2010年08月22日

コミック感想 賢い犬リリエンタール 2

 とっても不思議な力を持った喋る犬リリエンタールと、ちょっとおかしな家族たち、隣人達が繰り広げる、優しさ一杯にあふれるハートフルコメディ作品です。
 2巻ではとびきり魅力的な紳士ウィルバーが満を持して登場!
 さらにてつこの過去の秘密に迫る長編がスタート!
 最初から最後まで目が離せません。

■過去感想→

【ネタバレ注意!】





 1巻の感想では感動やキャラクターなど、要素ごとに感想を書いてゆきましたが、2巻ではストーリーに沿って書いてゆくことにしましょう。

 まずは第9話。
 幽霊のマリーをてつこに認めてもらうため、奮闘するリリエンタールがとってもいじらしい。
 頑張れば頑張るほどからまわっちゃって、てつこに認めてもらうには逆効果だったりするんですけどね(笑)。
 そこがまたいい。
 リリエンタールは、こうと思ったらなんでも一途。それが周囲には誰にでも分かるからいいですね〜。
 またここでは、マリーがこれまで知らなかったとはいえ、たくさんの人を犠牲者にしてしまったということがスルーされなかったところがよかった。
 何も解決されたわけではないのですが、こうやって誰かが指摘しただけで、私はけっこう安心できると思うのです。
 なんつったって、マリーも船の遭難で置き去りにされて餓死した被害者なわけですし。
 幽霊なのでこれから成長もできないわけですからね。
 とっても哀しい存在ですよ。
 たくさんの犠牲者も哀れですが、それはマリーが悪いのではなく、最初の悲劇が起因してドミノ倒しに起こってしまった悲劇の連鎖だったと思うのですよね。

 それはそれとして、今回のエピソードで目立てなかったゆきちゃんが、ここぞとばかりにはっちゃけててかわいかった。
 マリーにさわろうとして手が通り抜けてはテンションをあげ、マリーの能力で自分が幽霊化しては騒ぎ、しまいにはてつこも無理矢理幽霊化という後先見ないお祭り騒ぎ(笑)。
 この天真爛漫な小悪魔っぷりは実にかわいいですね〜。



 第10話では、場面変わって黒服たちのアジト。
 アキラたちのお人よしっぷりに好感度超アップです。
 さらに、とっても賢いスーパーうちゅうねこのラブリーさにすっかりメロメロ(笑)。
 あんなラブリーな顔して、言う事は賢者のごとき聡明さというギャップが素敵すぎです。

 そして何より、組織の中間管理職、シュバインさんの渋さが最高なのであります。
 ボンボン組が盗撮で得てきた情報を評価しつつも、そのやり方がまずいと、噛み砕くように理路整然と教える姿勢。
 しかもただ叱るのではなく、これはお前たちを将来組織をまとめてゆく人間として見ているから言っているのだと、しっかり才能を認めている。
 これは本当にすばらしい指揮官ですね〜。
 私もこんな上司の元で働きたいですよ(笑)。
 これまでジャンプで、こんなに有能な大人がいたでありましょうか。
 とかくジャンプの大人は変人だったり自由放任だったり存在感がなかったりするのが多い印象なのですが(そのおかげで主役の子供達が存分に暴れられる面があるのだと思います)、シュバインさんはそんなジャンプのなかで強烈に異彩で輝いていると思うのですよ。
 うーんカッコよすぎる。
 しかし、これで26歳ですか……。
 若いのに、なんという貫禄でしょう(笑)。



 そして第11話から3話構成で、ついに紳士ウィルバーさん登場!
 読切版ではリリのライバルであり、またラストを盛り上げた素晴らしいパートナーでもある紳士ウィルバーさん。
 オバカでマイペースで働く気もないのに、紳士たらんとするところだけは変に一本筋が通っている。
 というか紳士的なところにかけては誰にも負けないかっこよさ。
 この人のオバカばっかりやってるのに、最後に決めるところは最高にかっこよく決めるところが大好きなのであります。
 いやもう汚いくらいにカッコイイ(笑)。
 読切版ではあまりにかっこよくって、もしかしてウィルバーさんだけでスピンオフができちゃうんじゃないかってくらいほれ込みました(笑)。
 きっと連載にも出てきてくれるだろうと信じていたので、登場したときはもう飛び上がっちゃうくらい喜びましたよ〜。
 シュバインさんもカッコイイのですが、この人のかっこよさはもう別格のテンションです。

 チェス対決での、リリエンタールとのやりとりがコミカルでオバカながらも実に紳士。
 このコマはライトニング光彦だ! とか言ってズルしちゃうリリに、オバカに驚きながらも、偽物のルールで勝利すれば人質となっているお兄さんも偽物として返す事になるが? と機知に富んだ返答。
 さらに、「ゴールド紳士」 の称号を上げるから獲ったクイーンを返してくれと交渉を申し入れるリリエンタールに、称号は人に呼ばれて初めて嬉しいものと、てつこに呼んで貰おうとするウィルバーさん(笑)。
 いやもう、リリのむちゃくちゃに、返す言葉がひとつひとつがあまりに素敵。
 キレがあるとかクールではなくって……やっぱりおまぬけなんですが、そのおまぬけの中にも子供に合わせる優しい大人なところと、フェアさを大事にする紳士っぷりが通っているんですよね〜。
 そこが逆にキレがあってクールって感じます。
 相手がズルしても決して怒らず、まるでそれを楽しんでいるかのようにやり返す。
 なかなかできるものではありません。
 それを紳士ウィルバーさんは平然とやってのける。
 そんなところにシビレます。憧れるのです(笑)。

 そんなウィルバーさんとの対決でも、リリエンタールは負けてない。
 その健気さは胸を打ちまくり。
 チェス勝負にどうやっても勝てそうにもないリリ。
 でも絶対諦めようとしない。
 必死に頭を抱え、歯を食いしばり、汗と鼻水を垂らしながら、

「わたくしめは……

 このおうちにいたいのです…

 わたくしめは

 あにうえとてつこのいる

 このおうちにいたいのです!!」


 ただ自分が組織に攫われるから戦ってるんじゃない。
 てつこと兄上のいる、この家だから去りたくない。
 もう二度と、昔みたいな寂しい思いはしたくない。
 冷たい石の床で、真っ暗な部屋で寝る事なんてしたくない。
 そういう思いがドーンと伝わってくる、これは最高にいい場面でした。
 リリ、健気過ぎますよ〜。

 また、それを見た紳士ウィルバーさんの反応も素晴らしかった。
 RD-1 の正体がリリエンタールだと知らずに賭けの対象としてしまったことを恥じ、それまでのオバカさとは見違えるほど真剣な眼差し。
 ここはこの巻最大の盛り上がりと言っていいんじゃないでしょうか。

 勝負を捨てないリリエンタール。
 それを全力で迎え撃つウィルバーさん。
 その決着は、なんと奇跡のような引き分け!
 実に熱い!
 
 いや〜、このチェス戦は最初から最後まで、すばらしい完成度でした。
 バトルのなかにキャラがある。
 バトルを描くためにキャラがあるのではなく、キャラを描くためにこそバトルがあって、そのための発端があり、経過があり、決着がある。
 終始ウィルバーさんとリリエンタールのやりとりが本当にお見事。
 見事に計算されたエピソードでした。
 

 そして、第14話から始まる、長編 『あんこくまじん編』
 てつこの過去の闇に迫る重いストーリーに、巨大な魔人が具現化したことによって巻き起こるスペクタクル。
 町の破壊、人々の驚愕。投げ飛ばされるたくさんの車の場面はかなりびっくりしました。
 あんな場面にリアルに遭遇しちゃったら心臓が飛び出ますわ。
 桜による犯人探しのサスペンス展開もよかったですし、なにより、リリエンタール流のハートフルさがたまらない。
 実に面白いエピソードとなりました。

 まずは過去回想編ですが、ちっちゃなてつこがまた、なんとまぁ無邪気にかわいく 「かぶと虫の幼虫」 を食べる事か(笑)。
 そりゃあ小学生たちにとっちゃトラウマでしょうとも。
 てつこがつま弾きにされ、不登校になっちゃったのも頷けます。

 この、かぶと虫食べちゃった事件というのはとってもバランスがいいエピソードだったのだなぁと今更ながら思いますね〜。
 リリエンタールという物語で、ヒロインの女の子が不登校というとかなり重〜いダークさで、最初はちょっと不釣合いなことにならないだろうかと心配しました。
 でも、なあんだ、ただそういう 「食べちゃった」 ってのがあっただけなのかと。
 それもこの男の子、実はてつこの事好きっぽいぞと。
 じゃあ、解決される可能性もけっこう見えるぞと。
 てつこに性格的な悪いところがあったわけでもなく、学校側に致命的な何かがあったわけでもなく。
 単に不幸な 「食べちゃった」 があっただけ。
 ああ、これは希望があるよなと思えるところ。そこがリリエンタールらしくていいんだなぁと、今更ながら思います。

 また、ここで初登場の宇佐美ちゃんもいいですね。
 最初はちょっと嫌な子なのかなと思っていたら、自分の心が邪悪で、そのせいで暗黒魔人が出てきてしまったのだと思い込み、悩み、苦しみ、ついにリリエンタールに相談するところ。
 ここは胸の痛くなる場面でした。

 またその宇佐美ちゃんに対する、リリエンタールがいつも通りで純粋無垢!
 暗黒魔人が出てきてしまったのは自分のせいなんだから、だから 「うさみにごめんなさいというのです」 と。
 そして、

「さくらはかしこいし

 てつこはやさしいので

 ちゃんとあやまればきっと

 一回だけおこってゆるしてくれるのです!」


 と。
 ああもう、ここもまた涙を禁じえない訳ですよ!
 宇佐美ちゃんのボロボロとこぼれだす涙に、こっちも誘われずにいられません。

 なんで自分は汚れちゃったんだろうと。
 いつの間に、自分は醜いものになっていたんだろうと。
 昔は自分も、リリエンタールみたいにシンプルな答えが出せたはずなのに、なんで今の自分はそんな答えにすらたどりつけなかったんだろうと。
 リリがまぶしすぎます。

 一緒にあやまってくれるというリリのやさしさも心に響きますね〜。
 リリに触れると、ふしぎとこれまでの悩みが溶け出して、勇気が出てきます。
 シンプルな言葉だからこそ、リリの真心が、一途さが、一生懸命さが伝わってくるのかもしれません。
 リリだけはウソをつかない。
 そう心から信じられちゃうんですよね〜。
 
 1巻に引き続き、2巻も見どころ一杯。
 キャラクターも魅力満載。
 ヒキも凶悪(笑)。
 いや〜、リリエンタールは本当に面白いなぁ〜と再確認しました。
 さて、続きは3巻の感想で。



■連載時感想
・第9話 賢い犬リリエンタールとおばけのあしおと おまけ
・第10話 アキラとスーパー宇宙ねこ
・第11話 賢い犬リリエンタールと紳士ウィルバー (1)
・第12話 賢い犬リリエンタールと紳士ウィルバー (2)
・第13話 賢い犬リリエンタールと紳士ウィルバー (3)
・第14話 賢い犬リリエンタールとあんこくまじん (1)
・第15話 賢い犬リリエンタールとあんこくまじん (2)
・第16話 賢い犬リリエンタールとあんこくまじん (3)
・第17話 賢い犬リリエンタールとあんこくまじん (4)



■関連記事
・【動画】ありがとう、賢い犬リリエンタール特集
・【ジャンプネタ】リリエンタールの素敵イラストと、ゴンさんが止まらないその2




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