ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.127 “生きる意味”: 少年、グリグリメガネを拾う

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2010年07月20日

ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.127 “生きる意味”

　サイレン、週刊少年ジャンプ2010年33号収録分の感想です。

■ジャンプ本誌感想はこちら→前編、後編

【コミック派ネタバレ注意！】

【感想小タイトル】
■第三星将ウラヌス
■W.I.S.E 元老院ミスラ
■生きる価値

■第三星将ウラヌス

　さぁ、先週のラブラブ大爆発から一転、今週からはアストラルナーヴァの極限バトル！
　まずはフレデリカVS.ウラヌス。炎対氷。
　いやこれが、どちらも凄まじい怪獣レベル！（笑）
　ウラヌスの氷が一瞬にして津波のような巨大さでパイロクイーン・サラマンドラを襲った場面、思わずウオッと声を出してしまいました。
　いやこれ、とんでもなく強いでしょう！
　パイロクイーンの破壊的なところも凄まじいですが、この氷の桁外れのスケール感、一瞬にして全てを凍てつかせるスピードは素直にオッソロしい。
　さすが第三星将はダテじゃないです。
　他の戦いとは完全にレベルが違うってのが分かりますよ～。
　序盤から緊張感ボルテージが一気にトップギアであります。

　変な話なんですが、こんな戦いを見ていると、防御力さえ高めればどんな攻撃だってって言ってたヒリューくんが悲しく思えてきちゃって……。
　焼かれたらダメでしょうし、氷付けにされてもやっぱりダメでしょうし……。
　いや、今はヒリューくんの話じゃなかったですね（笑）。

　さらにウラヌス、空中に氷の滑走路を作り、氷のアイススケート靴で一気に詰め寄る。
　そして二丁拳銃から発射されるのもやっぱり氷。
　いや～、ただ氷ってだけじゃなく、いろいろギミックがあって面白いなぁウラヌスは。
　男の子心をくすぐられます（笑）。
　

■W.I.S.E 元老院ミスラ

　ここで通称“かがり火”の名前が公開。
　「ミスラ」って、FFXI やってた私としては猫娘が脳裏で邪魔してくる名前なんですが、案外イメージが邪魔にならない絶妙なかぶさり具合なんで、まぁいいかと。
　いや、これは完全に私情でしたね（笑）。

　しかし、「お前の弱った体では危険だ」 って、どういうことなんでしょう。
　なんで弱っちゃったんでしょうね。
　基本的にイルミナス・フォージした人間は弱ったりしないようなイメージなんですが。
　もしかして、ミスラはフォージしてないんでしょうか。
　それとも、イルミナス・フォージしてなお、ミスラのかがり火能力は体に尋常ならざる負担を課すんでしょうかね。
　あるいは、一部で疑われているように、ウロボロスとなんらかの繋がりがあるかもしれないミスラが、その特性ゆえに体を蝕んでしまっているのか。
　またあるは、体が弱っているということそのものが、弥勒を出し抜こうとしているミスラのブラフだったりするのか。

　いや、今の段階では何にもわかんないでしょうね。
　分かったとしても、ただの当て推量に過ぎないってことになりそう。
　今はとりあえず、ミスラについてはグラナさんの姿勢と同じく、静観って感じですかね～。

　しかし、「いい体してるね」 って。
　いやこれ、エッチな意味じゃなくって、まさか弱った体を交換しようとか、そういう大蛇丸的なことじゃありますまいな！！
　ぬー、それはちょっと恐いぞ。
　ああでも、そう考えると、ちょっと 「ボク」 っていう一人称がおそろしく聞こえてくるなぁ。
　もしかして、すでにこの体は借り物で、けっこう使い古しになってきていて、だからこそ、「弱った体」 なのではないか……なんて、ヤベェ、ちょっと辻褄があってきてしまった。
　ぬー、マリー、逃げろー！！

　話し変わって一方、グラナさんですが、登場当初のあのヘンな性格はどうやら演技であったようです。
　人間らしくふるまおうとしても、もともとそんなものは持ってなかったということで。
　だからあんなヘンなことになっちゃってたんですかね。
　だとすると、笑えた言動こそが実は悲しみを内包していた……なんてなことになるのかも。

　そして、マイハートどきゅーんだったのが、実はカプリコ（笑）。

「まだー！

　まだ外へ出ちゃメー

　氷漬けにされちゃうからね

　まだメーだからね」

　無垢な少女と愚かな巨人。
　これ、私の大好きなモチーフなんですよ～。
　ワンピですと、ロビンの回想編とかたまらんものがありました。
　いや、サウロは愚かじゃなかったですけどね。
　でもあの、デレシシシは最凶でしたなぁ～。
　ああ、なんかこうカプリコにこういうキャラ位置に立たれちゃうと、ちょいと応援したくなっちゃうじゃないですか。
　いや、もうすでにジュナカプが親子化してからは当然応援してるんですけどね～（笑）。

　

■生きる価値

　ウラヌス、今度は氷をランス状にして投擲！
　弾丸のようにパイロクイーンに迫る。
　そこで登場、我らがバトルマニア、カイル！（笑）
　しかしこの、マテリアル・ハイで弾かれたアイスランスが、地面に突き刺さるとそこから氷の樹がビキキッと立ち上がるって表現はかっこいいなぁ～。
　これ、アニメで見たいですわ。
　ぬら孫は見事アニメ化されましたが、サイレンのアニメ化はいったいいつなのですか！？

　さらにアイスランスを三重のマテハイによってギリギリで止めるところも素晴らしい。
　今週はウラヌスの能力すべてが面白いですし、最近の岩代先生はバトル描写がファンタジスタであります。
　創造力に溢れまくりです！

　そしてウラヌスの覚悟が語られる。

俺達　グリゴリ実験体は

強さを求めることでしか

もはや生きる価値をみつけられないからだ

　世界がどうなろうと知ったことじゃない。
　戦うことこそが生き甲斐。
　それ以外に何もないのだと。

　グリゴリ実験体にさせられたものの悲哀。
　カプリコはグリゴリではありませんが、それでも能力によってつまはじきにされた存在という意味では、かなり似通ったものがあるでしょう。
　グラナさんの、人間性を演技していたという哀しさ。
　ウラヌスの狂った生き甲斐。
　カプリコの存在の哀しさ。
　なんだか今週は、バトルのド派手さ、爽快さの裏で、ワイズたちの哀愁がしんみりと描かれていたように思います。

　こう考えてくると、うーん、グリゴリこそがやっぱり諸悪の根源であり、歴史を改変するためにはグリゴリ誕生前にタイムスリップして潰すしかないんじゃないかと思ってしまうのですが……。
　ああでも、グリゴリの存亡とは関係なく、ウロボロスや、ミスラの陰謀は動いていって、結局こういう事になる可能性はありますか。
　また、ネメ姐さんの能力じゃ 10 年以上前にタイムスリップすることはできないかもしれないですしね～。

　さぁしかし、戦術的に見たらウラヌス一人を相手に陽動役二人が張りつけにされているこの状況。
　むしろワイズの陽動役ウラヌスに二人がひっかかっているとも取れるんじゃないでしょうか。
　エルモア軍団としては、これはちょっといい状態とは言えないように思えます。
　また、パイプラインから潜入しようとしているシャオとカブトですが、カブトが何かの臭いに気づいた模様。
　こちらも先行き不安であります。
　ここからどうバトルが展開されてゆくのでしょうか。
　ともかく、早く神経制御塔のジャックが成功すればよいのですが。

■ジャンプ本誌感想はこちら→前編、後編

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