■ジャンプ本誌感想はこちら→前編、後編
【コミック派ネタバレ注意!】
12巻、最高の表紙です!
【感想小タイトル】
■手をつないで
■今度は俺が助ける番だ
■……うん
■救出作戦
■手をつないで
いよいよ始まったノヴァ特訓。
精神と肉体を同調させるため、ノヴァの激痛と戦うアゲハと雨宮さん。
しかしさすがはアゲハ。
指先から始まった同調のオーラが、もう腕から肩、頭のほうにまで広がってきています。
異常なほどの成長スピードって感じですが、これはアゲハの才能ってやつなんでしょうか。
それとも、朱鳥さんから受け取った同調の波動みたいなものが、やはり子供のアゲハには相性がいいってことなんでしょうかね。
一方の雨宮さんは苦戦中。
ノヴァの感覚に慣れるほうを優先し、指先のノヴァを拡げるのは後にしましょうと朱鳥さんからの助言。
苦しそうな雨宮さんの表情が痛い。
この表情は、苦痛からのものではなく、このままではアゲハの役に立てないという焦り、苦しさからのものなんでしょうね。
その雨宮さんに、さしのべられるアゲハの手。
「手をつないで
俺と感覚を共有しよう
大丈夫 俺に出来たんだ
雨宮に出来ないわけがない」
いいおるぜアゲハ! さらりと!
いつもながらだけど、ドキンとさせるようなことをさらりと言ってのける!
雨宮さん、顔が赤いですよ(笑)。
これには朱鳥さんもさすがにやってられないと思ったか、「アツアツじゃないですか」 の決め台詞を残してふて寝。
しかしこのパパの不在が、さらなるアツアツ名場面を呼ぼうとは!!
■今度は俺が助ける番だ
いつも助けてもらってばかりと礼を言う雨宮さんに、とつとつと、これまでの自分を語るアゲハ。
小学校の頃、母親を失い、ボロボロだった自分を支えてくれたのは、雨宮だった。
最初に支えたくれたのは、雨宮のほうだったんだぜと。
そして、
「思えば その時から雨宮のことが好きだったのに
どうして いつのまにか忘れてたんだろう…俺」
……
……なんとっ!!!!!?
いま何と申されたかっ!!!!?
突然の言葉に時が止まる。
時が引き伸ばされたこの空間は、このふたりだけの時間の比喩のためだったか。
雨宮さん、汗ダラダラ。
すっかり、おめめグルグル状態。
ああもうっ、カワイイなぁ!
そして今語られる、これまでのアゲハの偽りない気持ち。
残酷なサイレンのゲームに巻き込まれ、ボロボロになって変わり果てていた雨宮さんを見つけてから、アゲハのなかに生まれた想い。
この人を守りたい、大好きだという、炎のように熱い覚悟。
あふれ出しそうで、だけどずっと胸の中にしまってきたこの感情。
そう、この想いこそが、私をずっと PSYREN という作品に引き付けてやまない、最大の魅力でありました。
そしてこれからも、きっとそうでしょう。
「それでやっと思い出せたんだ
自分の気持ち
雨宮が好きだ 今も
だから今度は
俺が護るよ雨宮
ボロボロになったお前を
今度は俺が助ける番だ」
ああ、ついにそれが語られましたか。
素晴らしい!
今まで語ることをしなかった、主人公が主人公であることの理由が、自身の口から初めて語られましたよ。
それも、熱く語るのではなく、ごくごくサラリと。
それが逆に胸を熱くします。
気負いとかはまったくなく、テレすらもなく、これはごく普通のことなんだぜって感じに言ってくれたのが逆に感動を呼び起こします。
アゲハ、よく言った!!
■……うん
1巻で、アゲハの心に起きた劇的な何か。
「教えてあーげないっ」
という雨宮さんは、今もまざまざと目に浮かぶ名場面ですが、あの時、雨宮さんは誰も自分の言う事を信じてくれない、それでどんどん人が死んでいってしまう、それは自分のせいではないと言いながら、その実、ずっと自分を責め続けていたのでした。
そうやって、今にも壊れてしまいそうなボロボロの雨宮さんを見て、
(……頭の中で …何かが弾けた)
と、アゲハは奮い立った。
アゲハは、ここで初めてこの物語の主人公となったと、私は受け取っています。
この、雨宮をこんなにしたヤツを、俺は絶対に許さない!
何が何でも、雨宮を護る!
今も、思い出すだけで胸が震える最高の場面です。
アゲハの戦いは、そこで始まった。
すなわち今回のアゲハの言葉こそ、アゲハの全てが集約されていると思うのです。
雨宮を護る。
そのためだけにこそ、アゲハは怒り、悲しみ、自らの身が砕けることもいとわず、ただガムシャラに突っ走ってきたのだと。
そして、その言葉を受けた雨宮さんの胸に去来する、これまでの孤独な戦いの日々。
ただただ、むごいとしか、言いようがない。
これはあまりにも、見ていて辛い。
ボロキレのように疲れ果て、公衆電話の前にへたり込む雨宮さん。
洗面台を血に染めて、その前にたたずむ、全身包帯だらけの少女。
酷いでしょう。これはあまりにも酷いでしょう。
荒野をただ一人さ迷い、クラスでも一人ぼっち。
誰も助けてくれる者はいない。
本来優しい心を持った少女には、あまりにも過酷な運命です。
その孤独の闇にさす、アゲハの言葉の輝き。
ボロボロと泣き崩れる雨宮さん。
これはもう、もらい泣きするしかないじゃないですか!
よかったなぁ、雨宮さん。
アゲハが隣にいてくれて、本当によかった。
こうやって手をつないでくれる人がいる。
好きだと言ってくれる人がいる。
一緒に戦ってくれて、護ってくれる人がいる。
もう孤独なんかじゃない。
それがなにより嬉しいですよ。
告白して思いの通じたアゲハより、雨宮さんが救われた事が嬉しくてしょうがない。
少年漫画なんだから、普通はこういうとき、少年のほうに感情移入するんでしょうけどね。
いろんな少年漫画の告白シーンを見てきましたが、こうやって、女の子側にすっかり感情移入して、その救済を心から嬉しく思ったのは初めてです。
いや、アゲハの覚悟も見事だし、大好きなんですが、だからこそ、そのアゲハをカッコイイって思っちゃって、それゆえさらに雨宮さんに感情移入していっちゃうのかな。
とにかく、本当に心から嬉しい。
くそ、なんかもう、こうやって書いてても目が滲んできます。
雨宮さん、よかったね。
もう、つらいこと、悲しいことを心の闇のアビスに投げ込むことなんてない。
もう、そういうことはアゲハと分け合って、乗り越えてゆくことができるんですよ。
もう無理することなんてない。
これからは二人で、頑張って生きていくんだよ。
つなぎあう手と手、寄り添い合う二人に、本当に胸が熱くなります。
いやあもう、ほんと、サイレンを読んでてよかった。
こんなに素晴らしい場面にめぐり合えるとは。
そしてこの二人の旅が、ここまで到達することができた。
この到達点は、サイレンという物語におけるある意味最大の目的地でもあったでしょう。
ようやっと、思いは一つに。
とにかく、よかったね、雨宮さん。
心から祝福します。
そしてアゲハ、頑張れよ。
その手を離すなよ。
ああもう! 感動したッ!!!!!
■救出作戦
さて、恋人達の最高のラブラブ展開はこっちにおいといて、ついに突入の時間。
って、アゲハ雨宮組は遅れるんですか!
いや、それは逆に吉兆か…。
考えてみれば、超パワーアップの流れですよね〜。
主役不在によって、それぞれの仲間達も自然活躍場面が増えて美味しくなりますし、当然かれらがピンチに陥り、「悟空〜〜! 早く来てくれ〜〜!」 な展開も期待されちゃいます。
黄金パターンは面白いからこそ黄金パターンなのであります。
ま、そこに何らかのヒネリも期待しちゃいますけどね(笑)。
って、なにげにヒリューくんが率先して荷物持ちなところに噴いてしまいましたが、いや〜、自然だわ〜。
ものすごい自然体で持ってるから思わずスルーしそうでした(笑)。
夜雨は二人だけの空間でイチャイチャやって大成長とげてるのに、ヒリューくんは荷物持ちか……。
なんか、凄い格差社会ができあがってきちゃいましたね〜。
あまりにも切ないので、神様どうかヒリューにも、なにか成長フラグを!
作戦配置は、ヒリュー・タツオ・クサカベチームが大岳山頂上の神経制御塔へ。
フレデリカとカイルは、陽動組として、地上で首都を攻撃。
シャオとカブトが、潜入組として首都内部に。
ランとヴァンが、神奈川県相模湖プレジャーワールドにて待機し、転送やキュア、連絡のサポートにまわると。
ふむ、陽動に派手好きな二人がまわっているあたりが適材適所ですね(笑)。
日の光が降り注ぐ中、パイロクイーンの炎が当たり一面を火の海とし、カイルが好き放題暴れる場面が目に見えるようです。
あ、でもあんまり火の海にしちゃっても人質が危険か。
しかし、カブトも言うようになりましたね〜。
「大丈夫
多分あんた達の中で一番大丈夫」
って。
頼もしいこと。
フレデリカが 「ほっほー」 なんて茶化しながらもちょっと頼もしく見ているような感じなのもいいじゃないですか。
いけいけ、こっちもカップル化。どんどんやれ(笑)。
さぁ、さっそく開戦!
サイレンはこういうときホントに展開が速い。
ついこの間ルート防衛戦が終わったと思ったら、もう首都決戦開始ですからね。
読んでてほんとテンション落ちません。
さて、いきなりブチかまそうとするパイロクイーン・サラマンドラですが、その前に、第三星将ウラヌスの姿が!
おー、炎対氷ですか!
これは対照的なパワーの面白い勝負になりそうです!
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■PSYREN‐サイレン‐の謎
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その08 「灰化する死」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その07 「薄明るいサイレン世界の夜」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その06 「タツオの放浪期間」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その05 「現在と未来の同調性」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その03 「ニセ刑事の正体」
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・PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 【序文】
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この想いこそが、私をずっと PSYREN という作品に引き付けてやまない、最大の魅力でありました。>言葉にならない感動を言葉に出来てしまうBOSS様は凄いです。
もう、本当に!その通りですっ!!
あの瞬間からようやく辿り着いたんですね…126話分の感動に溺れております。
アゲハ…かっこいいですね。
今まで見てきたどんな男性よりも素敵だなって思っちゃいました。
良いなぁー凄いなー…(茫然自失)
もうマリーとヒリューくんは付き合っちゃえばいいじゃない!、とすら思ってしまいました(苦笑)
とりあえずマリーはお友達になりたいとか言っているヴィーゴさんをボコボコにしていいと思うな!!!!!
来週はウラヌスがどれ程の力を秘めているのかが分りそうで楽しみです。
何せウラヌスはちゃっかりシャイナを差し置いて第三星将にまで登りつめる程の実力者。来週のバトルは面白くなりそうだ
おー、ありがとうございます^^
感動の言語化って本当に難しいですよね〜。毎回痛感しています。
なんとか言語化しても、腹の中でグルグルしてるものの一割も出てないんですよね〜。
>126話分の感動
まさに! ですね!
あまりの至福感に私も陶酔しまくりでした(笑)。
>アロニロさん
ああ、たしかにマリーが可哀想かも!
いない間に決着なんて、不戦敗もいいとこですもんね!
まぁでもマリーとしては後発だということは覚悟の上での勝負ですからね〜。このくらいのことは予想の範疇かもしれませぬ。
こっからマリーの本当の勝負が始まる!
……ってことはさすがにないですかね(笑)。