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【コミック派ネタバレ注意!】
【感想小タイトル】
■どのツラ下げて!
■墓標
■確認せい!!
■仲間がいるよ!!
■どのツラ下げて!
フーシャ村に帰ってきたガープにダダン、開口一番
「どの面下げて帰って来やがったァ〜〜!!!」
ダダンの怒りが、悲しみが爆発!
いやもう、この一撃にはどうしても感情移入してしまいます。
ガープもどうしようもなかったし、彼自身が身も張り裂けんばかりに辛かったのは百も承知ですが、それでもこのダダンの怒りには同調しないわけにはいきません。
回想での、最後のあの別れのシーンが強烈に効いています。
なんだかんだ憎まれ口を叩きながらも、ダダンは本当のわが子のようにエースやルフィを愛していたのでしょう。
涙を浮かべ、ガープを滅多打ちにするダダンの迸るような悲しみに、胸が締め付けられるようです。
そしてまた、仲裁に入るマキノさんの女性らしい切なく優しい涙。
こちらにも胸を打たれないわけにはいきません。
空に響き渡る、ダダンの絶叫。
こんなに遠く離れても、今どれだけルフィが苦しんでるか、すべてダダンにはお見通しなんですね。
ああもう、今週は冒頭から目頭が暴走気味です。
■墓標
場面変わって新世界。
そこには、無数の花に囲まれて、白ひげとエースの墓標がまるで本当の親子のように並ぶ姿。
シャンクスの言葉がまた胸にしみます。
『いいかルフィ
勝利も敗北も知り
逃げ回って涙を流して男は一人前になる
泣いたっていいんだ……!!
乗り越えろ!!!』
まるで今の失意のどん底にあるルフィが見えているかのようじゃないですか。
シャンクスには分かるんですね〜。
エースの死がロジャー船長に重なり、もしかするとシャンクスは、自分の昔をルフィに投影していたのかもしれません。
だからこそ、ルフィの辛さもよくわかる。
そういうことなんじゃないでしょうかね〜。
負けて泣いて、初めて男は一人前になれる。
男の宿命ですが、しかしルフィほどに凄まじい敗北を喫するものも、そうはいますまい。
かつて、これほどに大きな挫折を味わった主人公が、ジャンプ史上にあったかって思ってしまいます。
海賊王になろうというほどの男だからなのでしょうか。
求め欲するモノが大きいほど、男は大きな挫折を味わう事になるということなのでしょうか。
しかし、こうやって世界のあちこちでルフィのことを応援してくれる人たちがいる。心配してくれる人たちがいる。
なんていう、有難いことでしょう。
なんかもう、それだけで涙が出てきそうです。
■確認せい!!
荒れるルフィ。ジンベエさんに当たる。
あのルフィがこんなに人に当たってしまうとは、本当にルフィ、ダメになりかけているんだなぁと思わせてくれる場面でした。
それをドーンと受け止めてくれるジンベエさん。アンタほんといい人だ。
ちょっと長いですが、あまりにも素晴らしい名文なので、全文のっけてしまいます!
「もう何も見えんのかお前には!!
どんな壁も越えられると思うておった“自信”!!
疑う事もなかった己の“強さ”!!!
それらを無情に打ち砕く手も足も出ぬ敵の数々…!!!
この海での道標じゃった“兄”!!
無くしたものは多かろう」
「世界という巨大な壁を前に
次々と目の前を覆われておる!!!
それでは一向に前は見えん!!
後悔と自責の闇に飲み込まれておる!!」
「今は辛かろうがルフィ…!!
それらを押し殺せ!!
失った物ばかり数えるな!!! 無いものは無い!!!
確認せい!!
お前にはまだ 残っておるものは何じゃ!!!」
なんという熱いお言葉!
胸に響きまくりです!
無いものは無い。
どんなに大切でも、失ったものはもう帰らない。
信じていたものは打ち砕かれ、すべては闇。
だが、今は押し殺せと。
後悔しても、自分を責めても何にもならない。
では、お前にはあと何があるのだと。
何が残されておるのだと。
失った物のことではなく、まだ残されている己の最も大切なものの事を考えろと。
ああもうすげぇ……すげえよ師匠!
ジンベエ師匠! 今日からあんたのこと、師匠と呼ばせてくれ!!
この言葉、すべての挫折者へのエールじゃないですか!
男には、遅かれ早かれ挫折の日がやってくる。
そんな時はこの言葉を思い出しましょう。
「失った者ばかり数えるな!
確認せい! 残っておるものは何じゃ!」
■仲間がいるよ!!
指を折り、数え始めるルフィ……。
その目が潤み始め、やがて大粒の涙と鼻水を垂らしながら…
「仲 間 が い る゛よ !!!」
ドカーーーーーン!!!!!
ちくしょうキターーーーーッ!!!!!
バックに浮かぶ、仲間達の頼もしい顔、顔、顔…。
滂沱と涙を流し、ドーンとアップになるルフィの、迸るような泣き顔!
ああもう、ちくしょう! ちくしょう!!
ルフィの辛さが、寂しさが、切なさが!
そして同時に希望が! 光が!!
なんかもう、いろんな思いがぐっちゃぐちゃになって爆発いたします!
涙腺大爆発!!
これはもう、感動せずにはいられんです!!
ジンベエさんの胸に去来するのは、エースの遺言となった言葉。
『あいつにはもう…頼もしい仲間達がいた
何があっても大丈夫さ』
今、すべての思いが一つに。
各地で心配している人たちと、そして亡きエースの思いが、ひとつになってルフィを後押しする。
頑張れ、負けるな!
乗り越えろと!
そして、仲間達のもとへと!
やばい。これはもう涙腺がオーバーヒートッ。
ルフィの叫びが、空に響く。
「あいつらに゛会いてェよォオ!!!!」
ぬーんたまらん!
ルフィの心の叫びが、こっちまで乗り移ってきました。
ああもう、俺も会いてェ! 会いてェよォ!!
いや〜、仲間再会モードが、ここで来たかと!
それも、こう来たかと!
再会までずいぶんかかるなぁ〜とは思っていましたが、むしろこう来るためだったのかと。
猛烈に納得いたしました。
ルフィが全てを失い、挫折を味わい、仲間のかけがえのなさを再確認し、ふたたび出会い、これまで以上に強靭な絆で結ばれるための流れだったのかと。
そして、今のままではダメだと、おそらくルフィの“覇気習得”という本当の成長にも繋がってゆくのでしょう。
あいかわらず尾田先生、でっかいスパンで物語を描かれます。
まるで大海がうねるように、でっかいスケールで描かれてますね〜。
考えてみれば、この流れはあのフォクシー海賊団との戦いあたりから敷かれていたものなんじゃないでしょうか。
いや、それこそアラバスタ編から仕込まれている流れではあるのですが、直接の流れとしては、海賊団がバラバラになることや、ルフィの力の限界を描き始めたのはそのあたりからだったと思うのです。
そしてスリラーバーク編での、例示としてのブルックさんとゲッコー・モリアの二つの海賊団の全滅。
それらを経て、シャボンディ諸島では多数のルーキー登場し、ルフィがまだまだけっして特別な存在ではないことが示され、直後の一味崩壊。
これらのことは、新世界に乗り出す前、ルフィが経験しなければならない最大の試練であり、乗り越えなければいけない障壁だろうとは思っていたのですが。
なるほど、こういうことだったのか〜と。
今はじめてその全貌が明かされたように思います。
世界がとにかくでっかいものであるということの再確認。
そして何より、自分ひとりではどうしようもないこと、仲間達が本当にかけがえのないものであるという事の、再確認。
その仲間達を守るためには、自分がまだまだ弱いことを知り、そしてもっともっと強くならなければいけないという事の、再確認。
そういった再確認の長い旅。
これにより、ルフィは、そしてもちろん仲間達は、ひと回りもふた回りも大きくなるのでしょう。
これまでよりも、強い絆をもって、二度と離れたりしない本当の仲間となるのでしょう。
またバトル的にも大きく成長するでしょう。
精神面、肉体面、どちらの面でも見違えるほどに成長し、それで初めて新世界へ乗り出して行くことができるのでしょう。
ついに時が満ちた!
そういう強烈な感慨が押し寄せてきました。
ここまでの流れは、この時のためのものだった。
「仲 間 が い る゛よ !!!」
と、ルフィに叫ばせるための。
すべてこの見開きページに繋がるための。
そしてこう来たからには、次はもう、お待ち兼ねの再会モード開始となるのでありましょう!
いや、そうなったからってすぐには会えないのは覚悟の上ですが、ついにそちら方面にストーリーが動き出したのかと。
もー、嬉しさが止まりません!
これまでの長く辛い戦いがようやく終わり、明るい仲間達のもとへと!
こんなに嬉しい事はない!
ルフィ、大切なものを思い出したからには、お前はもう大丈夫だ!
さぁ立ち上がれ!
そしてお前らしく、ふたたび突っ走れ!!
心からルフィとともに泣き、そして心からルフィを応援したくなる、なんという感動の一話でしょう。
何度読み返しても全編目頭が熱いです。
そして、このルフィのでっかい見開きで毎度爆発。
ああもう、なんという話を描くことか!
尾田先生! 一生ついていくぜ!!
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私は、そのような大きな器ではございません。そして、そんな人とは縁もゆかりもござりませぬ。
尾田先生の演出は神懸かっていますね。
個人的に、ダダンの涙が顔に落ちたときの
ガープの表情がきました。
力強い言葉を直接に語らせても、
表情や雰囲気だけで描かれていても、
読者の心を強く揺さぶる。
なかなかそんなコトができる作家はいない気がします。
比喩的な絵にして描いてるところが
印象深いというか珍しいなと思いましたね
尾田先生はルフィの心情を筆頭にキャラの心中描写や比喩表現を
意図的に避けてるって思えるところが今まであったので意外でした
忌避していた”登場人物の死”も描き
本編とリンクしている
映画ストロングワールドでも
ルフィの17歳最後の冒険と銘うち
「少年時代の終焉」に物語は向かってるんでしょうか
ぬおーゴメンナサイ。これはなにかの詩の引用でありましょうか?
ちょっとよくわかりませんでしたが、なんとなく自制的な言葉ですね〜。己の限界を知るというか。
でもルフィはそういう自制みたいなのをブチ破ってくれると信じてますぜぃ。
>魚虎さん
王道のわかりやすい少年漫画でありながら、なんて豊かな文学的表現もやってのけるんだろうなぁ〜と、ほんと感心といか、降参!って気分にさせてくれます。
素晴らしい漫画ですよ。
>フーマッハさん
そうそう、それ私も感想で書こうと思ってて忘れてました。
珍しいですよね、あの道を塞ぐ壁の表現。
ジンベエさんの説教がちょっと観念的な部分が大きいので、それを子供たちにも分かりやすくしようと工夫してのことだとは思うのですが、これまではきっと意図的にそういうのは避けていたんだと思うんですよね。
やりたいことのためにはタブーも破る。
そういう姿勢なのかもですね〜。
そして、いよいよ「17歳最後の冒険」という言葉の謎が解き明かされそうですね〜。
18歳で初めて大人とみなされるということは、少年時代との決別、という意味なんでしょうね〜。
いったいそれはどういう決別となるのか。
大人となったルフィは、いったいどういうルフィになるのか。
いろいろ期待は膨らみます。