現在、BOSS がジャンプ誌上で最も応援している漫画だけに、この小説化は本当に嬉しいですねー。
さっそく感想行きましょう!
【ネタバレ注意!】
まずは巻頭カラーというのでしょうか、岩代先生描き下ろしのカラーイラストが素晴らしい。
今の岩代先生の画風でのドリフト全員集合は、意外と貴重かもって思いました。
ヒリューくんのマッチョ度が上がっている気がしますし、朧のこの姿も……ね。
そしてその裏側が凄い!
ダブル雨宮さん!
白宮さんと黒宮さん(アビス)がベッドでツーショット!
うおおー!
この、めずらしいくらいにくつろいで朗らかな雨宮さんがまず超レア級ですねーっ。
いやもう、最高に女の子女の子しててかわいらしい。
雨宮さん、こういう表情するんですね〜。ちょっと意外な嬉しい発見でありました。
そしてまた、この白いフトモモが眩しいことっ!(笑)
アビスも、こうやって見ると邪悪な黒さではなく、健康的な小麦色の肌に見えるんですね。
意外と雨宮さん、こういう活発な見た目になりたいって願望が心の奥底に眠っていたのかも?(笑)
episode キスしてほしい?
まずは第一章。アビスとアゲハの一日デート!
楽しみにしておりましたーっ。
時系列としては、グリゴリ研究所でのバトル直後で、まだ雨宮さんがアゲハに顔も向けられないくらい恥ずかしがっちゃっているというタイミング。
そんな状態で、町中でふたりきり、デート状態になってしまうというシチュエーション(というかフブキねーさんがやっちゃうんですけどね!グッジョブ、フブキねーさん!!)。
だもんだから、テンパリすぎて次々飛び出しちゃう雨宮さんの奇行が実に面白い(笑)。
正直爆笑。
思い返せば、アビスがアゲハに言ってしまった 「宇宙で一番好き!!」 の衝撃の告白。
思い出すだけで 「うにゃあああ!!」 と叫んでしまい、喫茶店のウェイトレスさんをビックリさせる雨宮さん。
いやもう楽しすぎる。
このへん顔がニヤけるのが止まりませんでした(笑)。
雨宮さん、すっかり脳内はパニック状態。
何を考えてるんだか自分でも分からなくなる。
自分の胸をDSサイズと称するくらいです(笑)。
いや〜、こういうオバカパニック状態の雨宮さんも素敵だなー(笑)。
あまりに辛すぎて、思わず言ってしまう、「誰か代わって!」 の一言。
それにアビスがとびついたことで、事態は急展開。
はい、アゲハとアビスの一日デートの始まり始まりと(笑)。
いやいや、もう楽しさ満点。
雨宮さんのパニック状態でひととおり笑いと萌えをとり、そこでアビスが出てきて始まるドタバタデートという最高のネタ。
アビスがあの、グリゴリで出てきた殺伐とした状態ではなく、だいぶノリノリのヤンチャ状態だったのもコミカルでよかった。
アゲハとアビスのやりとりが、すごく岩代先生っぽくってこれまたよかった。
これは読んでて漫画のコマが見えてきましたね〜。
アゲハたちが雨宮さんのバトル中、スカートの中を覗いていたという驚きの暴露もありましたね(笑)。
そりゃあ、たしかにあんなスカートなわけですから、雨宮さんみたいに飛んだり跳ねたりすりゃあ見えちゃうものは見えますわなぁ(笑)。
見ようとしなくたって自然と目に飛び込んでくるでしょうとも。
そんな状態でアゲハたち闘ってたんですね!
顔にも出さず!!
ちょっと想像してウケまくりでした(笑)。
で、雨宮さんはそれに気づいているんでしょうか。
アビスは気づいているけど、雨宮さんは気づいてないってことなんですかね。
それとも、気づいているけど気にしないとか。だとしたら雨宮さん、なんとも男らしい(笑)。
コミカルなだけじゃなく、ちゃんとアビスの哀愁を感じさせてくれたのもよかったですね〜。
アビスは邪悪な塊とかじゃない。
雨宮さんの片割れに他ならない。正真正銘、雨宮さん自身に他ならない。
でも、アゲハはそれをわかってなくって……。
この寂しさはよかったですね〜。
アビスの孤独な叫びは、とても胸に痛かった。
漫画でも充分脳内補完できる要素とはいえ、こうやってじっくり描かれると嬉しくなります。
漫画ではフォローしきれないキャラクターの悲しさがしっかり描かれる。
これは派生小説としていい仕事しているなぁ〜と思いました。
episode 闘う侠(おとこ)
影虎さんにスポットをあて、影虎さんと祭先生の 「なれそめ」 を描く短編。
影虎さんの一本木な性格、一直線な行動が実に心地いい。
現在の影虎さんは、ややハード寄りなプロフェッショナルさをかもし出していますが、この頃はまだちょっと愚直なイメージがあります。
まだすこし若いのかもですね。
ストーリーも、強い意外性はないものの、なかなか練られていてよく出来てます。
すでに漫画本編で描かれている、影虎さんと祭先生の例の出会いにあわせて、自然に繋がる形になっているんですよね。
ネタとしては、ちょっと往年のシティーハンターを思わせるようなエピソードでもあり、なつかしさも感じちゃいました。
ひとりの健気な少女をめぐり、ヤクザ一家の存亡と巨大な影の組織の陰謀が渦巻く任侠活劇。こういうの好きですよ。
また情報と展開が多いながらも、よく短編にまとまった話だと思います。
しかし影虎さん、祭先生に会うまでは自分がサイキッカーだという自覚すらなかったんですね!
それなのにトラックをパンチ一発で止めるって(笑)。
いったい自分をなんだと思っていたんだか。
これはちょっと意外というか驚きというか、なるほど、そういう解釈も出来るかと。
これによって、祭先生との出会いが、影虎さんにとって一目惚れの瞬間でもあり、PSIとの出会いでもあるという、何重もの衝撃となり、PSIを認識してより強くなるというバトル的展開にもなったのはお見事。
祭先生の描写も、実に活き活きサバサバとして、とっても祭先生らしい魅力があふれておりました。
いや〜、これはたしかに影虎さん惚れちゃうわなぁ〜と(笑)。
そして記念すべき、一回目のプロポーズが見られるとは!
ちょうどジャンプ本編とリンクするようなタイミングでのこのエピソードは、たまりませんね〜。
かなり美味しい企画となりました。
episode 紅蓮の聖誕
本のメイン・タイトルともなっているこの章は、未来のフレデリカが主役。
これはメイン・タイトルになるに相応しい、素晴らしい出来のエピソードでしたね。
フレデリカの過去を探ることで、今の彼女がしっかり見えてくる。
なぜ、彼女はブチ切れると関西弁になってしまうのか。
セクシー・ローズって何?
なぜいつもツンツンしているのか。
時折ちょっと寂しげなのはなぜ?
マリーや仲間のことはどう思っているのか。
そして、アゲハのことはどう思っているのか。
そういったことが、幼少期のトラウマを探る事で、すべてが深く理解できてきて、これまでよりいっそうフレデリカというキャラクターがよく見えてくる。
そんな構成となっておりました。
うむ、これはフーちゃん好きにはたまらない。
また、これまでフレデリカにそれほど惹かれてなかった人も、引き付けるのには充分なエピソードでしょう。
ラストの着地は、ベタではありますが、古来より変わらぬ親の愛と言うテーマなわけで、ベタなのは当然!
目頭を熱くするのに充分な熱量でありました。
フレデリカのことがこれまでよりもっと好きになりましたよ。
これは、ノベライズとしてベストの仕事じゃないでしょうかね〜。
しかもそういう精神分析だけじゃなく、しっかり禁人種とのバトルあり、フレデリカの熱い成長と感動あり、仲間との絆ありと、なかなか充実した内容。
うーむ、たしかにこれをタイトルに持っていったのは正しい選択だと思いますな。
episode 終わらない詩
そしてラストを飾るのは、天戯弥勒を主役とした、美しく、切なくもグロテスクな物語。
グリゴリ研究所の暗部を暴き、実験体にされていった少年少女の悲劇を描く、素晴らしいSF短編でありました。
実は私が今回一番好きなのはこの一遍なのかもしれません。
実験体にされていた当時、天戯弥勒が聞いていたテレパスの歌。
それがまた、グリゴリを破壊して脱出して三ヶ月ほどした最近、また聞こえるようになった。
その“歌声”を追った天戯弥勒は、自分と同じような実験体の、憐れな正体を目の当たりにする事になる。
このオドロオドロな真相シーンなど、ラブクラフト小説を思わせるものがあって私は大好きですね〜。
しかも素晴らしいロマンと悲哀がある。
真相のヴィジュアルも素敵なセンス・オヴ・ワンダーの衝撃を持ってますし、その前フリとなる狂気の科学者もいい味出してます。
まるで昔の美学満点のSF怪奇小説を読んでいるようです。
そして同時に、クローズアップされてくるのはグリゴリ研究所の非人道性と、実験体の少年少女たちの悲惨さ。
弥勒や、ジュナスたちに感情移入せずにはいられない、あまりに悲痛な体験です。
このあたりは漫画本編でも充分に描かれたことですが、彼らは結果的に脱出に成功しているわけであり、ここで改めて 「そうではなかった存在」 を描くのはとっても意味のあることだなぁと思いました。
この歌声の主の、本当に切ない事。
この子の実験風景や、その後の末路など想像してしまうと、もう胸が締め付けられるようですよ。
いや〜、これまたいい仕事してくれました。
漫画本編ではこういう話になかなか尺を裂けませんが、小説ならではの脇のフォローといったところでしょう。
まとめて
今回のサイレン小説化はすばらしい作品に仕上がってくれました。
といっても私、ジャンプのノベライズは、実はこれが読むのが二冊目(一冊目はジョジョの『The Book』。これも素晴らしい名作)なのですが。
ともあれ満足。というか大満足でありました。
人によっては 「このキャラはここでこういう事は言わない」 とか 「ちょっとイメージが崩れた」 とか言う人もいるかもしれませんが、そのへんは人それぞれになるでしょうしね。
たしかに私もまったくそういうものがなかったと言ったらウソになりますが(シャオくんがちょっとしゃべりすぎかな?とちょっと気になった程度。でもああいう一面もあるかもしれないとも思いますし)、でもたいして気にならないレベル。
私は読後、あ〜素敵な一冊を読んだなぁ〜と、満足感でいっぱいでした。
漫画の小説化という仕事として、実にいいお仕事だったと思いますよ。
漫画本編ではちょっと手が届きにくい脇の、かゆいところに手が届き、そしてしっかり本編を膨らませる。
キャラクターの普段描かれない深い部分も、小説ならではの描写でしっかりと描かれる。
元々サイレンが好きな人が楽しめるのはもちろん。これを読めばさらにサイレンの細部、深いところがよくわかり、もっと好きになる。
それがたぶん漫画ノベライズの、一番のお仕事でしょうからね〜。
いや〜、いい仕事してくれました、SOW先生。
サイレンファンとして、とっても嬉しく思います。
第二弾も出ると信じてますぜっ。
期待してますからね!
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