2010年08月11日

週刊少年ジャンプ2010年36・37合併号感想 後編

 さぁ〜て後半の感想です。

■前半の感想はこちら





 後半の感想は、

・ブリーチ
・【金未来杯】クロノマンション
・【読切】ラッコ11号
・SWOT
・ぬら孫
・いぬまる
・保健室の死神
・サイレン

 の8本でお送りいたします。



BLEACH

 そうか、崩玉は誰が持っているかに関わらず、その周囲の 「思い」 すべてを汲む力だったのでしたっけね。
 一応持っていたほうが強い力を発揮するのでしょうけど。
 今回の場合、誰もが藍染の死を信じられない状況なわけで。
 きっと 「ああまた藍染がなんか奥の手とか出して勝っちゃうんでしょ?」 というような感じで読んでいた人が大半だったで事しょう。
 たとえギンが奪い取ったところでそれは同じ。
 つまりは、崩玉に届く人々の思いは、藍染の勝利ということで微塵もゆるがなかったのであります。

 おそるべし崩玉の力。
 はたして一護は、この力を超えることができるのでありましょうか。
 誰もが藍染の負けと、微塵も疑わない、完全無欠の勝利の確信。
 それがないことには勝利はかなわないのでしょう。

 ひとつ、凄い画期的な攻略法を思いつきました。
 世紀のポジティブ精神である保健室の安田君なら、確信を持って崩玉をただのエロ実現マシーンにしてくれるのではないでしょうか(笑)。
 うむ、あの強烈な精神力なら可能と思えてくるから凄い。
 安田君、何者なんだお前さんは。



金未来杯エントリーNo.3 クロノマンション

 原作・矢萩隼人先生、作画・肥田野健太郎先生によるギリシャ神話系ファンタジック・バトル漫画。
 神話のアイテムを巡る攻防に、女王様気質のお嬢様+奴隷的変身ヒーローを絡めた、コミカル&萌え&燃え系な王道アクション。
 なかなか欲張った詰め込みのわりに、よくまとまった仕上がりに感心しました。
 というかこれは、かなりレベルが高い。
 思わず引き込まれたままガツンと読まされてしまいました。

 画力は個人的にここまででトップの好印象。
 デザインセンスがいいですね〜。
 モンスターやアイテム描写が、末弥純画伯か山田章博先生を連想させると言ったら、新人に対してちょっと誉めすぎかもしれませんが、私の好きな路線であります。
 画面を整理したディグレって言ったほうがいいのかもしれませんが(笑)。
 人物の表情もとても魅力的。
 表情表現がとっても豊かで、これはちょっと新人離れしてますね〜。

 ストーリーも設定も非常に連載向き。
 108 の違う世界を股にかけて戦いを繰り広げるというのは、毎回目先が変わって面白そうじゃないですか。
 この点では、連載時にはどうするんだろうと思われる花咲一休より連載向きと思われます。

 主人公とヒロインのそれぞれが違う二面性を持っていて、コミカルに漫才をしながらも結局引かれあっているって感じ。
 この感じはありがちかもしれませんが、私の好きな路線なのでグッドです。
 最初のフリから、ああこれは 『武装錬金』 の系統かなと思ったらそのままな真相だったのでちょっと笑いましたが、ちゃんと自分の作品として消化できている感じがしたのでパクリという印象はありませんでした。
 カズキと斗貴子さんは 「戦士と鬼教官」 であって、「奴隷と女王様」 ではないですからね(笑)。

 ふむ、これは連載で読みたいなぁ。
 花咲一休も気に入って 90 点という高得点を出しましたが、個人的にはこちらのほうが全体としての完成度の高さを感じました。
 ということで、クロノマンションに 95 点!
 なんだか今回の金未来杯はレベルが高いですぞ。
 次の作品も楽しみであります。

 あとそうそう、巻末の作者コメントによると肥田野先生は椎橋先生の元アシさんみたいですね。
 ってことは、直接関係はないかもしれませんが、荒木師匠の孫弟子という事になりますか。
 よーし、応援しちゃいましょう(笑)。



【特別読切】 ラッコ11号

 バクマンスピンオフがついに登場。
 これがまさかのラッコ11号!(笑)
 いや、普通に考えたら今主人公が連載中の PCP とか、ライバル作品であるクロウや+ナチュラルってのが普通だと思うんですが、そこでラッコというチョイスが素晴らしい。
 個人的には一番読みたかった作品だったので嬉しい限り。
 いや、やはりこういう企画にはこういう異色の作品のほうがいいと思うのですよ。

 内容は期待以上のシュールさ。
 これがバクマンコンビによる作品であるとは微塵も感じさせないヘタウマ系の理不尽シュールギャグ。
 作家さんて凄いなぁ〜、よくまぁここまで作風を徹底的に 「平丸さん風」 にできるものだと感心してしまいました。
 いや、今もふと、これってもしかして本当に 「平丸さん」 が描いたんじゃないのか? と、騙されてしまう瞬間があります(笑)。
 
 しかし、作中まで吉田さんへの憎しみが滲み出まくっているとは、どれだけ日々吉田さんにいいようにふりまわされているのか分かりますね〜(笑)。
 いや〜楽しかった。
 これはいい企画でしたぞ。
 また機会があったらこういうスピンオフも楽しみたいです。
 たとえば、尾田先生による億越えルーキーの誰かに焦点を当てた短編とか、そういうのがあっても楽しいんじゃないかなぁ〜とか。特に今週のを読むと思いますね〜。
 いや、これ以上尾田先生を働かせてもどうかと思うんですが(笑)。



SWOT

 これだけ荒廃した学校なのに、不良たちがしっかり追試に出てきていることに笑ってしまいました。
 うむ、意外と律儀な不良さんたちなのですね〜。
 しかし、成績が悪いと退学させられるのに、これだけ学校破壊するほどの暴力沙汰を起こしても 「ちょっと来なさい」 で済むんですから、学校のほうは実におおらか(笑)。
 いや〜、なんかこういう世界好きだ。
 ちょっとノホホンとしたいい世界じゃないですか。



ぬらりひょんの孫

 鬼一口のデザインが素晴らしすぎる。
 歯茎が指みたいに伸びて動いて、歯の一本一本が爪みたいになるなんて、いったいどこからそんな発想が出てきたんだか。
 ちょっと椎橋先生の天才性を垣間見ました。

 そして怒りのスーパーモードを発動のゆらさん!
 おお恐い(笑)。
 なんて顔しちゃいますか。
 秀元さんの手がジュワッなんて、一体何が起こっちゃったんだか。
 羽衣狐さまもかくやという凄絶さとおどろおどろしさに圧倒されちゃいました。
 いや〜びっくりした。

 そして、パワーアップしたゆらさんによる式神総攻撃!
 なるほど、心を読まれるなら、読もうが読むまいが対処しようのない攻撃をしちゃえばよいと(笑)。
 これはなかなか豪快でした。
 ゆらさんもすっかりお強くなられて。
 これはたしかに、このゆらさんと今のリクオがいればなんとかなるって気がしてきましたぞ。

 我に返って、最後からニコマ目はいつものゆらさん。
 これはこれで、うむ、やっぱり安心しちゃいました(笑)。



いぬまるだしっ

 なんていう自虐ネタ!!
 まさか自分の入院をネタに、ここまで自虐で立派に仕上げて来ようとは!
 大石先生は漫画家の鑑ですよォ〜。
 各所に言い訳を挟みつつ、それすらもギャグとして成立させ、細かくはさまれる蓮舫ネタやバクマンネタで貪欲に笑いを稼ぐ。
 そして最後は、冒頭に登場させた稲川淳二でこれまた自虐&内輪ネタで〆るというテクニカルなオチ。
 いやもう、これがプロの仕事ですね〜ッ!
 大石先生の覚悟が、言葉ではなく心で伝わってきたぜーッ!!

 ちなみに現在、大石先生はツイッターによると無事退院されているようです。
 大石先生のツイッターはこちら→https://twitter.com/k_marudashi
 毎日たのしいつぶやきが連発されているのでオススメですよ。

 まぁしかし、先生、やっぱりお身体お大事に!
 前方より蓮舫(これ気に入りましたw)……じゃなくって原稿より健康ですよ!



保健室の死神

 まさか性欲と征服欲とを合体させるとは!
 エロス成分でとっかかりをつくりつつ、そこから合戦に惹かれる男子の本能になだれ込ませるという素晴らしい展開。
 いや〜今週はいろんな意味で最高でありました。
 正直、やっぱりこういう合戦ものは大好きなんですよね〜。
 戦いの目的とか意味なんてどうでもいい。ただそこに戦いがあるのなら俺は戦うって感じの、どうしょうもない男の本能が刺激されてしまいます。
 作戦を練り、連携を取り、大をとるために小を捨て、苦汁の決断に追い込まれながら覚悟の一手を投じる。
 大将を逃がすために兵士が自ら犠牲になって敵軍を食い止めるなんて。
 いやもう、内容がこんなバカ状態なのにも関わらず、この子たちが熱くなっている所に感情移入せざるをえないのです(笑)。
 うーん、わかるぞその気持ち〜って。
 もしかして私も病魔 「盲信(ラッシュ)」 にかかっちゃってるんですかね(笑)。

 しかし、安田くんはすっかり保健室の主役となってきた感がありますね〜。
 病魔にとりつかれること、これでいったい何度目なんでしょうか(笑)。
 こいつのテンションは慣れると飽きてくるとか言われてますが、うむ、まぁそういうモノかも知れませんが、いけるとこまで頑張っていただきたいであります。



PSYREN−サイレン−

 別エントリーにて。



まとめて

 いや〜、今週は河下先生のポスターが最高でした。
 あと、金未来杯のクロノマンションが凄く印象に残っています。
 個人的にはこれまでの金未来杯史上、もしかすると一番好きな作品かもしれません。
 まだ終わってないからまだなんとも言えないのですが、是非連載を勝ち取って欲しいって思います。

 さてしかし、来週はジャンプお休みですか〜。
 ひさびさに溜まっているエントリーでも色々やっていきますかね〜。
 みなさま、よい夏休みを!



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posted by BOSS at 23:06| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
金未来・連載向けって点ではアリですけど
正直設定が頭に入ってこなかったです
個人的には
一休>クロノ>ヒロイズムですかね
使ってない設定が多すぎるってのと
背景もキャラも画面をうるさくしてしまってる感じで
全体に情報の整理が出来てない感じでした

SWOT・斬もそうでしたけど
どんなに暴力が溢れる世界だろうと
社会体制が崩壊することはありえないんだな・・・
みんな帯刀してても普通に就職するし
凶器をふるって暴れても普通に学校側には従う
Posted by フーマッハ at 2010年08月11日 23:43
・読み切り
悪くは無いのですがちょっと設定が多すぎて読むのがしんどいのと神のアイテム・クロノマンション当りの設定があまり生かされてないのが残念でした。
個人的には花咲一休の方が良かったとは思いますがこっちの方が連載にはしやすいかな?
設定はしっかり出来てる様だし神話モチーフの作品は結構女性受けしそうだから有りなのかも、ですね
・鰤
えっと・・・回想シーンがさっぱり分からんのですが、これは藍染さまが幼少時の乱菊さんで何か実験したって事でしょうか?
まあ流石に何らかの説明が入るとは思うのですが。
藍染さまは崩玉を破壊しないと死なないって事ですかね?
・杉たん
色々置いといてみんな一刻も早くこの学校辞めた方が良いと思うよ。
だって命が幾つあっても足りないと思うよ、これ。
正直ここにいたら保母になるのも看護師になるのもUFO作るのも厳しいと思うんだ。だってその前に生き死にの問題があるでしょ?
この学園の場合は・・・
Posted by アロニロ at 2010年08月12日 00:49
 お返事遅れました〜!

>フーマッハさん

>金未来杯
 おー、受け取り方はひとそれぞれなんですね〜。
 私は情報量はそれほど多く感じませんでしたが、なるほど、そう言われてみるとたしかに単品の読み切りとして整理不足という気はします。
 これが連載になるとどうなのでしょうね。
 一休は私もかなり好きなので、どっちも頑張って欲しいと思います……なんて、勝手な事ばっかり言ってますが(笑)。

>SWOT
 これだけ秩序が崩壊してそうな世界なのに、なんてしなやかでタフな学校体制なんでしょうね(笑)。


>アロニロさん

>金未来杯
 やはりフーマッハさんと同じで情報量が処理し切れてないという感じでしょうか。
 読み切りとしてではなく、連載を視野に入れた作品として作ってきたのでしょうねぇおそらく。

>ブリーチ
 ここは私サッパリ意味が分からなかったので総スルーしちゃったんですが、次回触れられるんですかね?
 崩玉を壊すにしても、それがちゃんと壊れるって確信できる状態じゃないと壊れる現実すら捻じ曲げられてしまいそうな気がします。
 とにかく「ゆるぎない信じる心」が一番求められるんじゃないでしょうかね〜。
 誰もが納得するだけのオサレパワーとでも言いましょうか(笑)。

>SWOT
 まさに今週のめだかBOXみたいな感じですね(笑)。
 常識的に考えればこんな学校や荒れた町は今すぐ警察呼んでくるか、それでもダメなら自衛隊呼ぼうよと。
 でも、それをさせないだけの力か、それが無意味となるような力がどこかからかかっているのかもしれませんな!
 いや、今私適当言いました。すいません(笑)。
Posted by BOSS at 2010年08月20日 21:18
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