞬時に作り上げつつ、これまで構成してきたものに融合させ、利用して盛り上げてゆくのが上手いんでしょうねぇ〜。
 今となっては、キッドやローやボニーたちがいない展開など、ありえなかったとすら思えてきます。
 彼らルーキーたちがわらわらとシャボンディ諸島で出てきたことで、ルフィたちは決して傑出した存在ではなく、そのくらいのルーキーはいくらでもいて、だからこそ、いつ全滅したっておかしくないのだってメッセージと取れたんですよね〜。
 ああ、それでこの全滅かと、よく練られた話だなぁ〜と、そう私は感心したものでした(笑)。
 いやいや、それがまさか3時間だったとは。
 頭の下がりまくる話です。
 でも、尾田先生としてはそうやってアドリブで話に修正を加えつつも、本筋のメッセージ性は変わってないんでしょうね。
 むしろそれをより明確に、面白く、かつ分かりやすくするのに役立てているのでしょう。
 そういうところが、週刊連載作家としての直感というか、バツグンの瞬発力というものなのではないでしょうか。
 うーん、やっぱり凄いお人だ。

 さて、ワンピ再開まであと3週間ですね。



【センターカラー】 保健室の死神

 連載1周年記念センターカラー。
 ハデス先生ストリーキングと化す……そう見えたのは私だけではない筈ッ!
 赤面している花巻さんが見ているものとは!……そう妄想していたのも私だけではない筈ッ!!
 いや……誰に対するサービスなんだか分かりませんけどね!(笑)
 しかし、顔を出してもらえなくとも、丸々1ページをネタにさいてもらえる安田君はやっぱり美味しいなぁ〜。

 そして、本編では狼狽のあまり挙動不審を通り越して何か別の生き物にでもなってしまいそうな花巻さんが可愛すぎ。
 この林間学校中、心臓麻痺でも起こさなきゃいいのですが(笑)。

 そして、1周年記念の定番イベント、キャラクター人気投票開催。
 うーん、誰がいいですかね〜。
 やっぱりここは、男子としては安田君に頑張ってもらって、今後とも出番を作り続けてくれるようプッシュしたいところですかね。
 それが健全な少年漫画というものであります。
 あと、美作くんですかね〜。
 彼はああ見えてけっこう律儀に筋を通すところがかっこいいですし、意外と頼りになりますからね。
 たま〜にあるかっこいいシーンが、私好きです。
 今週はシンヤちゃんが美作くんのよさに気づいてましたが、なかなか若いのに見る眼をもった女子ですねっ。
 また肩をぽんっと叩く本好くんが笑えました。
 それはそうと、麓介シリーズがひとりひとり投票できるんですか(笑)。
 これは笑った。



 といったところで前半戦終了。
 続きは後半にて。
 明日はサイレン感想、後半は水曜アップとなる予定です。




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posted by BOSS at 23:09| Comment(3) | TrackBack(3) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新連載はなかなか良い引きでよかったですね!!

サイレンっぽいところも好きです(*≧m≦*)


PCPは多分マネする子供が出るからアニメ化しないのかなと・・・あれ?それだと漫画化も厳しいかな( ̄▽ ̄;)ワラ
Posted by にれぇ at 2010年09月14日 00:10
お久しぶりです。

エニグマ:推理物、脱出物のゲームが好きな自分としては、かなりワクワクする新連載です。各人の「欲するもの」でそれぞれにドラマがあるんだろうなぁ〜。着ぐるみの中の人は実は女という方に賭けたいです!(笑)男女比が丁度良くなるし。

バクマン。:アニメ化にならないのは、「見る人の絶対数が漫画に比べて圧倒的に多いから」というのが挙げられそうです。本では100万部すら危うい昨今ですが、TVは視聴率10%でも関東だけで400万人が見ている計算になるそうです(コナンからの引用ですがw)。「犯罪」とタイトルに冠している物はTVに出るはずがない、というのが服部さんの見解ではないかと。まぁ「デスノ」もアニメ化を果たしていますから、一概には言えませんが。というより大場さんも担当に「デスノートはアニメにならない」と言われたことがあるのかもw

BLEACH:藍染倒したら最終回なんですかねぇ。長年ラスボス面してきた藍染倒した後に、また新たな敵が!ってなっても萎えるだけだしなぁ……。あ、「最後の月牙天衝」って、そういった意味での最後?
Posted by ショウ at 2010年09月14日 23:59
>にれぇさん

 ひさびさに来たグッとくる新連載って感じですね〜。
 とりあえず第一印象はバッチリです。

 なるほど、PCPは子供がマネしちゃうからダメなのか。
 うーん、たしかに、それは大きな障壁だなぁ〜。


>ショウさん

 お久しぶりです^^

■エニグマ
 ですね〜。各人の欲するものが解き明かされてくる過程で、それぞれのキャラが深められたりもするんでしょうね〜。
 うむ、着ぐるみ女の子説は私も一票〜〜♪(笑)

■バクマン。
 ワンピも、赤犬のゼフが足を失った理由が「食べた」じゃなくって「事故」になりましたしね。
 そういった配慮がとっても大変なんでしょうねぇ〜。
 それを考えるとPCPはホント難しそう。
 やるとしたらやっぱり深夜?
 あとはDVDやネット配信オンリーとか、そんな感じですかね。
 でもそれじゃサイコーたちは納得しないんだろうなぁ。

>大場さんも担当に「デスノートはアニメにならない」と言われたことがあるのかもw

 なるほど!!(笑)

■ブリーチ
 うーん、私は最終回だと思うんですけどね〜。
 どうなんでしょう。
 アニメなどの業界とつながり、漫画がひとつの大型商業プロジェクトと化してしまうと、作家ひとりの都合ではなかなか終われないのかもしれませんが……。
 これ以上ない有終の美だと思いますけどねぇ。
Posted by BOSS at 2010年09月17日 23:23
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